スターダストクルセイダース
スターダストクルセイダース | |
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ジャンル | アクション・アドベンチャー |
漫画:ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース | |
作者 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表期間 | 1989年16号 - 1992年19号 |
巻数 | 単行本 全16巻(12 - 28巻) 文庫版 全10巻(8 - 17巻) 函装版 全10巻(8 - 17巻) |
話数 | 全152話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
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『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』(ジョジョのきみょうなぼうけん パート3 スターダストクルセイダース、JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part3 Stardust Crusaders)は、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart3(第3部)。単行本12巻 - 28巻に収録されている。今シリーズから「幽波紋」(スタンド)という設定が加えられ、以後、主な登場人物はスタンド使いとしてストーリーに関わってくるようになる。
『スターダストクルセイダース』は後年に付けられた副題で、週刊少年ジャンプ連載当時の副題は「第三部 空条承太郎 ―未来への遺産―」。なお、画集『JOJO A-GO!GO!』にて発表された当初は「スターダスト トラベラーズ」という副題であったが、廉価版発行の際に現在のものに訂正されている。
あらすじ
Part2『戦闘潮流』から約50年後、1987年[1]の日本から物語は始まる。ある日突然「悪霊」にとりつかれ、困惑し留置場に自ら閉じこもった空条承太郎のもとに、祖父・ジョセフ・ジョースターとその友人・モハメド・アヴドゥルが訪れる。ジョセフとアヴドゥルは、承太郎の「悪霊」の正体が精神エネルギーが具現化した「スタンド」というものだと説明する。
これより数年前のこと、かつてジョセフの祖父ジョナサンと戦った吸血鬼・DIOが海底から引き揚げられていた。彼はジョナサンの首から下を乗っ取り、鋼鉄の箱に入って海底に沈んで眠っていた。そしてジョセフや承太郎にスタンド能力が発現したのは、彼が復活したことと関係があるのではないかとジョセフは語る。一方、復活したDIOはスタンド使いの配下を増やし、世界を支配する野望を再び巡らせていた。その配下の中には「肉の芽」を用いて洗脳したスタンド使いもいた。
その数日後、承太郎はDIOの肉の芽によって洗脳されたスタンド使い・花京院典明と対決して勝利し、花京院を洗脳から解放した。それからほどなくして承太郎の母親・空条ホリィが高熱を出して倒れてしまう。ホリィの背中には茨のようなスタンドが走っており、DIOの存在で覚醒したものの闘争本能が弱いため押さえつけることができず、彼女の肉体を蝕んでしまっていた。
ホリィの命は持って約50日。その期間内にDIOを見つけ出し倒すしか彼女を救う手段はない。ジョセフが念写したDIOの写真は暗闇だけで手がかりがないと思われていたが、承太郎は自身が有するスタンドの精密動作でDIOがエジプトに潜んでいることを明らかにする。ホリィを救い出すため、彼女の看病をスピードワゴン財団に任せた上で、承太郎たちは回復した花京院も加えてエジプトを目指す。その一方でDIOはジョースター一族との因縁に決着をつけるため、エジプトから次々に刺客のスタンド使いたちを承太郎たちに差し向ける。
当初承太郎たちは飛行機を乗り継ぎ直接エジプトへ向かう予定であったが、DIOの刺客によって墜落させられたため、以降海路・陸路を中心にエジプトに向かうことになる。その旅の中で洗脳されていたスタンド使い・ジャン=ピエール・ポルナレフを仲間に加え、タロットカードの暗示を受けた刺客を跳ね除けながら香港島、インド、パキスタン、紅海を経由してエジプトに入る。
エジプトではスピードワゴン財団が捕獲したスタンド使いの犬・イギーをさらに仲間に加えるが、送り込まれる刺客もまたエジプト九栄神の名を冠する強力なスタンド使いとなっていく。それらを撃退しながらアスワン、ルクソール、ギザを経由して北上し、ついに一行はカイロにてDIOの潜伏する館を発見。100年の因縁に決着をつける時を迎える。
エピソード
収録状況はジャンプ・コミックスのもの。
巻数 | タイトル | 話名 |
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12 | 超生物の誕生!!の巻 | 悪霊にとりつかれた男の巻 |
13 | DIOの呪縛の巻 | 炎の魔術師の巻 悪霊 その正体!の巻 星のアザをもつ男の巻 戦慄の侵入者の巻 裁くのは誰だ!?の巻 DIOの呪縛の巻 幽波紋の戦士たちの巻 機中にひそむ魔の巻 奇虫襲撃!の巻 |
14 | 無人船と猿の巻 | 銀の戦車 その1〜3 暗青の月 その1〜3 力 その1〜3 |
15 | 銃は剣よりも強しの巻 | 悪魔 その1〜3 黄の節制 その1〜4 皇帝と吊られた男 その1〜3 |
16 | 戦いの年季!の巻 | 皇帝と吊られた男 その4〜6 女帝 その1〜4 運命の車輪 その1〜3 |
17 | 恐ろしき恋人の巻 | 運命の車輪 その4 正義 その1〜6 恋人 その1〜3 |
18 | 夢のDEATH13の巻 | 恋人 その4〜6 太陽 その1〜2 死神13 その1〜4 |
19 | 魔法のランプの巻 | 死神13 その5〜6 審判 その1〜5 女教皇 その1〜3 |
20 | 爆弾仕かけのオレンジの巻 | 女教皇 その4 「愚者」のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その1〜6 「クヌム神」のオインゴ 「トト神」のボインゴ その1〜3 |
21 | 脚がグンバツの女の巻 | 「クヌム神」のオインゴ 「トト神」のボインゴ その4 「アヌビス神」 その1〜6 「バステト女神」のマライア その1〜3 |
22 | 密室で消失の巻 | 「バステト女神」のマライア その4〜6 「セト神」のアレッシー その1〜5 DIOを撃つ!?の巻 |
23 | ダービーズコレクションの巻 | ダービー・ザ・ギャンブラー その1〜6 ホル・ホースとボインゴ その1〜3 |
24 | 地獄の門番 ペット・ショップの巻 | ホル・ホースとボインゴ その4〜5 地獄の門番 ペット・ショップ その1〜5 ダービー・ザ・プレイヤー その1〜2 |
25 | ダービー・ザ・プレイヤーの巻 | ダービー・ザ・プレイヤー その3〜11 |
26 | 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイスの巻 | 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1〜8 スージー・Q・ジョースター 娘に会いにくる |
27 | DIOの世界の巻 | DIOの世界 その1〜10 |
28 | 遥かなる旅路 さらば友よの巻 | DIOの世界 その11〜18 遥かなる旅路 さらば友よの巻 |
登場人物
声の項はドラマCD版 / OVA版 / Part3対戦型格闘ゲーム版 / ASB版 / テレビアニメ版・EoH版の順。スタンドパラメータは『JOJO A-GO! GO!』より。
ジョースター一行
- 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)
- 声 - 梁田清之 / 小杉十郎太 / 梁田清之 / 小野大輔[2] / 小野大輔[3](小学生時代 - 高森奈津美)
- 本作の主人公。17歳。ジョセフの孫である高校生。DIOが復活したことにより生命の危機に陥った母・ホリィを救うため、幽波紋(スタンド)「スタープラチナ」を駆使してジョセフらと共にエジプトへ向かう。
- 詳細は「空条承太郎」を参照
- ジョセフ・ジョースター
- 声 - 内海賢二(1巻・3巻)、納谷悟朗(2巻) / 大塚周夫 / 大川透 / 杉田智和[2] / 石塚運昇[3]
- 承太郎の祖父で、Part2の主人公。69歳。DIOが復活した影響で念写能力を持つスタンド「ハーミットパープル」が覚醒する。その能力によりDIOの復活を知り、DIOの野望を阻止するためと娘のホリィを救うため、承太郎たちと旅に出る。相変わらずの頭脳の冴えと思考の柔軟性を見せる。
- 詳細は「ジョセフ・ジョースター」を参照
- モハメド・アヴドゥル
- 声 - 大塚明夫 / 小林清志 / 江川央生[4] / 江原正士[2] / 三宅健太[3]
- ジョセフが第3部本編の3年前に知り合った友人。年齢は20代後半[5]。身長188cm・体重90kg。職業は占星術師で、生まれつきのスタンド使い。真面目な性格で揺るぎない意志を持つ一方、短気かつ頑固な自らを「結構熱くなるタイプでギャンブルには向いていない」と評価しており、柔軟なジョセフとは対照に位置する。承太郎と出会う4か月前にカイロでDIOと遭遇しており、危うく「肉の芽」を植え付けられそうになったが、ジョセフから事前にDIOのことを聞いていたこともあって難を逃れた。スタンドに関する知識も豊富。
- 旅の途中、インドでホル・ホースに眉間を打ち抜かれて死亡したと思われたが、実は脳天を外れたことで生存していた。しばらく一行とは別行動を取り、購入した潜水艦を用いて紅海の小島で合流したが、その際にはDIOの刺客を欺くため、自らの父親に変装していた。登場当初の大人びた印象から一転し、復活以降は地中の敵に向けて連れ小便を見舞ったり、トイレの災難に巻き込まれたりと、豪快で乗りのいい一面を見せるようになる。
- DIOの館ではヴァニラ・アイスに奇襲された際、彼のクリームの攻撃からポルナレフとイギーを庇ったことで、クリームの亜空間に飲み込まれて死亡した。彼の死後、ポルナレフによって倒されたヴァニラが消滅する際、イギーと共に天に昇っていく描写がなされた。
- OVA版でも同様に一時戦列を離れるが、再会した場所が原作と異なる。また、DIOの館へ突入した後のエピソードも敵キャラクターが一部登場しないために変更されており、DIOの棺桶を開けたことで彼の攻撃を受けてしまい、駆け寄ってきたポルナレフをかばって単身クリームの亜空間に飲み込まれた。
- テレビアニメ版では日本の茶道に興味を持ち、嗜む面も描かれているなど、日本の風習に関心を持っていることが描かれている。
- 名前の由来はアメリカのアーティスト兼振付師の「ポーラ・アブドゥル」[6]。正式には「アヴドゥル」だが、由来と同じ「アブドゥル」と誤記されている場面もある。また、綴りは "Avdol" であり、由来である "Abdul" とは異なる。
- 飼い鶏達の名前の由来はそれぞれ「マイケル・ジャクソン」、「プリンス」、「ライオネル・リッチー」[7]。
- マジシャンズレッド(魔術師の赤)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - D】
- 猛禽類の頭部を持った人型の像(ビジョン)のスタンド。鉄をも溶かす灼熱の炎を自由自在に操り、単純な格闘能力も非常に高い。得意技は炎をアンクの形状にして撃ち出す「クロスファイヤーハリケーン」、炎のアンクを何体も分裂して放つ「クロスファイヤーハリケーンスペシャル」。また、エネルギーを探知する「炎の探知機」を作り上げることもできる。高熱火炎の脅威をすでに知っている敵も多く、緒戦で一番に片付けようとされることが多い(J・ガイル&ホル・ホース、ンドゥールなど)。
- 名の由来はタロット大アルカナ1番目のカード「魔術師」。不死鳥のイメージで、デザインはエンキ・ビラルのキャラクターに影響を受けており、他の仲間とシルエットが被らないように鳥のような頭になっている[8]。
- 花京院 典明(かきょういん のりあき)
- 声 - 速水奨 / 鈴置洋孝 / 真殿光昭[9] / 遊佐浩二[2] / 平川大輔[3]
- 承太郎の通っている高校に転校してきた高校生。17歳。身長178cm・体重65kg。アヴドゥルやポルナレフ同様に、生まれつきのスタンド使い。端正な顔立ちをしており、旅の途中で出会った女性を、ときめかせたこともあった。家族とのエジプト・ナイル旅行中にDIOと出会い「肉の芽」を植え付けられ、承太郎への最初の刺客として登場する。高校の医務室にて先生(声 - 恒松あゆみ〈テレビアニメ版〉)をハイエロファントグリーン(法皇の緑)で操りながら承太郎と交戦するが敗北し、彼のスタープラチナで「肉の芽」を取り除かれて正気を取り戻す。その後、DIOを倒すためにエジプトを目指すジョースター一行の旅に同行する。転校して早々、家族に黙って出発したために実家では大騒ぎになっているはずと本編では語られている。
- 幼い頃から「スタンドを持たずスタンドを見ることもできない人間とは真に心をかよわせることはできない」と考えていたため、承太郎たちに出会うまで友人は全くいなかった。冷静沈着な性格であり、デス・サーティーンの策略やDIOのスタンド能力の正体をただ一人看破するなど洞察力にも長けている。一行の中では比較的控えめで礼儀正しいが、ポルナレフと共に下ネタギャグに興じるなど俗事にも通じている。チェリーが好物で、食べる時に舌の上で「レロレロ」と転がす癖がある[注 1]。テレビゲームが得意で、特にレースゲーム『F-MEGA』はかなりやり込んでおり、ハイエロファントグリーンを使ってのスピン攻撃を使うなど、高い腕前を持つ。登場して間もない頃は一人称が「私」だったが、途中から「僕」が混在し、最終的に「僕」で統一された[注 2]。
- 旅の途中でンドゥールのゲブ神によって両目を負傷し、アスワンの病院へ一時入院したが、DIOの館突入直前に退院して承太郎たちと再会すると、サングラスを着用して戦線に復帰する。DIOとの決戦では、DIOの能力を探るために自ら先陣を切って積極的に攻撃を仕掛けるが、DIOのザ・ワールド(世界)によって腹に大穴を開けられ、致命傷を負ってしまう。しかし、今際の際にザ・ワールドが「時を止める能力」を持っていることに気付き、ジョセフにその事実を伝えるためのメッセージを遺して死亡した。遺体は、DIOとの決着後にSPW財団によって回収された。
- 名前の由来は宮城県仙台市の地名「花京院」[10]。エンヤ婆のホテルに宿泊した際に、宿帳には「Tenmei Kakyoin」と名前を音読みで署名していた[注 3]。
