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=== テレビ中継〜完成 === |
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2019年5月18日 (土) 03:45時点における版
「愛こそはすべて」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビートルズ の シングル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B面 | ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リリース | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
録音 | オリンピック・スタジオ、アビー・ロード・スタジオ(1967年6月14日-6月26日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャンル |
ポップ[1] サイケデリック・ミュージック | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
時間 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル |
パーロフォン(イギリス) キャピトル・レコード(アメリカ) オデオン(日本) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
チャート最高順位 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「愛こそはすべて」(あいこそはすべて、All You Need Is Love)は、1967年7月にビートルズが発表した15枚目のオリジナル・シングル曲である。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では370位にランクされている[4]。
解説
クレジットはレノン=マッカートニーとなっているが、実質的にはジョン・レノンが作った楽曲で[5]、リード・ボーカルもレノンが担当している。彼の作風のひとつである、4拍子と3拍子を組み合わせた巧みな変拍子が特徴で、受動態と二重否定を多用したポジティヴな歌詞も印象的。レノンは「曲を作るのに30分とかからなかったが、歌いこなすのに1週間かかった」と語っている。イントロにはフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が、エンディングにはJ.S.バッハの2声のインヴェンション8番BWV779[注釈 1]、グレン・ミラー楽団の「イン・ザ・ムード」のイントロ部分[注釈 2]、イングランド民謡「グリーンスリーブス」、ビートルズの「イエスタデイ」や「シー・ラヴズ・ユー」の冒頭部分が演奏されている[7]。
1967年5月18日にビートルズは、世界初の試みとなる通信衛星を使って24ヵ国で同時放送された宇宙中継特別番組『アワ・ワールド』(6月25日放送)[注釈 3]にイギリス代表として出演する契約に署名した。本作はこの番組の為に作られた曲[注釈 4]で、同曲のレコーディング風景が同番組内で世界中継された[5]。この時は白黒テレビによる収録・放映だったが、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』の映像版(Vol.7)ではコンピューターによるカラー化が行われている。当時のマネージャーであるブライアン・エプスタインは、この時のパフォーマンスを「グループにとって最高の瞬間」と語っている[10]。
1967年にシングルとして発表された後、米国ではキャピトル・レコード編集版アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された[11]。また翌年ビートルズを主人公としたアニメ映画『イエロー・サブマリン』の挿入曲として使用されたため、1969年に発売されたアルバム『イエロー・サブマリン』にも収録されている。アニメ映画の『イエロー・サブマリン』では、ペパーランドを荒らしたブルー・ミーニーズという化物らをビートルズが音楽で退散させる場面で使用されている[12]。
2002年6月3日、バッキンガム宮殿で行われた、女王エリザベス2世戴冠50周年記念コンサートのラストにて、出演者全員で合唱され、ポール・マッカートニーがベースとリード・ヴォーカルの一部を担当した[13]。ポールがビートルズ解散後にこの曲を一般観客の前で歌ったのは、これが初めてである。この時はコンサートの趣旨に合わせ、イントロにイギリス国歌「女王陛下万歳」が演奏された。
レコーディング
バッキング・トラック
ビートルズは、1967年6月14日(本番の11日前)にオリンピック・サウンド・スタジオで本作のバッキング・トラックのレコーディングを開始した[5][14]。リンゴ・スターは普段どおりドラムスを演奏しているが[15]、ジョン・レノンはハープシコード、ポール・マッカートニーはダブルベース、ジョージ・ハリスンはバイオリンと不慣れな楽器を演奏した[16]。この日は33テイク録音されたうちの第10テイクが最適とされ、リダクションされた後に新しい4トラック・レコーダーに移された[5]。
6月19日にレコーディング・スタジオをEMI第2スタジオ(現アビー・ロード第2スタジオ)に移し[17]、ジョージ・マーティンによるピアノ、レノンによるボーカル、ギター、バンジョーに加え[18]、バッキング・ボーカル(「Love, Love, Love」というフレーズ)がオーバー・ダビングされた[19]。
