バンジージャンプ
バンジージャンプ(Bungee jumpingまたはBungy jumping、Bunjee jumping)は、高層ビルや橋の上などといった高い場所から命綱一本で飛び降り、そのフォームの美しさなどを競う競技、またはアトラクション。
バンジー (bungy) とは英語ニュージーランド方言でゴムひものこと。この遊びを商売として始めたA. J. Hackettが名づけた。
その起源はバヌアツ共和国ニューヘブリディーズ諸島にあるペンテコスト島で行われていた通過儀礼である「ナゴール」といわれている。
日本での状況
日本においては、遊園地や渓谷などにおけるアトラクションとして発達している。足首などをゴムロープで縛り、高所より飛び降りる。遊園地においては常設の鉄塔が用意されており、ハーネスを装着してその上から飛び降りるものが多い。ゴムロープであるために、一度最下点まで達した後に、空中で上下動を繰り返す。
国内の公式ブリッジバンジーは山形県朝日村(現・鶴岡市)の「ふれあい橋」(梵字川・道の駅月山)上に1994年に開設されたものが最初。
1990年代後半から、主に罰ゲームとしてバラエティ番組で放送されることが多くなり、クレーンなどで相当の高さからゴムロープを垂らし、そのロープを地上に伸ばして人の体に括り付け、押さえが外れるとその人がゴムの勢いで中空の高所に持ち上げられる、即ち「逆バンジー」もバラエティ番組などで用いられている(ビートたけしのお笑いウルトラクイズなど)。またTBSのバラエティ番組『DOORS』シリーズでは「IQバンジー」「バンジー7」など、アトラクション名に「バンジー」の付くものは失敗及び負けた場合罰ゲームとして逆バンジー、または通常のバンジーによって飛ばされるというものがある。
日本国内で発生した事故
- 1995年9月10日、愛知県知多郡南知多町のテーマパーク「南知多グリーンバレイ」で、跳ぶ番になり怖くなった客が、ためらった後、従業員の右腕をつかんでジャンプ。従業員は命綱を着けておらず、高さ約18.5メートルのジャンプ台から転落、即死した。地面には幅6メートル、縦9メートルの二層式のエアマットがあったが、従業員の体が振られたため、マットから約50センチ離れた芝生に叩きつけられた[1][2]。
- 2002年6月22日、群馬県利根郡新治村(現・みなかみ町)の赤谷川に架かる水管橋に設けられた「猿ケ京バンジージャンプ場」で、約60メートルの高さから客がジャンプした際に、ゴムロープが伸びきった川面まで3メートルのところで、足首とゴムロープを繋ぐベルトから足首が抜け、深さ4メートルの川に落下し、顔などに軽傷を負った[3]。
変種
- 逆バンジー
- バンジーロケットとも言われる。これは一般のバンジーとは逆に、ゴムの伸縮性を利用して下から打ち上げられるもの。絶叫マシンに近い。ハーネスを装着して生身の状態で飛ぶものと、4点シートベルト又は安全バーが用意された座席に座って打ち上げられるものがある。バラエティ番組では前者、遊園地では後者のものが多い。現在世界一のものはフロリダ オーランドの Magical Midway にある「スリングショット」で、地上115mまで打ち上げられる。
- 横バンジー
- ゴムロープではなくワイヤーを利用したアトラクション。腹這いの状態で高所まで上げられ、カウントと共にハーネスのロックを外して落下する。落下後は大きくスイングされる。米国では「スカイコースター」と呼ばれる所が多い。現在世界一は逆バンジー同様フロリダにあり、地上91mの高さから落下する。
- 紐無しバンジー
- 高所で仰向けに吊り下げられ、ワイヤーのロックを解除して生身の状態でただ自由落下していくというもの。下にはネットが用意されている。
- スカイジャンプ