- ハイエロファントグリーン(法皇の緑)
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - D】
- 身体を人型から紐状(実際は帯状に近い)に分解して活動できる遠隔操作型のスタンド。スタンド自体が長大に伸びるために射程距離は広く、100m以上離れられる。単純なパワーは高くはないが、宝石型のエネルギー弾を発射する技「エメラルドスプラッシュ」を持ち、その破壊力は絶大である。紐状の状態では人体へ潜り込んだり、射程を活かして随所へ張り巡らし、触れると「エメラルドスプラッシュ」を発射する「結界」を造ることができる。
- スタンド像は、全身に網目状の模様があるため、承太郎からは「光ったメロン」と形容されていた。デザインのイメージもメロンであり、敵味方でバランスを見ながら色を割り振られてグリーンとなった[8]。
- スタンド名の由来はタロット大アルカナ5番目のカード「教皇」。当初のスタンド名は「ハイエロファントエメラルド」だったが、洗脳が解けた後は「ハイエロファントグリーン」になっている。文庫版では「ハイエロファントグリーン」に統一されている。
- ジャン=ピエール・ポルナレフ
- 声 - 山口健 / 森功至 / 垂木勉 / 平田広明[2] / 小松史法 [3](少年時代 - 藤村歩)
- 香港で承太郎一行の前に現れたDIOの刺客。22歳。アヴドゥルと対戦するも敗れ、肉の芽を取り除かれて洗脳が解けた後は仲間として承太郎達と行動を共にする。『オールスターバトル』の北米版でのみ、"Jean Pierre Eiffel"(ジャン=ピエール・エッフェル)と改名されている。
- 詳細は「ジャン=ピエール・ポルナレフ」を参照
- イギー
- 声 - なし / なし / 真殿光昭 / 千葉繁[2] / 福圓美里[11]
- 血統書付きのボストン・テリア。身長33.3cm。とある大金持ちの家で飼われていたが、非常に高い知性を持っていたため[注 4]、次第に飼い主を含めた人間全般を見下すようになり、家出した。その後、ニューヨークで野良犬のボス格として君臨し、自由気ままに生きていたところをアヴドゥルが見つけ、やっとの思いで捕まえた。そしてジョースター一行がエジプトへ上陸した直後、スピードワゴン財団によって助っ人として強引に連れて来られる。
- 人の言うことを全く聞かないひねくれた性格だが、ペット・ショップ戦で最初は見捨てようとした犬好きの子供を助けており、自分なりの良心や正義感は持っている。人間の頭髪を口でむしり、その最中に屁をするという趣味を持つ。コーヒー味のチューインガムが大好物で、他にもケーキの盗み食いや棒付きキャンディーの拾い食いをしている。
- 登場当初は実物のボストン・テリアのようなリアルな外見だったが、話が進むにつれてデフォルメされていき、表情も豊かになった(OVA版では最後までリアルな外見のまま)。ペット・ショップ戦ではイギーの視点で話が進むため、イギーの台詞や独白が書かれているが、人間とは会話できない。しかし、人間たちが作った社会や文化に関する知識は多少持ち合わせており、DIOの館を護る番鳥ペット・ショップの仕草を見てブルース・リーを連想するような発言をしている。
- 人間側から見れば気ままでひねくれ者で傍観的だが、自身の立場から見ればニューヨークから無理矢理エジプトまで連れて来られたうえ、ジョースター一行の旅に付き合わされたために心底迷惑していた(承太郎もその心情は理解している)。それでもジョースター一行からは嫌われていたわけではなく、ポルナレフは後にイギーのことを「俺はこいつが好きだった」「本当に気高い奴」と心中で評している。
- エジプト9栄神との戦いに対しても人間同士の争いと蔑み、無関心な態度で接してきた。ペット・ショップに対しても当初は同様の姿勢を貫いていたが、飼い犬2頭を殺害された少年(声 - 日野未歩〈テレビアニメ版〉)を「犬好きの子供は見捨てられない」と評して助けたことから、戦闘に突入する。ペット・ショップの追跡と猛攻に遭い、片足を失って逃げ場の無い状況にまで追い詰められるが、氷柱のミサイルを口から発射する直前の嘴に噛み付き、口内でミサイルを暴発させて辛勝する。このようにDIO一味に散々痛めつけられたことから激怒し、それまで無関心だった態度を一変させ、ジョースター一行をDIOの館まで案内した。
- DIOの館ではポルナレフの相棒として戦うが、ヴァニラ・アイスにDIOの姿を模した砂人形で攻撃しようとしたことで彼の逆鱗に触れ、折れた骨が肺に食い込むほどの重傷を負わされるという執拗かつ凄惨な攻撃を受ける。最後は自身の命の危険を顧みず、ヴァニラ・アイスに追い詰められていたポルナレフを間一髪のところで救い、そのまま力尽きて死亡した。死後、ヴァニラを倒したポルナレフの前にアヴドゥルと共に幻影として現れ、天に昇っていく描写がなされている。OVA版でもポルナレフの危機を救ったが、ヴァニラ・アイスのクリームによって下半身を失い、ポルナレフがヴァニラ・アイスを倒した後に彼に看取られながら死亡した。
- OVA版とゲーム版では鳴き声に犬のサンプリングボイスが使用されている。ゲーム版では心の声やモノローグなどを話すために声優がキャスティングされている。『オールスターバトル』では一部の鳴き声を声優が担当している。テレビアニメ版では鳴き声から全て声優が担当している。
- 名前の由来はアメリカのアーティスト「イギー・ポップ」[12]。
- ザ・フール(愚者)
- 【破壊力 - B / スピード - C / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - D / 成長性 - C】
- 砂と同化し、砂を操る変幻自在のスタンド。その性質上、物理的な攻撃でダメージを被ることがない。砂で羽を形成し、空中をグライダーのように滑空できる。全体像は犬の後ろ足が車輪になった形状で、羽飾りやマスクが付いている。物質同化型で砂を主成分とする能力上、防御力に極めて秀でる反面、スピードの面では遥かに劣る。パワーはさほど強くなく、滑空の際には承太郎をぶら下げたままでは高度の長時間維持はできなかった。
- スタンド名の由来はタロット大アルカナ0番目(番号無し)のカード「愚者」。デザインは獣と車を融合させたものに、砂(砂漠)からネイティブ・アメリカン的な要素が取り入れられている[8]。なお、スタンドの下肢が車輪になっているのはF1のレーシングカーをモチーフとした物で、これは「連載当時の『週刊少年ジャンプ』がF1チームを応援していたこともあり、ジャンプの誌面で触れる事も多かったので、タイムリーだと思って採用した」とのことである[13]。
タロットカードに暗示された敵スタンド使い
この内、本体名のグレーフライ、フォーエバー、ラバーソール、ズィー・ズィー、アラビア・ファッツ、マニッシュ・ボーイの名前は、劇中に登場しない。テレビアニメ版ではアイキャッチでの字幕やエンディングクレジットに登場している。
- グレーフライ
- 声 - なし / なし / 真殿光昭 / なし / 長克巳
- エジプト行きの飛行機の機内でジョースター一行を襲ったスタンド使いの老人。根っからの悪党で、DIOに仕える以前から旅行者を事故に見せかけて殺害し、金品を巻き上げていた。舌にはスタンドと同じ形の窪みがある。
- 機内では無関係の乗客を装ってジョースター一行を狙い、花京院の当身を食らいながらも、スタンドで一行を挑発するが、油断から花京院のハイエロファントグリーンの触手でスタンドをバラバラに千切られ、そのダメージが跳ね返って敗北した。しかし、事前に機長らを殺害して自動航行装置も破壊していたため、飛行機を不時着させて一行を足止めするという役割は果たし、死の間際には自分以外にもスタンド使いが襲来することを明かした。
- 肉の芽を植え付けられてはおらず、DIOには金で雇われていた[1]。死の間際にはDIOの恐ろしさを訴えていた。
- 名前の由来は、アメリカのアーティスト「グレン・フライ」[14]。
- 偽キャプテン・テニール
- 声 - なし / なし / 竹本英史 / なし / 玄田哲章
- スピードワゴン財団から派遣されたチャーター船の船長を殺害し、彼に成り済ました男。本名は不明。常人の3倍の肺活量を持ち、潜水の自己ベスト6分12秒の記録を持つ。
- 承太郎に正体を見破られると、承太郎を海中へと引きずり込み、スタンドで猛烈な渦を発生させたうえでの鋭い鱗を放って仕留めようと目論むが、スタープラチナの「流星指刺(スターフィンガー)」によって頭部を切り裂かれて敗北した。しかし、事前に用意していた爆破装置により船は爆破された。
- なお、本物のテニール船長が乗っていた船の乗組員は、皆10年以上同乗しているベテランであったが、船長はスピードワゴン財団の紹介とある。事前に紹介を受けていたジョセフを含め、誰も船長が偽物であることに気づいていなかった。
- 名前の由来は、アメリカのポップ・グループ「キャプテン&テニール」[14]。
- Crunchyrollで配信されているテレビアニメの北米版では、"Captain Dragon"(キャプテン・ドラゴン)と改名されている。
- フォーエバー
- 声 - なし / なし / 真殿光昭 / なし / 山口勝平
- エンヤ婆が送り込んだ7人の刺客の1人(1頭)。オランウータンでありながらスタンドを持ち、人間並みの高度な知性を持っている。人間の女性のピンナップを眺めたり、アンのいるシャワールームへ侵入するなど、非常にスケベ。
- 船を失い、南シナ海を漂流していたジョースター一行の前に船と一体化したスタンドと共に現れ、船内に誘い込む。スタンドで船員たちを皆殺しにして一行を拘束したが、承太郎の挑発に乗って激昂した隙を突かれ、敗北する。最後は腹を露出して降伏の意思を示したものの「動物としてのルールの領域をはみ出した」とされ、スタープラチナのラッシュで殴り倒された。
- OVA版ではポルナレフを倒したジョースター一行を急襲し、承太郎を押し潰そうとするが、背後からポルナレフに真っ二つに斬られた。
- 名前の由来は、ウータン・クランのアルバム「ウータン・フォーエバー」[14]。本体が猿(オランウータン)という設定も「ウータン・フォーエバー」からであり[14]、1986年のホラー映画『リンク』も影響しているとされている[8]。
- ストレングス(力)
- 【破壊力 - B / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 船と同化したスタンド。小さな船が強大なパワーで巨大な貨物船のように見え、エネルギーがあまりにも巨大なためにスタンドでありながら普通の人間にも視認できる[15]。船内に設置されている物体を意のままに操作するほか、本体自身が壁の中に入って船内を自由に移動したり、相手を壁や甲板の中へ引きずり込んだりすることもできる。OVA版では、船の部品をナイフやパイプに変えるといった能力も見せた。
- スタンド名の由来はタロット大アルカナ8番目のカード「力」。デザインのイメージは幽霊船とメアリー・セレスト号の伝説[8]。
- 呪いのデーボ
- 声 - なし / なし / 岸祐二 / 石塚運昇[16] / 樫井笙人
- 7人の刺客の1人。政財界の大物も御用達の殺し屋で、「アメリカインディアンの呪術師」という触れ込みで商売をしている(彼のスタンド「エボニーデビル」に殺された場合、被害者は呪い殺されたようにしか見えない)。相手を恨むことによって強くなるというスタンドの性質上、全身には自らが相手を恨むためにわざと受けた無数の傷跡がある。
- シンガポールのホテルの一室で1人になったポルナレフを襲撃してわざと攻撃を受けた後、部屋に設置していた人形を操ってホテルの従業員を殺害したうえ、本体の目の届かない場所では戦えないシルバーチャリオッツの弱点を突いて攻撃を繰り出す。部屋の床へジュースや酒を撒き散らし、漏電していたドライヤーでポルナレフを感電死させようとしたが、割れた鏡で相手の位置を把握した彼にスタンドの全身を切り刻まれ、ズタズタとなった本体も死亡。遺体は、隠れていたトイレを開けた従業員に発見された。
- なお、原作ではポルナレフが疲労困憊のままジョセフたちと合流するところで終了しているが、テレビアニメ版では従業員の殺害容疑で警察の取り調べを受けているポルナレフを、ジョセフがスピードワゴン財団を通じて救う場面が描かれている。
- 名前の由来は、アメリカのロックバンド「ディーヴォ」[17]。
- Part3対戦型格闘ゲームの北米版では"D'Bo"(ディーボ)と改名されており、由来である"Devo"とは綴りが異なる。原作漫画およびテレビアニメの各々の北米版では、"Soul Sacrifice"(ソウル・サクリファイス)と改名されている。
- エボニーデビル(悪魔)
- 声 - 宮下栄治(ASB版)
- 【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - A / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - B】
- 本体の恨みをエネルギー源とするスタンド。人形に憑依し、操作することで標的を攻撃する。相手への恨みが強ければパワーも増し、遠隔操作型でありながら近距離パワー型並みの戦闘能力を発揮できる。また、通常ならスタンドを傷つけられない剃刀や割れたビンなどを使い、シルバーチャリオッツを傷つけていた。
- スタンド名の由来はタロット大アルカナ15番目のカード「悪魔」。スタンドの発想は、『チャイルド・プレイ』などのホラー映画から。人形のデザインはアフリカの呪術人形のイメージ[8]。
- ラバーソール
- 声 - なし / なし / 岸祐二 / なし / 川田紳司[注 5]
- 7人の刺客の1人。端正な顔立ちだが、性格や口調は暴力的で下品。DIOに金銭で雇われており、承太郎を殺害すれば1億ドルを貰える契約を結んでいた。
- 花京院に化けて承太郎に近づき、高い防御力と彼に喰らいつかせたスタンド「イエローテンパランス」で追い詰めるが、ケーブルカー内での戦闘中に水中へ引きずり込まれ、呼吸のために顔を出したところを殴られる。一時は降参し、仲間のスタンド使いの情報を話したが、背中を見せた承太郎に不意打ちを喰らわそうとしたためにスタープラチナのラッシュ追撃を受け、再起不能となった。
- なお、原作では騒動の最中における本物の花京院の行動については不明であったが、テレビアニメ版では「承太郎に置いて行かれたからプールサイドで(学生服のまま)日光浴をしていた」ことが本人の口から語られている。
- 名前の由来は、The Beatlesのアルバム「ラバー・ソウル」[14]。
- イエローテンパランス(黄の節制)
- 【破壊力 - D / スピード - C / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - D】
