大阪高速鉄道

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大阪高速鉄道株式会社
OSAKA MONORAIL CO.,LTD.
Osaka monorail logo.png
Osaka Monorail Headoffice.JPG
大阪高速鉄道本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 大阪モノレール
本社所在地 日本の旗 日本
郵便番号:560-0082
大阪府豊中市新千里東町一丁目1番5号
設立 1980年(昭和55年)12月15日
業種 陸運業
事業内容 軌道事業、販売事業、賃貸事業
代表者 代表取締役 井上 章
資本金 145億38百万円(2011年7月1日時点)
売上高 91億80百万円(2011年3月期)
営業利益 26億9百万円(2011年3月期)
純利益 11億82百万円(2011年3月期)
純資産 59億52百万円(2011年3月31日時点)
総資産 342億7百万円(2011年3月31日時点)
従業員数 175人(2011年7月1日時点)[1]
決算期 3月31日
主要株主 大阪府 65.1%[1]
京阪電気鉄道 2.7%
阪急電鉄 2.7%
近畿日本鉄道 2.7%
その他豊中市など7自治体と17社 26.8%
主要子会社 大阪モノレールサービス株式会社
外部リンク www.osaka-monorail.co.jp/
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大阪高速鉄道株式会社(おおさかこうそくてつどう)は、大阪府内で2つの跨座式モノレールの路線を運営している大阪府出資の第三セクター会社である。本社は大阪府豊中市新千里東町一丁目1番5号。一般には大阪モノレールと呼ばれている。スルッとKANSAIでカードに印字される符号はOMである。

1998年に当時の営業距離21.2kmが世界最長のモノレールとしてギネス世界記録に認められ、2007年には28.0kmまで延長されたが、2011年に中国重慶市重慶軌道交通が39.1kmの新路線(重慶軌道交通3号線)を開業したため、世界最長ではなくなっている。

関西大手私鉄とは阪急京阪のみとの接続だが、関西大手私鉄各社が大阪高速鉄道の株主に含まれている。

歴史[編集]

事業の経緯[編集]

大阪都市圏は、大阪市を中心として発展してきたため、一点集中型の都市構造で、鉄軌道網についてもその都市構造を反映し、放射状に形成整備されてきた経緯がある。そのため、都市圏の拡大発展に伴って都心部では、過度の集中に伴う交通う混雑等種々の弊害が生じるとともに、周辺地域では市街地の拡大に伴い、既存鉄道のサービスを享受できない傾向が生じた。このため、都心部の混雑緩和、都市業務地域の分散、周辺都市総合の公共輸送機関サービスの提供、自動車交通抑制に伴う代替交通機関の提供等、府下均衡ある発展を目指す環状鉄軌道の必要性が唱えられた[2]

1966年(昭和41年)8月、1970年(昭和45年)に開催される日本万国博覧会の輸送対策として、都心から放射状に伸びている国鉄(現在のJR西日本)、私鉄9路線との接続し、これら沿線からの来場客の利便の向上とともに、博覧会終了後も、近畿圏整備に中核的機能を果たす鉄道建設の提案がなされた(万博輸送対策に関連する中央環状線鉄道建設の提案・佐伯構想)。当面は府道大阪中央環状線にそって阪急千里線と国鉄関西本線との間、延長約26.1kmを建設し、将来は堺市ならびに西宮市方面への延長することが考えられた[2]

1967年(昭和42年)に策定された大阪府の大阪地方計画では、府下の交通網は、従来のからの既成市街地を中心として主として放射状に整備されているが、都市整備の観点からも、地域開発の観点からも環状路線および周辺地域間の交通路線に早急に整備する必要があるとされた[2]

1971年(昭和46年)1月の大阪府企画室試案では、都心部への過度集中を緩和し、多核心的な都市構造の形成が必要である。このため東大阪を南北に貫き、北大阪、南大阪を東西で結ぶ「中央環状鉄道」の建設が有力な戦略となる。この環状鉄道には、モノレール等の新しい輸送方式を導入することを検討する。新しい駅周辺の開発により、鉄道の開発先導性を発揮するとされた[2]

年表[編集]

