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カーナビゲーション

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タクシーに搭載されたカーナビ(2004年7月16日)
2DIN AV一体型カーナビゲーションシステムの例:三菱マルチエンタテインメントシステム(三菱コルトプラス)
AV一体型インダッシュカーナビゲーションシステムの例:Panasonic Strada

カーナビゲーション英語: Automotive navigation system)とは、電子的に自動車の走行時に現在位置や目的地への経路案内を行なう機能であり、また「カーナビゲーション・システム」と呼ばれる電子機器のことである。略して「カーナビ」と呼ばれることが多い。「ナビ」と略されることもあり、ナビという言葉自体がカーナビゲーションを表すようになってきている。本項では主に機器について記す。

カーナビは、狭義には車載の固定式機器だけを指すが、広義にはカーナビから発展した携帯型ナビゲーション装置なども含まれており、本項目ではそれら各種を分類しながら以下で説明を行う[出典 1]

概要

カーナビは、自車の位置を知ることと、自車の位置を基に目的地への道案内をするのが主な機能である。通常はこれらを表示画面上の地図上の表示で行う。道案内は音声による指示を併用することが多い。

自車位置を知る仕組みとしては、GPS(全地球測位システム)衛星からの位置情報が基本であるが、GPSだけでは誤差があること、トンネルなどでは無効なことから、カーナビ内の加速度センサジャイロタイヤの回転に伴う車速信号などの情報による自立航法と併用することが多い。

経路案内は、詳細な道路情報を含んだ地図データを内蔵することにより、運転者に対して目的地までの進むべき道を示す。内蔵の地図は、多くがカラー化された液晶ディスプレイ上に表示され、加えて合成音声による進路の案内が行える。製品によっては渋滞情報や空き駐車場情報の提供や、目標物の擬似立体表示などの付加的機能が備わっているものもある。

当初は自動車用の行き先案内を行う車載の固定式電子装置だけであったが、二輪車用も登場し、2005年からは採用されている技術の一般化や部品の低廉化、装置の小型化に伴ってPNDと呼ばれる車載用だけに限らない携帯可能な個人用ナビゲーション機器が現れている。その後、電子技術の向上に伴ってカーナビが提供する機能の多くが小型の電子部品で実現できるようになり、2009年からは専用機であったPNDから高機能な携帯電話スマートフォンの1機能に含まれるようになっている[出典 1]

分類

従来からある車載固定形式のカーナビはオンダッシュ型、インダッシュ型、AV一体型があり、その後、登場したポータブル型やPNDでは車に固定もできるようになっている形式が一般的である。新たに登場したスマートフォンなどは、固定方式を含めて未知数の部分が多い。

オンダッシュ型

オンダッシュ型はダッシュボードの上に表示部を持つ形式であり、視認性が良い。 輸入車をはじめとする一部車種では、カーオーディオ類を取り付けるためのDINスペースが1段分しか無かったり、そもそもDIN規格ですらない場合もあり、インダッシュ型・AV一体型が取り付けられない車種や、2段DINスペースが確保されていてもインダッシュ型・AV一体型では視認性に難がある場合に用いられる事が多い。特に助手席エアバッグの無い車種だと取り付けても前方視界を妨げる可能性は低い。 当初はカーナビゲーションの殆どがオンダッシュ型であり、安価なため2DINスペースが存在する車種でも利用されてきたが、AV一体型タイプの普及、ポータブル型の性能向上によって衰退し、現在では輸入車などの取り付けに制限のある車種を考慮して一部メーカーが生産しているのみとなった。

インダッシュ型

モニターをカーオーディオなどを収めるための1DINスペースに取り付ける形式である。性能はオンダッシュ型と同等。純正及び市販のカーオーディオと組み合わせて使う。オンダッシュ型でもそうだが一部の機種では標準でFMモジュレーターを内蔵しており純正カーオーディオでCD/DVDなどの音声をFM電波で出力できるものもある。未使用時・駐車時はモニターを格納できるので、車上荒らしに遭いにくいと言われていたが、オンダッシュ型に比べて高価であった為に狙われる事も少なくなかった。 アンプ内蔵のHDD方式のAV一体型ナビゲーションも一部メーカーで発売されたがオンダッシュ型と同様に、AV一体型の普及により下火となっている。

AV一体型

ギャザズ VXH-072CV
2DINサイズHDDナビ(クラリオン製)

