Flash SSD

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Flash SSD(Flash Solid State Drive)とは、半導体記憶素子であるフラッシュメモリを使用した記憶装置の1種である。通常は単にSSD(Solid State Drive、Solid State Disk)と呼ばれる事が多い。メモリディスクの1種である。

典型的な外部記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)の機能を主記憶装置などで使用されるDRAMのような半導体で実現したシリコンドライブ(シリコンディスク)や、メモリディスクとも呼ばれるSSDは以前から存在しており、Flash SSDはこの記憶素子に、21世紀に入って低価格化した不揮発性の半導体記憶素子であるフラッシュメモリを使用したものである[1]。フラッシュメモリドライブ(フラッシュメモリディスク)、フラッシュドライブ(フラッシュディスク)などとも呼ばれる。本項目ではHDD類似のFlash SSDについて述べる。

2009年6月現在は、一般的なOSからは「HDD」として扱われるが、新OSであるWindows 7からはHDDとは別種の記憶装置「SSD」として扱われる事が決まっている[2]。また、既にOpenSolarisなど一部のOSではSSDに対応したファイルシステムが提供されつつある。

目次

[編集] 特徴

HDDに比べて価格は高いが、ランダムアクセス時の読み込み性能に優れ、これを多用するOSやアプリケーションソフトウェアの起動、かな漢字変換などの読み込み時に時間短縮が期待できる。従来の多くのSSDではバックアップ電源を持たないと電源の切断によって記憶内容が消えてしまったが、Flash SSDは不揮発性であり電源切断後も内容を長期に渡り保持できる。また低消費電力で放熱も少なく耐衝撃性にも優れ、小型で騒音も発しない事から携帯用途に向いており、デスクトップパソコンよりはノートパソコンでの採用例が多いほか、高い入出力性能と低消費電力という点が動機となってデータセンターでのサーバー機へのHDD代替による採用も進んでいる。

コンピュータとの接続はHDDの標準的なインターフェースであるAdvanced Technology AttachmentシリアルATAに対応するものが多く、そのほかにPCI Expressに対応したものもある。

少数例ながら、カーナビやビデオカメラ、PNDでもFlash SSDは使用が始まっている[出典 1]

[編集] 構成

Flash SSDは以下の部品によって構成される。

コントローラチップ
フラッシュメモリチップと接続端子の間で読み書きを制御する。特にウエアレベリングと不良ブロック処理はFlash SSD用コントローラ特有の機能である。2009年現在は誤り検出訂正を行なうECC機能は高信頼性製品だけが持っているが、今後は廉価に大容量が得られるMLC型フラッシュメモリの信頼性補完のために普及品でも採用されると思われる。
フラッシュメモリチップ
通常は複数個のメモリチップが使用され、データを記憶する。
キャッシュメモリ
キャッシュメモリには32Mバイト程度のDRAMを使用することが多く、読み書きの高速化に寄与する。記憶素子は読み出し動作によって保持していた情報が消える破壊記憶であるため、部分的な書き込み時には対象となるブロック全体を一時的に保持するのに使用される。また、1つのブロックに対する複数の細かな書き込み要求ではフラッシュメモリに書き込まずにキャッシュメモリに蓄えておき、ある程度まとめてから1度に書き込むことで、書き込み可能回数の実質的な向上を行なうのにも使用される。
回路基板、接続端子、パッケージ
回路基板によって配線と部品の保持がなされ、外部とは接続端子によって電源を受けて情報信号をやり取りする。パッケージが全体を保護・支持するが内蔵型のものではパッケージを持たないものもある。Flash SSDを含めてSSDの大きさに関する標準規格はないが、1.8インチや2.5インチといった小型HDDの形状に対応したマウント部を持つパッケージが存在する[出典 1]

[編集] HDDとの比較

HDDに対する強みはおもにモーター及びアームといった機構部品による可動部を持たないことによる。2009年5月現在、Flash SSDはHDDに比べ以下の利点・欠点がある。