  • 1980年(昭和55年)12月15日 設立。
  • 1990年(平成2年)6月1日 大阪モノレール線 南茨木 - 千里中央間が開業。
  • 1994年(平成6年)9月30日 大阪モノレール線 柴原 - 千里中央間が開業。
  • 1997年(平成9年)4月1日 大阪モノレール線 大阪空港 - 柴原間が開業。同時に「茨木」駅から「宇野辺」駅へと駅名変更。
  • 1997年(平成9年)8月22日 大阪モノレール線 南茨木 - 門真市間が開業。
  • 1998年(平成10年)10月1日 国際文化公園都市線(彩都線)万博記念公園 - 阪大病院前間が開業。
  • 2006年(平成18年)2月1日 PiTaPa導入。同時にICOCAも利用可能に。
  • 2007年(平成19年)2月1日 通学定期券の割引率を50%から60%に拡大し値下げ。
  • 2007年(平成19年)3月19日 国際文化公園都市線(彩都線)阪大病院前 - 彩都西間が開業。全線で駅ナンバリング導入。
  • 2013年(平成25年)3月23日 IC乗車カード全国相互利用開始で、KitacaPASMOSuicamanacaTOICAnimocaはやかけんSUGOCAが利用可能になる。

路線[編集]

以下の2路線を営業している。

2004年には近畿地方交通審議会から「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として大阪モノレール線の門真市 - 鴻池新田 - 荒本 - 瓜生堂(東大阪市近鉄奈良線との交点付近)間 (8.7km) 延伸が答申案として示されている[3][4]。この答申案の区間については永らく動きがなかったものの、2013年4月に大阪府知事 松井一郎が「2001年度から続く黒字経営を府民に還元するべき」として事業化に向けたルート等検討業務の開始を関係各部局に指示した[4]。これに伴いルート等検討業務を第1四半期に一般競争入札で発注し、その結果を踏まえて、府庁内で協議に入る予定である[4]。(「大阪モノレール線」も参照)

彩都線の阪大病院前 - 彩都西間4.2kmが2007年3月19日に開業したが、それより先の(仮称)東センターまでの区間の整備は、国際文化公園都市(彩都)の今後の開発の進展にかかっており、現在は全くの未定となっている。

最急勾配は50パーミル(複数個所にある)。最急曲線は蛍池駅 - 柴原駅間の半径100メートルとなっている。

大阪高速鉄道大阪空港駅(2007年5月撮影)
大阪高速鉄道の最南端駅・門真市駅
路線図

車両[編集]

どの編成もすべての線区の運用に入っている。2007年3月19日の国際文化公園都市線(彩都線)の延伸後、彩都線列車が定期運用で大阪モノレール線(本線)千里中央駅まで乗り入れするようになったが、その後本線の各駅で本線方面の乗客が誤って彩都線の列車に乗車する例があり、2007年7月頃から側面方向幕が設置されていない編成は、誤乗防止策として彩都線の運用にはできるだけ入らないようになっていた。現在は側面方向幕が設置されていなかった編成すべてが側面方向幕設置改造を受けたため、再びどの編成もすべての線区の運用に入っている。4桁の車番の下2桁が編成番号となっており、2009年から先頭車両に車番とは別に編成番号が貼付されている。

運賃[編集]

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[5]

キロ程 運賃(円)
初乗り1 - 2km 200
3 - 4 250
5 - 6 290
7 - 8 330
9 - 10 370
11 - 12 400
13 - 14 430
15 - 16 460
17 - 18 490
19 - 20 520
21 - 22 550

PiTaPaは利用回数割引と区間指定割引が利用できる。IC定期券サービスは提供されていない。

一日乗車券の設定は無いが、「スルッとKANSAI 3dayチケット」(加盟各社の交通機関に発売日から3日間乗り放題)を、期間限定でモノレール各駅で販売している。

定期券発売所は蛍池・千里中央・南茨木・門真市の各駅に設置されている。なお、2008年11月11日より各駅に設置されているピンク色の自動券売機で、継続定期券及び有効期限が過ぎた定期券を使った旧券と同区間の新規定期券の発売を開始した。また、学生用の定期券は通勤定期券に比べて割安に設定されている。

第一種身体障害者手帳または、第一種療育手帳を持っている本人と介護者が一緒に乗車する場合は、本人と介護者を合わせた2人が割引乗車券を購入できる。身体障害者用車椅子の利用者が乗車する場合は、ご本人と介護者2名までが割引乗車券を購入できる。いずれの場合でも、事前に係員に障害者手帳を提示する必要がある。

以下のケースは割引が適用されない場合である。

  • 身体障害者手帳所有者が単独で乗車する場合
  • 第二種身体障害者手帳所有者が利用する場合

特に第二種身体障害者手帳の所有者が利用する場合、介護者が同時乗車するとしても、割引運賃は適用されない。

駅内設備[編集]