6月23日にオーケストラを交えてリハーサルが行なわれて、その演奏がバッキング・トラックに加えられた[17]。放送前日となる6月24日に、ビートルズは本作を次のシングルとして発表することを決定した[17]。同日に行なわれたリハーサルでは、BBCのテレビクルーをはじめ、100名以上のジャーナリストや写真家による取材が許可された[19][17]。
テレビ中継〜完成
6月25日に世界初の試みとなる通信衛星を使って24ヵ国で同時放送された宇宙中継特別番組『アワ・ワールド』が放送。予定より約40秒ほど早い午後8時45分(ロンドン時間)にEMIスタジオにカメラが回り、中継が開始された。ジョージ・マーティンとレコーディング・エンジニアであるジェフ・エメリックは神経を落ち着かせるために、スコッチウイスキーを飲んでオーディング・ミキシングを行なった[18][10]。スタジオやメンバーの衣装のデザインはThe Foolというデザイン集団によるもの。スタジオには風船、花、鯉のぼり、「Love」と描かれた落書きなどの装飾が施され、祝福やサイケデリックな雰囲気を醸し出していた[20]。
ビートルズは、13名のオーケストラ[注釈 5]を率いてレコーディングを行なった。この日は録音済みのバッキング・トラックを流しながら[注釈 6]、レノンによるボーカル、ポールによるベース、ハリスンによるギターソロ、スターによるドラムス、そしてオーケストラがライブ録音された。スタジオには、ミック・ジャガー、キース・リチャード、エリック・クラプトン、マリアンヌ・フェイスフル、ジェーン・アッシャー(当時のマッカートニーの婚約者)、パティ・ボイド(当時のハリスンの妻)、マイク・マックギア(マッカートニーの実弟)、キース・ムーン、グラハム・ナッシュも居合わせており、バッキング・ボーカルで参加した[18]。
中継は白黒テレビによる収録・放映だったが、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』の映像版(Vol.7)ではコンピューターによるカラー化が行われている。このカラー版は、2015年に発売された『ザ・ビートルズ1』に付属のDVD/Blu-rayにも収録されている[21]。
中継終了後の夜、自身のボーカル・パートに不満を持ったレノンは、シングルのために再録音を行なった[22][23]。6月26日にEMI第2スタジオにてADTを使用したレノンのボーカル・パートと[24]、リンゴによるドラムロールがオーバー・ダビングされて[25][26]、本作は完成となった。
ミキシング
「愛こそはすべて」のリアル・ステレオ・ヴァージョンは1969年1月にリリースされたアルバム『イエロー・サブマリン』ステレオ盤に収録された。『イエロー・サブマリン』以前に1967年発売の米国盤『マジカル・ミステリー・ツアー』には、発売当時リアル・ステレオ・ヴァージョンが存在しなかった関係から、発売元のキャピトル・レコードは独自に制作した擬似ステレオ・ヴァージョンが収録されていた。
シングル盤やアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』アナログ盤などに収録のモノラル・ヴァージョンは、ステレオ・ヴァージョンよりフェードアウトが遅い関係から、演奏時間が若干長いが、ただしアルバム『イエロー・サブマリン』のモノラル盤に収録されたモノラル・ヴァージョンは、ステレオ・ヴァージョンをそのままモノラルにミックス・ダウンしただけなので、ステレオ・ヴァージョンと同じ演奏時間となっている。
リアル・ステレオ・ヴァージョンは、CDでは1987年8月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』および『イエロー・サブマリン』に収録された。
シングル盤
本作は、イギリスで1967年7月7日にB面に「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」を収録したシングル盤としてパーロフォンから発売された[27]。全英シングルチャートで2位を記録した後に、3週間にわたって最高1位を記録した[2]。
アメリカでは同じ収録内容で7月17日にキャピトル・レコードから発売された[28]。『ビルボード』(Billboard)誌では、1967年8月19日付のBillboard Hot 100で第1位を獲得[29][30]。1967年ビルボード誌年間ランキングは第30位[31]。『キャッシュボックス』誌では2週連続第1位を獲得し、年間ランキング43位[32]。アメリカでは100万枚以上のセールスを記録し、イギリスでは50万枚以上のセールスを記録している。
演奏
※出典[14]
ビートルズ
- ジョン・レノン:リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、ハープシコード、バンジョー
- ポール・マッカートニー:ベース、ダブルベース、バッキング・ボーカル
- ジョージ・ハリスン:リードギター、ヴァイオリン、バッキング・ボーカル
- リンゴ・スター:ドラム
外部ミュージシャン・スタッフ
- ジョージ・ハリスン:ピアノ、オーケストラ編曲、音楽プロデューサー
- マイク・ヴィッカーズ:指揮者
- シドニー・サックス、パトリック・ホーリング、エリック・ボウイ、ジャック・ホームズ:ヴァイオリン
- レックス・モーリス、ドン・ハニーウィル:テナー・サクソフォーン
- デヴィッド・メイソン:トランペット
- スタンリー・ウッズ:トランペット、フリューゲルホルン
