マハーバーラタ

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マハーバーラタ』(महाभारत, Mahabharata)は、古代インドの宗教的、哲学的、神話的叙事詩ヒンドゥー教の聖典のうちでも重視されるものの1つであり、また世界3大叙事詩の1つとされる。『ラーマーヤナ』と並ぶインド2大叙事詩の1つでもある。

パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の間に起った同族間戦争を主題とし、さらに様々な伝承やヒンドゥー教の説話、詩などが付け加えられて、グプタ朝ごろに成立したと見なされている。伝統的には作中人物の1人でもあるヴィヤーサの作と見なされているが、実際の作者は不明である。

原本はサンスクリットで書かれ、全18巻、100,000詩節、200,000行を超えるとされる。これは聖書の4倍の長さに相当する。

『マハーバーラタ』のうち『バガヴァッド・ギーター』は宗教上、特に重視され、また著名な部分である。

目次

[編集] 構成

物語は世界の始まりから始まる。その後、物語はバーラタ王家とパーンダヴァ王家の争いを軸に進められ、物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに違う物語や教典などが語られるという構成で、千夜一夜物語と似た構成になっているが、大きな相違点としてバーラタ王家とパーンダヴァ王家の争いの話自体が語られる物語であることがあげられる。また、数々の宗教書も物語の登場人物をして語らせることも多く、前述の『バガヴァッド・ギーター』もその内の1つである。

[編集] 東南アジアにおける受容

東南アジアでは『ラーマーヤナ』が王権を強調するものとして翻案され、支配階級のみならず民衆の間でも親しまれているが、『マハーバーラタ』は周辺諸民族(ドラヴィダ人など)を野蛮人として扱い、バーラタ族(すなわち原インド人の、特にバラモンクシャトリヤ階級)の正当性を強調する個所が多かったため東南アジア一般ではあまり普及しなかった。しかしながら、当然ある程度の受容は見られ、インドネシアバリ島ワヤン・クリットにおいては『ラーマーヤナ』と同じぐらいの頻度で題材に使われることもある。

[編集] 創作か事実を基にした物語か

『マハーバーラタ』に限らず神話は創作か事実を基にした物語か問題になることが多い。

[編集] 超古代文明の痕跡説

『マハーバーラタ』に記された「インドラの雷」の描写が核兵器を想起させるものである事から、古代核戦争説を唱える者も居る。放射性元素の研究者であった化学者フレデリック・ソディも少なくとも、『マハーバーラタ』は事実を基にした物語と捉え、原子爆弾が開発されるはるか前の1909年の著書『原子の解説』の中の「マハーバーラタの記述」において、「遠い昔、未知の力、例えば原子力に通じていた文明が存在していたが、使い方を誤り滅んだのだと私は信じている」と、記している。 しかし、創作の場合でも登場人物がだけに核兵器に匹敵する能力が描写されていたとしても不思議は無いというのが一般的な考え方である。

[編集] 参考文献

[編集] 訳書

  1. 『マハーバーラタ(全9巻)』 山際素男編訳、三一書房、1991年-1998年(英訳からの重訳)
  2. 『原典訳マハーバーラタ(1-8)』 上村勝彦訳、筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2002年-2005年(逐語的な訳で一般に評価が高いが、訳者が翻訳未完のまま亡くなった。全11巻予定だったが8巻目で未完。)

[編集] 概要本

  • 『マハーバーラタ』 C・ラージャーゴーパーラーチャリ、レグルス文庫全3巻
  • 『インド集 筑摩世界文学大系 (9)』 辻直四郎編 筑摩書房
  • 『マハーバーラタ戦記 - 賢者は呪い、神の子は戦う』 マーガレット・シンプソン(概要書中で一番俗っぽいが、一番読み易く、また入手しやすい。)

[編集] 部分訳

  • 山際素男『マハーバーラタ - インド千夜一夜物語』 光文社[光文社新書]、2002年(上記1.の抜粋)
  • 山際素男 『踊るマハーバーラタ 愚かで愛しい物語』光文社新書、2006年
  • 『マハーバーラタ・ナラ王物語 - ダマヤンティー姫の数奇な生涯』 鎧淳訳、岩波書店岩波文庫]、1989年

注:このほか『バガヴァッド・ギーター』の訳があるが、そちらはバガヴァッド・ギーターを参照のこと。

[編集] 戯曲化

[編集] 論文

  • 上村勝彦 『インド神話 - マハーバーラタの神々』 東京書籍、1981年。筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2003年
  • 中村了昭 『マハーバーラタの哲学 - 解脱法品原典解明(上・下)』 平楽寺書店、1998年
  • ドゥ・ヨング、塚本啓祥訳『インド文化研究史論集  欧米のマハーバーラタと仏教の研究』平楽寺書店 1986年
  • 前川輝光 『マハーバーラタの世界』 めこん 2006年
  • 沖田瑞穂 『マハーバーラタの神話学』 弘文堂  2008年

[編集] 関連書

  • 『マハーバーラタ1 原典訳』 上村勝彦訳、ちくま学芸文庫 筑摩書房、2002年- ISBN 4480086013  解説がある。
  • 『マハバーラト』1巻 池田運訳、講談社出版 ISBN 4876017395 全4冊
  • 上村勝彦『始まりはインドから』 筑摩書房 2004年、遺著

[編集] 映像資料

[編集] 外部リンク

英文
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