イエロー・サブマリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
イエロー・サブマリン
ビートルズサウンドトラック
リリース
録音 1967-8
ジャンル ロック
時間
レーベル

Apple SW 153 (US)
Apple PMC7070(mono)

     PCS 7070(stereo)(UK)
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
  • All Music Guide 3of5.svg link
チャート最高順位
ビートルズ 年表
ザ・ビートルズ
(1968年)
イエロー・サブマリン
(1969年)
アビイ・ロード
(1969年)
テンプレートを表示

『イエロー・サブマリン』 ("Yellow Submarine") は、イギリスにおいて1969年1月17日に発売されたビートルズの11作目のオリジナル・アルバムであり、アニメ映画『イエロー・サブマリン』のサウンドトラック・アルバムでもある。(1987年のCD化においてイギリス盤公式オリジナル・アルバムと同等の扱いを受けたアメリカ・キャピトルレコード編集アルバムの『マジカル・ミステリー・ツアー』が、2009年9月9日にリリースされたデジタル・リマスター盤において発売日順に従い9作目に順番付けられた。これにより1順番押し出されて現在11作目とされている。しかし、イギリス盤公式オリジナル・アルバムとしては10作目である。)

解説[編集]

映画の制作過程[編集]

アニメ『イエロー・サブマリン』はマネージャーのブライアン・エプスタインアメリカの映画プロデューサー、アル・ブロダックスが企画を持ち込んだものであった。企画の概略はリー・ヤノフ原作、ジョージ・ダニングの監督で製作するというものであった。ブロダックスは、1965年にテレビアニメ番組の「Beatles cartoon」(1965年9月25日からCBSで毎週土曜の朝に放送。全39話)を制作した実績からエプスタインはこの企画に同意する。しかし映画の制作期間中の1967年8月にエプスタインは急逝し、その後ビートルズはビジネス上混乱することとなった。

アップル・レコードの設立、インドマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの下での瞑想の修行などもあり、サウンド・トラック盤の制作には積極的に取り組むには至らない状態であった。ビートルズのメンバーはアニメ映画の制作には乗り気ではなく、内容にも期待していなかったと言われる。プロデューサーのジョージ・マーティンによれば、「彼らは作った曲の出来が悪いと、『イエロー・サブマリン』に入れるのにちょうどいいなどとジョークを飛ばしていた」と言う[1]

インドから帰国後、ビートルズのメンバーは制作半ばにあった作品の試写を観て意識を変えた。アニメ『イエロー・サブマリン』は、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をモチーフとし、おとぎ話やサイケデリックやシュールリアリズムなどがミックスされ "All You Need Is Love(愛こそはすべて)" のメッセージで統一された作品であったからである。作品が単なるアニメ映画の娯楽作品ではなく、ポップ・アートを含めた芸術性の高い作品と知ったメンバーは、アルバム用の新曲を用意し、更には自らも映画のラスト・シーンに登場する事をブロダックスに約束した。アニメ『イエロー・サブマリン』は映画作品自体が注目され、本国イギリスにましてアメリカでも好評を博し、マスコミから高く評価された。この作品のおかげで、テレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の失敗の汚名を返上したと言われている。

なお、ビートルズのメンバーは、1968年7月17日ロンドンのパヴィリオンにおいての映画のワールド・プレミア・ショウに出席し、久々に人々の前に姿を現した。

アルバム[編集]

アルバム『イエロー・サブマリン』の制作は時期的にアップルの設立と重なり、充分な意欲と期間をそそぐことが出来なかった。そのため『マジカル・ミステリー・ツアー』の制作時にレコーディングされた作品や、急遽作られた作品や、既発表の「イエロー・サブマリン」と「愛こそはすべて」をA面に収録。またB面には同じくサウンド・トラックを担当したジョージ・マーティンの作品と彼のオーケストラの演奏を収録し、アルバムの収録時間を埋め合わせている。ジョージ・ハリスンは収録された新曲4曲のうち2曲が自身の作品であるにも関わらず、このアルバムを「ビートルズ史上このアルバムほど出来の悪いアルバムはないね」と酷評している。ビートルズの活動中のスタジオ・アルバムでは唯一全英・全米ともに1位にならなかった作品である。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位第3位、「キャッシュボックス」誌では、最高位第3位、1969年度年間ランキング第50位だった。それでも「ビルボード」誌では、最高位第2位、1969年度年間ランキングは第57位、100万枚以上のセールスを記録している。 新曲4曲に新録音の「アクロス・ザ・ユニヴァース」を加えてEPとしてリリースする計画もあったという。