- スライム状のスタンド。接触した生物の肉を溶かして捕食することにより強さや大きさが増し、取り込んだ肉と一体化するために普通の人間にも視認できる。どんな衝撃も分散・吸収する柔軟さを持つため、本体がまとえば物理攻撃にはほぼ無敵の「攻撃する防御壁」となる。また、非常に精巧に姿形を変形させることができるほか、身にまとったうえで精巧に外見を装って他人そっくりに変装することもできる。肉片の一部が相手に喰い込めば、相手を食い尽くすまで離れない。本体が「弱点はない」と豪語していたとおり、熱せられれば飛び散って広がり冷やされれば針状に尖るなど、いかなる攻撃も無効になる。花京院に化けていた際にはハイエロファントグリーンを使用していた場面もあり、Part3対戦型格闘ゲーム版ではハイエロファントグリーンに姿を似せたイエローテンパランスという扱いになっている。
- スタンド名の由来はタロット大アルカナ14番目のカード「節制」。
- ホル・ホース
- 声 - 難波圭一 / 若本規夫 / 安原義人 / 大塚芳忠[2] / 木内秀信
- 7人の刺客の1人。テンガロンハットを愛用し、ガンマンを気取る。暗殺者としての度胸も据わっており、自分の能力もわきまえた実力者である。「パートナーを得て、初めて実力を発揮するタイプ」との自認から、「No.1よりNo.2」を人生哲学にしている。その性格上、金で雇われた他のスタンド使いと同じくDIOに心酔しているわけではなく、後述のように彼の命を狙ったこともある。パートナー選びに関しては高い才能を持ち、ポルナレフも「一人では怖くないが人の才能を見抜く才能があり、優秀な者と組むと恐ろしい実力を発揮する」と認めるほど。「容姿にかかわらず、女性は尊敬している」「世界で最も女性にやさしい」と自称しており、世界中にガールフレンドがいるとのことである。事実、サソリに刺されそうになっていた見知らぬ女性に対しては、直前に自分は大金をもらえようが絶対女性に手を上げないと豪語していたにもかかわらず自分の意地を捨てて即座にサソリを蹴りつぶし、彼女を助けている。
- 原作では象や馬などの動物に乗っていたが、OVA版ではバイクに乗っていた。
- カルカッタでJ・ガイルとコンビを組んでアヴドゥルを倒すが、後にJ・ガイルが敗北して死亡したために逃走した。その件でエンヤ婆の怨みを買い、ジョースター一行もろとも始末されそうになるが、彼らに一時協力することで切り抜けている。その後、エジプトでDIOから一行の始末を催促された際に彼の暗殺を試みるが、ザ・ワールドの片鱗に触れたことで改めて忠誠を誓い、アスワンの病院で入院していたボインゴと半ば強引にコンビを組む。トト神の予言に対しては半信半疑だったが、予言通りに行動したことでジョセフ、アヴドゥル、ポルナレフを自動車事故に巻き込み、行動不能にする。そのまま単独で承太郎にトドメをさそうとしたが、不注意で予言からずれた行動を取ってしまい、自身のエンペラーの弾丸を喰らって自滅した。一命は取り留めたものの重傷を負い、そのまま病院送りとなる。
- 敵キャラクターでありながら、4度も登場して2度もジョースター一行と戦った末に生き残っている。そのため、小説『OVER HEAVEN』ではDIOから「ジョースター一行と2度も交戦しながら生き延びたという強運を持つ、面白い男」「美しき『覚悟』を持つ者」として、さまざまな意味で一目置かれていたとされている。
- 名前の由来は、アメリカのポップス・デュオ「ダリル・ホール&ジョン・オーツ」[17]。
- ドラマCD版では原作とは異なり、アヴドゥルを倒してJ・ガイルと別行動を取った後に承太郎と酒場で1対1の対決をした。
- OVA版ではエンヤ婆に重傷を負わされたまま戦闘に参加できず、再起不能になっている。
- エンペラー(皇帝)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - B / 持続力 - C / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- リボルバーと オートマチックを組み合わせたデザインの銃[8]とそれに装填される弾丸のスタンド。弾丸そのものもスタンドであるため、弾切れを起こさず連射ができる他、軌道を自在に操ることもできる。ただし射程はあまり長くなく、標的が射程外だと弾丸が当たっても威力はない。拳銃は一瞬で掌中に出現させることが可能となっており、「暗殺こそが『皇帝』の本質」と自認する。一方、スタンドであるゆえ一般人には視認できず、脅しに使うことはできない。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ4番目のカード「皇帝」。
- J・ガイル
- 声 - 千葉繁 / 麦人 / 安原義人 / 立木文彦[16] / 桐本琢也
- 7人の刺客の1人にしてエンヤ婆の息子。ポルナレフにとっては妹の仇である「両右手の男」で、己の欲望のために犯罪を重ねる醜悪な風貌をした卑劣漢。ホル・ホースからは「旦那」と呼ばれている。
- カルカッタでホル・ホースとタッグを組み、アヴドゥルを倒すことに成功する。自身はスタンドでポルナレフと花京院を追い詰めるが、ポルナレフにスタンドの移動軌跡を読まれて手傷を負わされる。それでもなお、貧民たちを利用して2人を攪乱するが、花京院の機転によって完全に敗北した後、ポルナレフによって「針串刺しの刑」に処せられ、死亡する。ふっ飛ばされた死体は道端の瓦礫に逆さまに引っかかり(OVA版では鉄条網に絡まり)、自らのスタンド名どおり「吊られた男」となった。
- 作中では「シェリーを殺害した際に彼の周囲に幕が張られたように雨が避けていった」という説明がされており、テレビアニメ版でもポルナレフの前にホル・ホースと現れた際、彼の周囲を雨が避けていく描写がある。
- 名前の由来は、アメリカのロックグループ「J・ガイルズ・バンド」[17]。
- 『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Centerfold"(センターフォールド)と改名されている。
- ハングドマン(吊られた男)
- 【破壊力 - C / スピード - A / 射程距離 - A / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 光の中に存在する、光に似た性質を持ったスタンド。手首に装着した刃が武器。デザインは、包帯を身にまとったミイラ男に、左側頭部に機械的な要素を追加して生物感を消した像となっている[8]。
- 鏡の反射光に潜み、鏡像に干渉することで実際の対象への攻撃や干渉が可能となる。当初は「鏡のスタンド」と認識されていたが、花京院の言い表した「光のスタンド」の方が実情に則している。鏡を破壊してもスタンドにダメージはないために潜伏中は無敵だが、別の鏡へ移動する一瞬は現実世界に出る必要があるうえ、その移動軌跡は一直線であるため、軌道を読まれて攻撃される弱点がある。また、鏡が何らかの理由でブラックアウトを起こした(例えば瞳に映った場合は、瞳が閉じられるなど)場合は、強制的にその先にある鏡へ移動させられる。しかし、鏡が多い場所で戦うことにより、それらの弱点を補える。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ12番目のカード「吊られた男」。
- ネーナ
- 声 - なし / 豊口めぐみ / 竹内順子 / なし / 雪野五月
- 7人の刺客の1人であるスタンド使い。醜女だが、スタンド能力で美女の姿に擬態している。
- 最初はホル・ホースに求愛する貴族の娘に化け、カルカッタでジョースター一行に追い詰められたホル・ホースを逃がした。その際、密かにジョセフの腕へスタンド「エンプレス」を寄生させており、一行に同行してベナレスへ着くと病院で医師を殺害し、ジョセフにその罪を擦り付けた。
- ジョセフが警察に追われている間、自分は市場から盗んだ食べ物でスタンドを物理的戦闘が可能なまでに成長させる。そのままジョセフを殺そうとしたが、コールタールでスタンドを固められたうえにハーミットパープルで引き剥がされ、バラバラにされる。それと同時に本体へそのダメージが跳ね返り、醜女に戻ると同時に死亡した。
- OVA版ではクレジットに「ホル・ホースの女」と表記され、敵として登場しない。
- 名前の由来は、西ドイツ(連載時)のロックグループ(あるいはそのボーカル)「ネーナ」[18]。
- エンプレス(女帝)
- 【破壊力 - C / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 本体の血液を付着させた箇所に、人面瘡となって取り憑くスタンド。食べ物を摂取することで次第に成長し、取り憑いた相手に攻撃を仕掛ける。また、本体に肉を纏わせ、外見を偽装することもできる。取り憑いた対象の肉と同化しているスタンドなので、普通の人間にも視認できるほか、スタンドが発する声を聞かせることも可能。一体化型スタンドには珍しく、本体へダメージが跳ね返る。「チュミミ〜ン」という特徴的な口癖がある。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ3番目のカード「女帝」。成長後のデザインは、インドの仏像をアレンジしたものになっている[8]。
- ズィー・ズィー(Z.Z)
- 声 - なし / なし / 江川央生 / なし / 岩崎征実
- DIOに金で雇われた男で、7人の刺客の1人。パキスタンへ向かうジョースター一行を襲った。自動車の窓から逞しい腕を見せながら口汚く罵るが、実際は腕だけ筋肉質で他は貧相という奇妙な体格をした男で、車の外に叩き出された途端に弱気になった。
- 承太郎をガソリンで火だるまにしようとするが、制服を脱いで危機を脱した彼に反撃されて敗北。自身のパスポートを奪われたうえに鎖で岩に縛りつけられ、「修行僧なので荒行の邪魔をしないように」と日本語で書かれた看板と共に放置された。
- 承太郎に勝利したと思った際には「勝ったッ! 第3部完!」と宣言し、彼から「(次回からは)誰がこの空条承太郎の代わりをつとめるんだ?」と問い返されるという、メタフィクション調のやり取りが描かれた。
- 承太郎はこの戦いで制服が焼失してしまったため、服屋で制服を仕立てて貰っている(テレビアニメ版ではこのシーンが補完され、服屋の店員も登場する)。
- 名前の由来は、アメリカのロックグループ「ZZトップ」[18]。
- ホウィール・オブ・フォーチュン(運命の車輪)
- 【破壊力 - B / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - D】
- 普通の自動車を変形させるスタンド。自動車と一体化しているため、一般人にも見える。崖から落とされて爆発しても、即座に再生して地中を掘り進み、ボディを変形させて岩の隙間に潜り込むなど、車の常識を外れた動きで相手を徹底的に追い詰める。ガソリンを超高圧で弾丸のように飛ばして攻撃する。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ10番目のカード「運命の輪」。イメージは映画『激突!』や『クリスティーン』のように襲い掛かってくる車で、1960年代から1970年代のアメリカ車を改造した生き物のようなデザインとなっている[8]。
- エンヤ婆(エンヤ・ガイル)
- 声 - なし / 深見梨加 / 高木早苗 / 三輪勝恵[16] / 鈴木れい子
- DIOにスタンドの存在と能力の発現の方法を教えた張本人。DIOを崇拝し、絶対の忠誠を誓っている。J・ガイルの母親で、息子と同じく両右手。息子を溺愛しており、ポルナレフに息子が倒されたときは「心の清い私の息子がジョースター一行に卑劣な手段で惨殺された」という趣旨の発言をしている。ポルナレフに「ジョイナー以上」と評される脚力をはじめ、老婆とは思えないほどの驚異的な身体能力を誇る。
- 当初はDIOの傍らでジョースター一行に差し向ける刺客たちを采配していたが、息子を含めた7人の刺客が全員敗北したために面目を潰されて怒り狂い、単身で復讐に向かう。スタンドの幻覚で墓場を町に見せかけて宿屋の女主人に扮し、スタンド能力でホル・ホースとポルナレフを襲うが、探しに来た承太郎を彼が宿泊台帳に偽名を使っていたことに気づかずに本名で呼んでしまったため、追っ手であることが露呈してしまう。承太郎の脚を傷つけてジャスティスを侵入させようとしたところ、スタープラチナに吸引されて窒息し、失神した。その後、DIOの秘密を探ろうとするジョースター一行に捕らえられるが、スティーリー・ダンに口封じとして肉の芽を植えつけられ、殺害される。しかし最期までDIOへの忠誠は変わらず、彼の秘密を守り通した。
- 作中では「エンヤ婆」としか呼ばれておらず、画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』で初めてフルネームが明かされ、OVA版でも使われた。名前の由来は、アイルランド出身の女性歌手「エンヤ」[14]。
- Part4やParte5等でも「魔女エンヤ婆」などと言われ、物語の、特に「スタンド」や「矢」の設定において存在感を示した。
- OVA版では、スタンド能力により若い女性の姿と老婆の姿を使い分けてジョースター一行を欺いたが、承太郎が原作で偽キャプテン・テニールに使った方法により追っ手だと見破られた。また、死後は太陽の光を浴びて灰になり消滅した。
- 原作漫画およびテレビアニメの北米版では、"Enyaba Geil"(エンヤバー・ガイル)と改名されている。
- ジャスティス(正義)
- 【破壊力 - D / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 王冠を被った骸骨の像を見せる霧状のスタンド。原作とOVAでは普通の両手だが、テレビアニメ版では本体と同じ両右手に変更されている。幻覚を見せ、墓場を1つの町に見せかけていた。また、傷口から侵入することで血液を蒸発させてコイン大の穴を空け、そこに霧の糸を通して相手(生死を問わず)の身体を操ることができる。この能力の真価は、1つのスタンドで多数の人間を同時に操れることであり、ホル・ホースから「最強のスタンド」と評価されていた。霧なので物理攻撃は一切通用しないが、スタープラチナの呼吸で吸い込まれ、本体が呼吸困難でダウンしてしまった。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ11番目のカード「正義」。
- スティーリー・ダン(鋼入りのダン)
- 声 - なし / なし / 真殿光昭 / なし / 岸尾だいすけ