利点
  • 可動部を持たない
    • シーク動作や回転待ち時間、スピンアップといった時間が掛からない。前者2つによってランダム読み出しが速い
    • 耐衝撃性が高く、読み書き中でもある程度の振動は許容される[3]
    • 低消費電力・低発熱・低騒音である
    • 耐環境性が高い。HDDよりも高い環境温度まで対応している[4]
    • 故障率が低い(書き換え回数の上限は故障ではない)
    • 小型軽量である
    • シークエラーが存在しない
欠点
  • 書き換え可能回数に上限がある
  • 記憶容量あたりの単価がHDDと比較してかなり高い[5]
  • アクセスが集中しすぎると、フリーズする。
  • OSによるサポートが不備である。
    • OSがHDD用の処理をSSDに適用する結果、ハード特性の違いから不都合を生じることがある[6]
    • SSD向けに望ましい機能がOSでサポートされていない場合がある[7]
  • データ保持時間が有限である[出典 1]

SSDの短所は、HDDに比べて記憶容量あたりの単価が高く、記憶素子に書き換え回数に上限がある事である。HDDと同様の使用方法のままでは、比較的早期に書き換え可能回数の上限を越えてしまい、やがては内部の記憶素子の劣化が進行することで記憶情報の保持が出来なくなる。

2009年春現在、SSDは同サイズ・同容量のHDDと比較して数倍の価格で販売されているが、これらの差は徐々に縮まりつつある。

書き換え回数の制限も、特定の記憶素子に書き換えが集中しないように分散化させるウェアレベリングや、短時間での頻繁な書き換えを避けるためのキャッシュメモリの併用、既に不良回避のために存在する冗長記憶領域とは別に書き換え回数制限の回避を目的とした広い冗長記憶領域の確保によって改善できる。

また、一般的にSSDで用いられるフラッシュメモリチップの転送速度はHDDよりも劣っている。ただしSSD内部には複数個のフラッシュメモリチップを搭載することができ、それらを専用IC等を用いて多並列動作させる事で、HDDと同等あるいはそれ以上の性能が確保されている。さらに、HDDとフラッシュメモリの双方の長所を取り入れようと、これらを組み合わせたハイブリッドHDDも開発され、実用化に至っている。

[編集] 記憶素子による分類

2009年現在、SSD内部の記憶用半導体素子には大記憶容量が比較的容易に得られるNAND型フラッシュメモリが使用されており、この記憶素子は次の2種類に大別される。

  • SLC型(Single Level Cell)
  • MLC型(Multi Level Cell)

これらは記憶素子内の蓄積電荷量、つまり、電位の検出区分に違いがある。

[編集] SLC型

SLC型は1つの記録素子に1ビットのデータを保持する。蓄積電荷量の検出を"Hi"又は"Low"と言った2値で判断するため、記録素子の劣化やノイズといった多少の蓄積電荷量のバラツキは許容される。

  • 書き換え可能な上限回数が大きい
  • データ保持期間が比較的長い

SLC型はその書き込み速度と書き換え可能な上限回数が大きいことにより、サーバ向け[出典 2][出典 3]や産業用の組み込み装置など、信頼性や低保守性が求められてコスト高を許容する用途に普及している。

[編集] MLC型

MLC型は1つの記録素子に2ビット以上のデータを保持するため大容量化に向く。蓄積電荷量の検出を"Hi"と"Low"だけでなく、2つの間にいくつかの中間値を設定して、4値や8値、16値といった多値で判断するため、記録素子の劣化やノイズによって少しでも蓄積電荷量に変動が生じると、保持していたデータは誤りとなり、多くの場合、フラッシュメモリ回路内の誤り検出回路によって検出されメモリーブロックが不良とされて代替メモリーブロックに切り替えられる。代替メモリーブロックが不足するとFlash SSDは使用できなくなる。

MLC型はSLC型と比べて書き換え可能な回数とデータ保持期間で劣るが、より安価に大容量製品が作れるため、長期間の使用や高信頼性をそれほどは求めず価格に敏感な、個人用PCのような用途での製品に使用され、出荷数や採用数ではSLC型を上回っている。

MLC型とSLC型はそれぞれの特徴を生かした用途で使用されており、読み出し時の性能はSLCとそれほど変わらず、書き変えの上限問題もウェアレベリング(書き込み分散処理)等で一定程度は確保されている。このため、民生用途では今後もMLC型が普及していくものと見込まれている。また、SLCとMLCを混用した製品もある。

