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「トヨタ・オーリオン XV40」の版間の差分

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| 車種=乗用車
| 車種=乗用車
| 車名=トヨタ・オーリオン
| 車名=トヨタ・オーリオン
| 車名補=XV40型
| 1枚目画像の説明=
| 1枚目画像の説明=前期型プロディジー(リアスポイラー装着車)
| 1枚目画像名=2007 Toyota Aurion Prodigy 06 (edit 1).jpg
| 2枚目画像の説明=
| 1枚目画像=2007 Toyota Aurion Prodigy 06 (edit 5).jpg
| 2枚目画像=
| 2枚目画像の説明=リア
| 3枚目画像の説明=
| 2枚目画像=2007 Toyota Aurion Prodigy 04 (edit 1).jpg
| 3枚目画像=
| 3枚目画像の説明=プレサラ 室内
| 3枚目画像名=2006-2007 Toyota Aurion Presara interior 02.jpg
| 製造期間=[[2006年]] -
| 製造期間=[[2006年]] -
| ボディタイプ=4ドア[[セダン]]
| ボディタイプ=4ドア[[セダン]]
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| 先代=初代[[トヨタ・アバロン]]
| 先代=初代[[トヨタ・アバロン]]
| 後継=
| 後継=
<!--| 姉妹車=8代目[[トヨタ・カムリ]]-->
| 同車台=[[トヨタ・ハイランダー]]<br/>[[トヨタ・オーリス]]<br />[[トヨタ・ブレイド]]<br/>[[トヨタ・RAV4]]<br/>トヨタ・ブレビア<br/>[[トヨタ・シエナ]]<br/>[[トヨタ・アバロン]]<br/>[[トヨタ・カムリ]]<br />[[レクサス・ES]]<br/>[[トヨタ・ヴェンザ]]<br/>
}}
}}
'''オーリオン'''(aurion)は、[[トヨタ自動車]]が[[オーストラリア]]で製造・販売している[[乗用車]]である。
'''オーリオン''' (''Aurion'') は、[[トヨタ自動車]]が[[2006年]]より[[オーストラリア]]および[[アジア]]の一部地域で販売している[[セダン]]型[[乗用車]]である。


==概要==
== 概要 ==
2006年メルボルンモーターショーにて発表。8代目[[トヨタ・カムリ|カムリ]]をベースとしており、オーストラリアにおけるトヨタブランドの[[フラグシップ機|フラッグシップモデル]]であった初代[[トヨタ・アバロン|アバロン]]の後継車である。なお[[中国]]で広州豊田でカムリとしてオーリオンと一の外観で現地生産されているほか、[[香港]]・[[マカオ]]・[[シンガポール]]を除東南アジア地域もカムリの名でオーリオンと同一の外観で販売されている。
2006年メルボルンモーターショーにて発表されたXV40型[[トヨタ・カムリ|カムリ]]をベースとしており、型式は同「'''XV40'''」る。


[[オーストララシア]]および[[中東]]においては、オーリオンは同市場における[[フラグシップ機|フラグシップモデル]]であったMCX10型[[トヨタ・アバロン|アバロン]]の後継車としてカムリと併売されており、[[中華人民共和国|中国]]および[[香港]]・[[マカオ]]・[[シンガポール]]を除く[[東南アジア]]においてはオーリオンが「'''カムリ'''」として販売される。オーストララシア、中東市場においては、オーリオンは3.5L [[V型6気筒|V6]]エンジンのみを搭載し、同市場においては[[直列4気筒|直4]] 2.4Lエンジンのみをラインアップするカムリと差別化が図られている<ref>{{cite web | last = Chowdhury | first = Mashfique | url = http://www.drivearabia.com/toyota/toyotaaurion.html | title = 2008 Toyota Aurion | publisher = ドライブ・アラビア | accessdate = 2009-07-30}}</ref><ref>{{cite web | last = Williamson | first = Russell | date = 2006-10-16 | url = http://www.carsales.com.au/news/2006/large-passenger/toyota/large-or-medium-aurions-in-2034 | title = Large or medium, Aurion's in | work = Carsales | accessdate = 2009-07-29}}</ref>。
オーストラリア向けはカムリの上級車種と位置づけられておりエンジンもV6のみの設定で、日米仕様に準じたカムリが4気筒エンジンのみの設定で販売されている。


オーストラリア以外では、[[中華人民共和国|中国]]では広州豊田でカムリとして現地生産されているほか、[[台湾]]、[[タイ王国|タイ]]、[[ベトナム]]でも生産されている。
<gallery>
Image:2007 Toyota Aurion Prodigy 04.jpg|リア
Image:2007 TRD Aurion 3500SL 01.jpg|オーリオンスポルティーボ
Image:2007 Toyota Aurion Prodigy 07.jpg|内装
</gallery>


==車名の由来==
== 開発 ==
オーリオンの生産開始以前には、[[2005年]]6月まで[[オーストラリア]][[メルボルン]]のトヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア (Toyota Motor Corporation Australia: TMCA) アルトナ工場ではMCX10型アバロンが製造されていた<ref name = "The Aurion Express!">{{cite web | last = Pettendy | first = Marton | date = 2006-02-06 | url = http://www.goautomedia.com/mellor/enews.nsf/edition/EB2772816ADDFDA5CA25710F002CB5F7/$file/GoAuto_enews322.pdf | format = PDF | title = The Aurion Express! | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2007-08-25}}</ref>。同工場においてアバロンは[[2000年]]から生産されたが、生産開始時点で[[北アメリカ|北米]]市場におけるMCX10型アバロンの登場からすでに6年が経過しており、北米仕様とはデザインが一部変更された<ref>{{cite web | month = July | year = 2000 | url = http://www.racv.com.au/wps/wcm/connect/racv/internet/primary/my+car/advice+_+information/car+road+tests/new+car+reports/large+cars/new+car+report+-+toyota+avalon+%282000-%29 | title = new car report - toyota avalon (2000-) | publisher = ロイヤル・オートモービル・クラブ・オブ・ビクトリア | accessdate = 2009-07-31}}</ref>。アバロンは同じくアルトナ工場で製造されるカムリの上位車種として製造された<ref>{{cite web | last = Newton | first = Bruce | date = 2002-11-12 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/3A1D44564BE083E4CA256C6A007EEC24 | title = 2002 Toyota Camry Altise V6 sedan - Car review - Our Opinion | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2009-07-31}}</ref>。しかし、デザインが古めかしい、排気量が小さい、[[前輪駆動]]である、などの理由により、[[ホールデン・コモドア]]や[[フォード・ファルコン (オーストラリア)|フォード・ファルコン]]といった競合車種に対抗することは敵わず、販売は振るわなかった<ref>{{cite web | date = 2006-02-10 | url = http://www.smh.com.au/news/news/now-its-round-two-for-toyota/2006/02/09/1139465785084.html | title = Now it's round two for Toyota | work = シドニー・モーニング・ヘラルド | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2007-08-21}}</ref><ref name = "Toyota Avalon">{{cite web | last = Morley | first = David | date = 2005-11-28 | url = http://news.drive.com.au/drive/used-car-reviews/toyota-avalon-20051128-14s9d.html | title = Toyota Avalon | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2009-07-31}}</ref><ref name = "Toyota Avalon 2000-2003: buyers guide">{{cite web | last = Smith | first = Graham | date = 2009-01-29 | url = http://www.carsguide.com.au/site/news-and-reviews/buyers-guide/toyota_avalon_2000_2003_buyers_guide | title = Toyota Avalon 2000-2003: buyers guide | work = [[ヘラルドサン]] | publisher = ヘラルド・アンド・ウィークリー・タイムズ | accessdate = 2009-07-31}}</ref>。販売の最も多かった年でもトヨタの年間販売目標台数の半分にも届かず<ref name = "The Aurion Express!"/>、想定していた顧客層の多くはアバロンと同じV6エンジンを搭載していた<ref>{{cite web | month = July | year = 2000 | url = https://www.mynrma.com.au/cps/rde/xchg/mynrma/hs.xsl/Toyota_Avalon_2000_car_review.htm | title = NRMA Car Review - Toyota Avalon CSX | publisher = NRMA | accessdate = 2009-07-31}}</ref>1クラス下のカムリを購入した<ref name = "Toyota Avalon"/>。
[[ギリシア語|古代ギリシャ語]]で「明日」を意味する。