- DIOに金で雇われたスタンド使い。典雅な物腰を装っているが、本性は卑劣漢。カラチの町でケバブ売りに化けてエンヤ婆を殺害した後、ジョセフの脳内にスタンドを通じてDIOの肉の芽を持ち込み、人質に取る。承太郎に次々と無理難題を押し付けて下僕としてコキ使うが、花京院の策でスタンドはジョセフの脳内から逃亡する(テレビアニメ版ではジョセフの脳内から逃亡した際、彼が植えつけられた肉の芽を波紋で消し去るシーンが補完されている)。次に承太郎の脳内へ侵入しようとするが、スタープラチナにスタンドを捕らえられ、腕と脚を折られる。一度は降参すると見せかけ、スタンドを無関係な少女(声 - 久保ユリカ〈テレビアニメ版〉)の体内へ潜り込ませようとしたところをまたもや花京院の策で動きを封じられ、数々の仕打ちに内心激怒していた承太郎からスタープラチナのラッシュを3頁半(テレビアニメ版では約20秒)に渡ってくらい、再起不能となった。ジョースター一行のスタンド能力を徹底的に学習してきたと豪語していたが、花京院からは「敵を知らなさ過ぎる」、承太郎からは「本当に予習してきたのか?」と酷評された。
- 名前の由来は、アメリカのバンド「スティーリー・ダン」[18]。
- 原作漫画の北米版では、"Rubber Soul"(ラバーソール)と改名されている。ラバーソールの名前は原作に登場しないため、流用したもの。テレビアニメの北米版ではラバーソールの名前がクレジットされているため、"Dan of Steel"(ダン・オブ・スティール)と改名されている。
- ラバーズ(恋人)
- 【破壊力 - E / スピード - D / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - E】
- 虫のような像を持つ、自称史上最弱のスタンド。大きさは最小クラス。相手の体内に入り込み、対象の脳内に巣食う。直接的なパワーは髪の毛1本すら動かせないほどだが、その分だけ射程は数百キロメートルにも及ぶ。脳や神経を直接刺激することで、本体が受けた感覚を数倍にして巣食った相手に与える能力を持つ。また、脳細胞を捏ねて変装したり、自分の分身を作るといったことも可能。作中ではDIOの肉の芽を持ち込むことで、標的を殺害する手段を取った。「マギーッ!」が口癖。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ6番目のカード「恋人」。デザインは映画『ショート・サーキット』に登場するロボットにハエやノミを混ぜたもの[8]。
- アラビア・ファッツ
- 声 - なし / なし / 高木渉 / なし / 坂巻学
- 太陽がデザインされた服を着た男。ヤプリーン村へ向かうためにラクダで砂漠を渡るジョースター一行を、鏡付きの車で砂漠の風景に隠れて追跡する。スタンドの高温で一行を蒸し殺そうとしたが、鏡に岩が映ったために隠れていた場所を見破られ、スタープラチナに石をぶつけられて倒された。
- 本人の台詞はスタープラチナの投石を食らった際の悲鳴以外に一切なくわずか2話、本体に至っては1コマだけの登場だった。
- 名前の由来は、アメリカのアーティスト「ファッツ・ドミノ」[7]。
- サン(太陽)
- 【破壊力 - B / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 太陽に似た火の玉の像を持つスタンド。本体の直上に顕現し、猛烈な熱エネルギーで攻撃する。周辺の温度は80℃以上にもなるうえ、近づく者は高出力のレーザービームで迎撃する。上空100メートルという、スタンドの射程距離としてはかなり遠距離で操作するタイプでありながら、極めて高い攻撃力を持つ。ただし、あまりにも強力ゆえに自らにも能力の影響が及んでしまうため、作中ではカーエアコンを付けて冷たいドリンクを飲みながら追跡していた。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ19番目のカード「太陽」。
- マニッシュ・ボーイ
- 声 - なし / なし / 長沢美樹 / なし / 大谷育江
- 生後11か月でありながら天才的な頭脳と狡猾な性格を秘めており、鋭い歯を生やしている。夢の中でならスタンドを通じて会話も可能であり、基本的には幼児言葉を使わず大人のような話し方をする[注 6]。優れているのは頭脳だけでなく、顔面間近に迫ったサソリを素早く安全ピンで串刺しにするなど、赤ん坊らしからぬ身体能力の高さも兼ね備えている。喫煙の習慣もあり、ジョースター一行の就寝中には一服しているが、テレビアニメ版では海外番販での都合上で[19]一服シーンが削除されている。
- ヤプリーン村で泣き声を通じて操った女性を介してジョースター一行に接触し、スタンドが作り出すナイトメア・ワールドで彼らを攻撃する。赤ん坊という立場を利用し、スタンド使いであることを見破った花京院を孤立させ、一行をまとめて始末しようとするが、ナイトメア・ワールドにスタンドを持ち込むという花京院の機転に敗北する。その後、物理的に叩きのめされることはなかったものの、家へ帰るよう言いつけられたうえで、離乳食に自分の大便を入れられ、それを知らないジョセフに(花京院以外の一行は決着後も夢の記憶がない)無理矢理食わされて悲鳴と共にリタイヤした。
- 名前の由来は、アメリカのミュージシャンマディ・ウォーターズの楽曲「マニッシュ・ボーイ」[18]。
- テレビアニメの北米版では、"Manishu Booi"(マニシュー・ボーイ)と改名されている。由来である"Mannish Boy"とは綴りが異なる。
- デス・サーティーン(死神13)
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - E / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - B】
- 眠りという無防備の精神の中に入り込むスタンド。ナイトメア・ワールドだけで活動し、相手が眠っている時に精神のみを支配下に置いて攻撃する。大鎌を持ったピエロのような像を持つが、実体があるのは頭と両手だけで胴体は空洞。「ラリホー」が口癖。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ13番目のカード「死神」。デザインはヴェネツィアのカーニバルの仮面をイメージしている[8]。
- ナイトメア・ワールド(悪夢世界)
- デス・サーティーンの力で作り出された夢の世界。本体の思いのままになり、物理法則などの常識が通用しない。一度引き込まれてしまった対象は現実で誰かに起こされない限り、目覚めることはない。目覚めるとここでの記憶は消えてしまい、再び訪れれば思い出す。ダメージを受けると現実の肉体にも反映され、致命傷を負えば現実でも死亡する。取り込まれた相手はスタンドを出すことができないが、起きている間にスタンドを出現させたまま眠れば持ち込むことができるほか、ここでの記憶を維持したまま目覚めることもできる。
- カメオ
- 声 - なし / なし / 高木渉 / 大友龍三郎[16] / 有本欽隆
- 紅海の小島で待ち構えていたスタンド使い。スタンド能力でシェリーとアヴドゥルの土人形を創り出し、ポルナレフをジョセフたちから引き離したうえで襲うが、突如現れた本物のアヴドゥルに敗北する。その後、土中に隠れていたところを見つかり、咥えていた呼吸用の竹筒へ虫やゴミを詰め込まれたうえに小便を入れられ、たまりかねて飛び出してしまう。アヴドゥルに許しを請うが受け入れられず、マジシャンズレッドで焼かれてしまった。
- 名前の由来は、アメリカのR&Bバンド「キャメオ」[7]。
- ジャッジメント(審判)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 人間の「心からの願い」を土に投影し、実体化させるスタンド。3本指のロボットのような像を持ち、登場時は『アラジンと魔法のランプ』さながらにランプの中に潜んでいた。物質ならば感触や質感に至るまで本物と見紛うほど精巧に作り、実体化した願いが生物ならばカメオの意のままに操れる。近距離パワー型であるため、単純なパワーやスピードにも優れている。アヴドゥルとの戦闘の際はボディや両眼が破壊されるほどのダメージを負ったが、本体のカメオに影響は無かった。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ20番目のカード「審判」。デザインは石ノ森章太郎の『仮面ライダー』や『人造人間キカイダー』に影響を受けており、能力のベースは『アラジンと魔法のランプ』から来ている[8]。
- ミドラー
- 声 - なし / なし / 長沢美樹 / なし / 久川綾
- 潜水艦でエジプトへ向かうジョースター一行を襲撃した女スタンド使い。アヴドゥルも名前を知っていたことから、その世界ではかなり有名らしい。本人いわく、承太郎が好みのタイプ。
- 潜水艦内へスタンドを侵入させて一行を苦戦させて艦を沈めた後、スキューバーダイビングで脱出した一行を追撃し、海底に偽装させたスタンドで呑み込む。そのまま巨大な歯で承太郎を噛み殺そうとしたが、スタープラチナのラッシュで歯を内側からへし折られ、再起不能となった。
- 名前の由来は、アメリカの女性歌手「ベット・ミドラー」[7]。
- 漫画本編で本体の姿が描かれていたのは小さな1コマだけで、顔は出なかった(唯一顔を見たポルナレフいわく、「歯が全部フッ飛んでるから見てもしようがない」)。テレビアニメ版でもジョースター一行をスタンドに閉じ込めた際に小さいシルエットを一瞬見せたシーンが追加されたのみで、素顔は不明。
- Part3のRPG版ではスチュワーデスとして本体の姿が出ている。Part3の対戦型格闘ゲーム版では作者描き下ろしによる露出度の高いジプシー姿の美女として登場し、画集『JOJO A-GO!GO!』でもほぼ同様の姿が描かれている。
- テレビアニメの北米版では、"Rose"(ローズ)と改名されている。
- ハイプリエステス(女教皇)
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 人間の頭部に2本の腕が生えたような不気味な像を持つスタンド。機械を含む、あらゆる鉱物や人工物に化ける能力を持ち、一度化けると判別することはできない。かなりの遠距離からでも行動可能なうえに本体との距離によってパワーが増減する特殊なタイプのスタンドで、近傍7メートルまで近づくと人間数人を丸ごと飲み込めるほどの巨体になる。鋭い爪は鋼鉄の義手を容易く切断する威力を誇り、歯はダイヤモンド並みに硬い(承太郎曰く、「カルシウム不足のダイヤモンド」)。
- スタンド名の由来は、タロット大アルカナ2番目のカード「女教皇」。アフリカの呪術的な民族衣装がモチーフ[8]。
エジプト9栄神に暗示された敵スタンド使い
エジプト上陸以降に差し向けられたDIOの刺客たち。作中では「タロットカードの起源である神々のスタンド」とされているが、実際のタロットの起源については諸説あり、明確になってはいない。また、実際のエジプト神話には「9柱神」は存在するものの「9栄神」という区分は存在せず、実際の9柱神とも構成は一致していない。これらは全て本作独自の設定である。
- ンドゥール
- 声 - なし / 中田浩二 / 岸祐二[20] / なし / 伊藤健太郎
- エジプト9栄神最初の刺客。幼い頃から盲目の身でスタンド能力に目覚めていたため、怖いものを知らずに育ったが、ある時出会ったDIOから生まれて初めて自分の価値を認められ、彼に強い恐怖を抱くとともに絶対の忠誠を誓った。盲目ゆえに音や感覚で相手の位置を探り、聴覚補助用の杖を使うことで、遠くの相手の動きを地面の振動から正確に探知できる。
- ジョースター一行がイギーを仲間に加えた直後にスピードワゴン財団のヘリコプターをスタンドで撃墜し、駆け付けた一行を襲撃する。まずは花京院を斬りつけて失明寸前の重傷を負わせ、前述の聴覚と非常に高い洞察力でアヴドゥルのトリックを見破り、負傷させる。嗅覚で自分の位置を察知したイギーに対しては非常に警戒していたものの、ジョセフたちに懐いていないことから脅威にならないと判断し、放置していた。しかし、そのことに気付いた承太郎にスタープラチナの射程距離まで接近され、最後はその一撃に敗北した。死なない程度の重傷を負わされたところにジョセフのハーミット・パープルでDIOの情報を探られることを恐れ、スタンドで自らの頭を打ち抜く。死に際には自分を倒した承太郎に対する礼儀として「自分の名前とスタンドの由来と9栄神の存在」を告げ、「悪には悪の救世主が必要なんだよ」と自身のDIOに対する忠誠心や彼の偉大さを承太郎に見せつけ、死亡した。遺体は承太郎によって砂漠に埋葬され、彼にDIOの強大さを再認識させた。
- 名前の由来はセネガル出身のアーティスト「ユッスー・ンドゥール」[12]。ただし、綴りは由来である"N'Dour"とは異なり、"N'Doul"とされている。キャラクターのイメージは『座頭市』[8]。
- ゲブ神
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 遠距離(作中では4km先)からの操作が可能な自在に形の変化する水のスタンドで、基本は鋭い爪を持つ腕のような姿をしている。物質同化型のため、一般人にも視認できる。炎には弱いが、砂のような水分を吸収する物体の中は自在に潜り抜けられる。なお、移動速度は投擲された物体を後から追尾して追いつけるほど速い。狙う人間の気管へ入り込み窒息させたり、散弾のように分散したり、高速機動によりかまいたちのような効果を与えられる。遠隔操作型だが、本体が視覚を持たないゆえに音に反応して攻撃を行う(特定の条件に反応して攻撃を行う)ため、自動操縦型にやや近い挙動を取る。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の3番目で大地の神「ゲブ」。
- オインゴ
- 声 - なし / なし / 高木渉 / 藤本たかひろ[16] / 保村真(承太郎に化けた時 - 小野大輔)
- アスワンで待ち受けていたオインゴボインゴ兄弟の兄。弟のボインゴとコンビを組み、弟の予知能力を頼りに行動する。
- 最初は喫茶店に先回りし、ジョースター一行に毒入り紅茶を飲ませようとしたが、イギーに邪魔されたことで失敗する。次に承太郎が爆弾仕掛けのオレンジの爆発に巻き込まれるという予知を実現させようとしたところ、オレンジを仕掛けようとした際に現れたジョセフとポルナレフに見つかり慌てて承太郎に化けてしまう。このままでは「承太郎に化けた自分」が予言に巻き込まれてしまうことに気付き、怪しまれながらもなんとか逃亡に成功するが、捨てられたオレンジをうっかり踏んでしまったことで自爆し、最後まで存在を気づかれないまま敗北してしまう。そのうえ、一行を追跡中に金品を奪った男[注 7]が仲間を連れて仕返しに現れたために弟ともども袋叩きにされ、入院した。
- 名前の由来は映画音楽に関わりの深いダニー・エルフマンが率いていたアメリカのバンド「オインゴ・ボインゴ」[12]。