[編集] 適した用途

読み込み中心
データの読み出しが中心で書き込みをほとんど行わないものでは、フラッシュメモリの欠点である書き換え可能回数の少なさが緩和される。例えば、プログラムファイルは一度インストールされると、アップデート機能で新たなファイルが上書きされるまで、読み出しのみとなる。同様に、編集などによる再保存を行わないデータも、読み出しが中心となる。
小さなファイルの読み出し、たくさんのファイルの先頭部分の読み出し
小さなファイルの高速読み出しやインデックスなどの作成で、たくさんのファイルにアクセスするときにアクセス速度が重要になる場合もあるが、フラッシュメモリとHDDの比較では、フラッシュメモリのシークの速さ(HDDのシークの遅さ)が読み出し速度の遅さを相殺する。
身近な例
典型的なものでは、音楽データファイルを格納するデジタルオーディオプレーヤーのフラッシュストレージがある。データを一度保存すると、あとは読み出しが中心となり、再生には高速な読み出し速度を必要としない。またストレージ容量の大容量化が進むにつれて、繰り返し古いデータを削除して新しいデータを入れるといった操作の頻度も低下し、欠点(書き込み耐性の低さ)が現れにくくなる。
適さないもの
上とは反対の性質をもつものが適さない。読み書きの対称性では、例えば繰り返し更新を行うデータベースのデータファイルや、書き込みが繰り返し行われるキャッシュファイルや、用途によっては大量に作成されるテンポラリファイルなどがある。キャッシュファイルやテンポラリファイルについては、これらを使用しないオンメモリのシステムやソフトを用いることで対処できる。
データの読み書き速度では、大容量のファイルの保存や読み出しを短時間あるいは頻繁に行いたい用途には向かない。例えば、100MB単位の大容量の音声データ(WAVなど)や映像・画像などのデータの編集には向いていない。
このように、データの再生や数MB程度の小規模なファイルの出し入れが中心の使い方か、データベースやワークステーション的な使い方が中心かによって向き不向きがある。
HDDとの棲み分け
同様にHDDにも用途により向き不向きがある。大きなサイズのファイルの連続読み書きにすぐれる大型の3.5インチ HDDはデスクトップパソコンなど据え置きの大型機器にしか搭載できず、近年広く普及しているノートパソコンに使用できない。小型HDDになると連続読み書きの性能は低下し、1.8インチHDDになるとフラッシュメモリが上回るようになる。また、放熱や消費電力の大きいHDDはノートパソコンやモバイルパソコンには適さない。このように、読み書き性能や大容量を重視するか、使い勝手やモバイル性能など他の要素を重視するかは、用途によって変わってくる。

[編集] ランダムライト性能

シーケンシャルリードの性能が広告用のベンチマーク結果としてよく出されるが、ランダムライトの性能にも注目を払う必要がある。HD Tune Proなどの、ベンチマークソフトのランダムアクセスのWriteの値でそれがわかる。種類によって極端な差が開いており、512バイト書き込みのIOPS(1秒あたりに処理できるリード/ライト命令数)でみて、1桁から、1万以上までと、数千倍の速度差が開いている。JMicronのJMF602を搭載した機種の性能が著しく悪い。

7200rpmのHDDは1秒間に120回転しており、ランダムアクセスは120 IOPSが限界となり、加えてヘッドの移動時間があるので、これよりも小さな数字になる。つまり、512バイトのランダムライトが100 IOPSを下回るSSDはハードディスクよりもランダムライトが遅い可能性がある。 フロッピーディスクは300〜360rpmであり、1秒間に5〜6回転している。ランダムライトのIOPSが一桁ということは、フロッピーディスク並みであることを意味している。

[編集] トラブル

長期使用に伴う性能低下の問題

現在、SSD長期使用者や多頻度利用者(容量一杯まで書き込みを行うなど)から、書き込み性能が購入時よりも低下したという報告が多数上がっている。

原因はまだはっきりとは分かっていないが、有力な説として以下がある。

「データを削除して空き領域となった所に再度書き込みが行われる際、データの消去処理などが追加で実行されている可能性が高い。」

SSDは購入当初は書き込みの際、消去済みの初期化ブロックに対して"書き込み"だけをするため処理は速い。 しかし、HDDを想定した一般的なファイルシステムにおいては、書き込まれたデータを削除して空き領域とする場合、ディスクの管理情報を書き換えることでデータをOSから見えなくするだけであって、実際にはデータそのものは消去されず、空き領域にそのまま残ることになる。 SSDを使用し続けることでこのような「データが残っている空き領域」が増加していくが、これらの領域はSSD側で一定の時点で消去されることはなく、そこへの新しいデータの書き込み命令があった時に初めて消去される。