- エヴァン・ワトキンス、ハリー・スペイン:トロンボーン
- ジャック・エンブロー:アコーディオン
- ミック・ジャガー、キース・リチャード、エリック・クラプトン、マリアンヌ・フェイスフル、ジェーン・アッシャー、パティ・ボイド、マイク・マックギア、キース・ムーン、グラハム・ナッシュ他数名:バッキング・ボーカル
備考
本作発売直後にザ・ローリング・ストーンズの「この世界に愛を」にレノンとマッカートニーがバッキング・ボーカルで参加[33][34]。同作への参加は、ザ・ローリング・ストーンズのメンバーであるミック・ジャガーとキース・リチャーズが本作に参加したことに対するお礼とされている。
ビートルズのパロディバンドであるラトルズは、1978年に本作のパロディソング「Love Life」という楽曲を発表し[35]、本作のタイトルをもじったテレビ映画『オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ』を公開した。
1980年のレノンの射殺事件を受けて、ハリスンが書いた追悼曲「過ぎ去りし日々」(1981年発売)では、レノンに対する賞賛と敬愛の気持ちを綴る中で本作を持ち出している[36]。
2006年にシルク・ドゥ・ソレイユのミュージカルのサウンドトラックとしてリリースされた『ラヴ』に、他のビートルズの曲とコラージュされた音源が収録された。同作に収録された音源は、曲の終盤に「涙の乗車券」のギターリフ、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」「レイン」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のボーカル、「グッド・ナイト」のオーケストラが加えられ、1965年にファンクラブ会員に配布されたクリスマス・レコード収録のメンバーによる挨拶で終わる[37]。
収録アルバム
- 『マジカル・ミステリー・ツアー』
- 『イエロー・サブマリン』
- 『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』 - リミックス・ヴァージョン
- 『ザ・ビートルズ1』 - リマスター・ヴァージョン
- 『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』
- 『ラヴ』 - リミックス・ヴァージョン
メディアでの使用
- CM
- 2000年には日本でサッポロビールの発泡酒「サッポロブロイ」のコマーシャルソングとして使用された。ビートルズのオリジナル音源は、CM使用の許可が簡単には下りず、下りても使用料が高額なため、カヴァー・ヴァージョンが使用された。2008年5月からは、NTTドコモの企業CMにも、カヴァー・ヴァージョンが使われている。
- テレビ
- 2000年〜2006年にはポンキッキーズ、ポンキッキーズ21(フジテレビ)、2008年から番組終了となった2018年までBeポンキッキ→beポンキッキーズ→ポンキッキーズ(BSフジ)のテーマ曲として使用されていた。2013年4月に始まった国分太一のおさんぽジャパン(フジテレビ)のテーマ曲で使用されている。さらに、2016年4月からBSジャパンで放送されている、出発!ローカル線 聞きこみ発見旅のエンディングテーマとしても使用されている。
脚注
注釈
- ^ マーク・ルウィソーンの著作「ビートルズ/レコーディング・セッション」(1990年 シンコーミュージック 144頁)にはブランデンブルク協奏曲とあるが、記述は間違っている。
- ^ 「イン・ザ・ムード」は、ジョージ・ハリスン作の「イッツ・オール・トゥ・マッチ」でも引用されている[6]。
- ^ 日本では「われらの世界」というタイトルでNHK総合テレビにて放送。
- ^ ポール・マッカートニーも『アワ・ワールド』のために「ユア・マザー・シュッド・ノウ」[8]や「ハロー・グッドバイ」[9]を書いたが、これらは使用されなかった。
- ^ オーケストラの中には、「ペニー・レイン」のピッコロトランペット・ソロを担当したデヴィッド・メイソンも含まれている。
- ^ バッキング・トラックの使用について、当初『アワ・ワールド』のプロデューサーは不満を抱いていたが、ジョージ・マーティンが「これがなければ、3億5000万人の前で演奏することはできない」と説得したことにより使用されることとなった[18]。
出典
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- ^ a b “All You Need Is Love – The Beatles" > "Chart Facts”. Official Charts Company. 2019年5月18日閲覧。
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- ^ “ポール・マッカートニー、クィーン、オジー・オズボーン他、バッキンガム宮殿で女王即位50周年ライヴを行なう”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2002年6月5日) 2019年5月18日閲覧。
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外部リンク
先代 ドアーズ 「ハートに火をつけて」 |
ビルボードHot 100 1位 1967年8月19日 |
次代 ボビー・ジェントリー 「ビリー・ジョーの歌」 |
先代 プロコル・ハルム 「青い影」 |
全英シングルチャート 1位 1967年7月19日 - 8月2日(3週) |
次代 スコット・マッケンジー 「花のサンフランシスコ」 |