搭乗手続き

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搭乗手続き(ムンバイ国際空港
エアリンガスの自動チェックイン機(ダブリン空港
市内にあるチェックインカウンター(九龍駅 (香港)

搭乗手続き(とうじょうてつづき)とは、航空機の搭乗券を受け取るための手続きである。チェックインとも呼ばれる。

概要[編集]

航空機に搭乗するには、航空券の購入に加えて搭乗券の受取が必要である。これを行うのが搭乗手続きであり、原則として出発当日に空港の各航空会社のチェックインカウンターで行う。手続きの内容は主に以下のとおりである。

  • 航空券の有無の確認 - すでに購入してある航空券を提示する。近年はほとんどの航空会社が紙の航空券を廃止し、電子航空券(eチケット)に切り替えている。このため、予約時の電子メール(eチケット控え)、パスポート、購入時に使用したクレジットカードなどを提示するケースがほとんどである。
  • 本人確認 - 国際線ではパスポートで行われるが、国内線では運転免許証ののような公的身身分証明または省略する国もある(出発口で確認する場合もある)。
  • 最終到着国の入国資格確認 - 国際線では、もし最終到着国で入国資格の欠如により入国を拒否されると、原則入国便の航空会社の費用で出発国に送還しなければならないので、航空会社がビザの有無などを確認する。
  • 手荷物の確認 - 受託手荷物があればここで預ける。ここで手荷物の重量や大きさが既定を超えていると追加料金を請求されることもある。
  • 座席を使用しない幼児の有無の確認 - 該当者には専用の座席が用意される。
  • 乗客の状況確認 - ベビーカーや車椅子が必要な乗客、身体などに障害のある乗客への支援など。
  • 座席の確定 - 予約時に座席を指定できる航空会社が増えているが、最終確定するのはこのときである。予約時の座席をここで変更することもできる。なお、一部格安航空会社では自由席の便もある。
  • マイレージの手続き - マイレージカードを提示することでマイルを加算できる。搭乗する便とは異なる航空会社のマイレージカードを提示し、そちらにマイルを加算することもできる。(提携航空会社であることが前提である。)
  • 搭乗券の発行 - 発行された搭乗券を受け取る。搭乗口、搭乗時刻、座席などが印刷されている。以降、保安検査、出国審査(国際線)、搭乗口などで提示しなければならない。

乗継便がある場合は、そちらの座席確定と搭乗券発行も合わせて行われるので、乗継地であらためて搭乗手続きをする必要はない。受託手荷物も最終目的地まで運ばれるように手配される。

搭乗手続きが完了すれば、次の手続き(通常は保安検査)に進むことができる。

手続きの時間[編集]

開始時刻は空港や航空会社によって異なり、おおむね出発の3時間前から2時間前に開始される。締め切り時刻は、国際線ではおおむね出発の約1時間前に締め切る会社が多い。なお、日本の国内線の締め切り時刻は出発45分前~約20分前と、各社異なる。

自動チェックイン機[編集]

Peach Aviationの自動チェックイン機

近年、搭乗手続きを無人で行う「自動チェックイン機」を設置する航空会社が増えている。コンビニエンスストアの端末によく似ており、チェックインカウンターに隣接して置かれている。パスポート(国際線)、クレジットカード(国内線)、マイレージカードなどを機械が読み取り、座席をディスプレイ上で指定すれば搭乗券が発行される。これにより、受託手荷物が無ければカウンターに並ぶ必要がなくなる。

自動チェックイン機は航空会社が設置するものであるため(仁川空港や羽田空港など空港会社が設置する場合もある)、搭乗する便の航空会社がその空港に設置していなければ利用できない。通常、自国の主な空港のほか、便のある海外の空港にも設置していることが多い。

なお、格安航空会社では、手続きを全て自動チェックイン機で行っていたり、有人カウンターでのチェックインを有料にしている場合がある。

オンラインチェックイン[編集]

航空会社のウェブサイトで搭乗手続きができるサービスであり、航空会社にもよるが搭乗の24時間前-72時間前から搭乗手続きが可能である。ウェブサイト上で搭乗券(またはその引き換え券)が発行され、それを印刷して出発当日に持ってゆけばよい。