そういったことを受け、トヨタはオーストラリアの顧客が現代的で豪州市場に合った車を求めていると考え、[[2002年]]にアバロンの後継車の開発計画を本格的に開始した。豪州トヨタは当時[[日本]]市場や北米市場向けに開発されていたどのモデルも豪州市場には適していないと判断したが、一方で豪州市場におけるサイズ規制のために完全オリジナルのモデルの開発は難しかった。また、当時豪州トヨタには社内にデザイナーがいなかったため、2002年8月にポール・ベランジャーを入社させ、[[ビクトリア州]]ディングリー・ビレッジの工業団地にトヨタ・スタイル・オーストラリア (Toyota Style Australia: TSA) を設立した。TSAはまずXランナーコンセプトおよびスポルティーボクーペコンセプトをデザインし、[[2003年]]には、以前[[フォード・オーストラリア]]でデザイナーとして働き、[[フォード・ファルコン (オーストラリア)|BAファルコン]]のXRシリーズをデザインしたニック・ホジオスがTSAのチーフデザイナーとして指名された<ref name = "Shock and Aurion">[[#Carey (2006)|Carey (2006)]], p. 103–108.</ref><ref>{{cite web | last = Pettendy | first = Marton | date = 2002-08-01 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/CADAF542AAE67ECDCA2572100028B7C1 | title = First look: BA Falcon XR and Ute | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-06-25}}</ref>。続いて、[[2003年]]にTSAはオーリオン開発の第一歩としてXV30型カムリをベースとした独自モデル、コードネーム「'''380L'''」を設計した。この380LはXV30型カムリの外装パネルやインテリア部品をTSA独自のものと交換して作ったワンオフモデルであり、開発費用は約100万[[オーストラリア・ドル]]であった。2003年初頭にトヨタが行った[[フォーカスグループ]]でアバロンが競合車種であるホールデン・コモドア、フォード・ファルコン、[[三菱・マグナ]]と比較された際には最下位にランクされたが、アバロンを380Lと交換して同年中に再び行われたフォーカスグループでは380Lが4台のうちで最も好印象を持たれ、またベランジャー曰く380Lがカムリと同じ車だとは思われなかったという。そして豪州トヨタは6気筒エンジンを搭載した380Lをカムリとは別の名前でカムリと併売することができると判断した<ref name = "Shock and Aurion"/>。

TSAは市販車両を開発したことがなかったため、日本のトヨタにTSAが本当に車両の開発を行えると確信させるため、380Lの開発期間にTSAはアバロン後継車についてトヨタ本部と定期的に議論を重ねた<ref name = "The Aurion Express!"/>。トヨタ本部へのプレゼンテーションにおいて380Lが引き渡された際には、ニック・ホジオスに対し次世代のコードネーム「042L」カムリ(後のXV40型カムリ)のデザインコンペティションへの案を提出するように要求がなされた。ホジオスの案は採用されなかったが、彼は後のオーリオンとなる、アジア仕様カムリであり通常のカムリの上位車種でもあるコードネーム「'''043L'''」の開発をするよう命じられた<ref name = "Shock and Aurion"/><ref>{{cite web | last = Gratton | first = Ken | date = 2009-12-21 | url = http://www.carsales.com.au/news/2009/large-passenger/toyota/aurion/all-aboard-the-aurion-express-17789 | title = All aboard the Aurion Express | publisher = Carsales | accessdate = 2010-06-13}}</ref><ref>{{cite web | last = Gratton | first = Ken | date = 2010-02-10 | url = http://www.carsales.com.au/news/2010/toyota/the-rise-of-tsa-18241 | title = The rise of TSA | publisher = Carsales | accessdate = 2010-06-13}}</ref>。TSAのコンセプトカーや380Lの開発が成功したため<ref name = "The Aurion Express!"/>、豪州トヨタは042Lと043Lを共に製造し、併売することを許可されたが、カムリに搭載されるエンジンは4気筒のみ、カムリの上位車種(後のオーリオン)に搭載されるエンジンは6気筒のみという制約がなされた。ホジオスは9か月間日本において043Lの設計を行い、最終的なデザインは[[日本人]]および[[台湾人]]のデザイナーと共同で行ったが、車両前部のデザインはほぼホジオス自身によるものとなった<ref name = "The Aurion Express!"/><ref name = "Shock and Aurion"/><ref>{{cite web | last = Hammerton | first = Ron | date = 2010-10-25 | url = http://goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/7AF8EB59A2CF3DC5CA2577C7000337D5 | title = Toyota Australia designers tap into Asia | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-10-25}}</ref>。ホジオスが日本で設計をしている間、TSAは豪州市場向けオーリオン用のデザイン変更を開始した<ref name = "Shock and Aurion"/>。デザインが完成した後、豪州トヨタは豪州仕様オーリオンとアジア仕様カムリの設計を並行して行った。豪州向けオーリオンとアジア仕様カムリは基本的に同じであったが、後者は高級車としてしか販売されない一方で、オーリオンは商用車としても販売され、スポーツモデルも用意されるため、両者には別のコードネームが付けられ、オーリオンのコードネームは「'''323L'''」とされた<ref name = "Shock and Aurion"/>。
[[ファイル:2006 Toyota Aurion Sports Concept.jpg|thumb|right|230px|オーリオンスポーツコンセプト]]
豪州トヨタは2006年[[2月9日]]にメルボルンモーターショーにおいてオーリオンおよびオーリオンスポーツコンセプトを発表した<ref>{{cite web | url = http://www.autoweb.com.au/cms/A_105921/title_Toyota-Unveils-New-Models-At-Melbourne-Motor-Show/newsarticle.html | title = Toyota Unveils New Models At Melbourne Motor Show | work = AutoWeb | publisher = ウェブ・パブリケーションズ | date = 2006-02-09 | accessdate = 2010-06-25}}</ref>。トヨタは30以上の車名候補の中から消費者調査を経て<ref>{{cite web | url = http://www.worldcarfans.com/print/10610175952/new-toyota-aurion-in-depth-au | title = New Toyota Aurion in Depth (AU) | publisher = ブラックファルコンメディアグループ | accessdate = 2007-09-01}}</ref>この車を古代[[ギリシア語]]で「明日」を意味する「オーリオン」と名付けた。この車名は全く新しい車を表現し<ref>{{cite web | last = Blackburn | first = Richard | date = 2006-10-16 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/what-difference-does-a-name-make-20061020-13zfj.html | title = What difference does a name make? | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2007-08-16}}</ref>、"Can't wait for tomorrow"という[[キャッチコピー]]とも結び付けられている<ref>{{cite web | url = http://www.interbrand.com/en/our-work/Toyota-Aurion.aspx | title = Aurion | publisher = インターブランド | archiveurl = http://www.webcitation.org/5v1uCTMpV | archivedate = 2010-12-16 | accessdate = 2012-3-30}}</ref>。

== デザイン ==
外装部品ではドア、ウインドウ、ルーフパネル、[[クォーター・パネル|リアクォーター]]を含めたボディサイド部分をXV40型カムリと共有するが、それ以外の部分はオーリオン独自のものである<ref>{{cite web | last = Spinks | first = Jez | date = 2006-09-21 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/toyota-aurion-secrets-uncovered-20060921-13z78.html | title = Toyota Aurion secrets uncovered | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2009-07-29}}</ref>。これにより、ホイールベースや前後[[トレッド]]、室内寸法はカムリと同一である。内装については、基本的なデザインはカムリと共通であり、[[ダッシュボード (自動車)|ダッシュボード]]や足踏み式[[パーキングブレーキ]]のデザインなどが変更されている<ref>[[#Carey (February 2007)|Carey (February 2007)]], p. 108.</ref><ref>{{cite web | last = Spinks | first = Jez | date = 2006-09-21 | url = http://www.theage.com.au/news/news/toyota-aurion/2006/09/21/1158431830197.html?page=2 | title = Toyota Aurion | work = [[ジ・エイジ]] | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2007-10-04}}</ref>。これにより、開発コストが抑えられ、またカムリと同じラインにおいて生産することを容易に可能とした<ref>{{cite web | url = http://auto.moldova.org/brands/auto-toyota-aurion-76-172-eng.html | title = Toyota - Aurion | publisher = モルドバ・ファウンデーション | accessdate = 2009-07-29}}</ref>。

