天空の城ラピュタ
天空の城ラピュタ | |
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LAPUTA: Castle in the Sky | |
監督 | 宮崎駿 |
脚本 | 宮崎駿 |
原作 | 宮崎駿 |
製作 | 高畑勲 |
製作総指揮 | 徳間康快 |
出演者 |
田中真弓 横沢啓子 寺田農 初井言榮 常田富士男 永井一郎 神山卓三 安原義人 亀山助清 槐柳二 糸博 鷲尾真知子 TARAKO |
音楽 | 久石譲 |
主題歌 | 井上あずみ「君をのせて」 |
撮影 |
高橋宏固 白神孝始 |
編集 | 瀬山武司 |
制作会社 | スタジオジブリ |
製作会社 | 徳間書店 |
配給 |
東映洋画 ストリームライン ブエナ・ビスタ(フランス) Bir Film RUSCICO bf Distribution Cinema Mondo Lucky Red スタジオカナル UK ファゾム・イベンツ/GKIDS Arthaus |
公開 |
1986年8月2日 1987年6月26日 1989年3月24日 1992年 2003年1月15日 2007年7月6日 2008年2月28日 2008年10月31日 2009年3月6日 2012年4月25日 2016年5月6日 2017年8月27日 2019年6月28日 |
上映時間 | 124分[1] |
製作国 | 日本 |
興行収入 | 約11.6億円 |
配給収入 | 5億8300万円 |
『天空の城ラピュタ』(てんくうのしろラピュタ)は、スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画作品。スタジオジブリ初制作作品。監督は宮崎駿。
上映データ
公開日 上映時間 |
1986年(昭和61年) | 8月2日 | 日本 | 124分04秒22コマ |
サイズ | カラー | ワイド[要曖昧さ回避] | ||
音声フォーマット | ドルビーステレオ(4chサラウンド) | |||
上映スクリーン数 | 東映洋画系103館[2]。 | |||
制作期間 | 1985年6月15日 | 1986年7月23日 | ||
作画枚数 | 6万9262枚 | |||
使用色数 | 381色 | |||
キャッチコピー | 「ある日、少女が空から降ってきた…」 | |||
同時上映 | 「名探偵ホームズ」「ミセス・ハドソン人質事件」「ドーバー海峡の大空中戦!」 |
概要
監督である宮崎の小学校時代に考えていた架空の作品が骨子となっており、原作となる作品が存在しない初のアニメオリジナルの監督作品である[3]。製作は徳間書店。高畑勲の映画『柳川堀割物語』の製作遅延により資金調達に追われた宮崎が、徳間書店の鈴木敏夫に相談したことから企画が立ち上げられ、この映画をきっかけに設立されたスタジオジブリ制作映画の1作品目となった。
次第に高年齢向けになっていくアニメに対して、マンガ映画の復活を目標に小学生を対象に古典的な冒険活劇として企画され、それが結果的に大人の鑑賞に耐えうる作品になるというのが宮崎の方針であった[4]。音楽は冒険活劇ということから宇崎竜童に決定していたが、プロデューサーの高畑勲の再考により[5][6]、『風の谷のナウシカ』の久石譲が続投し、アイルランドやスコットランドの民謡をベースにしたフルオーケストラによる音楽を手掛けた[7][8]。
興行こそ数字的には振るわなかったものの(後述)、配給した東映による観客満足度調査は97.7%と非常に高く[9]、物語は幅広い年齢層に支持され、ビデオソフト化による販売は好調であった。2020年に行われた「一番好きな宮崎駿監督作品」の人気ランキングにおいても、3位の『ルパン三世 カリオストロの城』、2位の『風の谷のナウシカ』を押さえて、圧倒的得票数により1位となっている[10]。
「ラピュタ」という名称は、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国(en:Laputa)」からとったもの。劇中に空飛ぶ島の物語を空想した人物としてスウィフトの名前も出てくるが、名前の借用以外は『ガリヴァー旅行記』との関連はない。19世紀後半、産業革命期のヨーロッパを元にした架空世界での冒険を描く。
なお、スタジオジブリ作品は本編開始前に同社のマスコットキャラクターであるトトロの横顔が描かれたブルースクリーン[11]が登場するが、本作はトトロが登場する作品『となりのトトロ』以前に公開された作品であるため、オリジナル映像にはトトロの横顔が描かれたブルースクリーンは存在しない。ただし、販売用に編集されたVHSビデオ・DVD・BD版およびテレビ放送時にはトトロのブルースクリーンが登場する。これはジブリ作品ではない『風の谷のナウシカ』も同様である[12]。
あらすじ
少女シータは、政府の特務機関に捕らえられ飛行船に乗せられていた。彼らの狙いはシータが亡き母から受け継いだ、謎の青い石のペンダントだった。そこへその石を同じく狙う空中海賊ドーラ一家の襲撃があり、逃げようとしたシータは誤って飛行船から転落してしまう。シータは石が放つ不思議な光に包まれて気を失いながらゆっくりと落ちて行き、鉱山で働く少年パズーに助けられる。
パズーはシータが追われていることを知り、彼女を守って共に逃げる。ドーラ一家に追われた二人は谷の廃坑に落ちるが、石の力によって再び救われる。石に詳しい老人ポムによれば、それは昔ラピュタで作られた飛行石だという。ラピュタは空に浮かぶという伝説の城だが、今は亡きパズーの父は生涯で一度だけラピュタをその目で目撃しており、詐欺師扱いされた父の汚名を晴らすべくラピュタへ行くことがパズーの夢だった。地上に戻った後、実在を確信してラピュタ探索への意欲を燃やすパズーに、シータは愁いを帯びた表情で古くから伝えられてきたという秘密の名前を打ち明け、その名前の中に「ラピュタ」という単語が含まれていることにパズーは驚く。
その直後、二人は特務機関に捕まり、軍の要塞へと連行される。そこでシータは特務機関を指揮するムスカ大佐から、以前ラピュタから落ちてきた壊れたロボット兵を見せられる。ラピュタは遠い昔に滅びたが、かつて高度な科学力で天空から世界を支配した強大な帝国であり、今も空のどこかに浮いているという。飛行石はラピュタの王族が、いつかラピュタに帰る日のために代々受け継いできた物だった。ムスカはシータの受け継いだ秘密の名がラピュタ王家の血族であることを示すものであり、彼女こそがラピュタ王の末裔にして正当なる王位継承者だと指摘する。ムスカは紳士的な態度を装い「ラピュタが存在することが平和の脅威になりうる」というまっとうな理由を語りつつ、パズーの命を盾として突きつけて脅迫的に協力を迫り、シータはパズーの身を案じてやむなくそれを受け入れる。
牢屋から解放されたパズーと再会したシータはラピュタの探索をあきらめるようにパズーに告げ、失意と共に要塞を去っていくパズーを涙とともに見送った。その夜、愁然としていたシータは昔、亡き祖母に教わった"困った時のおまじない"を何げなく唱える。彼女は知らなかったが、それはラピュタの封印を解く言葉だった。その言葉によりロボット兵が突如目覚めて暴れ出し、飛行石は空に光を放ってラピュタの位置を指し示す。
一方、解放されたパズーは自宅に戻るも不在の間に入り込んでいたドーラ一家に捕まってしまう。シータに裏切られたと思い込みふさぎ込んでいたパズーは、ドーラの叱咤を受けて自分を突き放すような態度を取ったシータの真意に気づき、飛行石を奪うために要塞へ向かうドーラたちに自分も連れて行くように懇願する。ドーラも、その方がシータが言うことを聞くかもしれないと考えて同行を許し、ロボット兵の暴走によって混乱する要塞から協力してシータを救い出す。しかし、飛行石はムスカの手に渡り、彼はロボット兵を破壊した軍と共に先んじてラピュタに出発する。パズーとシータもドーラの飛行船に乗せてもらい、後を追う形でラピュタへと向かう。
だが、ドーラの飛行船は軍に発見され雲間に逃れるも、再び発見され執拗な攻撃を受ける。巨大な低気圧の中心「竜の巣」が迫る中、ドーラの命令で見張り台を切り離して偵察用のグライダーとして使用していたパズーとシータだったが、軍の攻撃により繋いでいたワイヤーが断ち切られ、飛行船とはぐれて「竜の巣」に飲み込まれてしまう。雷の嵐の中を彷徨うパズーは、目前に現れた青白い父の飛行船の幻影を目撃し、それに導かれるようにラピュタに辿り着く。目覚めた二人は園丁のロボット兵に城内を案内され、穏やかな庭園や水底に沈んだ町の風景を見て、恐怖の帝国と呼ばれたラピュタの平和的な一面を垣間見る。
その後、遠くから爆発音を聞いて外に出た二人は、城の下層で軍に捕まり縛り上げられたドーラ一家の姿を発見する。パズーは外壁をよじ登ってドーラを救うが、パズーを見つけたムスカの部下の銃撃から守ろうとしたシータがムスカに捕まってしまう。ムスカはシータを捕らえたままラピュタの中枢部に入る。ムスカの本当の狙いとは、ラピュタの力を手に入れて世界を支配することだった。ムスカはシータに自分もラピュタ王の末裔だと明かし、飛行石で城の力を操って軍の兵隊を皆殺しにする。
ムスカの非道な仕打ちに怒り心頭に発したシータはムスカから飛行石を奪って逃げ、助けに来たパズーと共に、昔教わった滅びの言葉「バルス」を唱える。すると飛行石が強力な光を発して城は崩壊し、ムスカは瓦礫と共に海へ落ちる。パズーとシータはグライダーで城から離れ、フラップターで脱出していたドーラ一家と空で再会して喜び合う。ラピュタを浮遊させていた巨大な飛行石の結晶は、ラピュタ全体を覆っていた大樹の根に囲まれて、城の上層部とともに更に高空へと飛び去っていった。そして二人はドーラ一家と別れ、帰途に着くのだった。
登場人物
※声の記述は、日本版/ディズニー英語版の順で表記
主要人物
- パズー(Pazu)
- 声 - 田中真弓/ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
- 本作の主人公。スラッグ渓谷の鉱山で働く見習い機械工で、明るく元気いっぱいで正義感と行動力あふれる10代前半の少年[注 1]。天涯孤独で、両親の残した家で一人暮らしをしている。
- ラピュタの発見に関して詐欺師の汚名を着せられたまま死んだ父のため、自作のオーニソプター(はばたき飛行機)でラピュタの実在を証明することを夢見る。
- シータと出会ったことで、飛行石とラピュタを巡る冒険の旅へと出る。体は頑丈で、親方のゲンコツよりも硬い石頭だと自称する。実際、ムスカの部下に殴られ気絶した際にもムスカから「彼の石頭は私のものより頑丈だったよ」と(自分を酒瓶で殴ったシータへの皮肉も込めて)言わしめている。
- 飛行するフラップターの上から、数百メートルは離れている塔の上に居るシータに一瞬で気付くほど目も良い。
- 日の出と共にトランペットで『ハトと少年(スラッグ渓谷の朝)』を演奏し、飼っている鳩に餌をやるのが日課だが、ドーラ一家に迎え入れられた際に世話が出来なくなった為、その鳩達を全て逃がしている。
- ドーラ一家と仲間になった際に、父の形見のゴーグルを着けて出発したが、そのゴーグルはムスカの放ったリボルバーの弾丸により失われた。タイガーモス号ではモトロ(後述)の機関助手として働き、機関室でレバーを引くほか、垂直尾翼の点検をしている。
