フラグシップ機

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フラグシップ機(フラグシップき、flagship model)は、ある分野で複数の製品を製造・販売するメーカーの商品群の中で、そのメーカーの象徴的存在となる製品、もしくはメーカーが持てる技術の総力を揚げて取り組んだ製品を指し、フラグシップモデルとも、もしくは単にフラグシップ(フラッグシップ)ともいう。通常、そのメーカーの最高価格品(最高級品)である場合が多い。

主に時事用語の一つとして用いられ、IT関連商品以外に、家電品・自動車・オートバイなどをはじめとする、価格帯に幅のある商品群の中での位置付けを示す意味として用いられる。

目的[編集]

商品群において「フラグシップ」を用いる場合には、大別すると二通りの使われ方がある。まず一つは、市場における知名度や歴史などが加味された、メーカーの根強い人気のあるベストセラー商品や、ベストセラー商品としての系譜を引き継ぐものなどを指す場合に使われることがある。つまりメーカー側にとって、「最も重要な位置づけの製品」を指す。もう一つはメーカーの商品群の中でも、特に性能や価格、機能など商品群の中の最高級品を指す場合に使われる。前者は主に、メーカー側の販売戦略上の表現としての意味合いが強く(後者ほど性能や価格は重要な要素ではない)、一般的には後者の意味合いとして使われることが多い。

ハイエンド[編集]

なお、フラグシップと同様の用いられ方をする用語としてハイエンド(High-end)があり、ハイエンドもまた各種商品群の中で最上級の位置付けを示す意味として用いられることが多い。

両者を同一のものとする見方もあるが、ハイエンド(機)は商品群のランク付けにおける価格評価に重点がおかれ、異なる商品シリーズが存在するメーカーにあっては、各シリーズごとにハイエンド機が存在する。また、ハイエンド(機)はメーカーの同じ種別内における商品群の中で、複数存在する場合がある。これに対し、フラグシップ(機)はメーカーの同じ種別内における商品群の中で、複数存在することが基本的にはなく、一般的にはハイエンドよりも「頂点にある一つ(の製品)のみ」を指す意味合いが強い。ただし、販売、又は製造する市場が異なる場合は、メーカーの同じ種別内に属する商品群の中でも複数フラグシップ(機)が存在する場合もある。

もっと単純でわかりやすい例としては、ハイエンド機は質実剛健だが簡素でショーウインドウに置くには映えないモデル、フラグシップ機は(実は性能ではハイエンド機に劣るものの)見た目でわかる機能をてんこもりした文字通りの「満艦飾」なモデル、といった場合であろう。

これらのことからも、フラグシップ機は一般的にはハイエンド機の部類に入ることが多いが、ハイエンド機が必ずしもフラグシップ機というわけではない。

ハイエンドの対義語はローエンドである。「ロー」= 低価格・低性能といったあたりを指している。あるブランドの製品群のうちで最も低価格であり、その低価格を実現するために最も性能が低かったり、機能が削られている、あるいは意図的に制限されている[1]、といった製品群である。

語源[編集]

海軍において艦隊司令が坐乗する艦である旗艦(フラグシップ、flagship:司令官旗は司令官坐乗を意味する)に由来する。旗艦は、平時の(抑止力としての)軍であれば「最も威容がある」艦であるし、戦時においては戦略上の必然から「最も沈まないであろう」艦であることが要求される。

脚注[編集]

  1. ^ わざわざ別に設計したり、生産ラインを複数用意するコストのほうが高いだろうといったような商品の場合、筐体に押しボタンが存在していないだけで、内部は全く同じ、といった製品のこともある。