オーリオンはアジア市場も考慮してデザインされたが、トヨタはオーストラリアンテイストのデザインであると表現している<ref name = "Toyota Launches Aurion V6 Large Car">{{cite web | date = 2006-10-18 | url = http://www.webwombat.com.au/motoring/news_reports/toyota-aurion-1.htm | title = Toyota Launches Aurion V6 Large Car | publisher = WebWombat | accessdate = 2007-08-17}}</ref>。ホジオス曰くオーリオンはオーストラリア車のデザインの特徴に倣いながらも[[欧州車]]のデザインからもインスピレーションを得ているという<ref name = "Toyota Launches Aurion V6 Large Car"/>。また、他のトヨタ車同様、「パーフェクト・インバランス」とも言われるトヨタのデザインフィロソフィである「VIBRANT CLARITY」のもとでデザインがなされた<ref name = "Toyota Launches Aurion V6 Large Car"/>。
[[ファイル:2006-2008 Toyota Aurion (GSV40R) Sportivo ZR6 sedan 05.jpg|thumb|left|180px|スポルティーボZR6 室内]]
同セグメントの[[メルセデス・ベンツ]]車の直下にランクされ、高級車として販売される中国市場などでの販売には、メルセデス・ベンツの車のような特徴を持つことを必要とした<ref name = "Shock and Aurion"/><ref>{{cite web | last = Jian | first = Li | date = 2005-04-28 | url = http://app1.chinadaily.com.cn/star/2005/0428/fo4-1.html | title = In lane for luxury | publisher = 上海スター | accessdate = 2007-09-14}}</ref>。オーリオンのデザインにおいて、デザイナーは市場に合わせた2つのデザインコンセプトを生み出した。ベースグレードの「AT-X」、上級グレードの「プロディジー」および「プレサラ」は'''コンフォート'''をコンセプトにデザインされ、スポーツモデルの「スポルティーボ」は'''スポーツ'''をコンセプトにデザインされた<ref>[[#Robinson (2006)|Robinson (2006)]], p. 53.</ref>。このコンセプトに合うよう、スポルティーボには専用17インチアルミホイールやリアスポイラーおよび各種[[エアロパーツ]]、3本スポークステアリングが装備される<ref>{{cite web | last = Hepworth | first = Kevin | date = 2006-10-21 | url = http://www.carsguide.com.au/site/news-and-reviews/car-reviews-road-tests/toyota_aurion_six_of_the_best | title = Toyota Aurion: six of the best | work = デイリー・テレグラフ | publisher = ニュース・リミテッド | accessdate = 2010-12-21}}</ref>。高性能モデルである「TRD」のデザインも「スポルティーボ」と類似しているが、[[フォーミュラ1|F1]]からインスピレーションを受けてデザインされたフロントバンパーやテールパイプ一体型リアバンパーはTRD独自のデザインとなっている<ref>{{cite web | url = http://www.worldcarfans.com/print/10708213789/toyota-trd-aurion-in-depth-au | title = Toyota TRD Aurion In Depth (AU) | publisher = ブラックファルコンメディアグループ | accessdate = 2010-12-21}}</ref>。
[[ファイル:2009-2010 Toyota Aurion (GSV40R) AT-X sedan 02.jpg|thumb|right|230px|後期型AT-X]]
[[ファイル:2009-2010 Toyota Aurion (GSV40R) Sportivo ZR6 sedan 02.jpg|thumb|right|230px|後期型スポルティーボZR6]]
=== フェイスリフト ===
[[2009年]]6月に[[タイ王国|タイ]]のトヨタ・モーター・タイランドが東アジアおよび東南アジア向けのカムリのマイナーチェンジモデルを豪州仕様のオーリオンに先立って発表し、[[ハイブリッドカー|ハイブリッド]]仕様も新たにラインアップされた<ref>{{cite web | last = Gover | first = Paul | date = 2009-06-12 | url = http://www.carsguide.com.au/site/news-and-reviews/story/toyota_camry_and_aurion_tweak | title = Toyota Camry and Aurion tweak | work = [[ヘラルドサン]] | publisher = ヘラルド・アンド・ウィークリー・タイムズ | accessdate = 2010-01-23}}</ref>。マイナーチェンジにおけるフェイスリフトにより、前後ランプやフロントバンパー、フロントグリルのデザインが変更され、内装のデザインも一部変更された<ref>{{cite web | last = Pettendy | first = Marton | date = 2009-06-23 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/0D218CF1C15E27AECA2575DE000BBA63 | title = Toyota’s revamped Camry, Aurion ready | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-01-23}}</ref><ref>{{cite web | last = Pettendy | first = Marton | date = 2009-09-21 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/F95E7124662287CACA2576380023BB34 | title = First look: Toyota upgrades Aurion | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-01-23}}</ref>。同年[[9月21日]]には豪州トヨタによりオーリオンにも同様のマイナーチェンジが行われることが公式に発表された。

フェイスリフトにより、ボディサイドモールディングが廃止されたほか、アルミホイールのデザインも変更されている<ref>{{cite web | last = Campbell | first = Matt | date = 2009-09-21 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/toyota-releases-updated-aurion-20090921-fyb2.html | title = Toyota releases updated Aurion | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2010-01-24}}</ref>。

== パワートレイン ==
オーリオンには、オーストリア国外のカムリにも搭載される[[トヨタ・GRエンジン|2GR-FE型]]V6 [[自然吸気]]エンジンが搭載される。排気量は3.5Lで、最高出力は272PS、最大トルクは34.3kgf·mとなる<ref name = "Toyota Aurion Prodigy">{{cite web | last = Dowsey | first = David | date = 2006-12-01 | url = http://www.carsales.com.au/reviews/2006/large-passenger/toyota/aurion/toyota-aurion-prodigy-2532 | title = Toyota Aurion Prodigy | publisher = Carsales | accessdate = 2007-09-27}}</ref>。95[[オクタン価|RON]][[高オクタン価ガソリン|無鉛プレミアムガソリン]]を燃料として使用すると、最高出力は4kW (5.4PS) 向上する<ref>{{cite web | date = 2006-08-30 | url = http://www.carsales.com.au/news/2006/large-passenger/toyota/camry/200kw-for-aurion-but-six-embarrasses-camry-consumption-1679 | title = 200kW for Aurion but six embarrasses Camry consumption | work = Carsales | accessdate = 2010-06-02}}</ref>。0-100km/h加速は7.4秒が記録されており、トヨタは最高速度が228km/hであると発表している<ref name = "Toyota Aurion Prodigy"/>。オーリオンはユーロIV排ガス規制に適合しており<ref>{{cite web | last1 = Martin | first1 = Terry | last2 = Pettendy | first2 = Marton | date = 2006-10-18 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/FFF3ECB6DEE2DACDCA25720B0023D3C7 | title = Aurion: The drivetrain | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-10-21}}</ref>、オーストラリアのADR 81/01燃費は10.1km/Lである<ref>{{cite web | last = McKinnon | first = Bill | date = 2007-04-27 | url = http://news.drive.com.au/drive/new-car-reviews/toyota-aurion-atx-20070427-14sn4.html | title = Toyota Aurion AT-X | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2007-07-28}}</ref>。2GR-FE型エンジンは、TRDのスーパーチャージドエンジンも含め、U660E型6速[[オートマチックトランスミッション|AT]]と組み合わせられる。[[スーパーチャージャー]]付の2GR-FE型エンジンの最高出力は328PS、最大トルクは40.8kgf·mとなり、燃費は9.2km/Lとなる<ref name = "TRD powertrain">{{cite web | last = Carey | first = John | date = 2007-09-01 | url = http://www.wheelsmag.com.au/wheels/site/articleIDs/8C122C3C321DC11ECA2573550012A9E2 | title = Toyota TRD Aurion | publisher = ACPマガジン | accessdate = 2007-10-04}}</ref>。