- 小説版のラストでは、ラピュタでの一件の後スラッグ渓谷へ帰り、シータとは別々に暮らしているが、文通をして交流を続けている。この手紙の文中では、オーニソプターがもうすぐ完成すること、完成したらゴンドアまで飛んでいくことなどが綴られている。また、ラピュタに行った事については誰にも語らなかったことが明らかになっている。本編では描かれなかったが、後に発売された『スタジオジブリ作品関連資料集〈1〉』には、完成したオーニソプターを操縦し、花束を持ってシータのもとへやって来たパズーの姿が描かれている。
- シータ / リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ(Sheeta / Princess Lusheeta Toel Ur Laputa)
- 声 - 横沢啓子[13]/アンナ・パキン
- 本作のヒロイン。パズー同様、天涯孤独の身であり、両親や祖母の残した畑やヤクを飼って北方の山奥にあるゴンドアの谷で生活していた[注 2]。
- ラピュタを狙うムスカの特務機関に拉致され、飛行船で運ばれているところ、ドーラ一家の襲撃に遭い、逃げ出そうとして飛行船から転落、パズーに匿われることになる。
- 12歳[注 3][要出典][注 4]。
- 長い黒髪を二本の三つ編みおさげにし、先祖秘伝の飛行石のペンダントを首から提げている。
- かつて、天帝としてラピュタに君臨した王族の宗家たるトエル家の末裔で、継承名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」。ラピュタ語でウルは「王」、トエルは「真」を意味し、彼女が真のラピュタの王である事を意味している。
- 淑やかで心優しい少女だが、ムスカを背後からワイン瓶で殴り脱出しようとする、ドーラの制止を振り切りパズーと暴風荒ぶ見張り台に残る、終盤でのムスカとの対峙のシーン等、行動的かつ胆力に富んだ一面も持ち合わせている。山育ちで視力も良い。新しい環境への適応力も高く、タイガーモス号での暮らしにもすぐになじんでいる他、文明の利器に対してもすぐに順応できる[14]。
- 家事全般が得意。ドーラ一家の仲間になった後は、ドーラの息子や子分たちにアイドルのような扱いを受けており、台所に覗きに来られるほどであるが、年甲斐もなく子供っぽい彼らとも嫌がることなく打ち解けている。
- 名の由来は、宮崎自身が学生時代に書いた人形劇のヒロインであるシータ(ギリシャ文字のθ)から[15]。構想段階では、シータも海賊の娘であり、風の谷のナウシカ(ワイド漫画版)同様、シータの命によってロボット兵がラピュタを破壊するラストシーンにする予定であった。
- 小説版のラストでは、ラピュタでの一件の後ゴンドアの谷へ帰り、パズーとは別々に暮らしているが、文通をして交流を続けている。おさげ髪は本編終盤でムスカの銃撃により切断されてショートカットとなったが、エピローグでは本編から半年の月日が流れており、再びおさげを結べるほどに髪の毛が伸びている。
空中海賊「ドーラ一家」
- マ=ドーラ[注 5](Dola)
- 声 - 初井言榮/クロリス・リーチマン
- 空中海賊「ドーラ一家」の女首領にして、飛行船・タイガーモス号の船長。50代。頭脳明晰かつ決断力に富み、三人の息子や子分たち以上の健脚で「女は度胸だ」と豪語し自ら危険にも果敢に飛び込む胆力の持ち主。間が抜けている息子や子分達に嘆息し「バカ息子共」「バカ共」と怒鳴り散らして恐れさせる一方、失意のパズーを叱咤激励しつつ受け入れ、おさげを切られたシータを抱きしめていたわるなどの度量の深さや優しさも併せ持っている。また、伝声管でパズーとシータの会話を聞いていた際に、まんざらでもない笑みを浮かべたり「見かけよりいい人」というパズーの言葉に目を見開いて驚きの表情を見せたりもしている。
- タイガーモス号やオートモービル等様々な乗り物やランチャー等武器の扱いにも長けている。小説版では「面倒見が良く、赤子が産まれたアジト近くの家庭に石炭半年分を贈った」「今まで一度も捕まったことがないが、それは潤沢な資金を元手に各地にアジトと情報網を構築したため」という記述がある。また、ムスカと並ぶ暗号解読の天才でもあり、軍が飛行戦艦を誘導する無線暗号を「ANGO」というタイトルの本で瞬時に解読するほか、そろばんを「東洋の計算機」と称して素早く使いこなし、航法計算を行っている。
- 当初は高価と踏んだ飛行石のみを追い求めていたが、パズーの証言や政府の動きからラピュタ実在を確信し、軍に先んじてラピュタの財宝を手に入れることを目論む。飛行石を稼働させる鍵となるシータと、彼女を助けたパズーを追い回すが、シータを救い出さんとするパズーの決意と覚悟を認めてからは助力し、後に2人をタイガーモス号に仲間として受け入れ、2人をラピュタ発見の足掛かりとしつつ、良き理解者となる。
- パズーからは「おばさん」、シータからは「おば様」と呼ばれている。パズーに対して当初は「船長とお呼び」と言っていたが、後に訂正しなくなっている。
- 映画本編では、タイガーモス号の私室に掲げた若かりし頃の肖像画を見ることができる。亡き夫は天才科学者であり、タイガーモス号及びフラップターなどは夫の形見[16]。元々、亡夫は誘拐同然に連れて来られて空中海賊稼業に入ったという。
- 小説版では、ラストの別れの際にパズーへ「あたしの惚れた夫のように立派な男になるんだよ」[注 6]と、シータ共々再会を期する言葉をかけ、半年後には新たな飛行船で軍の給金を頂戴するなど、その後も一家で空を駆け巡って活動を続けている記述がある。
- 宮崎駿監督は、自作の中で一番思い入れの深いキャラクターにドーラを挙げている。
- キャラクターモデルは宮崎監督の母親とのこと。
- EDでは「ドーラ」とクレジットされている。
- シャルル(Charles)
- 声 - 神山卓三/マイケル・マクシェーン
- ドーラの長男で、30歳。豊かな口髭を蓄えた大男で、ダッフィーと盛んに力比べを繰り広げた。
- 胸筋を勢いよく膨らませてシャツの前を吹き飛ばすことができるなど筋骨隆々で腕力も兄弟中で一番強い。プディングが好き。
- ルイからは「兄貴」、アンリからは「兄ちゃん」と呼ばれている。
- ルイ(Louis)
- 声 - 安原義人/マンディ・パティンキン
- ドーラの次男で、25歳。ちょび髭を生やしている。ドーラ一家の中で真っ先にシータに惚れた。
- ミンス・ミートパイが大好物。
- パズーの小屋を詮索した際、乗組員のクから名前を呼ばれている。
- 口調はやや高圧的な部分もあるが、コミカルな言動や表情が多い。
- アンリ(Henri)
- 声 - 亀山助清/アンディ・ディック
- ドーラの三男で、20歳。主にタイガーモス号の操縦士を務めており、あまり表に出ない。
- 常に格好をつけているが、空中海賊の息子の割には少々気弱な性格。帽子を被っていると目が隠れる。
- 三兄弟の中で唯一髭が無く、頬にそばかすがある。シータに好物をリクエストする際、迷った挙句「なんでも食う!」と言った。
- 三兄弟の中では唯一、名前を呼ばれるシーンが無い。
- ハラ・モトロ(Motro)
- 声 - 槐柳二
- タイガーモス号のベテラン機関士。
- ドーラの父の代からいる最古参の部下[注 7]で、乗組員たちからは「じっちゃん」と呼ばれている。ドーラからは「クソジジイ」呼ばわりされる事もあるが、船内では唯一、対等に口がきける信頼の厚い旧友でもあり、正装で私室に呼ばれチェスを楽しむこともある。その言動からもラピュタやゴリアテなどの情報に精通しており、ドーラ同様に空中海賊稼業のベテランであることが示唆されている。
- パズーと引き合わされた際には「怒らせるとママより怖い」とルイから紹介されたが、もともと助手を欲しがっていた所に、積極的で飲み込みの早い[注 8]パズーが現れたことで、助手として可愛がる事になる[注 9]。機関士としてタイガーモス号にはとりわけ愛着が強く「可愛いボロ船」の喪失を悲しんでいた[注 10]。
- EDでは「老技師」とクレジットされている。
- カ、キ、ク、ケ、コ
- ドーラの部下たち。ポルトガル人のカ、エジプト人のキ、中国人のク、日本人のケ、セネガル人のコの5名。
- ドジョウ髭でルイより先に厨房でイモの皮むきをしており、最初にシチューのおかわりをしたのはコ、シャルルに似て髭もじゃで右頬に傷痕があるのがカ、髭が無く色黒で右目に眼帯を付けているのがキ、厨房ですりこ木を回しながらシャルルに文句を言うのがケ、パズーの家を捜した際に「ルイ、女の子の服だ」と叫んだ(厨房では壁を磨いている)のがクである。5人とも出身国以外の経歴等は不明だが、小説版では「素質を見込み世界中から集めた5人」という記述がある。
- カは台詞は全くないが、ルイ、ケ、コとタイガーモス号の船上で一杯飲んでいる際に顔が大きく描かれている。キはオートモービルの運転やタイガーモス号のブリッジで無線機を操作しているなど、機械類の扱いに長けているという描写がある。また、コは普段は口元を隠しているが、素顔が描かれているシーンがある[注 11]。
- アニメ版では名前及び出自は出てこなかったが、小説版にて名前が出る。
政府・軍の関係者
- ムスカ / ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(Muska / Romuska Palo Ur Laputa)
- 声 - 寺田農/マーク・ハミル
- 本作の悪役。政府から派遣された、特務機関(情報部)所属の諜報員(情報部員)であり、階級は大佐、年齢は28歳。視力が悪く、度の入ったサングラスをかけている[注 12]。中折れ式リボルバー拳銃を愛用している。
- 表向きこそ慇懃な口調で紳士的に振舞うが、目的のためには一切手段を選ばず、上司や部下すらも簡単に見捨て、人命を塵芥のごとく軽視し、嬉々として残虐行為に手を染める冷酷非情な冷血漢。ラピュタの持つ強大な力に強く魅せられ、新たな王としてラピュタに君臨し、地上の全世界を自らの欲望のままに恐怖支配しようという独裁者・野心家の本性を露にする。
- ラピュタ名(継承名)は「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」。ラピュタ王族の分家であるパロ家の末裔であり、ムスカ本人によれば、王家は地上に降りた際に二つに分かれたという[注 13]。シータの家系は飛行石、ムスカの家系はラピュタに関する古文書をそれぞれ継承しており、劇中では古文書の写しと対訳を書き記した手帳を持ち歩いている。
- 一時はラピュタ全体を自身の統制下に置き、古代ラピュタ帝国の復活と自身が王に君臨して地上世界を支配下に置くことを宣言するが、パズーとシータが唱えた「滅びの言葉」によってラピュタは崩壊し、その際に飛行石から発せられた強烈な光線で目を潰され視力を失ったまま、崩壊していくラピュタと運命を共にした[注 14]。
- 『未来少年コナン』のレプカとは服装や性格が似ており、実際に『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』など一部の資料ではムスカをレプカの先祖として紹介している[17][注 15]。
- モウロ将軍(General Muoro)