AV一体型はカーナビにカーオーディオとTV機能が一体化した形式であり、音声と画像の機能が連携しており操作も統一されている。通常は2DINタイプのオーディオスペースを占めるので、設置できる自動車に制限がある。操作はパネルのボタンだけでなくタッチパネル式やリモコンを備えるものもあり、音声認識機能を持つ製品もある。上級機種などでは1DIN+1DIN形式もあり、一方の1DINを他の場所に置くことで1DIN規格の自動車にも対応できる。

初期期には、音楽用CDのドライブで地図データ用CD-ROMを読み込むために音楽を再生しながらカーナビ機能が使えない製品も存在したが、オプションのCDチェンジャーを利用したり、機器内に2つのCD/DVDドライブを持つものや、HDDやSDカードなど、別の記録媒体との併用により、こういった問題は解消されている。上位製品では、DVDソフトの動画を後席のモニタで再生しながら、前席ではカーナビ表示が行えるものも存在する[1]。 当初は高価であった為にあまり普及しなかったが、価格の下落や機能を割り切った安価な2DINメモリーナビの登場、自動車の2DINスペース仕様の強化もあってオンダッシュ型・インダッシュ型を駆逐している。

ポータブル型

三洋電機 初代ゴリラ

ポータブル型はカーナビ本体をスタンドから自由に取り外せる形式である。多くの機種がオンダッシュ型のディスプレイ同様にダッシュボード上のスタンドにカーナビ本体を設置する。CD-ROMだけを搭載した廉価機から、DVDとHDDの2つのドライブを搭載した上位機まで多様である。家庭用テレビに接続できるタイプも多く、DVDビデオ再生可能機種はDVDプレーヤーとしても利用できる[2][3]。着脱が簡単で携帯性に優れており自宅や出先でのバッテリー動作や、また二輪車での利用も考慮されている製品もある。

オンダッシュ型・インダッシュ型・AV一体型(据置型)と比べて安価であった為、「今居る場所が分かる地図」として使用するライトユーザーや、複数台自動車を所有し載せ替えて使用するユーザー、普及以前のレンタカー会社、元々地理に明るいタクシードライバーやトラックドライバーが使用するケースが多かった。

かつては殆どの機種がGPS情報だけで測位・案内を行っていたため、ビル街等の空が見渡せない場所での表示誤差が非常に大きく、トンネル内では案内を中断してしまう事もあり、据置型との価格差以上の性能差があるとされたが、GPS信号を処理するコンピュータの性能向上、自立航法ユニットの内蔵や車速信号の入力端子を設けるなどして自車位置表示性能を向上させた。また近年ではポータブル型では不可能であった3D描写やドライバー目線の表示も出来るようになった。

オートバイ搭載用

防水耐震匡体、直射日光下でも見やすい反射型液晶、ヘルメットに内蔵可能なワイヤレスイヤホン、手袋をしたままでも操作しやすいボタン等を装備したオートバイ搭載用の機種も市販されている。一部大型車種やスクーターではメーカー純正オプションとしての装着も行われている。

PND

PND(Personal Navigation Device)と呼ばれる携帯が可能なナビゲーション用の装置が従来の車載型カーナビにとって代わりつつある。

当初はGPSによる位置情報を得る低価格な携帯機器として登場したが、詳細な地図データと加速度センサやジャイロセンサを搭載することで高精度なナビゲーションが可能になった。車輌固定型のカーナビとは異なりタイヤの回転に伴う車速信号を得るようにはなっていないものが多い。一般的には、地図情報の記憶媒体には内蔵のフラッシュメモリーメモリーカードを採用し、液晶画面を小型化することで片手で持てる大きさの、アンテナや電池まで含んだ一体型の本体形状である。5型~7型のモニタサイズが主流であるが、3.5型といった小さなものもある。安価な価格でPDAのようにオーディオ再生やカメラ撮影と画像再生機能まで含むものが一般的になってきており、従来の車載型カーナビの市場を奪う存在になっている。

レーダー探知機にPND機能を一体化させたものや、気圧計を組み込み精度を向上させている機種もある。

欧米では以前から、防犯上の理由や日本ほど街路が入り組んでいないことから、PNDのような機器が販売されていたが、日本でも高機能を必要としない層への普及や、セカンドカーへの搭載、オートバイ自転車あるいは徒歩での利用などへの市場が拡大している。

PNDを車載にする場合は、PND本体を直接ダッシュボードへ粘着テープで固定する形式と車載用の固定スタンドによって脱着可能な形式がある[4]