オーリオンがカムリとして販売されるアジアの市場においては、排気量2.0Lの[[直列4気筒]][[トヨタ・AZエンジン|1AZ-FE型]]および2.4Lの直4 2AZ-FE型エンジンが用意される<ref>{{cite web | last = Yap | first = Chips | date = 2006-10-06 | url = http://www.motortrader.com.my/NUS/articles/article_57/page_m.asp | title = All-New Toyota Camry | work = Malaysian Motor Trader | publisher = MTMマルチメディア | accessdate = 2007-10-07 | archiveurl = http://web.archive.org/web/20071005155933/http://www.motortrader.com.my/NUS/articles/article_57/page_m.asp | archivedate = 2007-10-05}}</ref><ref>{{cite web | date = 2000-12-08 | url = http://www.autoworld.com.my/v2/news/nb_details.asp?keyword=&MainCat=&CarMake=&hidAction=Search&awReviewID=2720 | title = Battle of Middle Earth: Honda Accord 2.0 VTi-L vs Toyota Camry 2.0 G | publisher = Autoworld | accessdate = 2010-06-15}}</ref>。また、そのうちの一部の市場においては3.5L [[自然吸気|NA]]エンジンも用意される。1AZ-FE型エンジンの最高出力は147PS、最大トルクは19.4kgf·m、2AZ-FE型エンジンの最高出力は173PS、最大トルクは22.8kgf·mとなる。1AZ-FE型エンジンにはU241E型4速ATが、2AZ-FE型エンジンにはU250E型5速ATが組み合わせられる<ref>{{cite web | last = Yap | first = Chips | date = 2006-10-06 | url = http://www.motortrader.com.my/NUS/articles/article_57/page_m.asp | title = All-New Toyota Camry | work = Malaysian Motor Trader | publisher = MTMパブリケーションズ | accessdate = 2007-10-07 |archiveurl = http://web.archive.org/web/20071005155933/http://www.motortrader.com.my/NUS/articles/article_57/page_m.asp |archivedate = October 5, 2007 }}</ref>。また、2009年頃には一部市場に2.0L [[トヨタ・ZRエンジン|3ZR-FE型エンジン]]搭載モデルも投入された。3ZR-FE型エンジンの最高出力は139PS、最大トルクは19.3kgf·mとなり、U241E型4速ATが組み合わせられ、さらに一部の市場においては6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]も組み合わせられる<ref>{{cite web | url = http://www.toyota.com.bh/pages/aurion/spec.php | title = Toyota - Aurion Specifications | publisher = Toyota Bahrain | accessdate = 2012-03-30 | archiveurl = http://www.webcitation.org/64zY6pouS | archivedate = 2012-01-26}}</ref>。

また、タイ仕様のカムリには最高出力149PS、最大トルク19.1kgf·mの2AZ-FXE型エンジンに最高出力30kW (41PS) 、最大トルク270N·m (27.5kgf·m) のモーターが組み合わせられたハイブリッドモデルも用意され、変速機にはP311型[[無段変速機|CVT]]が採用される。
{| class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:center"
!シャシ!!モデル!!エンジン!!最高出力!!最大トルク!!変速機
|-
|rowspan="6"|XV40||ZSV40||2.0L [[直列4気筒|直4]] [[トヨタ・ZRエンジン|3ZR-FE型]]||102kW (139PS)||189N·m (19.3kgf·m)||U241E型4速[[オートマチックトランスミッション|AT]]<br />6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]
|-
|ACV41<ref>{{cite web | url = http://www.redbookasiapacific.com/th/vehicle/specs.php?lang=en&key=TOYO06ED | title = 2006 Toyota Camry: Sedan 4dr G Auto 4sp FWD 2.0i | work = The Red Book | publisher = Automotive Data Services | accessdate = 2010-08-06}}</ref>||2.0L 直4 [[トヨタ・AZエンジン|1AZ-FE型]]||108kW (147PS)||190N·m (19.4kgf·m)||U241E型4速AT
|-
|ACV40<ref>{{cite web | url = http://www.redbookasiapacific.com/th/vehicle/specs.php?lang=en&key=TOYO06EE | title = 2006 Toyota Camry: Sedan 4dr G SA 5sp FWD 2.4i | work = The Red Book | publisher = Automotive Data Services | accessdate = 2010-08-06}}</ref>||2.4L 直4 2AZ-FE型||127kW (173PS)||224N·m (22.8kgf·m)||U250E型5速AT
|-
|AHV40<ref>{{cite web | url = http://www.redbookasiapacific.com/th/vehicle/specs.php?lang=en&key=TOYO09ER | title = 2009 Toyota Camry: Sedan 4dr Hybrid CVT FWD 2.4i | work = The Red Book | publisher = Automotive Data Services | accessdate = 2010-08-06}}</ref>||2.4L 直4 2AZ-FXE型||110kW (149PS)||187N·m (19.1kgf·m)||P311型[[無段変速機|CVT]]
|-
|rowspan="2"|GSV40<ref>{{cite web | url = http://redbook.com.au/used-cars/details.aspx?R=102126&__Qpb=true&Cr=&__Ns=p_Year_String|0|p_MonthGroup_String|1|p_Make_String|0|p_ClassificationType_String|0|p_Family_String|0|p_SequenceNum_Int32|0&__N=2994%204294939481%204294842750&silo=1300&CT=Compare&__Nne=15&__sid=129CCF7C6E0B | title = 2006 Toyota Aurion AT-X GSV40R (Oct) | work = The Red Book | publisher = Automotive Data Services | accessdate = 2010-08-06}}</ref><ref>{{cite web | url = http://redbook.com.au/used-cars/details.aspx?R=106108&__Qpb=true&Cr=&__Ns=p_Year_String|0|p_MonthGroup_String|1|p_Make_String|0|p_ClassificationType_String|0|p_Family_String|0|p_SequenceNum_Int32|0&__N=2994%204294939481%204294842750&silo=1300&CT=Compare&__Nne=15&__sid=129CCF7C6E0B | title = 2007 TRD Aurion 3500S GSV40R (Aug) | work = The Red Book | publisher = Automotive Data Services | accessdate = 2010-08-06}}</ref>||3.5L [[V型6気筒|V6]] [[トヨタ・GRエンジン|2GR-FE型]]||200kW (272PS)||336N·m (34.3kgf·m) ||rowspan="2"|U660E型6速AT
|-
|3.5L V6 2GR-FE型 [[スーパーチャージャー|SC]]||241kW (328PS)||400N·m (40.8kgf·m)
|}

== 市場 ==
{| class="wikitable" style="float:right; margin-left:1em;"
|+ オーストラリアにおけるオーリオンの販売台数<ref>{{cite journal | date = January 2007–May 2009 | title = Market place | journal = Wheels magazine | publisher = ACPマガジン}}</ref>
|-
! style="background:#e8f4f8;" | 年
! style="background:#e8f4f8;" | 販売台数
|-
| 2006年 <small>(11月-12月)</small> || 3,037台
|-
| 2007年 || 22,036台
|-
| 2008年 || 19,562台
|-
| 2009年 || 13,910台<ref>{{cite web | last = Hammerton | first = Ron | date = 2010-01-08 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/2A6DEBEC30267386CA2576A4007CB907 | title = VFACTS: Cars lose more ground to SUVs, LCVs | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2010-09-04}}</ref>
|-
| '''計''' || '''58,545台'''
|}
=== オーストララシア ===
オーリオンが販売されるオーストラリア市場においては、同じ前輪駆動車で2008年に生産が終了された[[三菱・380]]のほか、[[後輪駆動]]車であるフォード・ファルコンおよびホールデン・コモドアが競合車種となった。また、TRDは[[スバル・レガシィ|スバル・リバティGT]]および[[マツダ・アテンザ|マツダ・6 MPS]]の競合車種として投入された<ref>{{cite journal | last = Dupriez | first = Curt | title = Aurion Express | publisher = ACPマガジン | journal = モーター | pages = 76–82 | month = October | year = 2007}}</ref>。投入以降、オーリオンは多数の賞を受賞し、好評を博した。特にその燃費性能やパフォーマンス、そして競合車にはオプションでしか用意されない安全装備や快適装備が標準装備されていることが評価された<ref>{{cite web | date = 2007-11-29 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/dcoty-2007-best-large-car--the-verdict-20071129-142p7.html | title = DCOTY 2007: Best Large Car - The verdict | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2008-04-26}}</ref>。

販売開始に先立って、オーストラリアにおける年間販売目標台数は24,000台に設定されたが、販売開始翌年の2007年からそれを上回ることはなく、2009年の販売台数は目標台数の半分程度となっている。また、中東および[[ニュージーランド]]市場向けに8,000台の輸出が見込まれていたが<ref>{{cite web | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/4F0B590EC335FE8ECA25720B001A263E | title = Toyota Aurion sedan range | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2007-10-10}}</ref>、中東への輸出は2007年に開始され、すでに10,000台の輸出がなされている<ref name = "Times Newspapers">{{cite web | last = Hanson | first = Phil | date = 2006-12-07 | url = http://www.times.co.nz/cms/lifestyle/motoring/2006/12/art100014452.php | title = Toyota looks to Tomorrow | publisher = タイムズ・ニュースペーパーズ | accessdate = 2007-10-03}}</ref>。