なお、その印刷物をチェックインカウンターに提示して本物の搭乗券に引き換えなければならない場合と、そのまま印刷物が搭乗券として通用する場合とがある。さらに同じ航空会社でも空港によって対応が異なることがあるので注意が必要である[1]

搭乗券の電子化[編集]

航空券の電子化に続き、搭乗券の電子化(ペーパーレス化)も進められている。「モバイル搭乗券」と呼ばれることが多く、2006年頃から世界的に増加しつつある。海外では主に携帯電話の画面が、日本では主にFeliCaが搭乗券の代わりになる。事前にオンラインチェックインを済ませ、空港に着いたらそれらを保安検査場や搭乗口の読み取り機にかざすだけで搭乗でき、搭乗手続きが省略できる(国際線の出国手続きは当然必要である)。受託手荷物についても専用のカウンターが用意されている場合が多い。

KLMオランダ航空[2]エールフランス[3]ルフトハンザドイツ航空[4]オーストリア航空[5]スカンジナビア航空[6]では、携帯電話やPDAで搭乗できるサービスを行っている。それらのモバイル機器でオンラインチェックインをすると、2次元バーコード付きの電子メールが航空会社から送られてくる。このメールがそのまま搭乗券となる。搭乗の際は、搭乗口の読み取り機にメール画面をかざせばよい。すべての空港で利用できるわけではないが、国際線にも対応しているのが大きな特徴である。

アメリカン航空[7]でも一部の空港で上記ヨーロッパ諸国と同様のサービスを開始している。こちらは国内線限定である。

ニュージーランド航空では、ISO/IEC 14443規格の親指大の非接触ICカード("ePass")[8]と、携帯電話等に送られてくる2次元バーコード付電子メール("mPass")[9]の二種類が利用可能である。いずれも国内線限定である。

日本では、JALが「QuiC(JAL ICサービス)」(国際線は2010年10月21日から)、ANAが「SKiPサービス」(国内線)、「CLICK mobile check-in」(国際線、2010年10月21日から)を実施している。出発当日、マイレージカード(おサイフケータイ含む)、またはQRコード(Eチケット用紙または携帯電話等の画面)を持ってゆけばよい。

空港外のチェックインカウンター[編集]

空港に行く前にあらかじめ市内などで搭乗手続きを済ませることができるサービスが、主に中華圏で広がりつつある。重い荷物を持って空港まで行く必要がなくなるほか、空港のチェックインカウンターの混雑に巻き込まれないメリットもある。

テロ対策[編集]

アメリカは、アメリカ同時多発テロ事件デルタ航空機爆破テロ未遂事件を契機に搭乗者のチェックが厳重になる傾向にある、2010年現在ではテロ情報と搭乗者リストの照合、爆発物検知体制の充実、最新の画像処理技術(ミリ波パッシブ撮像装置等)による監視などが行われている[17]

参照[編集]

  1. ^ オンライン・チェックイン エミレーツ航空
  2. ^ 携帯電話からのチェックインKLM Royal Dutch Airlines
  3. ^ エールフランスのモバイルチェックインエールフランス
  4. ^ モバイル搭乗券 - 多くの路線でご利用いただけます。ルフトハンザ
  5. ^ モバイル搭乗券オーストリア航空
  6. ^ SASモバイル搭乗券スカンジナビア航空
  7. ^ アメリカン航空、米国内線でのモバイル搭乗サービスを拡大アメリカン航空 2009年6月8日
  8. ^ ePassAir New Zealand Limited
  9. ^ mPassAir New Zealand Limited
  10. ^ 高鉄桃園駅で搭乗手続きが可能に台北ナビ 2009-11-30
  11. ^ 台湾高速鉄道駅でのチェックインサービスエバー航空 2010年3月1日
  12. ^ キャセイパシフィック航空が、深セン市内でのチェックインサービスを開始。香港ナビ 2009-06-04
  13. ^ 市内14カ所に自動チェックイン機=空港の混雑緩和狙う-大連周水子国際空港神戸港上海事務所 2010-03-16
  14. ^ 韓国都心空港
  15. ^ ソウル駅都心空港ターミナル
  16. ^ クアラルンプールシティエアターミナル
  17. ^ 米、到着便の搭乗客の検査体制を強化 リアルタイムの情報も活用(AFP.BB.News 2010年4月3日)2012年2月18日閲覧

関連項目[編集]