携帯電話・スマートフォン

携帯電話PHS、スマートフォンにGPS受信機を搭載し、アプリケーション・ソフトや通信契約によってナビゲーション機能を提供するものもある。PNDが車載固定式のカーナビ市場を奪ったように、高機能な携帯電話を含む携帯情報端末が、今後はナビゲーション専用機であるPNDの市場を奪うと予想される。通信機能を持つ情報端末であれば、テレマティクスによる高度なナビゲーション機能が比較的容易に実現できるため、通信機能を持たない従来型のカーナビでは提供できなかったサービスが可能になると期待されている[5][出典 1]

利用技術の種類

現在位置取得方法

これらを複合して測位・地図表示する事をハイブリッド測位と称する。

地図情報の保管場所

  • DVD
  • HD
  • SSD
  • リモートサーバー(無線回線前提)

渋滞情報の取得方法

歴史

開発初期には、自立航法のみを用いて自車の現在位置を割り出していたため、走行開始後一定の地点で走行する方角の微調整を要した。また、車輪の回転を検出して移動距離の情報とするため、カーフェリー乗船時などには実際の移動を全く反映せず、上陸時に再設定の必要があった。また、GPSの電波航法だけに頼る方式では、当時の米国の軍事上の理由から民間用では位置情報の誤差が100m程度までしか提供されず運用の保障もされていなかったことや、トンネル等の電波が届かない所ではそもそも利用できないなど問題があった。但しGPS方式では、船や列車での移動時も電波が届く所であれば位置情報は得られることになる。

民生用のカーナビ製品は日本での普及が最初であった[6]。民生用のカーナビが登場しはじめた頃には、GPSによる電波航法と自らのセンサー類に基づく自律航法が組み合わせられ、さらにCD-ROMに記録された道路地図情報を必要に応じて読み出し、自車走行経路の情報と照合する事で、正確に自車位置を特定するマップマッチングという方式も取られていた。その後、地図情報は記憶容量のより大きなDVDも採用されるようになり、米国製GPS衛星の安定運用への配慮と高精度サービスの開放、車載用TV受像機やカーステレオセットなどとの一体化などもあって、本格的に普及していった。その後は、「ディファレンシャルGPS」によって位置精度をさらに高める工夫や、道路交通情報通信システム (VICS) による渋滞情報や規制情報といった交通情報まで得られる製品も一般的になっている。

近年では、DVDに代わりHDDFlash SSDを搭載することにより動作の高速化・記憶容量の拡大が図られた製品や、テレマティクス[7]による通信機能で地図情報などを更新できる製品や、ワンセグTV受像機、デジタルオーディオプレーヤーインターネット接続といったデジタル機器類と融合した製品も登場している。

1980年代

1990年代

  • 1990年 マツダ三菱電機と共同開発したGPS式カーナビを搭載した「ユーノス・コスモ」を発売
  • 1991年 パイオニアが市販モデルで世界で初めてGPS式カーナビを発売。人工衛星からの電波で誘導することから、「サテライト・クルージング・システム」と呼ばれた。
  • 1992年 アイシン・エィ・ダブリュが世界初のボイスナビゲーションの開発に成功。初代トヨタ・セルシオに搭載される。以後、アルパインをはじめとする各カーナビメーカーに供給が開始され、音声案内は現在のカーナビのグローバル・スタンダード機能となる。
  • 1996年 VICSサービスが開始
  • 1997年 ホンダがナビゲーションシステムとインターネットを融合させた、第1世代のインターナビサービスを発表。翌年アコード等からサービス提供を開始
  • 1997年 パイオニアがDVD-ROMカーナビを発売。
  • 1997年 5月 株式会社衛星測位情報センターがFM放送電波に載せて送信するD-GPSサービスを開始。