オーストラリアのドライブ・カー・オブ・ザ・イヤーにおいては、2006年度、2007年度および2009年度のベスト・ラージカーに選出されている<ref>{{cite web | date = 2006-11-29 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/dcoty-2006-best-large-car-winner-toyota-aurion-20061129-13zoy.html | title = dCOTY 2006: Best Large Car winner, Toyota Aurion | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2008-04-26}}</ref><ref>{{cite web | date = 2009-12-01 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/aurion-atx-named-best-large-car-20091201-14b2w.html | title = Aurion AT-X named best large car | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2010-02-23}}</ref>。

==== ラインアップ ====
'''AT-X'''<br />
商用車向けのエントリーグレードとして投入された。対抗車種であるホールデン・コモドア オメガより装備は充実している<ref>{{cite web | url = http://redbook.com.au/used-cars/compare.aspx?__D=2006%20omega&__Ntt=2006%20omega&__Qpb=true&__Dx=mode%20matchany&__Ns=p_Make_String|0|p_ClassificationType_String|0|p_Family_String|0|p_Year_String|1|p_SequenceNum_Int32|0&SearchAction=N&__N=2994%204294958234%204294843515&__Ntx=mode%20matchallpartial&silo=1300&CT=Compare&__Ntk=CarAll&__Nne=15&trecs=2&__sid=127D09A96527 | title = Vehicle Comparison: 2006 Toyota Aurion AT-X and 2006 Holden Commodore Omega | publisher = レッド・ブック | accessdate = 2010-04-05}}</ref>。2006年および2007年にはAT-Xがオーストラリアズ・ベスト・ラージカーに選出された<ref>{{cite web | date = 2006-12-01 | url = http://www.motordude.com/aurion-awarded-drive-australian-car-of-the-year-title-ahead-of-ford-and-holden/ | title = Aurion awarded Drive Australian Car of the Year title ahead of Ford and Holden | publisher = MotorDude.com | accessdate = 2007-07-28}}</ref><ref>{{cite web | url = http://www.australiasbestcars.com.au/2007/large.htm | title = Winners 2007 | publisher = オーストラリアズ・ベスト・カーズ | accessdate = 2007-12-19}}</ref>。<br />
2007年10月にはAT-Xをベースに16インチアルミホイールやリアスポイラーなどが追加装備された特別仕様車、'''ツーリングSE''' (''Touring SE'') が発売された<ref>{{cite web | date = 2007-10-08 | url = http://www.caradvice.com.au/6934/2008-toyota-aurion-touring-special-edition/ | title = 2008 Toyota Aurion Touring Special Edition | publisher = オーストラリアン・カー・アドバイス | accessdate = 2007-11-09}}</ref>。後に2008年4月<ref>{{cite web | date = 2008-04-03 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/EEC5C885CD7AB80ACA25741F007C6C6B | title = More fruit for Toyota Aurion | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2009-04-28}}</ref>、2008年10月<ref>{{cite web | date = 2008-10-01 | url = http://www.carsales.com.au/news/2008/large-passenger/toyota/aurion/toyota-releases-a-new-batch-of-the-aurion-touring-7144 | title = Toyota releases a new batch of the Aurion Touring | work = Carsales | accessdate = 2009-06-09}}</ref>および2009年4月に再販され、2009年に発売されたモデルには17インチアルミホイール、スポルティーボ用フロントグリルおよび前後スポーツランプが装備された<ref>{{cite web | date = 2007-02-22 | url = http://www.caradvice.com.au/1598/2007-toyota-aurion-sportivo-zr6-road-test/ | title = 2007 Toyota Aurion Sportivo ZR6 Road Test | publisher = オーストラリアン・カー・アドバイス | accessdate = 2007-08-30}}</ref>。
[[ファイル:2006-2009 Toyota Aurion (GSV40R) Sportivo ZR6 sedan 01.jpg|thumb|right|200px|前期型スポルティーボZR6]]
[[ファイル:2006 Toyota Aurion Sportivo SX6.jpg|thumb|right|200px|スポルティーボSX6 リア]]
'''スポルティーボ''' (''Sportivo'')<br />
スポーツモデルであり、'''スポルティーボSX6'''と'''スポルティーボZR6'''の2モデルが用意される。SX6には専用のスポーツ[[エアロパーツ|ボディキット]]、スポーツサスペンション、スポーツシート、スポーツヘッドランプおよび17インチアルミホイールが装備される<ref>{{cite web | last = Hepworth | first = Kevin | date = 2006-10-20 | url = http://www.carsguide.com.au/site/news-and-reviews/car-reviews-road-tests/toyota_aurion_six_of_the_best | title = Toyota Aurion: six of the best | work = デイリー・テレグラフ | publisher = ニュース・リミテッド | accessdate = 2007-10-14}}</ref>。ZR6はSX6をベースに電動スポーツレザーシートなどが装備される。

'''プロディジー''' (''Prodigy'')<br />
AT-Xとプレサラの中間グレードで、ニュージーランドおよび中東では'''ツーリング''' (''Touring'') の名称で販売される<ref name = "Times Newspapers"/>。運転席電動シートやレザー装飾などが装備される。また、フォグランプが標準装備され、16インチアルミホイールが装着される<ref name = "Toyota Aurion Prodigy"/>。<br />
[[2011年]]にはプロディジーをベースとした250台限定の特別仕様車'''ホワイトLE''' (''White LE'') が発売された。専用のアルミホイールが装着され、ボディカラーはクリスタルホワイトとなった。スポルティーボ用のエアロパーツが装備され、専用のバッジが装着された。インテリアも専用のものとなり、黒と白を基調としている。

'''プレサラ''' (''Presara'')<br />
最上級グレードであり、電動シート、プッシュエンジンスターター、[[サンルーフ]]、リアビューカメラ、カーナビゲーションシステムなどが標準装備される<ref>{{cite web | url = http://www.roadtester.com.au/Toyota/Aurion-397.aspx | title = The game has changed | publisher = RoadTester.com.au | accessdate = 2007-09-24}}</ref>。ニュージーランドおよび中東においては'''グランデ・モニカ''' (''Grande moniker'') の名称で販売される<ref name = "Times Newspapers"/>。
[[ファイル:2007 TRD Aurion 3500SL 01.jpg|thumb|right|200px|TRDオーリオン 3500SL]]
[[ファイル:TRD Aurion rear.jpg|thumb|right|200px|TRDオーリオン リア]]
'''TRDオーリオン'''<br />
トヨタは2006年のメルボルンモーターショーで'''オーリオンスポーツコンセプト'''を発表したが<ref>{{cite web | last = Torr | first = Fean | date = 2006-10-27 | url = http://www.webwombat.com.au/motoring/news_reports/australian-motor-show-2006.htm | title = 2006 Australian International Motor Show: Part I | publisher = WebWombat | accessdate = 2007-10-12}}</ref>、このモデルは後の2007年8月に発売されるTRDオーリオンのプレビューモデルであった<ref name = "Wheels magazine TRD Aurion">[[#Carey (September 2007)|Carey (September 2007)]], p. 72–82.</ref>。TRDはそれより前の2005年に発表されたXV30型カムリベースの'''TS-01コンセプト'''で初めてスーパーチャージャーを搭載していた<ref>{{cite web | date = 2005-03-10 | url = http://www.webwombat.com.au/motoring/news_reports/toyota-ts-01.htm | title = TS-01 Concept: Toyota Flexes Muscles | publisher = WebWombat | accessdate = 2007-10-12}}</ref>。<br />
TRDオーリオン開発プロジェクトのエクステリアデザインマネージャーは元[[フォード・オーストラリア]]のデザイナーのリー・モランであった。彼はTSAのベランジャーにより抜擢された。モランはフロントグリルを小さくし、フロントバンパーを強調することによってF1風のデザインとした。日本のトヨタで行われた[[風洞]]実験ではTRDオーリオンの[[抗力|Cd値]]が0.30であることが確認されたが、これは標準車よりも低い値であった<ref name = "Wheels magazine TRD Aurion"/>。外装部品ではリアバンパーやテールランプ、エアロパーツなどについて、専用のものが装着され<ref name = "TRD Aurion">{{cite web | last = Hagon | first = Toby | date = 2007-08-20 | url = http://news.drive.com.au/drive/motor-news/trd-aurion-hints-at-toyota-excitement-20070820-141t0.html | title = TRD Aurion hints at Toyota excitement | work = Drive | publisher = フェアファックス・メディア | accessdate = 2007-08-25}}</ref>、スーパーチャージャー付きのV6 3.5Lエンジンが搭載される。また、ハンドリングを向上するため、専用のサスペンションおよびタイヤが装着された<ref name = "TRD powertrain"/>。<br />
豪州トヨタはTRDオーリオンのほとんどをオーストラリア国内で販売する計画で、月販台数は50 - 70台程度を計画していた<ref name = "Wheels magazine TRD Aurion"/>。しかし販売は失敗し、2009年3月31日時点でTRDオーストラリアは[[トヨタ・ハイラックス|TRDハイラックス]]と共にTRDオーリオンの生産を中止し、TRDオーストラリアは閉鎖された<ref>{{cite web | last = Hassall | first = David | date = 2008-12-19 | url = http://www.goauto.com.au/mellor/mellor.nsf/story2/A5C56A930A4CCF57CA257524001767EC | title = TRD gets the axe | work = GoAuto | publisher = John Mellor | accessdate = 2009-07-28}}</ref>。グレードは'''3500S'''と'''3500SL'''の2種類が用意されており、前者には専用パフォーマンスマフラー、19インチアルミホイール、[[エクセーヌ|アルカンターラ]]シートなどが装備され<ref>{{cite web | last = Maric | first = Paul | date = 2007-09-17 | url = http://www.caradvice.com.au/6306/2007-trd-aurion-3500s-road-test/ | title = 2007 TRD Aurion 3500S Road Test | publisher = オーストラリアン・カー・アドバイス | accessdate = 2007-10-22}}</ref>、後者にはさらに専用シフトレバーやリアバンパーリインフォースなどが追加装備される<ref>{{cite web | date = 2005-08-21 | url = http://www.webwombat.com.au/motoring/news_reports/trd-aurion.htm | title = TRD Aurion: Toyota's Supercharged Hero Car | publisher = WebWombat | accessdate = 2007-10-12}}</ref>。また、これは市販車として世界で初めて[[イートン・コーポレーション|イートン]]製のTVSスーパーチャージャーを採用したモデルでもあり、これにより、出力・トルクを向上しながらエンジン音も削減している<ref>{{cite web | date = 2007-06-20 | url = http://www.webwombat.com.au/motoring/news_reports/trd-aurion-supercharged.htm | title = TRD Aurion: World's First Production Car With TVS | publisher = WebWombat | accessdate = 2007-10-12}}</ref>。