つまり、只の書き込みの度に “古いデータの消去 + 新しいデータの書き込み” のような二つ以上の処理を必要とするため速度が低下する。ということである。(尚、消去処理は、書き込み処理より約100倍ほど時間がかかる。) さらに、"Flash"という名前の由来でもある「消去を一括に広範囲で行う」という特性上、本来消す必要の無い領域まで余計に消去してしまうため、その領域については元の値を書き戻すステップが必要となってしまう。NAND Flashの一般的な仕様の一つである「読み書きは2kB単位、消去は256kB単位」というシステムを例にとると、たった1ビットの値を書き換えるだけでも最悪のケースでは128回の読み込みと1回の消去、そして128回の書き戻し動作が行われる。

[編集] 製品

Flash SSDは、ノートパソコンや産業用に向いており、複数のメーカから多数の製品が販売され、価格の低下に応じて販売数が伸びている。書き換え回数の制限が厳しい物もある[8]。そういった問題を解消した安価でより高性能な製品の登場が期待されている。ノートPCでのSSDの採用はそれほど進んでいないが、Eee PCを始めとするネットブックでは記憶容量より低価格化を優先するためにHDDの代替にSSDを採用しはじめ、その後、ノートPCでも80Gバイトから120Gバイトの記憶容量を持つ製品が日本の大手PCメーカーのほとんどから発売されている[9][出典 1]

[編集] 採用製品例

Flash SSDは幾つかのメーカーから販売されている。未発売の製品も含む。

上記ドライブ製品とは別に、SDメモリカードやCFメモリーカードを組み合わせてSSDドライブを自作する製品も出ている。

[編集] 今後

[編集] コストと信頼性

Flash SSDは2009年現在では市場に受け入れられ、普及期に入っている。登場当初の性能や品質重視の製品ばかりでなく、今後は購入者の低価格志向に対応したコスト重視の製品販売が企画されており、一部では過度の品質低下を危ぶむ声がある。そういった製品が一般向け市場で販売されて今後問題となるか不明であるが、いずれにしてもFlash SSD製品は「コスト重視」のものと「品質・信頼性重視」のものとに2極化してゆくと予想されている。

コスト重視型

Flash SSDのコストの約80%を占めるNAND型フラッシュメモリ半導体が安価に大容量化出来れば、販売価格は安く出来る。現状のSLC型を4値による2ビット/セルのMLC型にするだけでなく、既に8値による3ビット/セルのMLC型が検討されており、また、プロセスルールの微細化によって大容量化が図られている。多値化や微細化によって書き換え回数が減少するが、周辺技術でカバーし切れるのかという問題がある[10]また、フラッシュメモリ半導体が元々データ保持時間が有限であり、セルの微細化はそのままこの時間短縮となって現れる。HDDのように機構部品の寿命を除けば半永久的な情報保持原理のものと同じ感覚で扱うと、書き換え回数が少ない読み出し専用であっても2-3年程、早ければ1年も放置すればデータは失われてしまう[11]

2009年現在、フラッシュメモリを使ったUSBメモリでは使い捨て的な製品が検討されている[12]。しかし、データが消えては困るユーザ向けや、安価ではない機器内に固定して使用されるFlash SSDでは、このような使い捨てを前提にはできない。逆に、安価な使い捨て型のUSBメモリ類と競合して行かねばならない。

品質・信頼性重視型

低廉化よりも品質や信頼性、そして長寿命化を重視する製品では、以下のような手法によってこれらの実現を求める。

  • SLCの使用
  • キャッシュメモリの併用とバックアップ用キャパシタの搭載、又はキャッシュ用にFeRAMやMRAM、PRAMを使用する
  • フラッシュメモリの冗長領域の広いものを使用する、又は冗長領域用にフラッシュメモリを追加する
  • 使用半導体を長時間のバーンインを行い、出荷前に特性の悪いものを排除する
  • SSDの寿命をユーザーが見積もれるツールを提供する
  • 誤り訂正(ECC)の多ビット化
  • 書き込みと消去の電圧を下げる[13]ことでトンネル絶縁膜の劣化を抑え、1素子当り100万回の書き換え可能なNANDフラッシュメモリチップを使う[14][出典 1]

