クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(クレヨンしんちゃん あらしをよぶ モーレツ オトナていこくのぎゃくしゅう)は、2001年4月21日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズの第9作目。上映時間は89分。興行収入は約15億円。キャッチコピーは『未来はオラが守るゾ』。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] あらすじ

昔懐かしいテレビ番組映画、暮らし等が再現された「20世紀」というテーマパークが日本各地で開催されていた。毎日付き合わされていい加減辟易しているしんのすけら子供達を尻目に、ひろしやみさえら大人達は、懐かしさに触れて20世紀博を満喫する。街中でも昔の自動車レコード白黒テレビといった古いものが売れるようになり、帰宅しても大人達は昔の懐かしい特撮番組やアニメ番組のビデオに取り憑かれたかのように夢中になる。ある晩、テレビで『20世紀博』から「明日、お迎えにあがります」という放送があり、これを見た大人達は突然人が変わったようになり、すぐさま眠りについてしまった。

翌朝、町中の大人達に異変が起こっていた。大人達は家事や仕事も忘れて遊びほうけ、子供達を無視していたのだ。しんのすけは困惑しながらも幼稚園に行くが、よしなが先生を初めとする幼稚園の先生たちも様子がおかしくなっており、しかも先生達はしんのすけの事を忘れてしんのすけのことを「しんたろう」と呼んでしんのすけは仲間外れにされてしまう。そしてしばらくすると、街中に沢山のオート三輪(ダイハツ・ミゼットダイハツ・CO型)が「証城寺の狸囃子」の曲を流しながら現れた。それを見聞きした大人達(紅さそり隊ら高校生含む)は皆それに乗り込み、子供達を置き去りにしてどこかへ走り去ってしまう。

これは“ケンちゃんチャコちゃん”をリーダーとする秘密結社「イエスタデイ・ワンスモア[1]による、大人を子供に戻して「古き良き昭和」を再現し、未来を放棄するという、恐るべき“オトナ帝国”化計画の始まりだった。

大人達は『20世紀博』のタワーから発せられる「懐かしいにおい」の虜になってしまったのだった。この「懐かしいにおい」とは、昔を知らない今の子供達には通用しないものであった。そして“オトナ帝国”化計画の矛先は、置き去りにされた子供たちにも向けられた。その日の夜、子供たちに投降を促すケンのメッセージがラジオから流れる。20世紀博からの迎えの車に乗れば親に会わせてやるが、来なかった子供は反乱分子とみなし、翌朝八時に一斉に捕えるという。だが親に会わせるというのは嘘で、実際には子供を隔離して「再教育」を施し、大人と同じように洗脳してしまおうとしていたのだ。

しんのすけがタイマーセットを8時にしてしまった逃げる時間がなかったので仕方なくサトーココノカドー内で逃げることにした。子供達を捕まえに来たイエスタデイ・ワンスモアの隊員や洗脳されたひろし達がデパートに現れ、かすかべ防衛隊は彼らに見つかり追われる事になってしまう。しかし何とか逃げ延び、逃げた先のデパートの駐車場で幼稚園バスを見つけたかすかべ防衛隊は、バスを運転してデパートを脱出する。そして、イエスタデイ・ワンスモアの野望を阻止することを決意したかすかべ防衛隊は幼稚園バスで20世紀博に乗り込むが・・・。

[編集] ゲストキャラクター

『クレヨンしんちゃん』のレギュラーメンバーについては割愛する。 クレヨンしんちゃんの登場人物一覧および個別記事を参照されたい。

ケン
イエスタディ・ワンスモアのリーダー紅茶を愛飲する。「汚い金」や「燃えないゴミ」ばかりがあふれる21世紀日本を憂いており、まだ人々が「心」を持って生きていた20世紀への逆戻りを企てる。最終的にはしんのすけの「大人になりたい」という言葉と仲間が野原一家に共感した事を受けて計画を諦め、大人達を解放する。その後塔の頂上からチャコと共に飛び降り自殺を図るもしんのすけの叫びと偶然飛び込んできたに止められる。そして彼自身も21世紀で生きる事を決意し、チャコとともに何処かへ去っていった。
愛車はトヨタ・2000GTであり、「俺の魂」と呼ぶ。
チャコ
ケンの恋人。ケンに共感している。感情が乏しい女性だが、物語の終盤ひろしにスカートを覗かれた際に少しだけではあったが感情をあらわにした。また、計画を諦めたあと、前述のとおり自殺を鳩に止められ「死にたくない」と泣いた。

[編集] 概要

第三十三回星雲賞メディア部門ノミネート。第23回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第8位。キネマ旬報オールタイムベスト・テン アニメーション部門7位。 日本のメディア芸術100選アニメ部門選出。また、雑誌映画秘宝が毎年選定している映画ベスト10では2001年度に、アニメーション枠ではなくすべての洋・邦画を含めた中で1位に輝いており、同誌ベスト10で1位になった邦画は、2010年現在、本作のみである。