=== 中国、台湾、東南アジア ===
[[ファイル:Toyota Camry (sixth generation) (front), Serdang.jpg|thumb|right|230px|[[マレーシア]]仕様 カムリ]]
オーリオンは東アジアおよび東南アジアの一部地域においてカムリとして製造・販売されている。このモデルは豪州仕様車とは異なったフロントグリルを装着し、グレード構成も異なっている。グレードは国により異なるが、一部の国では低級グレードから順に「2.0E」、「2.0G」、「2.4E」、「2.4G」、「2.4スポルティーボ」、「2.4V」、「3.5V」、「3.5Q」がラインアップされる<ref>{{cite web | url = http://tw.autos.yahoo.com/newcar_model/id/600.html | title = 2007 Toyota Camry | language = Mandarin | publisher = Yahoo! 台湾 | archiveurl = http://web.archive.org/web/20071011025512/http://tw.autos.yahoo.com/newcar_model/id/600.html | archivedate = 2007-10-11 | accessdate = 2007-10-10}}</ref>。なお、グレード名の数字は排気量を表す<ref>{{cite web | last = Chang | first = Wiwat | date = 2006-09-29 | url = http://www.kaysfeld.dk/Car/toyota_camry_20g.htm | title = Short drive with Toyota Camry 2.0G | publisher = Kowit Sanandang | accessdate = 2007-10-11}}</ref>。

タイ市場においては「2.0E」、「2.0G」、「2.4V」の3グレードがラインアップされ、[[インドネシア]]および[[フィリピン]]では「2.4G」、「2.4V」、「3.5Q」の3グレードがラインアップされた。インドネシア市場においては「2.4V」および「3.5Q」が多く政府向けに販売され、またインドネシアにおける同クラスのベストセラー車となった。タイ仕様にはオーリオンをベースとしたカムリハイブリッドも用意される。

[[ベトナム]]市場には2006年に投入され、「2.4G」と「3.5Q」の2グレードのみがラインアップされた。ベトナム[[ヴィンフック省]]のトヨタ自動車工場においてはカムリの製造も行なっている<ref>{{cite web | url = http://www.toyotavn.com.vn/profiles/index/126 | title = Giới thiệu | publisher = トヨタ自動車ベトナム | archiveurl = http://www.webcitation.org/5sTwtbdQi | archivedate = 2010-09-03 | accessdate = 2010-09-03}} {{Vi icon}}</ref>。

== 脚注 ==
=== 出典 ===
{{Reflist}}

=== 参考文献 ===
* {{cite journal | last = Carey | first = John | month = March | year = 2006 | title = Shock and Aurion | journal = Wheels magazine | location = Sydney, New South Wales | publisher = ACPマガジン | ref = Carey (2006)}}
* {{cite journal | last = Carey | first = John | month = February | year = 2007 | url = http://www.wheelsmag.com.au/wheels/a/9DC54050F7895E45CA2572820007E6DC.html | title = COTY 2006 - Toyota Aurion | journal = Wheels magazine | location = Sydney, New South Wales | publisher = ACPマガジン | ref = Carey (February 2007)}}
* {{cite journal | last = Carey | first = John | month = September | year = 2007 | url = http://www.wheelsmag.com.au/Road_Tests/Toyota+TRD+Aurion.html?open&template=domWheels&fullarticle=yes | title = TRD Aurion | journal = Wheels magazine | location = Sydney, New South Wales | publisher = ACPマガジン | ref = Carey (September 2007)}}
* {{cite journal | last = Robinson | first = Peter | month = November | year = 2006 | url = http://www.carsales.com.au/reviews/2007/large-passenger/toyota/aurion/toyota-aurion-2577 | title = Back from the dread | journal = Wheels magazine | location = Sydney, New South Wales | publisher = ACPマガジン | ref = Robinson (2006)}}


== 関連項目 ==
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*[[トヨタ自動車]]
* [[トヨタ・カムリ]]
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* [[トヨタ・アバロン]]
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==外部リンク==
==外部リンク==
*[http://www.toyota.com.au/aurion Toyota Aurion(豪州)]
* [http://www.toyota.com.au/aurion Toyota Aurion(豪州)]
*[http://www.toyota.com.au/aurion-presara/gallery/images Aurion Presara(豪州)]


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2012年4月1日 (日) 14:10時点における版

トヨタ・オーリオン
XV40型
前期型プロディジー(リアスポイラー装着車)
リア
プレサラ 室内
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 1AZ-FE型 2.0L 直4
2AZ-FE型 2.4L 直4
2GR-FE型 3.5L V6
変速機 4速/6速AT
車両寸法
ホイールベース 2775mm
全長 4825mm
全幅 1820mm
全高 1470mm
車両重量 1590 - 1630kg
系譜
先代 初代トヨタ・アバロン
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オーリオン (Aurion) は、トヨタ自動車2006年よりオーストラリアおよびアジアの一部地域で販売しているセダン乗用車である。

概要

2006年のメルボルンモーターショーにて発表された。XV40型カムリをベースとしており、型式は同じく「XV40」である。

オーストララシアおよび中東においては、オーリオンは同市場におけるフラグシップモデルであったMCX10型アバロンの後継車としてカムリと併売されており、中国および香港マカオシンガポールを除く東南アジアにおいてはオーリオンが「カムリ」として販売される。オーストララシア、中東市場においては、オーリオンは3.5L V6エンジンのみを搭載し、同市場においては直4 2.4Lエンジンのみをラインアップするカムリと差別化が図られている[1][2]