- ハーネスを装着し、ガイドレールに沿って飛び降りる。機械で速度が制御され、一定の速度で降下する為、一般のバンジージャンプよりは恐怖感は少なめ。中国のマカオタワーや、アメリカのストラトスフィアタワーにある。
日本のバンジージャンプ
ブリッジバンジージャンプ(橋の上から跳ぶバンジージャンプ)
- みなかみバンジー
- 群馬県利根郡みなかみ町にある、高さ42mの諏訪峡大橋の上から飛び降りるバンジージャンプ。当初は10月初旬に行われるイベントの一環として始まったが、現在は6月~11月の期間限定で行われている。
- 五木村アウトドアウィーク
- 熊本県球磨郡五木村にある、高さ77mの橋から飛び降りるバンジージャンプ。8月の最終週から1週間限定で行われている[4]。
- 竜神バンジー
- 茨城県常陸太田市天下野(けがの)町にある、竜神大吊橋から飛び降りるバンジージャンプ。高さは100mにもなり日本一の高さを誇る。事前に予約が必要。ジャンプ下は湖面になっている為、ジャンプ後はウインチにより橋の上に引き上げられる。
常設のバンジージャンプ
- 仙台ハイランド 24m
- よみうりランド 22m
- マザー牧場 21m
- 鷲羽山ハイランド 30m
- 南知多グリーンバレイ 20m
世界常設のバンジージャンプ
- マカオタワー(中華人民共和国)
- 高さ338mのタワーのうち、233mの高さから飛び降りる。2009年現在世界一の高さを誇るバンジージャンプであり、ギネスブックにも登録されている。安全の為ガイドレールが着いている。
- ヴェルザスカ・ダム(スイス)
- 220mの高さのダムの上から飛び降りる。マカオタワーに次ぐ高さを誇り、ガイドレールが無いバンジージャンプでは世界一高い。制限時間が設けられており、10分以内に飛ばないと強制的にリタイヤとなる。また『007 ゴールデンアイ』の中で、ジェームズ・ボンド役を務めたピアース・ブロスナンは、このダムの上からバンジージャンプを行っている。
- ブロークランズ橋(南アフリカ共和国)
- 216mの高さにある橋の上から飛び降りる。
- カワラウ橋(ニュージーランド)
- 高さ47mの橋の上から飛び降りる。素人が金銭を支払って楽しむ形式のバンジージャンプの元祖。1989年の「史上最大!第13回アメリカ横断ウルトラクイズ」の第9チェックポイントの舞台であった。
- パラバンジー(オーストラリア)
- パラセーリングとバンジージャンプが一体化した海上のバンジージャンプ。モーターボートに引っ張られて上空150mのパラセーリングの後、そこからバンジージャンプを行う。
- キャニオンスイング(ニュージーランド)
- 地上から150mの崖の上にあるジャンプ台から飛び降りる。ゴムではなくワイヤーである為、落下した後は振り子のように大きくスイングする。落差は109m、スイング速度は150km/hにも及ぶ。このアトラクションには様々な飛び方がある事が大きな特徴である。後ろ向きに落とされる「ザ・バック」や、自転車に乗った状態で落下する「ザ・バイク」、椅子に括り付けられた状態で後ろ向きに落とされる「ザ・チェア」などがあり、それぞれ恐怖度が設定されている。
- ヴィクトリアフォールズ橋(ザンビア・ジンバブエ)
- 高さ111メートルの橋ほぼ真ん中(国境)の上にある台から飛び降りる。2011年12月31日にオーストラリア人がバンジージャンプを行った際に、ロープが切れて下を流れるザンベジ川に落下し切り傷を負うなどしたが、命に別状はなかった。
脚注
- ^ 「バンジー台から転落死 愛知 従業員、客につかまれ」 読売新聞 1995年9月11日 朝刊 (縮刷版より)
- ^ 「バンジージャンプ、命綱外して指導中 客に引っ張られ転落死」 毎日新聞 1995年9月11日 朝刊 (縮刷版より)
- ^ “バンジーで足首抜け落下 日本一の高さ、2人軽傷”. 共同通信. (2002年6月22日) 2014年10月11日閲覧。
- ^ 五木村アウトドアウィーク