- 原作漫画、『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Zenyatta"(ゼニヤッタ)と改名されている。
- 原作では「OINGO」と自分の名前が書かれた服を着ていたが、テレビアニメ版ではクヌム神のカードのイラストが描かれた服に変更されている。
- クヌム神
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 本体の姿を自在に変化させるスタンド。本体と一体化しているため、像は持たない。身長や体重、匂いまでも自在に変化できるなど、その精度は高い。帽子なども髪を変形させれば再現可能だが、中身はオインゴのままなので、他人に成り済ますには変身した相手の性格や癖などをよく知ったうえで本体の努力が必要。また、服装なども変化できない。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の6番目で創造の神「クヌム」。
- ボインゴ
- 声 - なし / なし / 高木早苗 / 菅沼久義[16] / くまいもとこ
- オインゴボインゴ兄弟の弟。兄以外の人間とは口を利けないほどの内気な性格だが、予言が的中すると不気味な笑い声を立てる。気弱ながら、トト神の予言は絶対であるという点だけは確信的に語る。
- 兄と組んでジョースター一行に一度敗れ、兄と共に入院していた。その後、ホル・ホースに半ば誘拐に近い形でコンビを組まされるが、ホル・ホースの自滅を見て改心し、「復讐よりも自分や周りの人間の幸せのために能力を使う方がよほど価値がある」と自分のスタンドの真の使い道を悟ると、隠れるのに使っていた木箱を蹴飛ばして胸を張って帰ろうとする。しかし、その木箱が偶然イギーに当たったことで襲われ、結局は以前よりも暗い性格になって入院した。
- 名前の由来はオインゴに同じ。
- 原作漫画、『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Mondatta"(モンダッタ)と改名されている。
- トト神
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 本に描かれた漫画を通し、ごく近い未来を予知するスタンド。漫画は一般人にも視認でき、たとえ穴が空いたりしても本体にダメージはない。時間経過とともに浮き出る漫画には、シュールな絵と内容で未来に起きる出来事が描かれている。漫画の内容は絶対に覆らないが、文字や絵で表現されていても1つの事象が確定しているとは限らず、解釈を間違えると降りかかる結果が別の人物になるなど、予知外の結果が訪れる(内容自体が外れるわけではない)。また、経緯は省略されているため、「女性の首筋を蹴り飛ばす→お礼に宝石をもらう」という奇妙な予知が出る場合もある(実際には「蹴った女性の首筋に偶然猛毒のサソリが居たため、それを蹴り潰したことでお礼をもらう」という結果)。あくまでも中立な立場にあるため、ボインゴにとって有利な予知ばかりが起こるとは限らない。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の7番目で書物の神「トート」。なお、本作が文庫化された際に劇中に登場した「トト神」の能力で発現した漫画は、『オインゴとボインゴ兄弟 大冒険』のタイトルで漫画文庫化されている。
- アヌビス神
- 声 - なし / なし / 長嶝高士 / なし / 松本保典
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 自我を備えている特殊なスタンド。本体は500年前のエジプトの刀鍛冶で故人のキャラバン・サライである。現在は自我を備えた三日月刀として、半人半獣のアヌビスそのものの像を持つスタンドだけが剣に宿り、独立している。博物館の倉庫から持ち出してくれたDIOに恩義を感じ、彼の圧倒的な強さを認めて忠誠を誓っている。「絶対に」を「絶っ……〜〜〜対に」と、伸ばして喋る傾向がある。
- 刀を鞘から抜いた者、または刀身に触れた者を「新しい本体」として操る能力を持ち、自分の宿る刀を扱わせる。また、相手との間に障害物があっても物体(生物)を透過して斬りつけることができる能力を持ち、鞘から抜けるかについてや障害物を透過するかについては、任意で切り替えが可能。更には、一度受けた攻撃の性質を憶えて完璧に見切ることもできる。闘えば闘うほど相手の動きを記憶し、避けられない速度と攻撃に強化されていく成長性の高さから不死に近いが、刀身自体はあくまでも普通の三日月刀であるため、水に浸かったままだとやがて錆を生じて再起不能となる。
- 劇中では牛飼いの青年チャカや、床屋の店主カーンに憑依してポルナレフを襲い、更には次に憑依したポルナレフのシルバーチャリオッツとの二刀流を披露し、承太郎をも窮地に追い込む。承太郎を真っ二つにしようと刃を胴体にめり込ませたところをスタープラチナの渾身のラッシュで完全に破壊されるが、通りがかった少年(声 - 石上静香〈テレビアニメ版〉)を残りの切っ先だけでなおも操り、背後から急襲しようとする。しかし、偶然その場にいたイギーにつまづいて少年の手元が狂い、切っ先はあらぬ方向へ飛んでいった結果、ナイル川の川底に沈んだ。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の8番目で冥界の神「アヌビス」。本体の名前の由来は、アメリカのバンドサンタナのアルバム「キャラバンサライ」。[要出典]なお、キャラバン・サライの名前は劇中に登場しない。
- チャカ
- 声 - なし / なし / 長嶝高士 / なし / 勝杏里
- アヌビス神の刀を抜いたことで操られた牛飼いの青年。父親と仕事仲間2人に馬鹿にされていたが、アヌビス神に操られて彼らを殺害する。その後、コム・オンボでポルナレフに勝負を挑むが、彼の奥の手により首に剣針が刺さったことで敗北し、重傷を負った。
- 名前の由来は、アメリカの女性歌手「チャカ・カーン」[12]。
- カーン
- 声 - なし / なし / 長嶝高士 / なし / 宇垣秀成
- エドフにてポルナレフと承太郎が立ち寄った床屋の店主。ポルナレフがチャカから奪ったアヌビス神の刀によって操られ、2人に襲いかかる。ポルナレフの攻撃パターンを全て憶え、奥の手も通用しなかったが、承太郎に刀身を半分に折られて敗北する。カーン自身は操られている際の戦闘で負傷はしたものの、アヌビス神の刀の刀身が折られた際にそのまま倒れたため、チャカと違い重傷を負わずに済んだ。テレビアニメ版では、戦闘終了後に近所の住人らに助け起こされる姿が描かれている。
- 名前の由来はチャカと同じだが、名前は劇中には登場せず、PS版『ジョジョの奇妙な冒険』に登場した際に付けられた。テレビアニメ版では、知人らしき男性がカーンの名前を呼んでいる。
- マライア
- 声 - なし / なし / 長沢美樹 / なし / 高垣彩陽
- ルクソールにてジョースター一行を迎え撃った女のスタンド使い。美女であるが、激昂すると顔が崩れて口汚く罵る。任意の相手に磁力を帯びさせるスタンドで、自分は逃げつつ相手を磁石化させて不利な状況に追い込み自滅させるという、付かず離れずの戦法(能力の性質上、ある程度は相手の近くに居続けなければならないため)を取る。戦闘中のジョセフの機転や行動力を高く評価して気に入っていたが、「DIO様には敵わない」とも言っていた。
- ジョセフとアヴドゥルをスタンドで磁石化させ、行動しづらく追跡もままならない状況に追い込む。止めに電線で感電死させようとするが、磁石化の影響で大量の金属製品を身にまとって引き合う状態となった2人に両側から押しつぶされて敗北し、全身骨折で入院した。
- 名前の由来はアメリカのアーティスト「マライア・キャリー」[12]。
- Part3対戦型格闘ゲームの北米版では"Mahrahia"(マーラヒア)と改名されており、由来である"Mariah"とは綴りが異なる。
- バステト女神
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- コンセントの像をしたスタンド。岩でも鉄でもどこにでも張り付くことが可能で、触れた相手を磁石化させる。磁力は時間が経つとともに強くなっていくが、本体と相手との距離が離れすぎると弱まってしまう。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の4番目の女神「バステト」。テレビアニメの北米版では、第30話までは "Bastet" と表記されていたが、第31話からは別名の "Bast" で表記されている。
- アレッシー
- 声 - なし / なし / 垂木勉 / なし / 小野坂昌也
- マライアとほぼ同時に承太郎とポルナレフを襲撃したスタンド使い。38歳で独身。子供のような弱者をいじめることで快楽を得るという、陰湿な性格の持ち主。口癖は「えらいねェ〜」。格闘能力は高くないが、スタンド「セト神」で相手を幼児化させることで相対的に有利となる。服には斧と拳銃が仕込まれている。
- 幼児化したポルナレフを追い、事情を知らずに彼を保護した女性(テレビアニメ版ではマレーナ)までも巻き込むが、鏡を利用したポルナレフの策にはまり、顔を負傷したために逃げ出そうとする。そこで承太郎と鉢合わせし、隙を見て彼をスタンド能力が発現していない7歳頃の子供に変えたが、スタンド能力は無くても当時からやる時はやる性格だった承太郎に殴られ、気絶する。その後、意識を取り戻したところを、元に戻っていた承太郎とポルナレフによる二段オラオララッシュではるか彼方に吹っ飛ばされ、再起不能になった。
- 名前の由来はアメリカの兄弟ポップ・デュオ「アレッシー・ブラザーズ」[12]。
- セト神
- 【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - E / 持続力 - C / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- アレッシー本人の影と一体化し、影に触れた相手を無制限に若返らせるスタンド。影は伸縮自在に操れるが、若返らせる程度は影に接触している時間による。一見、トンガリ頭に目玉が浮き出ただけのシンプルな像に見えるが、横を向くと鳥のような顔をしている。
- 一瞬触れただけで7歳から8歳程度になってしまうほど若返りのスピードは非常に早く、最終的には出産前の胎児レベルまで若返らせることが可能で、記憶力や知性、スタンド能力も当時の状態に戻る(若返った時代にスタンド能力を持っていなかった場合、スタンドは使えなくなる)。胎児まで戻された場合、生存できる環境がないために短時間で死亡する。また、アレッシーが武器を持つことでセト神も武器を持ち、直接敵を攻撃することも可能。アレッシーが気絶するなどの状況に陥って能力が解除されると、若返らされていた対象はすぐさま元の状態に戻る。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の5番目で嵐と暴力の神「セト」。デザインのイメージはナスカの地上絵とアニメ『鉄人28号』のオープニングから[8]。
- ダニエル・J・ダービー
- 声 - なし / 内海賢二 / 岸祐二[20] / 石井康嗣[16] / 銀河万丈
- ギャンブル勝負に敗れた者の魂を奪うスタンド使い。30歳。会話上の返答代わりに「グッド」と口にする癖がある。根っからのギャンブラーであり、敗者の魂をスタンド「オシリス神」で搾取してコインに変え、コレクションとしている。「バレなければイカサマではない」と口はばからず公言するように、トリックの達人でもある。
- DIOの館の情報を聞き込みしていた一行とカフェで偶然の出会いを装い、言葉巧みにギャンブル勝負へと持ち込むと、事前に仕組んでおいた数々の仕込みによって、最初にポルナレフ、次にイカサマを仕掛けたジョセフのさらに上をいくイカサマで賭けに勝利し、2人の魂を奪った。そして、承太郎とのポーカー対決でも事前の仕込みにより、必勝の手札(キングのフォーカード)で絶対的優位に立つ。しかし、相手のどんな細かい動作も見逃さない鋭い観察眼と神経質さが災いしてスタープラチナの小細工を深読みしすぎたうえ、その場にいない花京院や本来は無関係なホリィの魂を平然と賭けの対象にする承太郎の胆力に、「気付かないうちに、カードがすり替えられたのではないか?」という疑念が生まれ、自信と余裕を失っていく。それに加え、ホリィの魂と引き換えに自身が知っている「DIOのスタンドの秘密」を賭けの対象にされたことで恐慌状態に陥る。それでも勝負に出ようとするものの、緊張と恐怖が頂点に達して立ったまま気絶した。心の中で賭けを降りたため、ポルナレフとジョセフの魂が肉体に戻り、極度の緊張状態から発狂して再起不能となった。それと同時に、今まで捕らえていた人々の魂も全て解放された。
- 承太郎からは「暴力こそ使わないが、今まで出会ったどんなスタンド使いより危険」、アヴドゥルからも「真に強い男」と評された。また、ギャンブラーとしての実力に関しても「いくらスタープラチナの動きが速くても、この男の目を欺くことは不可能だった」と評されている。
- 登場時は姓の「ダービー」しか名乗っていなかったため、フルネームは弟テレンスのプロフィールにて判明した。OVA版では初登場時に自らフルネームを名乗る。普段は冷静な性格だが、前述の通り神経質なところがあり、2回続けて故意に名前を間違えて呼んだジョセフには激昂し、「二度と間違えるな」と恫喝している。
- テレビアニメ版では、カードモーションの撮影に実在のマジシャンが協力したうえで作画が行われた[21]。
- 名前の由来はアーティストのサナンダ・マイトレイヤのかつての活動名「テレンス・トレント・ダービー」[22]。
- テレビアニメの北米版では、弟テレンスがフルネームを言う場面でも "D'Arby Elder" (ダービー兄)としか呼ばれていない。
- オシリス神
- 【破壊力 - E / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- 魂を奪う能力を持つ人型のスタンド。勝負前に対戦相手へ「魂を賭ける」という宣言を(宣言の手段は問わず、相手が明確な意思表示を示せば良い)をさせることで、敗北を認めた相手の魂を無条件で奪う。奪った魂はコインとして実体化される。対戦相手本人ではなくても友人や肉親の魂も賭けの対象にでき、ダニエルによれば証明文を一筆書かせることでその場にいない人物にもスタンドを発動できるとのこと。コインを分割することもでき、分割されたコインは全て揃って1つの魂として扱われる。また、ダニエルが死亡するとコインに入っている魂も死亡し、彼が敗北を認めれば魂は自動的に肉体へ戻される。スタンド自身に攻撃力は無く、勝負にも全く干渉しない中立の立場に位置している。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の1番目で冥界の神「オシリス」。アフリカ系の民族デザインに機械的な要素をプラスしたビジュアルとなっている[8]。