オーストラリア以外では、中国では広州豊田でカムリとして現地生産されているほか、台湾タイベトナムでも生産されている。

開発

オーリオンの生産開始以前には、2005年6月までオーストラリアメルボルンのトヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア (Toyota Motor Corporation Australia: TMCA) アルトナ工場ではMCX10型アバロンが製造されていた[3]。同工場においてアバロンは2000年から生産されたが、生産開始時点で北米市場におけるMCX10型アバロンの登場からすでに6年が経過しており、北米仕様とはデザインが一部変更された[4]。アバロンは同じくアルトナ工場で製造されるカムリの上位車種として製造された[5]。しかし、デザインが古めかしい、排気量が小さい、前輪駆動である、などの理由により、ホールデン・コモドアフォード・ファルコンといった競合車種に対抗することは敵わず、販売は振るわなかった[6][7][8]。販売の最も多かった年でもトヨタの年間販売目標台数の半分にも届かず[3]、想定していた顧客層の多くはアバロンと同じV6エンジンを搭載していた[9]1クラス下のカムリを購入した[7]

そういったことを受け、トヨタはオーストラリアの顧客が現代的で豪州市場に合った車を求めていると考え、2002年にアバロンの後継車の開発計画を本格的に開始した。豪州トヨタは当時日本市場や北米市場向けに開発されていたどのモデルも豪州市場には適していないと判断したが、一方で豪州市場におけるサイズ規制のために完全オリジナルのモデルの開発は難しかった。また、当時豪州トヨタには社内にデザイナーがいなかったため、2002年8月にポール・ベランジャーを入社させ、ビクトリア州ディングリー・ビレッジの工業団地にトヨタ・スタイル・オーストラリア (Toyota Style Australia: TSA) を設立した。TSAはまずXランナーコンセプトおよびスポルティーボクーペコンセプトをデザインし、2003年には、以前フォード・オーストラリアでデザイナーとして働き、BAファルコンのXRシリーズをデザインしたニック・ホジオスがTSAのチーフデザイナーとして指名された[10][11]。続いて、2003年にTSAはオーリオン開発の第一歩としてXV30型カムリをベースとした独自モデル、コードネーム「380L」を設計した。この380LはXV30型カムリの外装パネルやインテリア部品をTSA独自のものと交換して作ったワンオフモデルであり、開発費用は約100万オーストラリア・ドルであった。2003年初頭にトヨタが行ったフォーカスグループでアバロンが競合車種であるホールデン・コモドア、フォード・ファルコン、三菱・マグナと比較された際には最下位にランクされたが、アバロンを380Lと交換して同年中に再び行われたフォーカスグループでは380Lが4台のうちで最も好印象を持たれ、またベランジャー曰く380Lがカムリと同じ車だとは思われなかったという。そして豪州トヨタは6気筒エンジンを搭載した380Lをカムリとは別の名前でカムリと併売することができると判断した[10]

TSAは市販車両を開発したことがなかったため、日本のトヨタにTSAが本当に車両の開発を行えると確信させるため、380Lの開発期間にTSAはアバロン後継車についてトヨタ本部と定期的に議論を重ねた[3]。トヨタ本部へのプレゼンテーションにおいて380Lが引き渡された際には、ニック・ホジオスに対し次世代のコードネーム「042L」カムリ(後のXV40型カムリ)のデザインコンペティションへの案を提出するように要求がなされた。ホジオスの案は採用されなかったが、彼は後のオーリオンとなる、アジア仕様カムリであり通常のカムリの上位車種でもあるコードネーム「043L」の開発をするよう命じられた[10][12][13]。TSAのコンセプトカーや380Lの開発が成功したため[3]、豪州トヨタは042Lと043Lを共に製造し、併売することを許可されたが、カムリに搭載されるエンジンは4気筒のみ、カムリの上位車種(後のオーリオン)に搭載されるエンジンは6気筒のみという制約がなされた。ホジオスは9か月間日本において043Lの設計を行い、最終的なデザインは日本人および台湾人のデザイナーと共同で行ったが、車両前部のデザインはほぼホジオス自身によるものとなった[3][10][14]。ホジオスが日本で設計をしている間、TSAは豪州市場向けオーリオン用のデザイン変更を開始した[10]。デザインが完成した後、豪州トヨタは豪州仕様オーリオンとアジア仕様カムリの設計を並行して行った。豪州向けオーリオンとアジア仕様カムリは基本的に同じであったが、後者は高級車としてしか販売されない一方で、オーリオンは商用車としても販売され、スポーツモデルも用意されるため、両者には別のコードネームが付けられ、オーリオンのコードネームは「323L」とされた[10]

オーリオンスポーツコンセプト

豪州トヨタは2006年2月9日にメルボルンモーターショーにおいてオーリオンおよびオーリオンスポーツコンセプトを発表した[15]。トヨタは30以上の車名候補の中から消費者調査を経て[16]この車を古代ギリシア語で「明日」を意味する「オーリオン」と名付けた。この車名は全く新しい車を表現し[17]、"Can't wait for tomorrow"というキャッチコピーとも結び付けられている[18]

デザイン

外装部品ではドア、ウインドウ、ルーフパネル、リアクォーターを含めたボディサイド部分をXV40型カムリと共有するが、それ以外の部分はオーリオン独自のものである[19]。これにより、ホイールベースや前後トレッド、室内寸法はカムリと同一である。内装については、基本的なデザインはカムリと共通であり、ダッシュボードや足踏み式パーキングブレーキのデザインなどが変更されている[20][21]。これにより、開発コストが抑えられ、またカムリと同じラインにおいて生産することを容易に可能とした[22]

オーリオンはアジア市場も考慮してデザインされたが、トヨタはオーストラリアンテイストのデザインであると表現している[23]。ホジオス曰くオーリオンはオーストラリア車のデザインの特徴に倣いながらも欧州車のデザインからもインスピレーションを得ているという[23]。また、他のトヨタ車同様、「パーフェクト・インバランス」とも言われるトヨタのデザインフィロソフィである「VIBRANT CLARITY」のもとでデザインがなされた[23]

スポルティーボZR6 室内

同セグメントのメルセデス・ベンツ車の直下にランクされ、高級車として販売される中国市場などでの販売には、メルセデス・ベンツの車のような特徴を持つことを必要とした[10][24]。オーリオンのデザインにおいて、デザイナーは市場に合わせた2つのデザインコンセプトを生み出した。ベースグレードの「AT-X」、上級グレードの「プロディジー」および「プレサラ」はコンフォートをコンセプトにデザインされ、スポーツモデルの「スポルティーボ」はスポーツをコンセプトにデザインされた[25]。このコンセプトに合うよう、スポルティーボには専用17インチアルミホイールやリアスポイラーおよび各種エアロパーツ、3本スポークステアリングが装備される[26]。高性能モデルである「TRD」のデザインも「スポルティーボ」と類似しているが、F1からインスピレーションを受けてデザインされたフロントバンパーやテールパイプ一体型リアバンパーはTRD独自のデザインとなっている[27]

後期型AT-X
後期型スポルティーボZR6

フェイスリフト

2009年6月にタイのトヨタ・モーター・タイランドが東アジアおよび東南アジア向けのカムリのマイナーチェンジモデルを豪州仕様のオーリオンに先立って発表し、ハイブリッド仕様も新たにラインアップされた[28]。マイナーチェンジにおけるフェイスリフトにより、前後ランプやフロントバンパー、フロントグリルのデザインが変更され、内装のデザインも一部変更された[29][30]。同年9月21日には豪州トヨタによりオーリオンにも同様のマイナーチェンジが行われることが公式に発表された。

フェイスリフトにより、ボディサイドモールディングが廃止されたほか、アルミホイールのデザインも変更されている[31]

パワートレイン

オーリオンには、オーストリア国外のカムリにも搭載される2GR-FE型V6 自然吸気エンジンが搭載される。排気量は3.5Lで、最高出力は272PS、最大トルクは34.3kgf·mとなる[32]。95RON無鉛プレミアムガソリンを燃料として使用すると、最高出力は4kW (5.4PS) 向上する[33]。0-100km/h加速は7.4秒が記録されており、トヨタは最高速度が228km/hであると発表している[32]。オーリオンはユーロIV排ガス規制に適合しており[34]、オーストラリアのADR 81/01燃費は10.1km/Lである[35]。2GR-FE型エンジンは、TRDのスーパーチャージドエンジンも含め、U660E型6速ATと組み合わせられる。スーパーチャージャー付の2GR-FE型エンジンの最高出力は328PS、最大トルクは40.8kgf·mとなり、燃費は9.2km/Lとなる[36]