- 声 - 永井一郎/ジム・カミングス
- ラピュタ探索の指揮を執る軍人で、小説版によると、政府軍のティディス要塞の司令官で階級は中将。短気な性格の持ち主である[注 16]。行政管轄権も掌握しているが、要塞自体が僻地に位置するため、現状には強い不満を抱いており、ラピュタ探索を成功させることで中央への返り咲きを狙っている。無線通信をドーラに傍受されて飛行客船を襲われたり、ムスカに出し抜かれて主導権を奪われたり等、司令官としては頼りない所がある。
- 一方で、軍人気質の持ち主でもあり、作戦行動時には自ら先頭に立って突き進むタイプで、部下からの信頼は非常に厚い。軍服に勲章を3個着用していることから、それなりに功績を上げていることも示唆されている[注 17]。また諜報機関に属し、政府の密命を盾に作戦に介入するムスカを「特務の青二才」と呼び快く思っていない[注 18]。ムスカの情報によってラピュタを発見し実際に上陸には成功したものの、財宝に目が眩んでいる隙に本性を現したムスカの裏切りで罠に嵌められ、ムスカを射殺しようと発砲したことが引き金となり、雲より遥か上空のラピュタの展望室から大勢の兵士共々遥か下の海上に放り出され始末された。
- 作中では「閣下」と呼ばれ、EDでは「将軍」とクレジットされ、「モウロ」の名は小説と設定資料上で表記されている。
- 黒眼鏡(特務機関員)
- 声 - 大塚芳忠、菅原正志
- ムスカに忠実に随行する部下。丸い黒眼鏡に黒のスーツと山高帽を全員が身に着けている。面長で口髭の男、髭のない面長の厳つい男(共にラピュタに同行)、角ばった顔で口髭の男などがいる。飛行船では3人、シータを捕えたティディス要塞では4人が登場。
- ラピュタまで同行したのは2人であったが、ラピュタの黒い半球状の構造体の内部でムスカに置き去りにされる。置き去りにされた黒眼鏡2人はムスカが構造体を稼働させた際に足場を失い、何とか元来た場所に戻ろうと構造体を形成する巨石を登ることを試みるも、稼働の活性化の中、しがみ付いた巨石から悲鳴を挙げながら弾き飛ばされていった。
スラッグ渓谷
- ポム(Uncle Pom)
- 声 - 常田富士男/リチャード・ダイサード
- ドーラ一家と軍から逃れる為に廃坑内を彷徨っていたパズーとシータの元に現れた風変わりな老人。
- パズーとは以前から面識があって深く慕われており、「ポムじいさん」と呼ばれている。
- 鉱物に精通し、鉱石の状態変化を「石たちの声」と呼び、廃坑の中を一人放浪することを楽しんでいる。飛行石についての情報や「石が騒いでいるのは上空にラピュタが来ているから」といった言い伝えなどをパズーとシータに提供し、二人を出口まで案内してくれた。
- 小説版では鉱山の生き字引として鉱夫達の間で知られた存在であることが書かれている。謎の多い人物だが、冒頭で描かれるラピュタの人々と格好が似ているなどから、ラピュタの労働者階級の末裔ではないかとも言われる[注 19]。モデルは森康二と近藤喜文[22]。
- EDでは「ポムじい」とクレジットされている。
- ダッフィー(Duffi)
- 声 - 糸博/ジョン・ホスティター
- スラッグ渓谷で働く鉱山夫で、坑内のエンジンやエレベーター等の大型機械を扱うベテラン機械工。パズーの親方。
- 性格は荒っぽく、仕事にも厳しいが、働き者の徒弟であるパズーを何かと気にかける仁義に篤い男。
- 空賊相手にも怯むこと無く立ち向かうが、妻には頭が上がらない様子[注 20]。
- 鉱夫らしい立派な体格をしており、ドーラ一家の力自慢シャルルと互角の殴り合いを演じた。その際に他の鉱夫から名前を呼ばれている。
- 小説版によれば昔から鉱石を採掘してきたこの鉱山で父親の代から鉱夫をしてきたが、優良な目ぼしい鉱脈の多くが掘り尽くされ、輸送に不便な内陸から精錬工場等も次々と移転していくために、寂れる一方で「スラッグ= 鉱滓(slag)渓谷」と呼ばれて久しい鉱山の状況を憂いている描写がある(本編中でも新しい鉱脈の当てが外れた直後、不景気ぶりをぼやいている)。
- EDでは「親方」とクレジットされており、名前に言及されるのはわずか1シーンのみである。
- おかみさん
- 声 - 鷲尾真知子
- ダッフィーの妻。肝の据わった性格で度胸もあり、町の荒くれ男たちとドーラ一家との乱闘騒ぎをフライパン片手に見守った。
- パズーを実の息子のように可愛がっている様子で、パズーに脱出を促しつつその覚悟を汲み、シータを守るように伝えて送り出した。
- EDでは「おかみ」とクレジットされている。
- マッジ(Madge)
- 声 - TARAKO
- ダッフィー夫妻の娘。パズーとも仲が良いらしく、パズーの家に遊びに行くこともある。
- ティディス要塞から帰ってきたパズーを最初に発見した。
- 軽便鉄道の機関士
- 声 - 西村知道/マット・K・ミラー
- 軽便鉄道の運転士を務める老機関士。ドーラ一家や軍隊に追われるパズーとシータを助けた。
- パズーとは以前からの知り合いで、運転している機関車も相当の老朽車輌。パズーとシータを銃で狙った特務機関員と兵士達を機関車の排気で妨害する。
その他の人物
- シータの祖母
- 声 - 鈴木れい子
- 故人。シータの回想シーンに登場。可愛がっていた小羊が見つからないことを悲しみ啜り泣く幼いシータに[注 21]、おまじないとしてラピュタに纏わる様々な呪文を教えた[注 22]。この時に教えたおまじないの言葉が、ラピュタへの道筋を照らす。
- パズーの両親
- 共に故人。父は冒険飛行家で、かつて探検中に「竜の巣」の雲の切れ間から、伝説の「天空の城ラピュタ」を発見し、ラピュタの一部を自ら写真に収めた。しかし人々からは、ラピュタの存在を全く信じてもらえず、詐欺師の汚名を着せられたまま亡くなる。父が亡くなった経緯については、パズーが「詐欺師扱いされて死んだ」と語ったのみだったが、小説版では「新たな飛行船の製作のためのスポンサー探しに出た際に事故死した」という、死に至った詳細な記載がある。
- また、母についての詳しい説明はパズーの口からはないが、パズーの小屋に掲げられているラピュタの写真のすぐ下に遺影写真がある。
- パズーの父の協力者
- パズーの父がラピュタを発見した際に乗っていた飛行船には同乗者がいたことが劇中でも確認できる[注 23]。パズーの父と共にラピュタの存在を直に目の当たりにしたこの同乗者の現在の消息は生死を含め、一切不明。
ラピュタの設定
- ラピュタ帝国
- 約700年以上前に存在した古代国家。国章は「翼のある町」[23]。ラピュタの民は飛行石の結晶化技術を有し、圧倒的な超科学技術で天空から全地上を支配していた恐怖の帝国であった[24]。ラピュタ王は代々天帝と称され、王家に伝わる飛行石の結晶と「黒い石」と呼ばれる石版を用いてラピュタ城の機能を制御していた。贅沢の限りを尽くし、人類の夢を体現したラピュタ人だったが、約700年前にラピュタの科学力でも克服出来ない疫病に蝕まれ、止むを得ず地上へ降りることを決断した[23]。
- パンフレットでは上記とは異なる説明がなされており、空中都市の描写のあるジョナサン・スウィフトの著書『ガリヴァー旅行記 第三章 ラピュータ』のモデルは、プラトンの失われた地理誌『天空の書』に記された「ラピュタリチス」である[25][注 24]。ラピュタリチスは、かつて地上で大技術文明が栄えた時に戦争を嫌い、天空へと逃れた一族によって築かれた広い領土を持つ浮島だった[25]が、あまりに高度に発達した文明生活の末に、ラピュタ人は生命力を失い、人口は減少し、紀元前500年頃に突如発生した奇病により、その後滅亡した[25]。一部の人々は地上へ降り、姿を隠しながら生き延びたと伝えられているが詳細は不明[25]。
- オープニング映像では無数の都市や町を空に浮かべた帝国の興廃が描かれるが、ひときわ巨大なラピュタと思しき城砦の下部にプロペラがついている等、作中の様相とは異なる点もある。
- 作中では帝国そのものではなく、ラピュタ帝国の聖都であり、ラピュタ人が飛行石を用いて建造したとされる空中都市のみを指す場合が多い。
- 帝国の滅亡後
- ラピュタ人が地上へ降りた後、聖都は飛行石の力で天空に留まり、長らく無人のままで上空を回遊、またラピュタに再び人が近づくことの無いよう「竜の巣」と呼ばれる巨大な低気圧の渦を作り出し、これにより城に接近することを困難にしたが、王家の証である飛行石の首飾りを持つ者が望んで近づくと、龍の巣は自然に消滅、ラピュタは白日の下にその姿を現す。
- 偏西風と共に移動しており[25]、城の内部には雲を発生させる塔や、風を起こす道具などが設置されている[注 25]。その為、決して地上からは見ることができない[25]。元の絵コンテでは、ラピュタは王家の血筋の人間が現れると、ラピュタ底部の穴(本編でロボット兵の飛び出す穴の部分)から、超低気圧の雲の壁を急速に吸収する機能があったという[27]。
- 外観と機能
- 本来は天空の城にふさわしい外観をしているが、本編でのラピュタは神殿や下部が崩落して原型が無い[28]。宮殿が無人化した後も、王の帰還を待つロボットたちにより守られ続けたが、永い間に大部分が損壊して、今はその一部のみが空中を漂っている[注 26]。
- 階層ごとに、住まう人々の身分が分けられている。頂点に神殿、その下の第一界が聖なる光と天帝の住居、その下の第二界が騎士の住居と十二神将の塔、第三界はエデンの園、第四界は人民の住居、最下部には聖都が地上にあった頃に使用されていた閉鎖された巨大な門がある[28]。ラピュタ下部の黒い半球状の構造体の中には、ラピュタの科学が結集していると言う模様が刻まれた石が浮遊しながら動いている(ラピュタが機能する時にはまるでコンピューターのように活発に動く)部屋と、更に先に王族のみが入れるという中枢部が存在する[28]。外郭部分の城などは普通の石造建築で風化・崩落が著しいが、半球部は爆破も受け付けない超硬度の未知の素材で出来ている。
- 中枢部には飛行石の巨大な結晶体が浮かんでおり、その部屋にある「黒い石」に飛行石の首飾りを翳す事で、ラピュタの各機能を起動・制御出来る。球体部分の底部からは七基の石柱が展開し、膨大なエネルギーを集束することで、プラズマと共に巨大な爆発を生む強力な光弾を発射することが出来る[30]。ムスカはこれを「ラピュタの雷(いかずち)」と称し、これこそが『旧約聖書』のソドムとゴモラを焼き払ったという「天の火」や「ラーマヤーナ」の「インドラの矢」だとも述べている。現代の核兵器をも遥かに凌ぐオーバーテクノロジーであり、その痕跡は主にインド地方などの上記の「ラーマヤーナ」や「マハーバーラタ」の伝説に見られるという[25]。
- 内部には多数のロボットも格納されており、発射口から投下して出撃させる。他にも劇中では床を任意に変形させられる展望室を展開させたりもしており、多くの機能があることが窺える。
- ラピュタの木々
- ラピュタが木々に覆われているのは、宮崎自身の趣味であると同時に、飛行石が植物を成長させる力を持つ宇宙の聖なる根源であるからで、シータが一人で生きてこられたのも飛行石によって畑がよく実ったからだという[注 27]。