- ペット・ショップ
- 声 - なし / なし / 真殿光昭 / なし / なし(サウンドエフェクト[23])
- DIOの館の番犬ならぬ番鳥で、館への侵入者や探る者に襲い掛かるスタンド使いのハヤブサ。非常に命令に忠実で、館に近寄る者は容赦なく殺す残虐性を持つ。劇中では嘴を歪めて笑みを浮かべたり、胸部の傷を翼で触って付着した血を舐めてブルース・リーのような仕草を見せるなど、鳥らしからぬ行動を見せた。イギーからは「鳥公」と呼ばれる。基本的に襲い掛かるのは前述の対象のみだが、一度敵と判断した者には殺すまで追跡し続ける執念深い面を見せる。アヴドゥルに頼まれてDIOの館を探し出した乞食の男性(テレビアニメ版ではアヴドゥルに「物乞い」と称されるサングラスの男〈声 - 山岸治雄〉)や館へ侵入してきた大型犬2頭を殺害し、後者を探しに来た飼い主の少年をも襲おうとするが、割って入ったイギーに狙いを変更する。
- イギーとの戦いでは、スタンドによる猛攻で前足を捨てざるを得ない状態にまで追い込み、川底に逃げ込んだイギーを追跡して潜水したうえ、地中を掘り進んで先回りするという荒業まで見せた。最後はイギーに発射寸前の氷のミサイルを嘴ごと噛み砕かれ、ミサイルが口内で暴発して死亡した。
- テレビアニメ版では本来の登場シーンに先行し、ポルナレフが肉の芽を埋め込まれる回想シーンにDIOの肩に止まった姿で登場している(原作ではペット・ショップとは異なるオウムだった)。
- 名前の由来はイギリスのバンド「ペット・ショップ・ボーイズ」[22]。
- ホルス神
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 冷気と氷を操るスタンド。スタンドの像は翼竜の骨格のような姿で、6本の腕から氷柱を発射する。自分の周囲を氷付けにしたり、ツララ状の氷をミサイルとして撃ち出す。連射も可能。本体が負傷しても、傷口を凍らせて止血できる。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の2番目で天空の神「ホルス」。
- テレンス・T・ダービー
- 声 - なし / なし / 竹本英史 / 諏訪部順一[16] / 諏訪部順一
- DIOの館の執事。21歳のアメリカ人で、ダニエル・J・ダービーの10歳年下の弟。特技はテレビゲーム。1月5日生まれであることから、レースゲームの車のナンバーや野球ゲームの投手の背番号に15を選んでいる。兄と同様、敗者の魂を奪うスタンド使いで、搾取した魂をあらかじめ用意していた対戦相手に似せた人形の中に閉じ込めてコレクションしており、着せ替えをしたり話をしたりして楽しんでいる。紳士的な外見とは裏腹に、その慇懃無礼な態度と嬉々としてコレクションを語る姿を、承太郎は「最低のゲス」、ジョセフは「兄の方がマシ」、花京院は「最低のサイコ野郎」と評し、怒りと嫌悪感を顕わにした。
- 兄をそれなりに尊敬し、ギャンブルとイカサマの天才だったと認めている一方、「自分とは世代が違う」「兄は古いタイプの人間で同じ古い人間か素人にしか勝てない」と見下したような発言もしている。戦う理由も「兄の仇討ちではなく、あくまでDIO様のため」ときっぱり言い切ったほか、「兄は自分に絶対に敵わない」と考えていた。
- 承太郎とジョセフと花京院を地下室に誘い込み、レースゲーム勝負で花京院を破り、彼の魂を奪う。さらに、それを賭けて承太郎と野球ゲーム対決を展開すると、自身のゲーム技術とスタンド能力による読心術で徐々に差を詰めて優位に立つが、承太郎とジョセフが仕掛けた初歩的なイカサマに冷静さと自信を失って花京院の魂を離し、敗北が確定した。悪あがきで背後から襲いかかろうとするも失敗に終わり、最後はオラオララッシュを叩き込まれて再起不能になった。
- 名前の由来は兄と同じ。なお、綴りは "Telence" であり、由来である "Terence" とは異なる。
- テレビアニメの北米版ではフルネームをいう場面でも "D'Arby Younger" (ダービー弟)としか名乗っていない。
- アトゥム神
- 【破壊力 - D / スピード - C / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
- オシリス神と同様の、「賭け」で勝つことを条件に相手の魂を奪い取り、本体があらかじめ作っておいた人形に封じ込める能力を持つスタンド。人型でボディの至る所にハートマークがある。心の隙を突くことで、手首のみを相手に取り憑かせることもできる。魂自体はとても繊細であるため、兄のスタンド同様に本体のテレンスが死ぬと人形に封じ込められた魂も死亡し、本体自体が気絶しただけでも魂は昇天してしまう。
- さらなる能力として、質問をすることで「YES・NO」などの二択形式で相手の心を読める。この能力はサーモグラフィーのように魂の変化を直接見るため、質問に対する答えを言葉で聞く必要はなく、読心に嘘や誤りはない。しかし、あくまでも二択形式であるため、詳細な内容までは読み取れない(読み取ろうとすると何一つ表示されなくなる)。基本的には「YES・NO」で答えられる質問でなければならないが、例外的に、承太郎がイカサマをしていることは「I DO(している)」と示されていた。兄と同様、本体が敗北を認めれば魂は解放される。
- スタンド名の由来は、エジプト9栄神の9番目で最高神の天地創造の神「アトゥム」。デザインは軍隊ロボットのイメージで、人間のような人形のような曖昧なビジュアルとなっている[8]。
DIOの館の住人
- DIO(ディオ)
- 声 - 若本規夫 / 田中信夫 / 千葉一伸[24] / 子安武人[2] / 子安武人[25] / 塩沢兼人(Part3RPG版CM)
- ジョースター家の宿敵。Part1でジョナサン・ジョースターと相打ちになるがジョナサンの肉体を乗っ取って海底で生き延び、約100年後にトレジャーハンターにより海底からそのシェルターが引き上げられたことで長き眠りから目覚め、再び世界を支配するために活動を始める。高いパワーとスピードを有し、時を止めるスタンド「世界(ザ・ワールド)」を持つ。
- 詳細は「ディオ・ブランドー」を参照
- ヴァニラ・アイス
- 声 - なし / 青野武 / 岸祐二(第1作[20])、速水奨(第2作[注 8]) / 吉野裕行[2] / 速水奨
- DIOの側近で、彼のためなら死ぬことも厭わないほどの忠誠心の持ち主。そのため、DIOを貶めた者には異常な怒りを見せる。DIOに化けたザ・フールを見破った際には「偽物とはいえ自分にDIO様を攻撃させた」という理由で、イギーを瞬殺できるスタンドで殺さず苦しませてから殺すため、自分の足で何度も蹴りを入れて致命傷を負わせた。その性格はポルナレフに、「こいつの精神が暗黒空間」「どす黒い暗黒のクレバス」と評されている。
- 「血が欲しい」というDIOの頼みを即座に承知し、スタンドで自分の首を切り落として血を捧げるが、DIOがそれを惜しんだため、吸血鬼として復活させられる。その後、アヴドゥルをスタンドで奇襲して殺害し、ポルナレフを庇ったイギーを死に至らしめる。ポルナレフにも重傷を負わせたが、捨て身の攻撃に敗北したうえ、最期はシルバーチャリオッツに突き飛ばされて太陽光を浴び、消滅(死亡)した。アイス本人はポルナレフとの決戦途中までは吸血鬼化の兆候が現れていなかったためもあり(テレビアニメ版では、日光が差し込む決戦途中の室内へアイスが降り立つ姿が、明確に描かれている)、それ以降の自分が吸血鬼化しかけていたことには気付いていなかった。
- OVA版では多少経緯は異なるが、原作同様アヴドゥルとイギーを殺害する。日光下にある中庭での戦闘ではスタンドの口外に出ておらず、最期はイギーの死に激昂したポルナレフの猛攻を受け、頭部を切断されて絶命する。
- 名前の由来はアメリカのラッパー「ヴァニラ・アイス」[26]。
- Part3対戦型格闘ゲームの北米版では"Iced"(アイスド)、OVAの北米版では、"Banira Ice"(バニラ・アイス)、『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Cool Ice"(クール・アイス)と改名されている。
- クリーム
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - D】
- 大きな口と2本の角を持つ、骸骨のような像のスタンド。口内が暗黒空間となっており、それに飲み込まれると本体のヴァニラ・アイスとスタンドのクリーム以外のあらゆる物体は、霧散するように消滅する。また、スタンド自身が本体ともども口内に隠れることで、本体とスタンドはこの世界から完全に気配を消し、不可視の暗黒空間の入り口が球体状に残される[注 9]。この状態で移動することで、攻撃を喰らうことなく一方的に触れた物体を暗黒空間に飲み込めるが、軌道上にある障害物を透過せずに破壊するため、故意に障害物を置かれることで軌道を読まれてしまう欠点がある。また、本体やスタンドにも外の状況は把握できないため、本体が一瞬だけ暗黒空間から顔を出したところを反撃される恐れがある。
- スタンド名の由来はイギリスのバンド「クリーム」[26]。デザインは死神や、中世フランスの死刑執行人のイメージ[8]。劇中では名前が登場しない。Part3対戦型格闘ゲーム版では原作には無い暗示カードが登場している。また、幼少時からスタンドが発現していることが明らかになっている。
- ケニーG
- 声 - なし / なし / 高木渉 / なし / 柳田淳一
- DIOの部下。スタンドでDIOの館に巨大迷路を張り巡らせ、地下には南国風の風景を作り上げていた。アヴドゥルの炎とイギーの鼻で居場所を見破られてザ・フールの引っ掻き攻撃を受け、まともに戦わないままリタイアしてしまった。回想シーンではテレンス・T・ダービーやヴァニラ・アイスと共に、ヌケサクを見下しながらジョースター一行の迎撃へ出ていく姿が描かれている。名前の由来はジャズミュージシャン「ケニー・G」[22]。テレビアニメの北米版では、"Billie Jean"(ビリー・ジーン)と改名されている。
- ヌケサク
- 声 - なし / なし / 岸祐二[20] / 根本幸多[16] / 奈良徹、山村響(女の顔)
- DIOの部下で吸血鬼。スタンド使いではないが、後頭部に女の顔を出す「能力」を持つ(ヌケサク本人は「無敵の能力」と豪語している)。「ヌケサク」というのは、そのマヌケな性格と実力の低さを馬鹿にした仲間たちから付けられたあだ名(蔑称)であり、本名は不明。承太郎が後述のミスを指して「ヌケサク」と罵った際、自分のあだ名を言い当てられたと誤解して驚き、彼を改めて呆れさせている。
- 自分を馬鹿にしていた仲間たちが全員ジョースター一行に敗れたことに一時は喜んでいたものの、結果として自身も戦線に出ざるをえなくなり、女の顔でジョースター一行に近寄り欺こうとする。だが、後頭部を他人に向けた状態では両手の向きが逆になることに気付かなかったために見破られ、承太郎に吸血鬼の不死性を確かめるためのオラオララッシュの餌食にされた挙句、捕らえられてしまう。そして、ジョースター一行からDIOの眠る棺桶のある部屋への案内と棺桶を開けることを強要され、内心でDIOに助けを求めつつ渋々と従うが、DIOによって全身を輪切りにされた状態で棺桶に押し込められてしまった。
- テレビアニメ版では、半年前にDIOがザ・ワールドのスタンドのパワーとスピードを試すために散弾銃を撃たせた部下であったことが明かされている。
- OVA版には登場せず、アヴドゥルがDIOの眠る棺桶を開けた途端にDIOによって攻撃されるシーンに変更されている。
その他の登場人物
- 空条 ホリィ(くうじょう ホリィ)
- 声 - 深見梨加 / 佐久間レイ(前半)、安藤ありさ(後半) / なし / なし / 高木礼子
- 旧姓ジョースター。イギリス系アメリカ人であるジョセフとイタリア系アメリカ人であるスージーQの間に生まれた娘。日本人ジャズミュージシャンの空条貞夫と結婚し、承太郎の母親となった。45歳。
- 母に似て非常に明るい性格。底抜けの親馬鹿であり、承太郎を溺愛している。DIOの呪縛によって発現したスタンドの影響による高熱で倒れ、医者から余命50日を宣告される。呪縛を解くためにはDIOを倒すしかないと判断したジョセフ達は、ホリィの命が保つと診断された50日以内にエジプトへ向かうこととなる。
- 空条邸では「『ホリィ』は日本語では『聖なる』という意味」とジョセフに説明し、自らを「聖子(聖子ちゃん)」と呼ばせようとした。なお、空条邸の表札は旧字体で「空條」と書かれている。
- テレビアニメ版第1期第26話では、エピローグにて幼少期のホリィが描かれている。
- 空条 貞夫(くうじょう さだお)
- ホリィの夫で承太郎の父親。職業はジャズミュージシャン。演奏旅行中のため、本作の冒頭と家系図に名前のみ登場。
- スージーQ・ジョースター
- 声 - 斉藤庄子 / 来宮良子 / なし / なし / 小島幸子
- Part2に登場したジョセフの妻。ホリィの母親で、承太郎の母方の祖母に当たる。ペットにカメを飼っている。
- 立ち食いソバを平然と食べるなど高齢を感じさせない好奇心と行動力に溢れており、執事のローゼスにはしばしば注意されているが、家族に迫った危機を察してジョセフを信じ続ける芯の強さも見せる。
- Part3での初登場は原作ではジョースター一行のエジプト上陸後であるが、テレビアニメ版ではそれに先行して追加されたジョセフの潜水艦内電話シーンから登場している。
- Part4の頃も登場しないものの健在であり、隠し子の存在が発覚したジョセフへ激怒したことが承太郎によって語られている。
- ローゼス
- 声 - 清川元夢(テレビアニメ版)
- ジョースター家に30年間仕えている執事。ホリィが小学校へ通っていた頃から仕えている。スタンドについての知識は無いが、立ち食いソバの客層やコンドームの自販機を知っているなど、日本通。護衛も兼ねているらしく、ヤクザを立ち蹴り1発で倒す格闘能力を持っている。
- テレビアニメ版ではスージーQと同様に登場時期が原作より早い。また、スージーQの押しには弱い一面も見せている。
- アン
- 声 - 吉田古奈美(現・吉田小南美) / なし / 竹内順子 / なし / 釘宮理恵
- 香港でジョースター一行が乗った船へ密航した家出少女。初登場時は男装しており、強がってジョースター一行に反発していたが、海で承太郎に救助された際に女性であることが露見する。値切りが上手。船が爆破された後は、シンガポールまでジョースター一行に同行した。シンガポールへ到着して一旦別れた後も承太郎を慕ってインドまで追いかけるが、足手まといという理由(アンの安全を考えてのことだが)でパキスタン国境までの同行にとどまり、そこで飛行機代を出してもらったうえで香港へ送り返された[注 10]。テレビアニメ版では空港で別れるシーンが補完されており、そこでホリィの存在を知って飛行機内から承太郎に激励の言葉をかけている。