オーリオンがカムリとして販売されるアジアの市場においては、排気量2.0Lの直列4気筒1AZ-FE型および2.4Lの直4 2AZ-FE型エンジンが用意される[37][38]。また、そのうちの一部の市場においては3.5L NAエンジンも用意される。1AZ-FE型エンジンの最高出力は147PS、最大トルクは19.4kgf·m、2AZ-FE型エンジンの最高出力は173PS、最大トルクは22.8kgf·mとなる。1AZ-FE型エンジンにはU241E型4速ATが、2AZ-FE型エンジンにはU250E型5速ATが組み合わせられる[39]。また、2009年頃には一部市場に2.0L 3ZR-FE型エンジン搭載モデルも投入された。3ZR-FE型エンジンの最高出力は139PS、最大トルクは19.3kgf·mとなり、U241E型4速ATが組み合わせられ、さらに一部の市場においては6速MTも組み合わせられる[40]

また、タイ仕様のカムリには最高出力149PS、最大トルク19.1kgf·mの2AZ-FXE型エンジンに最高出力30kW (41PS) 、最大トルク270N·m (27.5kgf·m) のモーターが組み合わせられたハイブリッドモデルも用意され、変速機にはP311型CVTが採用される。

シャシ モデル エンジン 最高出力 最大トルク 変速機
XV40 ZSV40 2.0L 直4 3ZR-FE型 102kW (139PS) 189N·m (19.3kgf·m) U241E型4速AT
6速MT
ACV41[41] 2.0L 直4 1AZ-FE型 108kW (147PS) 190N·m (19.4kgf·m) U241E型4速AT
ACV40[42] 2.4L 直4 2AZ-FE型 127kW (173PS) 224N·m (22.8kgf·m) U250E型5速AT
AHV40[43] 2.4L 直4 2AZ-FXE型 110kW (149PS) 187N·m (19.1kgf·m) P311型CVT
GSV40[44][45] 3.5L V6 2GR-FE型 200kW (272PS) 336N·m (34.3kgf·m) U660E型6速AT
3.5L V6 2GR-FE型 SC 241kW (328PS) 400N·m (40.8kgf·m)

市場

オーストラリアにおけるオーリオンの販売台数[46]
販売台数
2006年 (11月-12月) 3,037台
2007年 22,036台
2008年 19,562台
2009年 13,910台[47]
58,545台

オーストララシア

オーリオンが販売されるオーストラリア市場においては、同じ前輪駆動車で2008年に生産が終了された三菱・380のほか、後輪駆動車であるフォード・ファルコンおよびホールデン・コモドアが競合車種となった。また、TRDはスバル・リバティGTおよびマツダ・6 MPSの競合車種として投入された[48]。投入以降、オーリオンは多数の賞を受賞し、好評を博した。特にその燃費性能やパフォーマンス、そして競合車にはオプションでしか用意されない安全装備や快適装備が標準装備されていることが評価された[49]

販売開始に先立って、オーストラリアにおける年間販売目標台数は24,000台に設定されたが、販売開始翌年の2007年からそれを上回ることはなく、2009年の販売台数は目標台数の半分程度となっている。また、中東およびニュージーランド市場向けに8,000台の輸出が見込まれていたが[50]、中東への輸出は2007年に開始され、すでに10,000台の輸出がなされている[51]

オーストラリアのドライブ・カー・オブ・ザ・イヤーにおいては、2006年度、2007年度および2009年度のベスト・ラージカーに選出されている[52][53]

ラインアップ

AT-X
商用車向けのエントリーグレードとして投入された。対抗車種であるホールデン・コモドア オメガより装備は充実している[54]。2006年および2007年にはAT-Xがオーストラリアズ・ベスト・ラージカーに選出された[55][56]
2007年10月にはAT-Xをベースに16インチアルミホイールやリアスポイラーなどが追加装備された特別仕様車、ツーリングSE (Touring SE) が発売された[57]。後に2008年4月[58]、2008年10月[59]および2009年4月に再販され、2009年に発売されたモデルには17インチアルミホイール、スポルティーボ用フロントグリルおよび前後スポーツランプが装備された[60]

前期型スポルティーボZR6
スポルティーボSX6 リア

スポルティーボ (Sportivo)
スポーツモデルであり、スポルティーボSX6スポルティーボZR6の2モデルが用意される。SX6には専用のスポーツボディキット、スポーツサスペンション、スポーツシート、スポーツヘッドランプおよび17インチアルミホイールが装備される[61]。ZR6はSX6をベースに電動スポーツレザーシートなどが装備される。

プロディジー (Prodigy)
AT-Xとプレサラの中間グレードで、ニュージーランドおよび中東ではツーリング (Touring) の名称で販売される[51]。運転席電動シートやレザー装飾などが装備される。また、フォグランプが標準装備され、16インチアルミホイールが装着される[32]
2011年にはプロディジーをベースとした250台限定の特別仕様車ホワイトLE (White LE) が発売された。専用のアルミホイールが装着され、ボディカラーはクリスタルホワイトとなった。スポルティーボ用のエアロパーツが装備され、専用のバッジが装着された。インテリアも専用のものとなり、黒と白を基調としている。

プレサラ (Presara)
最上級グレードであり、電動シート、プッシュエンジンスターター、サンルーフ、リアビューカメラ、カーナビゲーションシステムなどが標準装備される[62]。ニュージーランドおよび中東においてはグランデ・モニカ (Grande moniker) の名称で販売される[51]

TRDオーリオン 3500SL
TRDオーリオン リア

TRDオーリオン
トヨタは2006年のメルボルンモーターショーでオーリオンスポーツコンセプトを発表したが[63]、このモデルは後の2007年8月に発売されるTRDオーリオンのプレビューモデルであった[64]。TRDはそれより前の2005年に発表されたXV30型カムリベースのTS-01コンセプトで初めてスーパーチャージャーを搭載していた[65]
TRDオーリオン開発プロジェクトのエクステリアデザインマネージャーは元フォード・オーストラリアのデザイナーのリー・モランであった。彼はTSAのベランジャーにより抜擢された。モランはフロントグリルを小さくし、フロントバンパーを強調することによってF1風のデザインとした。日本のトヨタで行われた風洞実験ではTRDオーリオンのCd値が0.30であることが確認されたが、これは標準車よりも低い値であった[64]。外装部品ではリアバンパーやテールランプ、エアロパーツなどについて、専用のものが装着され[66]、スーパーチャージャー付きのV6 3.5Lエンジンが搭載される。また、ハンドリングを向上するため、専用のサスペンションおよびタイヤが装着された[36]
豪州トヨタはTRDオーリオンのほとんどをオーストラリア国内で販売する計画で、月販台数は50 - 70台程度を計画していた[64]。しかし販売は失敗し、2009年3月31日時点でTRDオーストラリアはTRDハイラックスと共にTRDオーリオンの生産を中止し、TRDオーストラリアは閉鎖された[67]。グレードは3500S3500SLの2種類が用意されており、前者には専用パフォーマンスマフラー、19インチアルミホイール、アルカンターラシートなどが装備され[68]、後者にはさらに専用シフトレバーやリアバンパーリインフォースなどが追加装備される[69]。また、これは市販車として世界で初めてイートン製のTVSスーパーチャージャーを採用したモデルでもあり、これにより、出力・トルクを向上しながらエンジン音も削減している[70]

中国、台湾、東南アジア

マレーシア仕様 カムリ

オーリオンは東アジアおよび東南アジアの一部地域においてカムリとして製造・販売されている。このモデルは豪州仕様車とは異なったフロントグリルを装着し、グレード構成も異なっている。グレードは国により異なるが、一部の国では低級グレードから順に「2.0E」、「2.0G」、「2.4E」、「2.4G」、「2.4スポルティーボ」、「2.4V」、「3.5V」、「3.5Q」がラインアップされる[71]。なお、グレード名の数字は排気量を表す[72]

タイ市場においては「2.0E」、「2.0G」、「2.4V」の3グレードがラインアップされ、インドネシアおよびフィリピンでは「2.4G」、「2.4V」、「3.5Q」の3グレードがラインアップされた。インドネシア市場においては「2.4V」および「3.5Q」が多く政府向けに販売され、またインドネシアにおける同クラスのベストセラー車となった。タイ仕様にはオーリオンをベースとしたカムリハイブリッドも用意される。

ベトナム市場には2006年に投入され、「2.4G」と「3.5Q」の2グレードのみがラインアップされた。ベトナムヴィンフック省のトヨタ自動車工場においてはカムリの製造も行なっている[73]

脚注

出典

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参考文献

関連項目

外部リンク

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