- 木々が茂る庭園部はドーム状の建物に覆われ、外部からは普通の外壁に見えるが、内部からは透明で日光の入る特別な物質で出来た壁によって造られており、庭園内には墓石や壊れて苔むした幾つもの園丁ロボットがある。墓守等の役目をしている園丁ロボットが少なくとも1体はいまだに稼働しており、豊かな植物だけでなく多くの小動物(ヒタキなどの実在の鳥類や、キツネリス、ミノノハシなどの架空の動物もおり、キツネリスのみ『風の谷のナウシカ』にも共通して描かれる)と共に長い時を過ごしているのが窺える。特に庭園の大樹は著しい成長を遂げており、上部はドームを突き抜けて立派な枝を伸ばし、下部のラピュタ中枢部にまで無数の根を巡らせるまでになっている。
- また、庭園の下層にあたる城内の市街部には帝国全盛期に地上から集められた金銀宝石やそれらを散りばめた工芸品といった類の莫大な財宝が眠っており、上陸した軍の兵士たちはここで大挙して掠奪に奔った(完全崩壊の際、ドーラ一家が財宝の極一部をどさくさに紛れて頂戴している)。
- 滅びの呪文
- 最後はパズーとシータの「滅びの呪文」(バルス)により崩壊し、上層部のうちで大樹に支えられた部分と巨大飛行石のみを残して、更に高高度へと飛び去って行った。
- テレビ放映後、エンディングを見た子供達から「(大気の無い)宇宙でキツネリス達はどうなるの?」という疑問が寄せられたが、ラピュタは実際には宇宙空間までは上昇しておらず、空気の存在する高度で飛び続けていると説明された。ラストのスタッフロールシーンでも地上が俯瞰できる空中に留まっている。
用語
メカ関連
- オートモービル
- ドーラ一家の自家用車。序盤に登場。スラッグ渓谷では珍しいようで[31]、劇中、パズーもその旨の発言をしている。かなりの馬力と車重があるようで、軽便鉄道の木造高架線を蹂躙破壊しながらのカーチェイスを繰り広げる。
- オーニソプター
- パズーがラピュタ探索に向け手作りしていた木枠製のオーニソプター(はばたき飛行機)。
- シータの前でゴム動力の模型を飛ばしている。
- 『ジ・アート・オブ 天空の城ラピュタ』には、当初は完成したオーニソプターでシータの住むゴンドアの谷に向け飛行する予定であったが、レオナルド・ダ・ヴィンチの頃から成功しなかった物を、パズーが成功させるのは如何なものか、という意見があったことから、断念したことが記載されている。
- ただし、先述したとおり、後に発売された『スタジオジブリ作品関連資料集〈1〉』に、完成したオーニソプターを操縦し、花束を持ってシータのもとへやって来たパズーの姿が描かれたイラストが掲載されている。ほかには、完成させたオーニソプターにシータを乗せ、ドーラ達のフラップターと飛行しているイラストが描かれ、ジグソーパズル[注 28]に採用されている。
- 軽便鉄道
- スラッグ渓谷を走る軽便鉄道(鉱山鉄道)。蒸気機関は蒸気機関車内部にあり、機関車は蒸気動車を短くしたようなフォルムである。貨車(無蓋車)を3両連結している。
全長(m) | 312 |
---|---|
全高(m) | 82 |
全幅(m) | 84 |
巡航速度 | 58ノット(約107km/h) |
最高速 | 98ノット(約181km/h) |
航続距離(km) | 16000(無風巡航時) |
乗員数 | 360人 |
- ゴリアテ
- 軍がラピュタ探索に使用した大型の飛行戦艦。飛行艦である。劇中の字幕には「飛行戦艦」ではなく、「飛行船艦」と表示されている。また絵本では「空飛ぶ要塞」とも呼ばれている。見た目は硬式飛行船を通り越した「装甲飛行船」とも言うべき威容を誇る。また、船体の各部に大小各種プロペラが配置されている。船体下部には主砲(小説版では125mm榴弾砲)、船体側面には速射砲や対空砲といった重火器を多数搭載し、主砲は直撃すればロボット兵をも破壊出来るだけの強力な威力を持つ。
- 強風下でも安定して飛行可能で、現実の飛行船と同様に係留も可能。また艦底部にはロケット艇を3機搭載している[注 29]。
- 劇中では要塞でのロボット兵との戦闘の後にムスカとモウロ将軍一行が搭乗し、飛行石の示す道を辿ってラピュタ探索へと向かう。途中ドーラ一家の母船タイガーモス号を攻撃して大破させたが、ラピュタ到着後に離反したムスカの策略で通信装置を破壊されて本国との連絡を絶たれ、モウロをはじめ乗員の多くを失った状況でラピュタと交戦する。搭載する火砲でラピュタの下半球部を攻撃するも全く効果がなく、ラピュタ底部から発射されたロボット兵の大群に取り囲まれて集中攻撃を受け、最終的には船体が爆発し船体中央部から折れて炎上しながら多数の兵士と共に海に墜落していった。
- 名前の由来は、『旧約聖書』に登場するペリシテ人の巨人「ゴリアテ」。小説によると、後に軍は「不慮の事故の為に長期改修を余儀なくされた」という名目で事実を隠蔽しつつ、密かに同型艦の建造に着手したとされている。
- 装甲列車
- 軍がシータ捜索のためにスラッグ渓谷に出動させた軍用列車。3両編成で2両目が機関車。1両目と3両目が戦闘車で、砲塔とサーチライトを搭載している。軽便鉄道と同じ軌道を走行するため軌間に比して車幅が大きいアンバランスな格好をしている。なお、老機関士に蒸気を浴びせ掛けられた特務機関員と将校が降車したのは1両目。
- タイガーモス号
- ドーラ一家が根城にしている空中母船。鳥の頭のようなブリッジの外見もあいまって巨大な鳥を思わせる形状の飛行船。
- ラピュタに向かう途中でゴリアテと遭遇し空中戦になり大破、辛うじてラピュタに不時着するも、同じくラピュタに乗り込んできたゴリアテに拿捕されてしまった。
- ラピュタ崩壊時に、タイガーモス号は瓦礫に飲み込まれるが、パズーに拘束を解かれたドーラ一家はフラップターで脱出する。
- 飛行客船
- 冒頭に登場。ムスカ一行がシータと共に乗船しており、飛行石を狙うドーラ一家に襲撃された。『ジ・アート・オブ 天空の城ラピュタ』には、硬式飛行船をモチーフにしているが、物語の展開上、ブリッジを上にしたと記載されている。
- 飛行船
- パズーの父と同乗者が搭乗した飛行船。序盤に登場。
全長(m) | 2.040 |
---|---|
全高(m) | 1.220 |
全幅(m) | 7.200(翼展開時) |
時速(km/h) | 0-111(0-60ノット)[注 30] |
最高速(km/h) | 182(下部ブースター使用時) |
航続距離(km) | 88(無風巡航時) |
- フラップター
- 電流で駆動する人工筋肉を利用して、4枚の薄膜状の羽根を高速で羽ばたかせ、浮上、飛行するオーニソプター(羽ばたき飛行機)。
- タイガーモス号と同様にドーラの亡き夫の発明品であり、ドーラ一家の活動には欠かせない飛行機械。機体前面は流線型の金属板で被覆され、機体後部はオープンデッキとなっており、そこに1名もしくは2名の乗員がフック付きの結束バンドで身体を機体に係留して搭乗する。
- 羽根の可変ピッチと体重移動により、上昇、下降、前進、左右転回、ホバリング等の動作を自在に行う。また、急旋回時には機体側面からパルス噴射の火炎が噴出する。羽根が高速で羽ばたいている為、極度に降下し過ぎたり、建物や樹木等に接近し過ぎたりすると、羽根が接触、破損して墜落する危険性がある。機体底部には加速用の格納式ブースターが搭載されており、これを利用して緊急時等に急加速が可能。ブースターの点火時には、羽ばたきが完全停止する。また煙幕を放出する機能もある。
- 映画本編では、発電用エンジンをクランクで回転して起動させる描写があるほか、ラピュタに向け出発する直前に、燃料を補給している描写もある。エンジンを停止してバッテリーを稼働させることで、最高速で約6分間の無音飛行が可能である。
- タイガーモス号には翼を畳んだ状態で数機を格納出来る(劇中に登場したのは4機)。また機体を前後に連結した状態でも飛行可能である。格納庫には予備の翼や部品が常備されており、簡単な修理や部品の交換が可能である。
- フラップターの登場場面には、久石譲がデビュー当時の作風であるミニマル・ミュージックの手法に基づいた音楽を手がけた[注 31]。
- ロケット艇
- 軍が空賊に対抗して開発した中型飛行艇。ロケットのパルス噴射により飛行し、推進機の稼動時間が限定されるためか無音で滑空飛行していることが多いが、丘陵地帯に強行着陸も可能であるなど高い機動力を持つ。劇中ではシータとパズーを拉致する際に使用された。武装の有無は不明だが、機首に機関砲らしきものを2門搭載している。ゴリアテの下部にも3機搭載されている。なお、準備稿では、ゴリアテから発進するシーンもあったが、本編では描かれることはなかった。
- ティディス要塞
- 劇中では単に要塞と呼ばれている。設定によると、情勢の変化により戦略的価値を失った旧式の要塞であるという。深皿を伏せたような多数の要塞砲を備えるが、高い塔を持つ石造の城のような姿で、このような城郭は砲撃に対し無力であるため近世期までに廃れた様式である。備砲もゴリアテのものに比べ口径の割に砲身が太短く旧式であることが窺える。王族であるシータを兵士が手荒に扱ったことで敵対勢力と判断したロボット兵の猛攻により全砲塔を破壊され大破した。
ラピュタ関連
- ラピュタの王家
- かつてラピュタに君臨し全地上を支配した王家。ラピュタが滅び、地上に降りた際にトエル家とパロ家の二つに分かれ、トエル家は飛行石とそれに関わる呪文を、パロ家はラピュタの伝承を記した古文書を受け継いできた。シータはトエル家の末裔、ムスカはパロ家の末裔である。
- トエルはラピュタ語で「真」を意味し、トエル家の末裔であるシータこそが真のラピュタ王、即ち天帝である事を意味しており[32]、一方パロ家もラピュタの王族であるが、こちらは支族(分家)とされている。パロ家も地上へ降りた当初はゴンドアの谷で生活していたが、産業革命を機にそれまでの農耕生活を捨て、積極的にラピュタの探求を行うようになり[17]、トエル家は長い時の中でラピュタに関する記憶の多くを喪失していった。
- 飛行石
- 時に青白く発光する、深い青色をした石。全世界で唯一、飛行石を岩盤から採掘し、結晶化する技術を有していたラピュタ人は、この飛行石の巨大な結晶を利用した高度な科学技術を誇っていた。飛行石自体は地下の岩盤に多く含まれており、特段珍しい物では無いが、直に空気に触れると、ただの石に変わってしまう為、その特性を保持したまま飛行石を採掘する技術は作中の時代では既に失われている。
- ラピュタ人の飛行石の結晶は、特定の人物や呪文に反応して様々に作動する仕組みを備えており、その名の示す通り物体を浮遊させる力もその一つである。ムスカの持つ古文書にはラピュタの伝承が記録されていたが、飛行石の結晶化の技術や呪文に関しては記されてはいなかった[注 32]。
- 竜の巣
- 航行において危険空域とされる巨大な積乱雲の集合体。雲の内部はその名の通り、まるで龍のように激しく轟く雷の巣窟。外部とは逆方向に風が吹いており、その気流が風の壁となって侵入者を阻む。堅牢な戦艦をも容易に破壊する一方で、逆風に靡くことの出来るパズーの父の飛行船や、パズーとシータの乗っていた凧は、逆風による破壊を免れて無事に竜の巣を通り抜けることが出来た。
- その正体は、封印されたラピュタを守るべく人工的に作り出された低気圧の渦。パズーの父は偶然竜の巣の中に突入し、ラピュタを目撃した。真相は不明だが、パズーとシータの乗っていた凧が雷に直撃した直後、パズーは飛行船に乗っている父の姿を目撃した[注 33]。
ロボット兵