[編集] HDDの代替

HDDとの価格差は年々減少しており、100Gバイト程度のFlash SSDを搭載したノートパソコンも2009年現在いくつか販売されている。2009年3月時点ではHDDとFlash SSDの部品単価の差は4倍程度であるが[15]、2011年3月頃には200Gバイト製品で75米ドル程度まで価格低減出来る技術的なめどがついている。上手く行けばそれ以降もさらに価格が低下して、2012年3月頃には400Gバイトで75米ドル程度に出来る現実的な可能性があり、そうなればノートパソコンの多くがHDDの代わりにFlash SSDを搭載してもおかしくはない。

HDDメーカーもFlash SSDの登場に対応した動きを見せている。2008年11月には、日立グローバルストレージテクノロジーズ社(HGST)がフラッシュメモリのメーカーでもある米インテル社とサーバー機向けのFlash SSDの共同開発に関して提携した。また、HDD業界2位の米ウェスタン・デジタル社がSSDメーカーである米SilionSystems, Incを2009年3月に買収した[出典 1]

[編集] 高集積化

HDDのような機構部品を持たず半導体のみにより構成されるFlash SSDは、高集積化の技術的余地が大きく、今後の市場の要求次第では極めて高集積度の不揮発性の記憶装置が作られる可能性がある[16][17][出典 1]

[編集] 標準規格

OSと外部記憶装置の関係において、HDDとは異なる特性を持つFlash SSDをHDDの動作コマンドとサポート機能を流用している現状は改められるべきで、Flash SSD専用のストレージクラスがOSから与えられるのに合わせて、コマンドとサポート機能の標準化が物理形状の標準化と共に求められる。また、SLC型もそうであるが特にMLC型では書き換え回数の上限値の算定基準(又は測定基準)の標準化とその製品ごとの公開が求められ、それによって初めてHDDと(フラッシュメモリ使用の)USBメモリとに挟まれたFlash SSDの正しい使用方法とその限界が明らかとなる。これらの性能が比較可能な数値として表示されることで、2009年5月現在では当たり前の、製品購入時の判断材料がブランドイメージと不確かな噂話程度といった状況が改善され、正常な市場の発展に寄与すると考えられる[18]

[編集] その他

連続読み書き速度の比較においては、SSDは最新型のHDDを大きく上回る速度を既に実現(SLC品)している[出典 4]。しかし、ランダム書込み(特に小ファイル)の速度については圧倒的にHDDよりも遅いため、例えば搭載メモリの更なる多並列化などによって今後、改善が進むことが期待されている。

書き込み耐性が低いと思われがちだが、ウェアレベリング(書き込み分散化技術)やキャッシュメモリの搭載などの緩和策によって、毎日50GBの書き込みを行った場合でSLC搭載製品では20年以上、MLC搭載製品で4年以上の寿命があるとメーカーは主張している[出典 5][出典 6]