- 当初は本名が不明で、便宜上「家出少女」「家出娘」[1]、ドラマCDでは「不良少女」と呼ばれていたが、テレビアニメ版ではこの名前が本名として設定された[28]。命名は荒木飛呂彦によるもの[19]。
- シェリー・ポルナレフ
- 声 - 根谷美智子 / 久保さゆり / 石井直子(現・石井七央子) / なし / 小松由佳
- ポルナレフの妹。3年前にJ・ガイルによって辱められた末、惨殺された。テレビアニメ版ではポルナレフの回想シーンにて彼から傘をプレゼントされたエピソードが追加されている。
- 紅海の小島では、カメオのスタンドによって作り出されたシェリーそっくりの土人形(人喰いゾンビ)がポルナレフを襲うが、アヴドゥルによって破壊された。テレビアニメ版ではポルナレフが自らの手で土人形にとどめを刺すという展開へ変更されている。
- ソフィー
- 声 - 萩森侚子(ドラマCD版)
- シェリーのクラスメイト。名前はドラマCD版から。シェリーと共にJ・ガイルに襲われたがソフィーは助かり、彼の両手が右手であることを証言する。OVA版では襲われた際に首を切られ、死亡した。
- マレーナ
- 声 - 甲斐田裕子(テレビアニメ版)
- アレッシーに幼児化させられたポルナレフを助けた女性。ポルナレフを入浴させている最中にアレッシーに襲われ、胎児まで戻されてしまう。アレッシーが倒されると元に戻り、自分を助けてくれた人物がポルナレフではないかとおぼろげながらに察するが、その思いはマレーナの身の安全を考えたポルナレフに否定された。
- 原作では特に名前が設定されていなかったが、テレビアニメ版ではこの名前が設定されている(ただし、エンドロール表記のみ)。
- ウィルソン・フィリップス
- 声 - なし / 滝口順平 / なし / 佐藤正治[16] / チョー
- DIOが乗り込んだ車に乗っていた、エジプト滞在中のアメリカ合衆国上院議員。最初はDIOの暴挙にも笑顔で穏やかに諭す紳士ぶりだったが、前歯を折られると激怒して高圧的な態度に出た。しかし、DIOに車の運転を強要されて歩道の民衆たちを轢くなどの凶行をさせられた末に殺害され、死体はジョセフらの乗っているトラックへ放り投げられた。本誌掲載時と単行本では初登場時の顔と台詞が変更されている。なお、OVA版では凶行のショックで精神が崩壊した。テレビアニメ版では轢くシーンそのものはカットされている。名前の由来はアメリカの女性コーラスグループ「ウィルソン・フィリップス」[26]。テレビアニメの北米版では、単に "Senator Phillips"(フィリップス上院議員)と表記されている。
小説版オリジナルの登場人物
- アブサロム
- ヌビア砂漠に突然現れた機関車“凶悪連結器(サタニック・カプラー)号”の運転手をしている、白い民族衣装をまとった褐色の肌の青年。かつては文明(特に列車)に憧れ、「文明社会の中でしか人間は幸せになれない」とまで考えて砂漠での未開の生活を恥じていたが、4年前に家族でカイロへ旅行に行った際に列車事故に遭い、両親の命と妹の声を失ったことから、文明にも失望と憎悪を抱いている。その後、DIOにより妹共々スタンドの才能を見いだされ、DIOの創る砂漠とも文明社会とも違う第三の世界が安住の地となり、また妹の声も取り戻せると信じて忠誠を誓い、刺客となった。一度は砂漠で疲弊しきったジョースター一行を救うが、彼らを自らのスタンド「サタニック・カプラー」に閉じこめ、ミカルと共に希望から絶望に突き落として殺そうとする。しかし、とっさの機転で承太郎、ポルナレフ、イギーにサタニック・カプラーから脱出されて取り逃がしてしまった後、故郷であるオアシスの村で一命を取り留めたジョースター一行と再び対峙するが、その村の少年を攻撃の巻き添えにしたことから承太郎の怒りを買い、救出されたジョセフの策によって動きを封じられた隙に弱点の底部へスタープラチナのラッシュを叩き込まれ、サタニック・カプラーを破壊される。それでも超小型化したサタニック・カプラーをアヴドゥルの体内に忍び込ませて最後の抵抗を試みるが、同じく小型化したスタープラチナとハイエロファントグリーンの前に敗れ、再起不能となる。その後はジョースター一行を悪人と勘違いした村人たちに救助され、村で生活することを決意する。
- サタニック・カプラー(凶悪連結器)
- 【破壊力-A/スピード-B/射程距離-D/持続力-A/精密動作性-E/成長性-D】[要出典]
- スクラップなどの物質と合体して実体化する列車型のスタンド。登場初期はEMD社のDP35に似たディーゼル機関車のような姿をしていたが、内部に取り込んだジョースター一行の列車に関する情報、およびイギーが列車に抱く怪物じみたイメージを吸収したことで、フランス国鉄のTGV-Aに似たフォルムに無数のトゲとクワガタムシの顎が付いたような姿へ変貌する。外壁はスタープラチナとシルバーチャリオッツの攻撃にも傷一つ付かないほど固く、内壁はいかなる衝撃も吸収して受け流す。ただし、構造自体は列車と同様のため、破壊はできなくても分解することは可能。スピードについてもバイク並みの加速性能と時速500kmを超えるトップスピード、自転車並みの小回りを併せ持つ。また、ラバーズのように小型化して人体に潜り込むこともできるが、その際に本体が攻撃を受けるなどして意識を失うと自爆する(とアブサロムは語ったが、真偽は不明)。
- 由来はスウェーデン出身の超高速メロディックパンクバンド「サタニック・サーファーズ」[要出典]。
- ミカル
- アブサロムの妹。4年前の事故の後遺症で声を出せない。アブサロムに付き従い、スタンド「ダーク・ミラージュ」で蜃気楼の街を造り出して彼を援護する。アブサロムのようにDIOの思想に染まっているわけではなく、戦うことに躊躇している。それでもジョースター一行との再戦の時には実体化した蜃気楼の街に潜み、小型に実体化した石油タンクをミサイルのようにぶつけることでポルナレフを火だるまにするが、彼に隠れ場所を見破られてシルバーチャリオッツの一撃で敗北、戦闘不能となった。その後はアブサロム同様、村人に救助された模様。シルバーチャリオッツによる一撃は峰打ちだったので、ミカル自身は気絶しただけで無傷である(ポルナレフは女性に弱く、たとえ敵であっても傷つけることは彼のポリシーが許さなかったため)。
- ダーク・ミラージュ(闇の蜃気楼)
- 【破壊力-E/スピード-E/射程距離-A/持続力-B/精密動作性-E/成長性-C】[要出典]
- 蜃気楼を実体化できるスタンド。透明なクリスタル状の身体の胸には、七色の光が揺れる大きな集光レンズがはめ込まれている。実体化した蜃気楼は現実の法則や常識にとらわれない形で存在できるため、見る者の感覚を狂わせて次第に精神を崩壊させていく。また、実体化した蜃気楼で攻撃もできる。夜や砂嵐の時など蜃気楼が存在しえない状況では発動できないが、周囲にないはずのビル群や潜水艦も実体化させていたことから、通常の蜃気楼と原理は異なる。
- 書記アニ
- カイロにてジョースター一行の命を狙うDIOの刺客。ミイラのような老人で、自らを古代エジプトのバァ(魂)転生の秘法によって新王国時代より生き続けてきた存在であると語り、同じく永遠の命を持つDIOと共にエジプトを拠点として世界の覇者となるべく忠誠を誓う。古代エジプトの創造の神「プタハ神」の啓示を受けたスタンド「創世の書」を操り、ジョセフとポルナレフを窮地に追い込む。後から駆けつけた承太郎をも古代エジプト最強の神獣「アメミット」で圧倒するが、ジョセフとポルナレフの策によってアメミットを消され、承太郎のオラオララッシュによって身体が砕け散り、スタンドもろとも消滅した。結局、正体は謎のままであった。
- 創世の書
- 【破壊力-E/スピード-E/射程距離-E/持続力-A/精密動作性-E/成長性-E】[要出典]
- 紀元前1500年頃の新王国時代の遺跡から出土したパピルスの歴史書。しかし、その記述は紀元前3000年頃の初期王朝時代から現代にまで及んでいる。正体はアニを本体とする実体化したスタンドであり、彼がこれを読み上げる(黙読でも可)ことで歴史を実体化できる。その内容は歴史上の事実に限らず、スフィンクスやオシリスの審判といった伝承の類でも可能で、呼び出されたものはハーミットパープルでも見破ることが困難。ただし、一度に呼び出せるのは1つの事象だけであり、本のページが傷つくと、そのページを読んで呼び出されたものは消えてしまう。
ドラマCD版オリジナルの登場人物
- スタンド使いの老人
- 声 - 永井一郎
- 第1巻第2章に登場。本名は不明。DIOとは無関係のスタンド使いで89歳。スタンド使いを操って互いに争わせてそれを見物することを楽しみとしている。インドにやって来たジョースター一行の面々をスタンド能力で次々と操り、その目論見は達成されたかに見えたが、機転を利かせたジョセフの策によって敗北。生き甲斐を失ったことで認知症を発症し、リタイアした。
- ストレンジ・リレイション
- 本体の奏でる手回しオルガンの音色を聞いた者を操る。また、超低周波を発して物体を破壊することもできる。
- クレメンタイン
- 声 - 沢海陽子
- 第2巻に登場。酒場で絡まれていた所をホル・ホースに助けられる。ポルナレフに飛びつきホル・ホースを逃がすなど、原作のネーナに似ているが、スタンド使いではない。病気で寝込んでいる父がいる。
関連用語
- スタンド(幽波紋)
- 詳しくはスタンド (ジョジョの奇妙な冒険)を参照。
- 肉の芽
- 詳しくはディオ・ブランドー#吸血鬼の能力を参照。
- 吸血鬼
- Part1では石仮面の力を得た者を「吸血鬼」と呼称していたが、Part3ではDIOの血液に含まれる吸血鬼のエキスを体内へ注入された人間(ヴァニラ・アイスやヌケサクが該当する)も「吸血鬼」と呼称されている。Part1における屍生人のように、人肉を貪るシーンは無い。
- 再起不能(リタイア、リタイヤ)
- 敗北して戦闘不能となったスタンド使いが、物語から退場する際に用いられる表現。ただし、これは「敗北して重傷を負ったものの、命だけは助かった者」たちに対してのみであり、ペット・ショップやディオなどのように敗北して致命傷を負い、そのまま戦死した者たちに対しては「死亡」と表現される。
- TO BE CONTINUED
- 話の区切りに登場する「TO BE CONTINUED」と書かれた左矢印。サンとの戦い以降から使用され、後のシリーズやゲームでも使用されることがある。テレビアニメ版では第1期第1話から使用されている。
派生作品
小説
Part3を題材にした小説作品。アフリカ上陸後を中心に、オリジナルのスタンド使いが登場。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』 (1993年、ジャンプ ジェイ ブックス)
CDカセットブック
Part3を題材にしたドラマCD作品。CDとカセットテープの2つのメディアで発売された。脚本は山口宏、演出は三間雅文、音楽は長谷川智樹。
- 集英社カセットブック ジョジョの奇妙な冒険 第1巻 空条承太郎見参の巻
- 1992年12月発売。
- 収録内容
- 第1章 静かなる暗殺者。花京院典明〜ハイエロファント・グリーン!
- 第2章 幻惑の旋律〜ストレンジ・リレイション!
- オリジナルストーリー。DIOとは無関係の「スタンド使いの老人」が登場する。
- 集英社カセットブック ジョジョの奇妙な冒険 第2巻 アヴドゥル死すの巻
-
- 収録内容
- 第1章 戦慄の吊られた男(ハングドマン)〜J・ガイル
- 第2章 皇帝(エンペラー)の凶弾〜ホル・ホース
- 承太郎とホル・ホースが戦うオリジナルシーンが追加されている。
- 集英社カセットブック ジョジョの奇妙な冒険 第3巻 DIOの世界の巻
-
- 収録内容
- 第1章 DIOの世界・前編
- 第2章 DIOの世界・後編 遥かなる旅路・さらば友よ
OVA
- ジョジョの奇妙な冒険
- 1993年から1994年にかけて発売された。全6話。Part3の後半部のアニメ化作品。エジプトでの戦いを描く。
- ジョジョの奇妙な冒険 ADVENTURE
- 2000年から2002年にかけて発売された。全7話。Part3の前半部のアニメ化作品。
2007年5月25日には、上記アニメ作品を全て収録したDVD-BOX『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース DVD-BOX』が発売された。
原作の途中のエピソードから映像化する形が取られており、一部のストーリーは改変が行われている。制作にあたって、荒木飛呂彦が「構成上1時間程度では描けない第1部、第2部よりも第3部のエピソードのひとつを綿密にアニメ化したほうがいいのでは」と提案し、監督の北久保弘之により主人公側のキャラクターが全員かたよりなく登場するンドゥール編が選ばれ、荒木も「ベスト・セレクション」だと評した[29]。
後に、劇場版「ファントムブラッド」にて羽山淳一、桑原悟、トム・マイヤーズ(スカイウォーカー・サウンド所属)が継続して参加した。
後記するテレビアニメ版『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』が原作再現を重視しているのに対して、こちらは演出を重視した内容となっている。シーンによっては別のスタンド使い戦の内容を混ぜていたりと大きな改変があったり、そもそもカットされた戦闘も多い。
スタッフ
- 原作 - 荒木飛呂彦
- 監督 - 北久保弘之(8-13)→二村秀樹、古瀬登(1-7)
- 企画 - 後藤広喜(8)→中野和雄、堀江信彦(9-13)→野村和史(1-7)
- 製作 - 安齋富夫(8)→山縣宏之(9-13)→酒匂幅彦、山中三千男、野村和史、川島晴男(1-7)
- キャラクターデザイン - 羽山淳一
- ビジュアルワークス - 二村秀樹(1-7)
- 美術監督 - 南郷洋一(8-13)→桑原悟(1-7)
- 撮影監督 - 岡崎英夫(8-13)
- デジタル・コンポジット - 田中宏侍(1-7)
- Music composed &arranged - Marco d'Ambrosio(マルコ・ダンブロシオ)(8-13)
- Music - Marco d'Ambrosio(マルコ・ダンブロシオ)、MarcoCo.(1-7)
- Sound Design - Tom Myers(1-13)、Gary Bydstrom(8-13)
- Sound Effects Editor - Al Nelson(1-7)
- プロデューサー - 野村和史(1-13)、大徳哲雄(8-13)→遊佐和彦、谷坂睦美(1-7)
- アニメーション制作 - A.P.P.P.