2000年代

  • 2000年 5月 米国国防総省が民間用GPS上のSA(セレクティブ・アベイラビリティ)信号を停止。これにより、GPSのみでの位置精度がそれまでの100m程度から10m程度へと飛躍的に向上した。
  • 2001年 パイオニアがハードディスクドライブ内蔵カーナビを発売。音楽CDからリッピングできる「ミュージックサーバー」機能も搭載し、この後の高機能カーナビの方向性の指針となる。
  • 2002年 パイオニアが通信型カーナビを発売。
  • 2002年 日産自動車テレマティクスカーウイングス」を開始。
  • 2003年 ホンダがインターナビ搭載車両から収集した交通情報を共有することにより、通常のVICS道路交通情報通信システム情報未提供道路に対しても情報を提供するフローティングカーシステムを自動車メーカーとして世界で初めて実用化。
  • 2005年 KDDI、および沖縄セルラー電話携帯電話上で利用できるカーナビシステム「EZ助手席ナビ」のサービスを開始(徒歩用のナビゲーションサービスは既に存在したが、本サービスより自動車の移動速度に対応可能に)。
  • 2006年 パナソニックが地上デジタル放送チューナー標準装備モデルを発売。
    携帯ゲーム機(プレイステーション・ポータブル)用のGPSレシーバーおよび対応ソフト「MAPLUS ポータブルナビ」(エディア)発売。
  • 2008年 3月 株式会社衛星測位情報センターがD-GPSサービスを終了。
  • 2011年 4月 NTTドコモAndroid搭載スマートフォンで利用できるカーナビゲーションサービス「ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア」を開始。

日本以外の歴史

日本が世界一のカーナビ大国であるといわれていた当時は、海外では車輌の航法システムは軍事用や救急車両のような緊急車両用が主流であり、民生用としては趣味品あるいは一部の技術的趣向者むけとしての位置づけが強かった。その後、現れた簡易型のカーナビともいえるPNDは、タクシー業者をはじめ個人でも普及しており、インダッシュ型のAV機能などの付加価値付きカーナビはあまり普及していない。海外メーカーにはガーミンLGフィリップス、TOMTOM、モトローラIBMフィリップスなどがある。世界最大のメーカーであるガーミンの生産台数は、年間1000万台にものぼる。それに対する日本メーカーの生産台数は100万台以下であり、国際市場を得る機会を逃してしまった。

欧米各国でも日本と同様に、住所(英米で xxx street, フランスで rue de xxx, ドイツ圏でxxx Strasse(Straße), 北欧で xxx Vegen・xxxkatu など)を入力していって徐々に絞り込み検索が行われ、目的地を確定、そしてルートマップと音声案内機能でガイドすることは日本と変わらない。著名施設は大抵直接検索可能である。

カーナビ用地図

カーナビ用に用いられる電子地図の表示と案内のシステムは次の機能を持つのが一般的である。

  • 基本機能
  • カーナビ機能
    • 地名・電話番号等による該当箇所の検索
    • 車両の移動に伴い、自車位置を画面中央に保持する自動スクロール機能
    • 車両の前方方向を画面上方に表示する自動回転機能。北を画面上方とすることも選択可能
    • 目標地点を指示するとそこまでの道路を表示するルート検索機能。高速道路有料道路を利用する・しないなどのモードを選択できる。ルートから外れた場合には音声などで知らせる。
    • 音声案内機能。曲がるべき交差点などを音声で知らせる。

同じような地図データを見やすく表示しようと、メーカー各社が工夫している機能に次のようなものがある。

  • 上空位置に視点を置いて表示する鳥瞰図機能。「バードアイ・ビュー」とも呼ばれる
  • ランドマークとなる目立つ建物を擬似3次元で表したり実映像を表示する
  • 主要な交差点やインターチェンジ付近を擬似3次元で表したり実映像を表示する

主なメーカー・ブランド

カーナビ本体

かつてはジョグダイヤル対応機種や、本体・モニター両方が1DINに収まるモデル(NVX-DV733/735/739)を発売するなど、パイオニアとともにカーナビの黎明期を歩み続けたメーカー。ナビ研にも加入していた。しかし2DIN AV一体型搭載機の投入をせず(但しXYZシリーズなど、AV機能を内蔵した“ポータブルではない”モニタ一体型モデルで、DINに取り付けるアタッチメントは発売していた)、2006年に日本でのカーエレクトロニクス部門から一旦撤退した。そのためもあり最終型の据え置きカーナビであっても地図データの更新は早々と打ち切られており最新地図データの復帰を望む声も少なくない。しかし2007年3月に簡易型カーナビを販売し再参入した。

