イエロー・サブマリン

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イエロー・サブマリン
ビートルズ / ジョージ・マーティンサウンドトラック / スタジオ・アルバム
リリース
録音 1966年5月26日 - 1968年2月11日(A面)
1968年10月22日 - 23日(B面)
ジャンル サイケデリック・ロック
オーケストラ
時間
レーベル Apple SW 153 (US)
Apple PMC7070(mono)
     PCS 7070(stereo)(UK)
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
  • All Music Guide 3of5.svg link
チャート最高順位
  • 3位(Official Charts Company[1]
  • 2位(Billboard 200[2]
  • 11位(オリコン1987年盤)
  • ビートルズ 年表
    ザ・ビートルズ
    (1968年)
    イエロー・サブマリン
    (1969年)
    アビイ・ロード
    (1969年)
    テンプレートを表示

    『イエロー・サブマリン』 (Yellow Submarine) は、イギリスにおいて1969年1月17日に発売されたビートルズの11作目[注釈 1]のオリジナル・アルバムであり、アニメ映画『イエロー・サブマリン』のサウンドトラック・アルバムでもある。

    概要[編集]

    アルバム『イエロー・サブマリン』は、ユナイテッド・アーティスツとの「アニメ映画のサウンドトラックとして新曲を提供する」という契約上の義務から生まれた[3]。しかし、時期的にアップルの設立と重なり、充分な意欲と期間をそそぐことが出来なかったことから、A面にビートルズの楽曲6曲、B面にジョージ・マーティンが作曲した映画のサウンドトラック7曲という変則的な形式となった。

    なお、本作はビートルズの活動中のスタジオ・アルバムでは唯一全英・全米ともに1位にならなかった作品である。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位第3位、「キャッシュボックス」誌では、最高位第3位[1]、1969年度年間ランキング第50位だった。それでも「ビルボード」誌では、最高位第2位[2]、1969年度年間ランキングは第57位、100万枚以上のセールスを記録している。

    A面[編集]

    ※楽曲の詳細は各項目を参照

    A面にはビートルズの楽曲が収録された。6曲のうち4曲は『マジカル・ミステリー・ツアー』セッションのアウトテイクや急遽作られた新曲となっている。残りの「イエロー・サブマリン」は1966年、「愛こそはすべて」は1967年にシングルとして既にリリースされていた。

    ジョージ・ハリスンは収録された新曲4曲のうち2曲が自身の作品であるにも関わらず、このアルバムを「ビートルズ史上このアルバムほど出来の悪いアルバムはないね」と酷評している。

    B面[編集]

    B面にはジョージ・マーティンによって作曲されたオーケストラの楽曲を、改めてレコーディングしたものが収録されている。レコーディングは、1968年10月22日10月23日アビー・ロード・スタジオにて、41人編成のオーケストラによって行なわれ、11月22日にLPの収録時間に最適となるように編集が加えられた[4]

    収録曲は、ビートルズ中期のジョージ・ハリスンの作品を思わせるインド音楽調の「シー・オブ・タイム」、タイトル・トラックのリプライズ「イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド」など、ビートルズの過去の作品を参考にしたオーケストラ・アレンジが取り入れられている[5]。また、「シー・オブ・モンスターズ」では、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「G線上のアリア」の冒頭が加えられているほか、イーゴリ・ストラヴィンスキーのパロディ的要素が含まれている[6]

    リリース[編集]

    1968年9月にリリースする計画もあったという[7]。内容は、A面に「オンリー・ア・ノーザン・ソング」と「ヘイ・ブルドッグ」に加えて新録音の「アクロス・ザ・ユニバース」の3曲、B面に「オール・トゥゲザー・ナウ」と「イッツ・オール・トゥー・マッチ」の2曲を収録したものだった[4]。1969年3月にはモノのマスター・テープが作成されたが、最終的にこのEPが発売されることはなかった[4]

    当時の英国盤にはモノラル盤とステレオ盤の2種類(当時の英国盤レコード番号:Apple PMC7070(モノラル盤)/PCS7070(ステレオ盤))があり、モノラル盤が発売された最後の作品であるが、モノラル盤はステレオ・マスターをそのままモノラル化しただけのものである[注釈 2]。なお、ステレオ盤に収録されている「オンリー・ア・ノーザン・ソング」はいわゆる疑似ステレオであり、リアル・ステレオ・ヴァージョンは『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』で初めてリリースされている。2009年9月9日に発売されたリマスター盤では、同曲のみ従来の疑似ステレオではなくモノラル・ヴァージョンで収録されている。

    これまで未CD化だった新曲4曲のうち「オンリー・ア・ノーザン・ソング」以外の3曲は、モノラル・ヴァージョンは、2009年9月9日に発売されたモノラル・ボックスの1枚『MONO MASTERS』にて初CD化された[8][9]

    アメリカで発売されたカセットテープ及び8トラックテープ(Capitol 8XW-153)には、これらのみ映画中で使われた「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」も収録されている(LP、及び他国で発売されているものには未収録)。

    アートワーク[編集]

