実利論

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実利論』(じつりろん、サンスクリット語 अर्थशास्त्र Arthaśāstra)は、古代インドの政治家カウティリヤによる帝王学の著作。

成立[編集]

伝承によればこの著作は、カウティリヤによって紀元前4世紀頃に著されたとされるが、史実に沿うか否かを立証する十分な史料はない。本書を研究したカングレーは、後世に成立したという学説に対して批判を加えているが、実際に著作者がカウティリヤであるということを実証することは難しく、論者によって議論が分かれる。

内容[編集]

カウティリヤは、古代インド・マウリヤ朝を創始したチャンドラグプタの宰相であった人物で、その著作は国家行政の全般について論じている。その政治思想は、しばしばマキアヴェッリの『君主論』と比較されており、その利益を重視する政治思想に特徴付けられる。ただし統治の技術だけでなく、法律経済、建築、軍事、産業など15巻から成り立ち、細かい事柄への言及も含まれており、当時のインド社会の資料にもなっている。

この著作は、土地の獲得と守護を目的として古来から論じられてきたさまざまの実利論で、

  • 第1巻では修養
  • 第2巻では長官の行動
  • 第3巻では司法規定
  • 第4巻では刺の除去
  • 第5巻では秘密の行動
  • 第6巻では基本としてのマンダラ
  • 第7巻では六計について
  • 第8巻では災禍に関すること
  • 第9巻では出生する王の行動
  • 第10巻では戦闘に関すること
  • 第11巻では共同体に対する政策
  • 第12巻では弱小の王の行動
  • 第13巻では城砦の攻略法
  • 第14巻では秘法に関すること
  • 第15巻では学術書の方法

を論じている。

日本語訳[編集]

関連項目[編集]