- ラピュタ城内に多数配備されている自律式の半有機体ロボット。身長344cm、体重238kg。戦闘、看護、園丁など、胸の紋章と色彩で区別された多種類のロボットが存在していたとされる。戦闘用ロボットは赤茶、園丁用ロボットは緑掛かった色をしている。
- 劇中では、材質が金属なのか粘土なのかも現代科学では分からないと表現されているが、設定資料には「形状記憶弾性ハイセラミック製」と記されており、柔軟かつ必要に応じて自在に変形するとされている[33]。
- 顔部中央にある二つのランプは音声装置とセンサーとを兼ね[注 34]、飛行石を持つ者の命令に従属し、彼らを衛護するプログラムが組み込まれている[34]。歩行は二本脚と四本脚どちらでも可能だが、園丁ロボットは劇中ではもっぱら二本脚で歩いている(この時、独特の歩行音も出している)。
- 戦闘ロボットは、胸部に搭載された一対のブースターと、両腕の骨格の突起物(戦闘ロボットにのみ存在)の間に形成される翼膜とを併用して飛行することが出来、更に頭部には大小2門のビーム砲が搭載されており、巨大な軍事要塞を単独で壊滅させるほどの極めて高い戦闘力を有する。格納されている状態では手足を折り畳んだ独特の丸まった形態をとっている。
- 行動原理はラピュタ王族であるシータの保護と外敵の排除を最優先としており、地上に落下した個体はシータに危害を加えようとした兵士らに対しては容赦なく攻撃を加える一方で「放して!」という叫びにしたがってシータを解放するなどシータの命令には忠実に従う様子が見られた。
- 千切れた手足からは筋肉のような有機的な物体が覗いていた。
- また非常に高度な情緒を有する頭脳を与えられているようで、園丁ロボットはラピュタに住み着いた動物を保護したり破損し機能停止した同型機の死を悼むかのように墓に花を手向ける様子が見られた。
- 劇中での描写
- 戦闘用のロボットの一体が機能停止状態で上空から農地に落下して来たことが、政府がラピュタの調査に着手するきっかけとなった(小説版では鉱山に農作物を売りに来た農夫が「空から落ちてきて軍が回収していった悪魔の骨」の噂話を鉱夫達に語っており、これを聞いたダッフィーがパズーにもその噂を話している)[注 35]。
- 当のロボットは故障して、既に「死んだ状態」だと思われていたが、要塞に囚われていたシータが何気なしに呟いた「守りの言葉」に反応して即座に再起動、自ら動き出し、要塞の頑丈な石壁や鋼鉄の扉、更には砲台の堅牢な装甲すら容易に溶断するほどの大変強力なビーム砲で、要塞をたちまち火の海に包んだ。拳銃は勿論のこと、小銃や機関銃などの連射にも耐え、信管を抜かれた要塞砲榴弾の直撃を受けても装甲が大きく陥没しただけで、なおも正常に稼働し続けるほどの非常に優れた耐久性があるが、最終的にゴリアテの長砲身砲からの砲撃により破壊された。
- 現在のラピュタでも、機能停止したロボットが野晒し同然で朽ち果てているが、ムスカにより城内各所に保管されていた多数の無傷の戦闘用ロボットが起動、兵士達を襲いゴリアテを破壊したが、パズーとシータが唱えた「亡びの言葉」によって機能を完全に停止し、ラピュタの崩壊と共に海へと落ちていった。ただし、園丁用ロボットだけは機能を停止することなく動き続けていた。
- ロボット兵のモデル
- フライシャー・スタジオ製作『スーパーマン』第2話「The Mechanical Monsters(謎の現金強奪ロボット)」(1941年)に登場した現金強奪ロボットがモデルとされる。また、宮崎が「照樹務」名で脚本と演出を担当したTVアニメ『ルパン三世』第155話「さらば愛しきルパンよ」に本作より先に登場しているが、フライシャー版と同様に首からプロペラが展開して飛行する方式になっていたり、双頭になった陸戦専用機が登場するなど細部が異なる。
- 『ルパン』への登場は、フライシャー版『スーパーマン』に対するオマージュとしてであった。宮崎は「気に入っていて一度テレビ(新・ルパン三世・最終話)で使ったんですが、どうも心残りがありまして今回もう一度、使ってみたんです」[35]と発言している。
声の出演
役名 | 日本語版 | 英語版 | |
---|---|---|---|
海外初公開版 | BVHE版 | ||
パズー | 田中真弓 | バーバラ・グッドソン | ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク |
シータ | 横沢啓子 | ララ・コーディ | アンナ・パキン |
ムスカ | 寺田農 | ジェフ・ウインクレス | マーク・ハミル |
ドーラ | 初井言榮 | レイチェル・ヴァノウン | クロリス・リーチマン |
ポムじいさん | 常田富士男 | エドワード・マニックス | リチャード・ダイサート |
モウロ将軍 | 永井一郎 | マイク・レイノルズ | ジム・カミングス |
シャルル | 神山卓三 | バリー・スティグラー | マイケル・マクシェーン |
ルイ | 安原義人 | デイヴ・マロウ | マンディ・パティンキン |
アンリ | 亀山助清 | エディ・フライアーソン | アンディ・ディック |
ハラ・モトロ | 槐柳二 | 同上 | マット・K・ミラー |
親方 | 糸博 | クリフトン・ウェルズ | ジョン・ホステッター |
おかみさん | 鷲尾真知子 | ララ・コーディ | トレス・マクニール |
マッジ | TARAKO | バーバラ・グッドソン | デビ・デリーベリー |
シータの祖母 | 鈴木れい子 | ||
軽便鉄道の機関士 | 西村知道 | マット・K・ミラー | |
黒眼鏡(A) | 大塚芳忠 | ||
黒眼鏡(B) | 菅原正志 | ||
コ(セネガル人の子分) | |||
キ(エジプト人の子分) | 大滝進矢 | ||
ク(中国人の子分) | 平井隆博 | ||
ケ(日本人の子分) | 峰恵研 | ||
青い服の婦人 | 林原めぐみ | スーザン・ヒックマン | |
ギャング | 福士秀樹 | ||
役不明 | 古田信幸 田中和実 関俊彦 |
コーリー・バートン ジョン・ディマジオ スコット・メンヴィル エディ・フライアーソン アンドリュー・フィルポット マイケル・ソリッチ |
スタッフ
製作 | 徳間康快 | |
協力製作 | 木暮剛平 | |
企画 | 山下辰巳 | |
音楽 | 久石譲 | |
作画監督 | 丹内司 | |
原画頭 | 金田伊功 | |
原画 | 篠原征子、遠藤正明、二木真希子、小林一幸、賀川愛、前田真宏、大塚伸治、河口俊夫、近藤勝也、友永和秀、桜井美知代、森友典子、大谷敦子、福田忠、川崎博嗣、高坂希太郎、名倉靖博、鍋島修、江村豊秋 | |
動画チェック | 尾沢直志、立木康子 | |
動画 | 小林研二、平田英一郎、須貝美佳、高峰由恵、服部圭一郎、吉野高夫、村田俊治、茂林良哉、東誠子、竹葉直子、上田和佳子、宮本英子、本持貴、中野恭子、諸橋伸司、長井和久、山川浩臣、新屋真智子、坂野方子、コマサ 金子昌司、片山雄一 動画工房 神原よしみ、成田達司、鈴木安子、石黒益美、松下弥生、牧野田啓介、水谷貴代、河内由美、福士多鶴子、井田聡 スタジオ・トト 逸見俊隆、角田幸子、南静子、岡本稔、森田徹 オープロダクション 永井恵子、加藤由子、粟田勉 草間アート 佐藤佳子、山口明子、重田智 進藤プロダクション 日暮恭子、関明美、田中立子、山室直儀、江原仁 スタジオ・ファンタジア 手島晶子、高橋禎男、大谷久美子、岩柳恵美子、泉都 ビジュアル'80 成海厚子、渡辺純夫、浜野邦子 スタジオギャロップ 荒野真理子、岡部和美、斉藤利子 スタジオ九魔 手島勇人、星勲 | |
美術監督 | 野崎俊郎、山本二三 | |
背景 | 小関睦夫、木下和宏、吉崎正樹、久村佳津、飯島久美子、太田清美、石川山子 | |
ハーモニィ処理 | 高屋法子 | |
特殊効果 | 阿部郷、寺岡伸治 | |
色指定 | 保田道世 | |
仕上検査 | 荻原穂美 | |
仕上 | 水間千春、小川典子、長嶺浩美、石井恵美子、鍋谷雅子、酒井由紀子、島田久美、阪本文也、見田竜介、仲田ひろみ、柳沢和枝、木原恵子、宮下真理、高砂芳子 スタジオキリー 岩切紀親、西牧道子、内藤幸江、佐藤妙子、高見ふさ子、夏井正子、久世晋一郎、中田信子、青島歌苗、高橋直美、西山美代子、町井春美 スタジオファンタジア 飯塚智久、永井留美子、檀上知子、菊地祐子、棚沢真里子、浅野敏子 プロダクションアクト 横山浩子、本田由美子、田口美恵子、村野綾子、下田悦子、小松良江、倉岡裕之、風間洋子 スタジオOZ 磯崎昭彦、貴島弘子、増田奈緒美、篠田十鬼、細谷明美、平賀恵子 グループジョイ 大橋朝子、鈴木久美子、須藤彰子、袖山みか子、村上芳枝、佐藤新之介 スタジオ雲雀 成田賢二、秋山季映、荒川典子、加藤文江、鈴木洋子 スタジオ古留美 完甘幸隆、山形勝俊 | |
撮影監督 | 白神孝始、高橋宏固 | |
撮影 | 高橋プロダクション 小林武男、笠間いずみ、豊永安義、松嵜泰三、福島敏行、安原吉晃、石塚敬久、野口肇、宮島幸男 | |
音響制作 | オムニバスプロモーション | |
音響監督 | 斯波重治 | |
音響補佐 | 浅梨なおこ | |
整音 | 井上秀司 | |
音響効果制作 | E&Mプランニングセンター | |
音響効果 | 佐藤一俊 | |
音響効果助手 | 小野弘典 | |
音楽制作 | ワンダーシティ | |
音楽プロデューサー | 三浦光紀、島袋晃 | |
音楽ディレクター | 庄司良一、渡辺隆史 | |
エンジニア | マスタリング レコーディング |
大川正義 |
アシスタント | 梶篤、浜田純伸 | |
サウンドオペレーション | 福岡やすこ | |
合唱 | 杉並児童合唱団 | |
CD制作 | 徳間ジャパン | |
録音スタジオ | 音楽収録 | ワンダーステーション、日活スタジオセンター |
台紙収録 | 東京テレビセンター | |
タイトル | 高具秀雄 | |
リスマーク | 高具アトリエ | |
編集 | 瀬山武司 | |
編集助手 | 笠原義宏 | |
演出助手 | 飯田つとむ、木村哲、須藤典彦 | |
制作デスク | 押切直之 | |
制作進行 | 古里尚丈、木原浩和、原俊嗣、熱海正志、武藤薫 | |
宣伝プロデューサー | 徳山雅也 | |
「天空の城ラピュタ」製作委員会 | 小金井道宏、鈴木敏夫、金子彰、亀山修、滝川和俊、田所稔、粕谷昌宏、大塚勤、佐々木崇夫 武田実紀男、校条満、小林智子 | |
現像 | IMAGICA | |
DOLBY STEREO技術協力 | 極東コンチネンタル株式会社 森幹生 | |
製作協力 | 電通 | |
企画協力 | アニメージュ編集部 | |
アニメーション制作 | スタジオジブリ | |
プロデューサー | 高畑勲 | |
チーフプロデューサー | 尾形英夫 | |
エグゼクティブプロデューサー | 加藤博之、原徹 | |
原作 脚本 監督 |
宮崎駿 徳間書店「アニメージュ」連載 | |
配給 | 東映 |
主題歌・イメージソング
- 『君をのせて』[36]
- 作詞 - 宮崎駿 / 作曲 - 久石譲 / 編曲 - 久石譲 / 歌 - 井上杏美(徳間ジャパン)
- 後に「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」などの主題歌、挿入歌を担当することになる井上あずみのジブリデビュー作。