- 製作・著作 - 集英社
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Adventure.1 | -悪霊- | 高島健一 | - | 菊地康仁 | 羽山淳一 | - | 2000年5月5日(DVD) |
Adventure.2 | -法皇の緑- | 古瀬登、羽山淳一 二村秀樹 |
2000年8月25日(DVD) | ||||
Adventure 3 | -銀の戦車&力- | 川口高朗 | 金剛寺弾、田中雄一 二村秀樹 |
浦田保則 | 田中雄一、寺沢伸介 山沢実 宮澤努(エフェクト) |
羽山淳一 | 2000年10月27日(DVD) |
Adventure 4 | -皇帝と吊られた男- | 古瀬登 二村秀樹 |
土屋日 | 山沢実 金剛寺弾・小林誠(エフェクト) |
2001年4月27日(DVD) | ||
Adventure 5 | -裁き- | 小林孝志 | 寺沢伸介、岡本健一郎 山沢実、金剛寺弾 |
2001年7月27日(DVD) | |||
Adventure 6 | -報復の霧- | 高島健一 | 山中英治 | 植田洋一 | 2001年9月28日(DVD) | ||
Adventure 7 | -正義- | 長濱博史 | 小林孝志 | - | 2002年1月25日(DVD) | ||
Adventure 8 | 「愚者」のイギーと「ゲブ神」のンドゥール -前編- | - | 佐々木洋 | - | 羽山淳一 宍戸聡(メカエフェクト) |
- | 1993年11月19日(VHS、LD) 2002年8月23日(DVD) |
Adventure 9 | 「愚者」のイギーと「ゲブ神」のンドゥール -後編- | 森川定美 | 1993年12月17日(VHS、LD) 2002年8月23日(DVD) | ||||
Adventure 10 | ダービー・ザ・ギャンブラー | ますなりこうじ | 岸田隆宏 | 1994年7月21日(VHS、LD) 2002年9月20日(DVD) | |||
Adventure 11 | DIOの世界 -亜空の瘴気ヴァニラ・アイス- | 富永恒雄 | 阿部雅司 | 菊地康仁 | 1994年8月9日(VHS、LD) 2002年9月20日(DVD) | ||
Adventure 12 | DIOの世界 -花京院 結界の死闘- | 今敏 | 栗尾昌宏 宍戸聡(メカエフェクト) |
1994年10月21日(VHS、LD) 2002年10月25日(DVD) | |||
Adventure 13 | DIOの世界 -さらば友よ- | 北久保弘之 | 羽山淳一 江面久(メカエフェクト) |
1994年11月18日(VHS、LD) 2002年10月25日(DVD) |
テレビアニメ
『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のタイトルで、2014年4月より放送された。4クール(2014年4月2クール、2015年1月2クール)[30]。
ゲーム
- ファミコンジャンプII 最強の7人
- 1991年12月2日にバンダイから発売されたファミリーコンピュータ用RPG。
- ジョジョの奇妙な冒険
- 1993年3月5日にコブラチームより発売されたスーパーファミコン用RPG。原作とはストーリーが大きく異なる。
- ジョジョの奇妙な冒険
- 1998年12月から稼働しているカプコンのアーケード用対戦型格闘ゲーム。
- 1999年10月14日にPlayStationへの移植版が発売された。
- ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産
- 1999年9月にアーケードで稼働した、上記の対戦型格闘ゲームのリニューアルバージョン。
- 同年11月25日には前作と『未来への遺産』の両方を収録したドリームキャスト版も発売された。
- クルセイド
- 2014年1月24日より『ジョジョの奇妙な冒険 The Animation』のシリーズタイトルで参戦。本章『スターダストクルセイダーズ』のカードは同年9月9日に先行公開された。9月19日、ブースターパックが発売。1BOXに付き、"U-020 空条承太郎(オレが裁く)" / "U-013 モハメド・アヴドゥル(運命のカード)" / "U-004 ジョセフ・ジョースター(わしと帰るぞ)"の各パラレル(絵違い)カード(ランダム封入)が付く。クルセイドポイント交換所には新規プロモーションカード"C-P001 隠者の紫(チャンネル念聴)"が追加される[31]。
その他
- 東洋文化が登場することは今までのシリーズでもあったが、東洋そのものが描かれた、シリーズ初めての作品である。
- 承太郎は物語初期には「ジョジョ」と呼ばれていたが、次第に「承太郎」で統一されるようになった。以降の作品でも、ごく初期を除いて「ジョジョ」の呼称は使われなくなっていく。また、ジョースター家の血筋を引いた者には首のつけ根に星型のアザがあると設定されている。
- 時代設定はPart6『ストーンオーシャン』や『オールスターバトル』のストーリーモードでは1989年とされているが、画集『JoJo6251[荒木飛呂彦の世界]』の年表および集英社による公式サイト[32]、テレビアニメでは1987年となっている。
- 登場人物の名称は他のPart同様、主に洋楽のアーティスト名やバンド名などをアレンジしたものが多い。そのため、本作の国際展開ではアーティスト名と同姓同名のキャラクターは改名されている場合がある。
- 作中のタロットカードのデザインが、連載時ならびに初期の単行本刊行時と、重版後の単行本刊行時ならびに文庫版刊行時とでは大幅に変わっている。これは連載時のタロットカードのデザインが著作権侵害とみなされ、変更せざるを得なくなったためである。重版後のタロットカードのデザインは、劇中に登場した「トト神」の漫画風キャラクターデザインに変更されている。荒木は自身および当時の担当編集者の似顔絵も「トト神」の漫画風に描いた。
- Part1開始以来、グレーフライの「なんか騒騒しいのォ」というセリフまで畳語の表記に踊り字「々」が使われていなかったが(例 「正正堂堂」「我我」)、これ以降は使われるようになった。
- トト神の漫画が旅行客の男性の死亡を予知する(正確には乗ったバスが事故に会い、死亡する)描写があるが、これがアメリカ同時多発テロを予言するかのような描写だとして一部で話題となった。理由としては、事故死した男性の着ていた服に「911」と書かれており、サメのような顔をした飛行機がそばを飛び、イスラム教のシンボルである三日月が描かれている。さらに、死亡する直前に男性が「おっ、十時半だ」とバスの時刻を呟いているが、これは貿易センタービルが崩落した時刻でもあった。荒木はこの噂に対して「考えずに描いてた」と述べている[33]。当該の場面はアメリカ同時多発テロより以前の1990年に描かれたものであり、事件より11年前のことであった。作者がこの噂を知ったのは2007年5月ごろと、噂が出始めた時期と比べるとかなり遅かったようである[33]。TVアニメ版では服の「911」の文字は削除されている。
- OVA版においてコーランが登場人物によって不適切に扱われた場面があるとされ、指摘を受けた製作元の集英社とA.P.P.Pはこれに謝罪。OVAおよび原作の一部、画集の出荷を一時的に停止する措置がとられたが[34]、その後の2009年2月より原作の該当箇所を訂正した改訂版が販売再開されている[35]。
- 作者の荒木飛呂彦は、好きなキャラクターとして承太郎やDIO、ダービー、ンドゥールを挙げ、それなりに美学を持ったキャラクターが好きだと語り、嫌いなキャラクターとして嫌な奴を描こうと思って描いたヴァニラ・アイスを挙げている[1]。
- 本作の旅のルートはジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』の逆コース[36]。承太郎が学生服を着たまま砂漠を旅するというのは横山光輝の漫画『バビル2世』の影響を受けてのもの[1][36]。
- 荒木によるとPart1連載開始時から主人公に敗れた敵が復活して子孫を襲うというPart3までの構想が考えられていたという。Part3からスタンドが誕生したことについては担当編集に「もう波紋は古いよな」と言われたことがきっかけで、色々と考えた末に守護霊をイメージしたスタンドが生まれた[36]。スタンドとタロットカードを結びつけたのはスタンドの個性を作っていきたかったからだと説明している[1]。
脚注
注釈
- ^ この時の擬音のような台詞「レロレロレロレロ」が2014年度アニメ流行語大賞金賞(第1位)を受賞した。
- ^ 2014年から放映されたテレビアニメ版も同じ仕様である。
- ^ ジョジョニウム12巻後書きによれば、作者自身は花京院の名前を「てんめい」と名付けたつもりであったため。
- ^ ペット・ショップに目を付けられた際にも、馬鹿犬の振りをしてその場を逃れようとするなど、高い知能を持っている。
- ^ 花京院に変装している間は花京院と同じ声(Part3対戦型格闘ゲーム版では真殿光昭、テレビアニメ版では平川大輔)となる。ケーブルカー内で女性へ変装した際の担当声優(テレビアニメ版)についてはクレジットされていない。
- ^ 大便のことを原作では「うんこ」と発言しているが、テレビアニメ版では「うんち」に言い換えられている。また、Part3の対戦型格闘ゲーム版では、「○○○」と規制されている。
- ^ 声優はPart3対戦型格闘ゲーム版(PlayStation版)では垂木勉が担当しているが、テレビアニメ版では担当声優がクレジットされていない。
- ^ 一部の技を使用したときのみ、岸祐二の声になる。
- ^ この暗黒空間の入り口はスタンド使いにも見えず、空気を動かすこともない。
- ^ 実際に送り返されたシーンは無いが、再会直後に「国境までだ。そこで飛行機代を出してその子の国まで送ってやる」と承太郎が言ったことと、ホウィール・オブ・フォーチュンとの戦いの後に再び彼が「飛行機で香港に送り返す」と発言したことを経て、次の「正義」以降は登場しない。
出典
- ^ a b c d e f 画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』より。
- ^ a b c d e f g h i “CHARACTER”. ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル. 2014年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e “CHARACTER”. TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式サイト. 2014年6月1日閲覧。
- ^ “青ニプロダクション 江川央生”. 青ニプロダクション. 2014年6月1日閲覧。
- ^ 函装版JoJonium13巻・「荒木飛呂彦が語るキャラクター誕生秘話/JoJonium13描き下ろしイラスト秘話ッ!」より。
- ^ 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.1 星の白金-スタープラチナ-編』 P152 The Secret of JOJO Characters
- ^ a b c d 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.5 死神13-デス・サーティーン-編』 P152 The Secret of JOJO Characters
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』の荒木飛呂彦によるコメントより。
- ^ “青ニプロダクション 真殿光昭”. 青ニプロダクション. 2014年6月1日閲覧。
- ^ 画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』P168 荒木飛呂彦インタビュー
『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.1 星の白金-スタープラチナ-編』 P152 The Secret of JOJO Characters - ^ anime_jojoのツイート(526311402802135040)
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.6 「ゲブ神」のンドゥール編』 P132 The Secret of JOJO Characters
- ^ 函装版JoJonium15巻・「荒木飛呂彦が語るキャラクター誕生秘話/JoJonium15描き下ろしイラスト秘話ッ!」より。
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.3 正義-ジャスティス-編』 P70・71 The Secret of JOJO Characters
- ^ 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』P27
- ^ a b c d e f g h i j “『ジョジョ ASB』発売前夜イベントで展示された出演声優のサイン色紙86枚を総まとめ!”. ファミ通.com (2013年8月29日). 2013年12月4日閲覧。
- ^ a b c 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.2 銀の戦車-シルバーチャリオッツ-編』 P66 The Secret of JOJO Characters
- ^ a b c d 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.4 恋人-ラバーズ-編』 P124 The Secret of JOJO Characters
- ^ a b 『アニメージュ』2014年10月号、徳間書店、34-35頁。
- ^ a b c d “岸 祐二 Biography”. 2006年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月1日閲覧。
- ^ age_seekerのツイート(576720712435507200)
- ^ a b c d 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.8 「ホルス神」のペット・ショップ編』 P84 The Secret of JOJO Characters
- ^ toracyaiのツイート(589052038559830016)
- ^ “パーソナル・データ”. 株式会社 アーツビジョン. 2014年6月1日閲覧。
- ^ anime_jojoのツイート(414605128407060481)
- ^ a b c 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.9 亜空の瘴気ヴァニラ・アイス編』P170 The Secret of JOJO Characters
- ^ 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol12 クレイジー・ダイヤモンド編』 P96「What is the STAND?」
- ^ anime_jojoのツイート(464795820496142337)
- ^ 週刊少年ジャンプ特別編集増刊『ブイジャンプ』1992年11月22日号P162
- ^ “4クール(1年間)放送が発表された「ジョジョの奇妙な冒険」プレミア上映会レポート”. GIGAZINE. 2014年6月25日閲覧。
- ^ 以上の出典は公式サイトの記事より。
- ^ JOJOスペシャルサイト THE WORLD OF JoJo(集英社 S-MANGA.NET)
- ^ a b 「溜池Now」 (GyaO)
- ^ A.P.P.P公式サイト アニメーション「ジョジョの奇妙な冒険」における表現について
- ^ 「ジョジョの奇妙な冒険」第3部販売開始のお知らせ
- ^ a b c SPURムック『JOJOmenon』より。
外部リンク
- ジョジョの奇妙な冒険(AC)(カプコン) - 公式サイト
- ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産(AC)(カプコン) - 公式サイト
- ジョジョの奇妙な冒険(PS・カプコレ)(カプコン) - 公式サイト
- ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産(DC)(カプコン) - 公式サイト