ボーリング

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ボーリング英語:boring)とは、円筒状のを穿つこと。またドリルで開けられた穴を大きくする過程のこと。

機械加工において用いられる場合、日本語では中ぐりとも表現され、ボーリングとともに一般に用いられる。機械加工では通常、単刃(シングルポイントカッティングツール)が用いられる。一例として大砲の内筒のくりぬきがあげられる。ボーリングは穴の径をより正確にするためや、テーパー状の穴にするためにも用いられる。

また、トンネル井戸など主に地中に円筒状の穴を掘削する作業もまたボーリングと表現される。この場合、日本語で試錐(しすい)もしくは鑿井(さくせい)とも表現され、地質調査農業水文学土木工学石油天然ガスなど産業、学術のさまざまな分野において用いられている。

当項目では、円筒状の穴を穿つ行為の中で、特に地中に円筒状の穴を穿つ作業について述べる。

ボーリングによる地盤調査の抱える大きな問題点[編集]

ボーリングによる地盤調査標準貫入試験によるN値の割り出しを基本とするが、多岐にわたる問題も抱えている[1]。また、現在の最新型ボーリングでさえも、地盤調査でのすべり面の判定は困難である[2]

独立行政法人である土木研究所のウェブサイトである「物理探査」[3]より、以下の指摘がされている。

  • この試験は、ボーリングを利用して地盤の強度をN値として表現するが、サンプラーを30cm深さを重錘で貫入させるのに必要な打撃を基準にN値を表現している。N値を1m毎で表現しているが、実際の値は、貫入した30cmのデータだけを表現している。すなわち、残りの70%のデータは表現されていない。
  • 計測値が、線形尺度でも正規分布でもなく、対数正規分布している。
  • 重錘でサンプラーを打撃する荒業なために、軟弱地盤では詳細な値を正確に得ることが出来ない。

上記を鑑みると、ボーリング調査で複雑な構造物である地質の状態を把握できるとは思えず、また、貫入時に水を加えるので、地盤の強度が自然と減少してしまい、必ずしも正確な値とはならない。

概要[編集]

従来の油田温泉を目的とした掘削、地質やそれに含まれるものの調査を目的とした「ボーリング調査」だけでなく、現在では掘削船による深海底(深海掘削計画、ODP)や南極の氷の掘削作業というものも可能になっている。

由来[編集]

細長い筒状の掘削機器で大地に錐のように穴(bore)を開けることから、この名がある。一般には、ボーリング調査、ボーリング試掘、などという。

コアの採取[編集]

ケースに収められたボーリングコア

ボーリング調査の際には、地表から到達点までの土壌をまるごと掘削機器内のパイプ(コアバレル、サンプラー、スプリットサンプラー、スプリットバレル、などと言う)に円筒状に取り込むこともできる。そのサンプルをボーリングコアとも言う。土壌サンプルから作られたその地点の地質断面図を、柱状図と呼ぶ。

ボーリングマシン[編集]

  • 地面にねじ込む手動式の装置(オーガ)から、無限軌道を装着した大型自走式装置まで多様な機種が存在しているが、原理的には圧力や打撃もしくは回転力により掘削するものである。

ロータリー・ボーリングマシン[編集]

  • 主に、地質調査を目的としてコアの採取を行う際に用いる。
  • ロッドの先を回転させ、注水を行いながら掘削を行う。

パーカッション・ボーリングマシン[編集]

  • 深度が浅く、砂岩泥岩など比較的柔らかい岩質に用いる。
  • 先端にビットが付いたロッドを打撃して掘削するため、コアの採取はできない。主にグラウト注入などの用途に用いられる。
  • 打撃音(騒音)が生じるため、都市部や住宅街では避けられることがある。

ロータリー・パーカッション・ボーリングマシン[編集]

  • パーカッション・ボーリングマシンのロッドに回転力を加え、より掘削が容易になるよう改良されたマシンである。
  • 深部や硬い基岩を掘削する場合に用いる。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Robert P. Multhauf 著、市場 泰男 訳 『塩の世界史』 (第8章、p.250〜p.281) 平凡社 1989年11月24日発行 ISBN 4-582-40803-6

脚注[編集]

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外部リンク[編集]