- また、2002年のDVD発売時に合わせ、石井竜也がアンサーソングとなる歌詞違いの『君をつれて』を発表すると共に、『君をのせて』のカバーもしている。
- イメージソング - 『もしも空を飛べたら』
- 作詞 - 松本隆 / 作曲 - 筒美京平 / 編曲 - 鷺巣詩郎 / 歌 - 小幡洋子(徳間ジャパン(アニメージュレコード)[注 36])
- 本編では未使用。公開当時、味の素から発売されていた炭酸入り清涼飲料水「ラピュタ」のCMソングであった。
- 劇中曲 - 『ハトと少年』[37]
- 劇中でパズーが演奏するトランペット曲。数原晋が演奏。
- 2010年4月、STS-131ミッションが行われていた国際宇宙ステーション(ISS)において、同曲がウェイクアップコールとしてNASAジョンソン宇宙センターミッションコントロールセンターより流された。搭乗していた山崎直子宇宙飛行士のために選曲されたものである[38]。
賞歴
- 文化庁優秀映画
- 第41回(1986年)毎日映画コンクール 大藤信郎賞[39]
- 1986年(第15回)ぴあテン 映画部門第1位
- シティロード 読者選出ベストテン 邦画第1位
- おおさか映画祭 日本映画ベストテン第1位
- 日本映画復興特別賞(高畑勲・宮崎駿)
- 映画芸術 日本映画第1位
- キネマ旬報 86年度ベスト・テン 日本映画第8位/読者選出日本映画第2位[40]
- 第9回(1986年)月刊アニメージュ アニメグランプリ 作品賞
- アビック・ビデオアワード'87 アニメーション賞
- 第4回日本アニメフェスティバル 日本アニメ大賞・アトム賞 美術部門最優秀賞
- 中央児童福祉審議会特別推薦
ここまでの出典[41]
- 文化庁メディア芸術祭「日本のメディア芸術100選」アニメーション部門選出
興行・売上記録
1986年の劇場公開時の観客動員数は77万人、配給収入は5.8億円であり、セールス的には観客動員、収入共にジブリワースト記録である。ただし、2020年現在においては、2016年公開の「レッドタートル ある島の物語」が9千万円でワーストとなっている。
春・夏・ゴールデンウィーク向け子ども映画としてはドラえもんや動物映画もの、東映まんがまつりなどを下回った[42]。もっとも、スタジオジブリ自身はまずまずの成績を収めたと評価しており、次回作の製作を決定するには十分であったとされる[43]。
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約11.6億円[44] | 推測[44] |
配給収入 | 5.83億円[43][44][注 37] | |
全国動員 | 77万4271人[43][44] | |
『イメージアルバム〜空から降ってきた少女〜』 | 2万枚出荷(1986年発売のLP) 4万本出荷(1986年発売のCA) 6万枚出荷(1986年発売のCD) 3万枚出荷(1993年発売の再発CD) 0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD) |
出典:[46] |
『サウンドトラック〜飛行石の謎〜』 | 3万枚出荷(1986年発売のLP) 6万本出荷(1986年発売のCA) 15万枚出荷(1986年発売のCD) 13万枚出荷(1993年発売の再発CD) 1万枚出荷(2004年発売の再々発CD) |
出典:[46] |
『ドラマ編〜光よ甦れ!〜』 | 1万枚出荷(1986年発売のLP) 2万本出荷(1986年発売のCA) 2万枚出荷(1986年発売のCD) 1万枚出荷(1993年発売の再発CD) |
出典:[46] |
『シンフォニー編〜大樹』 | 1万枚出荷(1986年発売のLP) 2万本出荷(1986年発売のCA) 4万枚出荷(1986年発売のCD) 2万枚出荷(1993年発売の再発CD) 0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD) |
出典:[46] |
『ハイテックシリーズ』 | 2万本出荷(1989年発売のCA) 6万枚出荷(1989年発売のCD) 0.5万枚出荷(2004年発売の再発CD) |
出典:[46] |
『CASTLE IN THE SKY〜天空の城ラピュタ USAヴァージョンサウンドトラック〜』 |
3万枚(2002年発売のCD)[46] | |
挿入歌 『君をのせて』 |
7万枚出荷(1988年発売のシングルCD) 0.5万枚出荷(2004年発売の再発シングルCD) |
出典:[46] |
VHS・ベータ(徳間版) | 8万本出荷[47] | 1989年7月時点 |
VHS(ブエナビスタ版) | 100万本出荷[47] | 2003年6月現在 |
DVD(ブエナビスタ、2枚組・特典付) | 53.2万枚出荷[47] | 2003年6月現在 |
テレビ放送
テレビ朝日と競った日本テレビが放映権を獲得し[48]、1988年4月2日に、日テレ開局35周年記念として『土曜特別ロードショー』で初放送され12.2%の視聴率を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。以下略)。22.6%の高視聴率を獲得した1989年7月21日の『金曜ロードショー』からは同枠で繰り返し放映される人気ソフトとなっている[47]。これ以降、日本テレビはスタジオジブリと提携を深め、宮崎が関わった映画作品は日本テレビで放映されるようになる。2011年12月9日には、劇場公開時のフィルム風合いを再現したニューマスター版が通常より40分拡大して初放送された。
視聴率
- 数値はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
回数 | 放送日 | 視聴率 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 1988年 | 4月 2日(土)12.2% | 「土曜特別ロードショー」枠で放送。宮崎本人が解説としてゲスト出演。 |
2 | 1989年 | 7月21日(金)22.6%[49] | この回から「金曜ロードショー」枠での放送となる。 |
3 | 1991年 | 5月 3日(金)17.1% | |
4 | 1993年 | 3月26日(金)20.4% | |
5 | 1995年 | 3月24日(金)19.9% | |
6 | 1997年 | 3月 7日(金)20.6% | |
7 | 1998年12月25日(金) | 20.6% | |
8 | 2001年 | 2月23日(金)22.2% | |
9 | 2003年 | 3月14日(金)22.2% | |
10 | 2004年12月24日(金) | 16.9% | |
11 | 2007年 | 6月15日(金)19.9% | |
12 | 2009年11月20日(金) | 15.4% | |
13 | 2011年12月 | 9日(金)15.9%[49] | |
14 | 2013年 | 8月 2日(金)18.5%[49] | |
15 | 2016年 | 1月15日(金)17.9%[49] | |
16 | 2017年 | 9月29日(金)14.4%[50] | ハラ・モトロ役で出演していた槐柳二がこの日の放送直前に死去。 |
17 | 2019年 | 8月30日(金)14.5%[51] |
初の『金曜ロードショー』枠での放送となった2回目の放映では放送時間の関係により、日本テレビ放送網による簡易版のエンディングが作られ、それが使用された。簡易版のエンディングには、一連の事件以後の様子が描かれた画(小説版の挿絵)が転用されたため、この回の放送を観た視聴者から発信される形で「『天空の城ラピュタ』にはパズーがシータの元を訪ねる特別ヴァージョンのエンディングが存在する」という都市伝説が生まれた。
制作背景・影響
舞台設定
物語の舞台は企画段階では「立憲君主国。ただし国王は登場しない」とされており、後に宮崎駿は舞台をイギリスのつもりで設定したと語っている[52]。宮崎は製作が始まる前の1985年5月にイギリスのウェールズをロケハンで訪れており、そこで見た風景が本作に活かされた。後に押井守や鈴木敏夫らと同地を再訪している。また登場する小火器(拳銃、小銃、重機関銃)もイギリスの兵器をモチーフにしている。
年代は劇中で明示されていないが、パズーの父親が撮ったラピュタの写真には「1868.7」と作品世界の暦による年代らしき数字が印字されている[注 38]。
名前の由来
空に浮かぶ島の名前「ラピュタ」は、スウィフト『ガリヴァー旅行記』からで、当初は「ラプュタ」であった。言いにくいので気に入らなかったが、企画書の説得力が増すという理由のみでつけられた。宮崎はガリヴァー旅行記のダイジェスト版しか読んだことがなく、内容も大して面白いと思わず、ラピュタという名前も覚えてなかった[53]。
パズーの名前の由来は、学生時代に考えた船乗りの名前の一つで、「未来少年コナン」で使用されずに唯一残っていたという理由で使用された。シータの名前は、学生時代に創作していた人形劇「サイン・コサイン・シータ」(精神病院が舞台で、少年アルファ何号と、少女シータ何号の物語)からの転用とされる[54]。物語自体は小学生の頃に考えたもの[55]。
発表前の仮タイトルは、「少年パズー・飛行石の謎」で、サブタイトルは「空中城の虜」「空とぶ宝島」「飛行帝国」「空中魔城」「戦国魔城」などの案があった[56][57]。
設定の由来
「廃れてしまった古の機械文明」が作った「空中に浮かぶ島」、「飛行船に乗る海賊」であるドーラ一家という物語のモチーフは、幻の作品である『ラーマヤナ』(インドとの合作。一度滅亡した文明や、古代核兵器などの設定)と、『リトル・ニモ』(東京ムービー)の企画に参加していた際に、宮崎がイメージしていたものが投影されている。
ドーラの原形は宮崎駿の母親[58][注 39][注 40]。パズーの乗るグライダーは映画『地獄の天使』のツェッペリン飛行船の観測ゴンドラの影響。飛行石のモチーフは、福島鉄次の『沙漠の魔王』から[57]。
架空の言語「ラピュタ語」は出まかせであるが、ケルト語などに影響を受けている[15]。
他作品への影響
庵野秀明によると、宮崎は以前にアニメ番組の企画として『未来少年コナン2』という位置付けの「主人公の少年・少女が謎のペンダントをめぐり潜水艦で世界中を旅する。そしてそれを狙う悪役一派がいる」という案をNHKに提出したが、採用されなかった。この案を後に宮崎は本作に生かし、庵野は別作品の『ふしぎの海のナディア』に持ち込んだという[59][注 41]。
世界で最も売れているゲームとして知られる『Minecraft』で、アイアンゴーレムが村人に花を差し出すしぐさをするが、これは本作のワンシーンから着想を得ている[60]。
都市伝説
『ラピュタのエンディング映像には続きがあり、テレビ放映の際に目撃した』などの都市伝説があったが、スタジオジブリは否定するコメントを出しており、小説版の後日談と資料集のイラストなどが混同して噂が広まったのではないかとしている[61][62]。また、テレビ放送で流された簡易版エンディング(本編の静止画、イメージボードのイラストなどにスタッフロールを乗せたもの)がその噂の元であるとする検証サイトもある。