エンディング曲に前作と同様、小林幸子(『元気でいてね』)を起用。また、対決の舞台が大阪万博・大人たちの子供時代となっているためか‘60~‘70年代のフォークソングが挿入歌として多数使用されており、より風情を醸し出している(主題歌欄参照)。

作品中には、トヨタ・2000GTトヨタ・1600GTコスモスポーツスバル360スカイライン(C110型、通称・ケンメリ)などの名車が実車名で多く登場する。また、随所に洋画『ガントレット』『ブルースブラザース』や『ルパン三世 カリオストロの城』(スバル360が閉まった鉄の扉にぶつかって山積みになるシーン、追っ手がとんでもなく沢山いるという設定)のカーチェイスシーンがオマージュされている。

冒頭に登場する特撮ドラマ『ヒーローSUN』は『ウルトラマン』、バックルから光線を放つスタイルは『ウルトラマン80』のバックルビーム、敵である怪獣はゴモラがそれぞれ元ネタである。敵のケンやチャコも『銀河鉄道999』や『ハレンチ学園』がモチーフになったデザインである[2]。また、本作のタイトルは『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のもじりである。また、ひろしがしんのすけに対し「国会で青島幸男が決めたのか?」と言ったり、ひろし、みさえがシェーをするなど、赤塚不二夫作品の代名詞とも言えるものも目立つ。

ラストにしんのすけが必死に階段を駆け上がるシーンがあるが、これはテレビ朝日の太田賢司プロデューサーの「敵とは戦わずに、しんちゃんが階段を駆け上がるみたいなのが良いのでは」とのアイディアを取り入れたものである。原は「テレビ局の方がそういった冒険的な判断をしてくれてうれしかった。そしてあのシーンは音楽の面の功績も非常に大きい」と感謝の旨を発言している。

しんのすけ役の矢島晶子は2005年の原恵一との対談で本作を劇場版の中で「一番好き」であると断言しており、本作および次回作である『戦国大合戦』の2作は別格で、「これからどうなるかわからないですけど、今のところ、あの2本を超えるのはかなり難しいだろうと思う」と語っている[3]

ゲストとして小堺一機関根勤が1シーン出演し、本人役で持ちネタを披露している。この出演は、関根が娘・関根麻里と一緒に映画版を見に行くほどのファンであったことと、原作者の臼井儀人TBSラジオコサキンDEワァオ!』のヘビーリスナーであったことが縁である。また、原作者の番組出演の際、撮影に使われたセル画が送られている。

本作のDVDのCMには俳優の阿部寛が起用され、大人の鑑賞にも堪え得る感動作であることを強調した。

本作はクレヨンしんちゃん15周年記念事業の一環として2006年9月30日にテレビでも放送されている。2009年12月18日にも来年度映画の宣伝として放映されている。また、NHKBSアニメ夜話第3弾(2005年3月29日放送分)では本作が取り上げられた。

[編集] キャスト

  • 不良小学生 - 京田尚子、鈴木れい子 ※ED表記なし

[編集] スタッフ

[編集] 原画

末吉裕一郎 大塚正実 高倉佳彦 佐藤雅弘 星野守
和泉絹子 尾鷲英俊 林静香 松山正彦 鈴木大司
吉田忠勝 篠原真紀子 松下佳弘 松本朋之 大久保修
清水健一 重頭巌 角張仁美
原勝徳 間々田益男
京都アニメーション木上益治 高橋博行
アニメーションDo/米田光良 上宇都辰夫 上野真理子
じゃんぐるじむ/三浦貴弘 山口保則 長谷川哲也 鎌田祐輔
手塚プロダクション/吉村昌輝 内田裕 三浦厚也 片山みゆき 細居美恵子 中川航

[編集] 主題歌

オープニングテーマには『オラはにんきもの』のカバー曲である『オラたちはにんきもの』(歌:さっちゃん&しんちゃん(矢島晶子))が使用される予定だったが中止された(使用が見送られた理由については不明)。この曲は同作主題歌『元気でいてね』のCDのカップリングに収録されている(DVDの映像特典には『オラたちはにんきもの』と『元気でいてね』の2パターンのTVスポットが収録されている)。

[編集] VHS・DVD

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 「昨日よもう一度」の意味で、昨日とはつまり20世紀を示している。元はカーペンターズのヒット曲のタイトル。
  2. ^ 湯浅政明原勝徳などが手掛けていた人目をはばかる装飾と濃いキャラクター性を持つ(いわゆる「イロモノ」的な)人物ではない点、(自身では)銃撃や格闘などを用いずに理知的にしんのすけと戦った点でも、今までの大ボスキャラクターとは一線を画していた。
  3. ^ 浜野保樹・原恵一編『アニメーション監督 原恵一』晶文社、2005年、p.165。
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語