阪大病院前駅コンコースに設置された諸施設
山田駅のモノショップ
南茨木駅にあった「モノレールショップ」

各駅の自動改札機東芝製である。自動販売機はICカードを挿入する部分が備えられているが、現状はその部分が塞がれており、自動券売機でPiTaPaの利用照会やICOCAとPiTaPaへのチャージは不可能となっている。改札内にICカード用のチャージおよび簡易照会が出来る機械があり、チャージだけを希望する利用者は、改札係員に申し出ることにより改札内への一時入場が可能である。

各駅の構内には、大阪府現代美術コレクションの中からいくつかの作品を展示する大阪モノレール美術館がある。豊川駅および彩都西駅を除く、各駅の改札内に設置されている(大阪空港駅は、改札外に設置)。なお、豊川駅および彩都西駅にも、順次展示される予定になっている。また、本の貸出・返却の手続きが不要で、何冊でも借りることができる「モノレール文庫」が各駅に設置されている。

大阪空港駅以外の駅には、レンタサイクルがあり、一日200円で利用できる。

豊川駅以外の改札内コンコースには「モノドリンク」と名づけられた椅子とテーブルを備えた飲料自動販売機コーナーがある。

駅構内のコンビニエンスストアや売店は、子会社の大阪モノレールサービス株式会社によって運営されている。千里中央駅と門真市駅のコンビニエンスストアは「生活彩家 モノウェル」という名称で、2011年4月に生活彩家にフランチャイズ加盟した店舗である。大阪モノレールサービス株式会社採用の駅員やアルバイト職員が交代制で販売なども担当しており、時には大阪高速鉄道採用の駅員が販売に入ることもある。生活彩家にフランチャイズ加盟する前は単に「モノウェル」という名称であった。

また、以下の駅には改札口と一体型の小型売店が設置されており、「モノショップ」という名称で、改札口係員が販売を担当している。なお、モノショップはキヨスク形式ではなく、ドアから店内に入るウォークイン形式である。これは、何かの事情で改札口係員が全員改札口を離れる時に、売店を閉鎖できるようにするためである。ただし、最初に設置された少路駅のモノショップにだけはドアがなかったが、2009年1月下旬に他の駅のモノショップと同様のウォークイン形式となった。

モノショップ設置駅

南茨木駅には「モノレールショップ」という名称の大阪モノレール唯一のキヨスク形式の売店があった。しかし、すぐ隣の阪急電鉄の駅コンビニエンスストアアズナスや駅売店ラガールショップと競合することもあり、2008年1月31日限りで閉店した。そのあとには「モノベーカリー」という名称のパンの店が開業しているが、これも2011年11月末で閉店した。大日駅には2階改札口にモノショップが短い期間併設されていたが、2008年10月に閉店した。

一部の売店非設置駅では、改札で新聞のみの販売を行っている駅がある。

利用状況[編集]

1990年度から2013年度の年間利用者数は以下の通りである[6]

年度 利用者数(万人)
1990 469
1991 736
1992 782
1993 837
1994 876
1995 1052
1996 1099
1997 2148
1998 2629
1999 2759
2000 2849
2001 2842
2002 2901
2003 2974
2004 3062
2005 3184
2006 3331
2007 3566
2008 3672
2009 3616
2010 3639
2011 3661
2012 3735
2013 3872

2013年度の利用者数を1日平均に換算すると、10万6103人になる。

民営化論議[編集]

2008年2月6日に大阪府知事に就任した橋下徹は、大阪府が出資する法人について民営化(非第三セクター化を含む)を含めた検討を行うとしている[7]

位置情報[編集]

本社所在地北緯34度48分28.22秒東経135度29分41.46秒

脚注[編集]

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  1. ^ a b 出資法人等の事業の実施状況、経営状況等の評価結果(大阪府ウェブサイト)
  2. ^ a b c d 大阪モノレール建設記録 大阪府土木部 大阪高速鉄道株式会社 1990年6月発行
  3. ^ 鉄道整備・地方交通計画 - 国土交通省近畿運輸局
  4. ^ a b c 大阪モノレール延伸/第1四半期に一般入札/大阪府8.7㌔のルート検討 - 建設通信新聞、2013年4月4日配信及紙面掲載、2013年4月4日閲覧。
  5. ^ 消費税率引上げに伴う旅客運賃の改定について (PDF) - 大阪高速鉄道、2014年3月4日
  6. ^ OSAKAモノレールPRESS 2014年7・8月号 p.7
  7. ^ 「図書館以外は不要」橋下氏、大阪府施設の廃止・売却検討(Internet Archive) 読売新聞、2008年2月5日。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]