インターネットでの影響
地上波でテレビ放送される際に、2ちゃんねる等の実況板等において終盤の山場の台詞「バルス」に合わせた大量書き込みが行われ[63][64]、高負荷によるサーバダウンがたびたび発生している[注 42]。2009年11月20日放映時にはTwitterでも同様に終盤の台詞がツイートされたものの、利用者がまだ少なかったこともありサーバダウンが発生することはなかったが[65][66]、利用者が大幅に増加した2011年12月9日放映時はTPS(1秒間あたりのツイート数)が従来の世界記録を大幅に更新する25,088TPSに達した[67]。2013年8月2日にも放映されたが、放送一週間前には前回放映時の影響から「Twitter公式アカウントが『バルス』投稿の自粛をお願いする」コラージュ画像が出回り話題を呼んだ。なお当日は大量のツイートが散見されたがトラブルは発生せず、前回を大幅に上回る143,199TPSを達成した[68]。2016年1月15日の放送時には公式に「バルス」の放映される瞬間を予想する企画も行われた[69]。結果は約55,000TPSと記録更新はならなかったものの、TPM(1分間あたりのツイート数)が345,397TPMを記録した[70]。
ジブリ美術館
三鷹の森ジブリ美術館では本作に登場するロボットの模型が常設展示されており、2002年には「天空の城ラピュタと空想科学の機械達展」が開かれた。
日本国外版
英語版
英語版は2種類存在する。最初の英語版はストリームライン・ピクチャーズ (en:Streamline Pictures) が『Laputa: The Flying Island』の名で1989年にイギリスで公開したもの。2つ目は2003年にディズニーが配給し、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント)よりDVDが発売されている『Castle in the Sky』。日本では、前者の音源は2002年10月4日に発売されたDVDに収録され、後者は2014年7月16日に発売されたデジタルリマスター版のDVDに収録されている。
日本での販売用ブルーレイ(2010年12月22日発売)に収録されている英語版は、デジタルリマスターDVDと同じディズニー版の『Castle in the Sky』で、特典映像の一つとして収録されている。スタッフロールはすべて英語で表記されている。なお、エンディングのキャスト紹介は、日本版が「パズー→シータ」なのに対し、ディズニー版は「シータ→パズー」の順になっている。
タイトルが変更されているのは、ラピュタの命名の元となったスウィフトの『ガリヴァー旅行記』第三章の飛行島ラピュータ(Laputa)は、スペイン語のLa puta(売春婦)をもじって命名されたものであり、スペイン語圏およびヒスパニックの多いアメリカ合衆国では不適切なため[71]。
最初の英語版は、配給元のストリームライン・ピクチャーズにより翻訳されたものではない。ストリームライン・ピクチャーズのフレッド・パットンによれば最初は全日空の国際線の機内上映のために製作されたもので、ストリームラインはそれを日本から渡されたとのことで、実際に誰が翻訳、吹き替えを行ったのかは不明とされる[72]。日本語版ではドーラが40秒、ムスカが3分間待つところは共に1分間となっている。
ディズニー版の『Castle in the Sky』には久石譲本人によるオリジナル版と異なる音楽が使用されている。日本版では上映時間2時間4分のうち音楽は約1時間で、箇所によっては7~8分に渡り音楽が全くない部分があるが、ディズニーのスタッフから海外では全編鳴っているのが当たり前で、3分も曲が無いと落ち着かなくなると説明され、基本となるメロディの大部分を生かしながら、久石が大幅にアレンジを変更し新たに録音を行った[73][74]。オープニング曲は飛行石が輝く場面とシンクロするようになっており、エンディング曲は日本語オリジナル版の上にピアノの演奏がミックスされている。CDは徳間ジャパンより発売されている。
ディズニー版は2017年にアメリカで、GKIDSとファゾム・イベンツによってイベント上映され[75][76]、翌2018年にも11月18日から20日の間に[77][78]、字幕版と併せて648館で劇場公開された[79]。
フランス語版
フランスでブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントより発売されているDVD(フランス語版タイトルはLe Château dans le Ciel、映画公開は2003年1月15日)はフランス語、日本語のほか「Castle in the Sky」の英語音声も収録されている。
同じDVDに収録されている日本語オリジナル版および、そのオリジナル版と同じ音楽を用いたフランス語版の音声は、音楽の音程がオリジナルより約半音高くなっている。これは秒間24コマのフィルムから秒間25コマのPAL方式にテレシネする際、1コマ分の4%早くなる為。
英語版の字幕は、英語版音声を忠実に書き起こしたものと日本語版からの翻訳重視のものが2種類収録されているが、フランス語版の字幕は1種類のみで、フランス語版の音声と字幕では内容が異なる。
フランス語版DVDはリージョン2(日本と共通)、映像方式はNTSC/PALコンパチブルで、日本の家庭用DVDプレーヤーでも再生可能。
関連商品
作品本編に関するもの
- 映像ソフト
-
- 天空の城ラピュタ VHS - 徳間書店/徳間ジャパン/徳間コミュニケーションズ 128GH-12(1986年8月25日)
- 天空の城ラピュタ Beta - 徳間書店/徳間ジャパン/徳間コミュニケーションズ 128GB-5012(1986年8月25日)
- 天空の城ラピュタ VHD - 徳間書店/徳間ジャパン/東芝/東芝映像ソフト VDS-A0452(1986年9月21日)
- 天空の城ラピュタ LD - 徳間書店/徳間ジャパン/徳間コミュニケーションズ 128LX-8~9(1986年9月25日)
- 天空の城ラピュタ VHS - ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント VWSZ-8014(1998年9月18日)
- 天空の城ラピュタ DVD - ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント VWDZ8014(2002年10月4日)
- 天空の城ラピュタ Blu-ray Disc - ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメント VWBS1189(2010年12月22日)
- 出版
-
- 天空の城ラピュタ―フィルムコミック(1)(1986年9月30日)ISBN 4-19-776593-2
- 天空の城ラピュタ―フィルムコミック(2)(1986年9月30日)ISBN 4-19-776594-0
- 天空の城ラピュタ―フィルムコミック(3)(1986年10月20日)ISBN 4-19-776602-5
- 天空の城ラピュタ―フィルムコミック(4)(1986年10月20日)ISBN 4-19-776603-3
- THE ART OF 天空の城ラピュタ(1986年11月30日)ISBN 4-19-816610-2
- 天空の城ラピュタ(徳間アニメ絵本)(1988年3月31日)ISBN 4-19-703626-4
- スタジオジブリ作品関連資料集 型録I(1996年6月30日)ISBN 4-19-860525-4
- 天空の城ラピュタ(スタジオジブリ絵コンテ全集2)(1986年10月、新装版2001年6月)ISBN 4-19-861377-X
- 天空の城ラピュタ(ロマンアルバム)(1986年10月、新装版2001年9月)ISBN 4-19-720156-7
- 映画 天空の城ラピュタ GUIDE BOOK(1986年8月、復刻版2010年12月)ISBN 4-19-720320-9
- ※以上は全て徳間書店
- ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ(文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2013年5月10日)ISBN 978-4-16-812001-5
- シネマコミック2 天空の城ラピュタ(文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2013年5月10日)ISBN 978-4-16-812101-2
- 天空の城ラピュタ大百科(勁文社〈ケイブンシャの大百科〉、1986年8月)
- 音楽
-
- 天空の城ラピュタ イメージアルバム 空から降ってきた少女 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2004年8月25日)TKCA-72720
- 天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2004年8月25日)TKCA-72721
- 天空の城ラピュタ シンフォニー編〜大樹 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2004年8月25日)TKCA-72722
- 天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2004年8月25日)TKCA-72723
- (挿入歌)君をのせて(CD) 井上杏美、C/W「合唱 君をのせて」「君をのせて(カラオケ)」徳間ジャパンコミュニケーションズ((再発版CD/2004年10月27日)TKCA-72755(オリジナル盤8cmCD/1988年3月25日)
- スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX [Box set, Limited Edition] (CD) 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2014年7月16日)
その他関連書籍
- アニメージュ・ゲーム文庫「天空の城ラピュタ」より 天界の迷宮(作:佐藤大輔、絵:ふじたゆきひさ、徳間書店〈アニメージュ文庫〉、1987年12月)ISBN 4-19-669572-8
- アニメをゲームブック化した作品であるが、敵との戦いが敵味方ともに体力がゼロになる前に士気が減少することによる逃亡で決着がつく、パズーは軍人に対して正面から戦うとほぼ確実に捕まってしまうなど、原作テイストよりも作家性が非常に強い作品になっている。
- 宮崎駿 映画の風(空の会 著、創樹社、1993年12月)
- もう一つの「バルス」-宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代(木原浩勝 著、講談社、2016年10月/講談社文庫(増訂版)、2018年9月)