1999年には映画の中で使用されたビートルズの曲だけを収録し、リミックスを施したアルバム『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』が発売されている。

当時の英国盤にはモノラル盤とステレオ盤の2種類(当時の英国盤レコード番号:Apple PMC7070(モノラル盤)/PCS7070(ステレオ盤))があり、モノラル盤が発売された最後の作品であるが、モノラル盤はステレオ・マスターをそのままモノラル化しただけのものである。[2]

これまで未CD化だった新曲4曲のモノラル・ヴァージョンは、2009年9月9日に発売されたモノラル・ボックスの1枚『MONO MASTERS』にて初CD化された。

ステレオ化の流れから次作の『アビイ・ロード』はステレオ盤のみの発売となる。

なお、ステレオ盤の「オンリー・ア・ノーザン・ソング」はいわゆる疑似ステレオであり、リアル・ステレオ・ヴァージョンは『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』で初めてリリースされている。2009年9月9日に発売されたリマスター盤では、同曲のみ従来の疑似ステレオではなくモノラル・ヴァージョンで収録されている。

アルバム・カヴァーは、'66年以降米版も英オリジナル版にほぼ準じたものになっているが、このアルバムのバック・カヴァーは大幅に異なるものだった。

収録曲[編集]

アナログA面[編集]

  1. イエロー・サブマリン - Yellow Submarine (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(2'39")、リード・ヴォーカル:リンゴ・スターポール・マッカートニー(中間部)
  2. オンリー・ア・ノーザン・ソング - Only a Northern Song (Harrison)
    演奏時間:(3'24")、リード・ヴォーカル:ジョージ・ハリスン
  3. オール・トゥゲザー・ナウ - All Together Now (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(2'10")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
  4. ヘイ・ブルドッグ - Hey Bulldog (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'11")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
  5. イッツ・オール・トゥ・マッチ - It's All Too Much (Harrison)
    演奏時間:(6'24")、リード・ヴォーカル:ジョージ・ハリスン
  6. 愛こそはすべて - All You Need Is Love (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'51")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン

アナログB面[編集]

[3]
  1. ペパーランド - Pepperland (Martin)
    演奏時間:(2'20")
  2. シー・オブ・タイム - Sea of Time (Martin)
    演奏時間:(3'00")
  3. シー・オブ・ホールズ - Sea of Holes (Martin)
    演奏時間:(2'16")
  4. シー・オブ・モンスターズ - Sea of Monsters (Martin)
    演奏時間:(3'36")
  5. マーチ・オブ・ミーニーズ - March of the Meanies (Martin)
    演奏時間:(2'19")
  6. ペパーランド・レイド・ウエイスト - Pepperland Laid Waste (Martin)
    演奏時間:(2'12")
  7. イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド - Yellow Submarine in Pepperland (Lennon - McCartney arr. Martin)
    演奏時間:(2'13")

脚注[編集]

  1. ^ この場合の「出来が悪い」というのは、第三者からの評判云々ではなく、メンバーが制作段階で破棄に値すると判断を下したという意味である。
  2. ^ したがって本作モノラル盤収録の「イエロー・サブマリン」と「リボルバー」オリジナル・モノラル盤収録のものはミキシングが微妙に異なっている。 また、本作モノラル盤収録の「愛こそはすべて」もシングル盤のものはミキシングが微妙に異なっている(アルバム『イエロー・サブマリン』の演奏時間は3分48秒であるのに対し、シングル盤のヴァージョンは3分57秒である。)。
  3. ^ B面の7曲はジョージ・マーティンの手によるインストゥルメンタルオーケストラによる演奏でアニメのサウンドトラックとして使用された楽曲の再録音。


関連項目[編集]

外部リンク[編集]