    アートワークは、映画のアート・ディレクターであるハインツ・エーデルマン英語版が手がけたポスターのイラストが流用された。なお、イギリス盤のジャケットにのみ、アルバム名の下に"NOTHING IS REAL"(「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」からの引用)と記されている[10]

    バック・カバーは大幅に異なり、イギリス盤は、トニー・パーマー英語版による『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)』のレビューが[11]デレク・テイラーによる序文が加えられた形で掲載されていて、アメリカ盤では、ダン・デイヴィスによる映画の内容を基にした伝記が掲載された[12][13]

    リミックス[編集]

    1999年には映画の中で使用されたビートルズの曲だけを収録し、リミックスを施したアルバム『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』が発売されている。

    収録曲[編集]

    A面収録曲は特記を除き、作詞作曲はレノン=マッカートニーによるもの。B面収録曲は特記を除き、作曲はジョージ・マーティンによるもの。

    アナログA面(演奏:ビートルズ)
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.イエロー・サブマリン(Yellow Submarine) リンゴ・スター
    2.オンリー・ア・ノーザン・ソング(Only A Northern Song)ジョージ・ハリスンジョージ・ハリスン
    3.オール・トゥゲザー・ナウ(All Together Now) ポール・マッカートニー
    ジョン・レノン(一部)
    4.ヘイ・ブルドッグ(Hey Bulldog) ジョン・レノン
    5.イッツ・オール・トゥ・マッチ(It's All Too Much)ジョージ・ハリスンジョージ・ハリスン
    6.愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ)(All You Need Is Love) ジョン・レノン
    合計時間:
    アナログB面(演奏:ジョージ・マーティン・オーケストラ
    #タイトル作詞作曲時間
    1.「ペパーランド」(Pepperland)  
    2.「シー・オブ・タイム」(Sea Of Time)  
    3.「シー・オブ・ホールズ」(Sea Of Holes)  
    4.「シー・オブ・モンスターズ」(Sea Of Monsters)  
    5.「マーチ・オブ・ミーニーズ」(March Of The Meanies)  
    6.「ペパーランド・レイド・ウエイスト」(Pepperland Laid Waste)  
    7.「イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド」(Yellow Submarine In Pepperland) レノン=マッカートニー
    (編曲:ジョージ・マーティン)
    合計時間:

    パーソネル[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ 1987年のCD化においてイギリス盤公式オリジナル・アルバムと同等の扱いを受けたアメリカ・キャピトルレコード編集アルバムの『マジカル・ミステリー・ツアー』が、2009年9月9日にリリースされたデジタル・リマスター盤において発売日順に従い9作目に順番付けられた。これにより1順番押し出されて現在11作目とされている。しかし、イギリス盤公式オリジナル・アルバムとしては10作目である。
    2. ^ したがって本作モノラル盤収録の「イエロー・サブマリン」と「リボルバー」オリジナル・モノラル盤収録のものはミキシングが微妙に異なっている。 また、本作モノラル盤収録の「愛こそはすべて」もシングル盤のものはミキシングが微妙に異なっている(アルバム『イエロー・サブマリン』の演奏時間は3分48秒であるのに対し、シングル盤のヴァージョンは3分57秒である。)。

    出典[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ a b The Beatles – Full official Chart History”. Official Charts. 2019年2月17日閲覧。
    2. ^ a b The Beatles – Chart history”. Billboard. 2019年2月17日閲覧。
    3. ^ Hertsgaard, Mark (1996). A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles. London: Pan Books. p. 223–24, 228. ISBN 0-330-33891-9. 
    4. ^ a b c Lewisohn, Mark (1996). The Complete Beatles Chronicle. Chancellor Press. p. 164. ISBN 0-7607-0327-2. 
    5. ^ MacDonald, Ian (1997). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (First revised ed.). Pimlico. p. 330. ISBN 978-0-7126-6697-8. 
    6. ^ Doggett, Peter (2003). “Yellow Submarine: Underwater Treasure”. Mojo Special Limited Edition: 1000 Days of Revolution (The Beatles' Final Years – Jan 1, 1968 to Sept 27, 1970). London: EMAP. p. 78. 
    7. ^ Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. Oxford University Press. p. 161. ISBN 978-0-19-512941-0. 
    8. ^ Mono Masters – The Beatles”. AllMusic. 2014年7月26日閲覧。
    9. ^ Kozinn, Allan (2009年9月2日). “Long and Winding Road, Newly Repaved”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2009/09/06/arts/music/06alla.html?pagewanted=all 2018年11月4日閲覧。 
    10. ^ Guerin, Christopher (2009年11月11日). “Nothing is Real: The Beatles 'Yellow Submarine'”. PopMatters. 2019年2月17日閲覧。
    11. ^ Inglis, Ian (2009). “Revolution”. In Womack, Kenneth. The Cambridge Companion to the Beatles. Cambridge, UK: Cambridge University Press. p. 114. ISBN 978-0-521-68976-2. 
    12. ^ Yellow Submarine. Capitol. 1969. SW-153.
    13. ^ Dan Davis”. AllMusic. 2019年2月17日閲覧。

    関連項目[編集]

    外部リンク[編集]