[編集] 脚注

  1. ^ Flash SSDの広がりによって揮発性記憶素子を使った従来型のSSDは市場から追いやられ、"SSD"といえば"Flash SSD"を指す事が普通になりつつある。
  2. ^ http://ascii.jp/elem/000/000/203/203235/
  3. ^ 振動については、1500Gまで対応している製品もある。
  4. ^ 産業用では動作温度-60℃〜95℃まで対応している製品もある。
  5. ^ 2009年4月現在、市販されている2.5インチHDDの最大容量は500GBで販売価格は1万円以下であるのに対し、SSDの最大容量品は256GB(MLCタイプ)で価格は5-8万円程度である。
  6. ^ Windows VistaではHDDのための自動的にデフラグメンテーション機能が働くため、使用には注意が必要である。放置すると無用な書き換え処理によって使用期間がかなり短くなる。
  7. ^ ウエアレベリングや不良ブロック処理のようなSSD特有の処理や、HDDでは当たり前の不良ブロックの排除のようなSSDでも有益なサービスもOSではサポートされず、SSD側でのコントローラ回路やキャッシュ回路、サポートドライバソフトウェアによって実現されているためにコスト高になり、また無用な書き換え動作が行なわれている可能性がある。ページサイズとブロックサイズの違いによる元々のフラッシュメモリの不便さに加えて、ページサイズ(4K-8Kバイトなど)とOSのセクタサイズ(512バイトなど)の違いによるムダも存在する。HDDに対するキャッシュ内データの書き込みを明示的に指示する"Flash Cash Commmand"も頻繁に出されるために書き込み回数をムダに消費する。
  8. ^ 「書き換え回数の制限が厳しい物」とはノートPCで使用されるFlash SSDで先端の2ビット/セルのMLCを採用した製品では、将来、市場で問題が出る可能性があると指摘する声がある事を指す。
  9. ^ 日本の大手PCメーカーのFlash SSD搭載ノートPCとは、Lenovoの"ThinkPad X300"の128GB、富士通の"FMVBIBLO LOOK R"の128GB、ソニーの"VAIO Type P"の128GB、東芝の"dynabook SS RX2"シリーズの128GB、パナソニックの"Let'snote W8"シリーズの80GBである。
  10. ^ 例えば、90nmのSLC型では書き換え可能回数は10万回程度だったものがMLC型(2bit/cell)の50nm世代では2万回以下に、MLC型40nm世代や2009年-2010年から量産が始まる予定の30nm世代では1万回以下(3,000回という予測もある)にまでなる。
  11. ^ 例えば、90nmのSLC型ではデータ保持時間が10年弱程度だったものがMLC型(2bit/cell)の50nm世代では5年前後に、MLC型40nm世代では2年前後、MLC型30nm世代では1年程になる。
  12. ^ 安価な携帯型音楽プレーヤーやUSBメモリ、メモリカードにFlash SSDではない形態でNAND型フラッシュメモリを使う用途では、超多値品と呼ばれる3ビット/セル以上のMLC型の採用が予定されている。例えば2009年現在市販されている3ビット/セルのMLC型では書き換え回数の上限が数百回となる。これらのものは低価格でありさえすれば、書き換え上限を越えて使用出来なくなれば新たに買い換えれば済む使用法が考えられるからである。
  13. ^ 2009年現在、通常の書き込み電圧は18V程度である。これを下げるには書き込み時間を長くする必要があり、記憶素子としての性能が犠牲になる。
  14. ^ 今までのNANDフラッシュメモリ素子と異なり、強誘電体ゲート電界効果トランジスタ(FeFET)を使用したNANDフラッシュであるFe-NAND素子を使用することで1億回の書き換え回数を実現するという考えもある。
  15. ^ 例えば、2009年3月時点での2.5インチHDD(160GB品)とNAND型フラッシュメモリ(160GB)は1Gバイト当りそれぞれ約4.1米ドルと約1.25米ドルと3.3倍程度である。Flash SSDではこれに周辺回路等が必要となりほぼ4倍程度の価格差になる。
  16. ^ Flash SSDだけに限らず、MRAMFeRAMReRAMのような半導体型記憶装置すべてに今後の高集積度化の可能性があるが、NAND型フラッシュメモリは既に製品化されていて記憶容量の集積密度も遜色がないという点で他よりは比較的現実性が高いと考えられる。
  17. ^ 例えば東芝は実装面積が18mm×14mmの128GバイトFlash SSDを試作した。これを16個使用すれば1.8インチHDDのパッケージ内に2Tバイトの製品が作れることになる。この試作品では16個の容量32GビットのNANDフラッシュメモリチップと1個のコントローラオップを25μmまで薄く削り、17枚をeMMCパッケージに積層実装した。
  18. ^ ただし、書き換え回数の上限値の算定はNANDフラッシュメモリチップのレベルでは可能であっても、Flash SSDの製品レベルではユーザーのデータ粒度やデータ局在性、タイミングと頻度に対してウエアレベリングやECC回路がどれほど機能するかまで予測することは難しく、環境温度のようにアクセス状況まで仮想的に規定してベンチマーク化してもどれほどの実効性があるか不透明である。また、最も判りやすく10,000回保証や5年間保証といったことは本来現実的ではない。

[編集] 出典

  1. ^ a b c d e f g 佐伯真也、大石墓之著 『どう付き合うかSSD』 「日経エレクトロニクス」 2009年4月20日号 日経BP社発行 p.29-p.51
  2. ^ ハイエンド・ストレージの世界もSSD、米EMCが大手ベンダー初の製品発表 マイコミジャーナル
  3. ^ SunもSSD製品投入へ、ハイエンドサーバの世界で急速に広がるSSD マイコミジャーナル
  4. ^ Micron、読み込み/書き込み速度が250MB/secの高速SSD PC Watch
  5. ^ MtronとSuper Talentが高性能/高信頼性をアピール PC Watch
  6. ^ Super Talent's MasterDrive MX series Data Sheet

[編集] 関連項目

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