- スタッフ(ジブリ制作デスク)による回想記
タイアップ商品
- 清涼飲料水「ライトフルーツソーダ 天空の城ラピュタ」(味の素)
- ビデオディスクプレーヤー マイドリーム(東芝)
小説版
亀岡修『小説 天空の城ラピュタ 前・後篇』、徳間書店 アニメージュ文庫
- 小説 天空の城ラピュタ 前篇(1986年5月31日初版、ISBN 4-1966-9556-6)
- 小説 天空の城ラピュタ 後篇(1986年7月31日初版、ISBN 4-1966-9557-4)
イラストは宮崎駿。亀岡は宮崎自身からの指名を受けノベライズ[80]を担当し、月刊『アニメージュ』に連載後に出版された。
映画では描かれていない飛行客船襲撃よりも前のエピソードや、映画のラストの半年後を舞台としたエピローグが書かれており、その他細かい設定や、登場人物の心情描写の補完がなされている。
2002年にDVD化された際、10000セット限定販売の『「天空の城ラピュタ」DVDコレクターズ・エディション』に、この小説版をハードカバー単行版で再編し『コレクターズ・エディション』版に付属された[注 43][注 44]。
脚注
注釈
- ^ 徳間書店の『ロマンアルバム』114ページでは12歳と記載がある。
- ^ 両親についてはシータの口からわずかに語られるのみである。
- ^ 初期設定では12歳と設定されていたが、この年齢設定は後に廃止されている。
- ^ 徳間書店の『ロマンアルバム』では「パズーと同じ年頃」と記載がある。
- ^ 文春ジブリ文庫『シネマ・コミック』の表記は「マ・ドーラ」。
- ^ 『ジ・アート・オブ 天空の城ラピュタ』に掲載された準備稿にも、同様の台詞がある。
- ^ ドーラの父が死んだ時に四散した部下の中で唯一、ドーラのもとに残り一家を盛り立ててきたという記述が小説版にある。
- ^ 紹介早々「狭くて手が入らねぇ」とボヤくモトロの横に素早く潜り込み、整備箇所をすぐに把握して見せた。
- ^ 小説版ではシータに「儂みたいになれる」と言っている。本編でも終盤でラピュタから生還したパズー達と再会した時にドーラの息子や部下達がシータの名を呼び歓喜する中、「小僧」とパズーを呼んで喜んでいた。また、シータについても気に入っており、ドーラとのチェスの対局中に「いい子だよ」と発言している。
- ^ 小説では、「ボロ船」ではなく「儂の可愛いタイガーモスが…」と言っている。
- ^ パズーとドーラ一家がティディス要塞に向け出発する際のシーン。私服を着ているためわずかだが素顔が映る。
- ^ ただし、モウロ将軍や将校たちとの会議中、サングラスを外し、素顔を見せているシーンがある。
- ^ 『ジ・アート・オブ 天空の城ラピュタ』に掲載された準備稿には、「産業革命を機に谷を出た」というムスカの台詞がある。
- ^ ラピュタが崩壊するシーンでは、瓦礫が落ちていく中にムスカが小さく描かれている。
- ^ これは、当初本作が、『未来少年コナン』の以前の世界観にある作品として企画されていたことに由来する。
- ^ 演じた永井は、「欲ボケの頭の悪い将軍です(笑)。軍人はすこし頭の悪い方が出世するんですよ」とコメントしている[20]。これは、文藝春秋文春ジブリ文庫『ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』にも掲載されている。
- ^ 襟元に十字勲章、左胸に円形の勲章を2個。十字勲章はムスカに退避を進言したゴリアテの乗員も着けている。
- ^ ただし、『ジ・アート・オブ 天空の城ラピュタ』に掲載された準備稿には、ムスカが将軍に対し面従腹背しているきらいはあるが、「シータにロボットを見せるように将軍に対して進言する」「将軍がラピュタ探索の指揮官に任命された際に祝辞を述べる」「ゴリアテの乗員に対し将軍を収容するように指示する」「ムスカの諫言を将軍が率直に受け入れる」等、それほど対立している様子は描かれてはいない。
- ^ 当時、宮崎は「ポムじいは何者だと思うか?」と隣にいた演出家に問うており、絵コンテを読み込んでいた演出がこの説を語ると、肯定も否定もしなかったものの、机で鼻歌を歌ったという[21]。
- ^ シャルルとの力比べで自分の服を凄まじい勢いで破いて筋肉を見せつけた際、呆れかえったおかみさんから「誰がその服を縫うんだい?」と言われている。
- ^ 映画本編では言及されないが、小説版の「後篇」でこの記述がある。
- ^ 後に発売されたブルーレイ版特典映像の「オリジナル脚本」では、可愛がっていたウサギが見つからなかったことが理由であると記載。
- ^ 舵輪を握って操船していたのは、パズーの父である。同乗者についての詳しい設定はされていない。また、劇中でも、詳しい説明はパズーの口からはない。
- ^ プラトンの著書に『天空の書』なる書籍は存在しない(プラトンの項を参照)
- ^ これらは物語が進行しないので省略された[26]
- ^ 劇中では大きすぎるという理由で城のみが描かれた[26][29]
- ^ 宮崎によると「表向きには、たまたま木が生えただけで、理屈はどうでもいい」とのこと[26]
- ^ エンスカイ製 80ピース 天空の城ラピュタ テスト飛行 80-F003
- ^ ロケット艇の発艦や着艦のシーンはないため、搭載方法などの構造については不明。
- ^ 時速の0km/hはホバリングができることを意味している。
- ^ サントラ所収「ロボット兵(復活〜救出)」
- ^ シータが祖母から教わった呪文の光を「聖なる光」とすぐに見抜くも、肝心の呪文は知らなかったため、「どんな言葉だ?教えろ、その言葉を!」とシータに迫った。
- ^ その際、パズーの父がパズーに目をやっている。なお、徳間書店のフィルムコミックでは、パズーが「父さん」と言っているが、文春ジブリ文庫には吹き出しはない。実際の映画でも一切の音や声は入っていない。
- ^ 対象に反応して発光したり信号音も出す
- ^ 左腕は半分ほどが、右足は足首が壊れて外れていたが、なぜその状態で落下したのかは不明。
- ^ 徳間ジャパンにかつて存在したアニメ系楽曲のレーベル。1986年発売当時は同レーベルよりリリースされた。
- ^ キネマ旬報では7億円となっている[45]。
- ^ ムスカの所持する銃エンフィールドNo.2が実際に開発されたのは西暦1927年。
- ^ 鈴木敏夫は、「宮崎駿は、ムスカが好きなんです。(中略)ああいう人に対して、自己投影しているんですね。ドーラは、『ラピュタ』の制作中に亡くなったお母さんですし。でも、キャラクターに自己や母親を投影してるなんて、本人にしたら恥ずかしいことで、人には言われたくなかったんでしょう」とコメントしている。『文春ジブリ文庫 ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』「借金を背負って発足した『スタジオジブリ』」60頁
- ^ 宮崎駿の実弟、宮崎至朗は、「試写会の後、私にはわかったような気がした。あれは駿兄貴が映像を通してオフクロに送った、無器用だが精一杯のはなむけだったのかもしれないと」とコメントしている。初出は1989年に発行の『アニメージュ特別編集ガイドブック 魔女の宅急便』(徳間書店)。これは『文春ジブリ文庫 ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』に「家族の風景-兄・宮崎駿」として掲載されている。
- ^ フジテレビの『世界名作劇場』枠で放送されたテレビアニメ『七つの海のティコ』も本企画の設定が転用されている。
- ^ ゴリアテが撃沈された際のムスカの台詞「見ろ、人がゴミのようだ!」の時点でサーバが落ちることが多い[65][66]。
- ^ 同梱書籍であり、価格やISBNコードの記載はない。
- ^ なおハードカバー版も、当初は別に単体で販売予定され、DVDパッケージに同梱された関連商品の紹介チラシにも記載されたが、DVD発売時点では発行中止が決定し、訂正の注意書きも同梱されていた。
出典
- ^ 124分04秒22コマ
- ^ 尾形英夫『あの旗を撃て 『アニメージュ』血風録』オークラ出版、2004年、239頁。ISBN 978-4-77-550480-2。
- ^ 切通理作『宮崎駿の<世界>』筑摩書房・ちくま新書、2001年、27頁。ISBN 4480059083。
- ^ 宮崎駿『『天空の城ラピュタ』企画原案」『出発点 1979〜1996』』徳間書店、1996年、394-395頁。ISBN 978-4-19-860541-4。
- ^ 鈴木敏夫「宮崎・久石コンビはこうして生まれた」(「久石譲in武道館」チラシより) セブンネットショッピング内スタジオジブリ専門店
- ^ 鈴木敏夫『ジブリの哲学』岩波書店、2011年、76p。
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参考文献
- 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年。ISBN 4845906872。
関連項目
- 登場するメカニックのモデル
- 関連のある作品
- ガリヴァー旅行記
- 空想の空飛ぶ機械達
- 未来少年コナン
- ふしぎの海のナディア
- 七つの海のティコ
- さらば愛しきルパンよ(ルパン三世TV第2シリーズ第155話〈最終回〉)
- その他
外部リンク
- 天空の城ラピュタ - スタジオジブリ公式サイト
- 天空の城ラピュタ - 日本映画データベース
- 天空の城ラピュタ - allcinema
- 天空の城ラピュタ - KINENOTE
- 天空の城ラピュタ - MOVIE WALKER PRESS
- 天空の城ラピュタ - 文化庁日本映画情報システム
- 天空の城ラピュタ - 映画.com
- Castle in the Sky - オールムービー(英語)
- Castle in the Sky - IMDb(英語)
- SF MOVIE DataBank:天空の城ラピュタ
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2016年1月18日アーカイブ分) - 金曜ロードショー(2004年12月24日放送分)
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2016年4月25日アーカイブ分) - 金曜ロードショー(2007年6月15日放送分)
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2014年7月25日アーカイブ分) - 金曜ロードショー(2009年11月20日放送分)
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2011年12月3日アーカイブ分) - 金曜ロードショー(2011年12月9日放送分)
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2013年8月5日アーカイブ分) - 金曜ロードSHOW!(2013年8月2日放送分)
- 天空の城ラピュタ - ウェイバックマシン(2016年1月15日アーカイブ分) - 金曜ロードSHOW!(2016年1月15日放送分)