地図ソフト・システム開発など

カーナビゲーション用地図最大手

携帯電話アプリ

かつて市販機を製造販売していたメーカー

住友電工製とナカミチ製は、機種によっては同じソフトウェア(CD)を使用することが出来る。但しCDは、2000年を最後に更新されておらず、両社とも市販カーナビ市場から撤退したことにより更新の可能性は途絶えている。
いずれも、ナビゲーション機能だけを搭載した製品を投入し、早い時期から画面の360度スクロール表示を実現し、VICS対応機器、ヘッドアップディスプレイの拡張に対応していた。
純粋にナビゲーション機能を追求するメーカーの姿勢と、進路変更やスイッチ操作に対する素早い反応など製品の機能を評価し、絶版となった今でも愛用するユーザー、CD-ROMの更新を待ち望むユーザーは少なくない。
かつては『ナビラ(NAVIRA)』という名称で販売していた。2001年7月に発売の機種以降、アフターマーケット向けの新製品の発売は無い。現在はケンウッドと技術・業務提携している。
『ナビゲーター』という名称で販売していた。現在はGPSアンテナをOEM供給している。
『GoGoNavi』という名称で販売していた。
NS400 1994年~
NPA01(498,000円)を1992年に市場投入した後、五機種を発売したが、販売ルートを確立出来なかったため、1995年に投入した機種を最後に市販市場から撤退した

その他

日本での道路交通法

日本では、1999年11月から、道路交通法第百二十条第一項第十一号において、「自動車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視」する行為に罰則が設けられたが、カーナビは手に保持しない物のため、単純な注視は2004年11月以降の法改正後も依然罰則対象にはなっていない。しかしながらも、運転中のわき見による集中力の低下などを抑止するため、パーキングブレーキに取り付けたセンサーや本体の車速センサーと連動させることによって走行中の一部の操作が制限されたり、テレビの映像が表示されなくなる(音声のみとなる)機種が存在する。なおこの制限は上記の法律・罰則や危険が存在することや、これにより事故が発生してもドライバーが責任を負うことを承知の上で解除することが出来る。

サイクルナビゲーション

自転車のカーナビゲーションであるサイクルナビゲーションにパイオニアが参入した[8]

脚注

  1. ^ AV一体型カーナビは、日本では転売目的の車上荒らしによる盗難被害が指摘されており、防犯対策が求められている。特に後付けタイプでは、窃取するため取り外す際に一体型であるが故に短時間で済むことも増加傾向に拍車をかけていると言われている。
  2. ^ ポータブル型には、三洋電機の『ゴリラ』やソニーの『nav-u』、クラリオンの『DrivTrax』、ナビタイムジャパンの『CAR NAVITIME』などがある。
  3. ^ ソニー モバイルの"nav-u"では、スタンドをゲル吸盤で固定する。
  4. ^ 車載電子機器は高温・低温・振動といった環境下での使用が求められるため、一般に高品質・高信頼性の部品が選ばれるが、車載可能なPNDのすべてがこういった過酷な環境を想定しているかは不明であり、購入と使用に際しては性能や機能とは別に機器の寿命や耐久性まで考慮することが求められる。
  5. ^ スマートフォン用のプラットフォームで大きな位置を占める米Google社は、基本的に無料であるAndroidの初期リリース時からPND相当機能"Maps Navigation"を含めて開発しており、2009年10月に発表されすでに登場しているAndroid 2.0では通信切断後も端末ローカル上で地図データを保持することでPNDとしての利便性を実用的なものとしている。スマートフォン上でのナビゲーション機能アプリによる更なる市場の拡大は、純技術的な意味での障害は予想されないが、日本のカーナビ・メーカーはカーナビゲーション・システムに関する特許を合計1万件ほど保有しており、実際にパイオニア社は特許侵害として携帯ナビ・サービスの提供やPND機器を販売している複数社を訴訟している。こういった訴訟において、車載でないPNDやスマートフォン上での同等の機能がどのように扱われるかにより、今後、非固定型のナビ・システムの展開が変わる可能性が高い。
  6. ^ 世界で初めて民生用カーナビを販売したのは、日本の本田技研工業である。かつては全世界のカーナビ製品の8-9割は、日本のメーカーが製造していた。そしてその半数も日本国内で販売されており、海外でのカーナビ普及率は低かった。当時、日本は世界一のカーナビ大国であるといわれていた。
  7. ^ 携帯電話PHS等の無線接続によって専用サーバーに各車が相互接続することでVICSとは別のより詳しい道路情報が得られる「テレマティクス」と呼ばれるサービスを、日本の自動車メーカー数社が提供しはじめた。
  8. ^ “パイオニアが自転車市場参入、サイクルナビゲーション販売へ”. (2011年10月25日). http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20111025_486229.html 2011年10月25日閲覧。 

出典

  1. ^ a b c 清水直茂著、『スマートフォン・ナビに死角 パイオニア特許訴訟の余波』、日経エレクトロニクス2010年1月11日号

関連項目