イギー・ポップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イギー・ポップ(Iggy Pop, 1947年4月21日 - )は、アメリカのパンク・ロック歌手。 アメリカミシガン州デトロイト(またはMuskegon)生まれ。本名ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニア(James Newell Osterberg, Jr.)
目次 |
[編集] 略歴
ドラマーから出発し、1967年にはストゥージズ(The Stooges、意:バカの集まり)を結成、ボーカリストとなる。1969年、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退したばかりのジョン・ケイルのプロデュースでデビューアルバム『ストゥージズ』を発表。荒削りなギター、衝動的なボーカルは当時のサイケデリック・サウンドへのアンチテーゼであり、MC5とともにパンク・ロックの先駆けとなった。ストゥージス時代のデビューアルバム、2nd『ファン・ハウス』(1970年)、ベーシストが脱退したためギタリストのロン・アシュトンがベーシストに転向し、新たなギタリスト、ジェームズ・ウィリアムソンを迎え、全曲ウィリアムソンが作曲し、デヴィッド・ボウイがプロデュースした3rd『ロー・パワー』(1973年)(旧邦題:淫力魔人)の3枚はパンクロックの名盤として多くのアーティストに影響を与え続けている。またイギーは、ステージ上で嘔吐したり、ナイフで己の体を切り刻んだり、裸でガラス破片の上を転げまわって血まみれになったり(そのまま救急車で搬送される)といった奇行を繰り返し、過激で暴力的なロックミュージシャンとして悪名を馳せる。しかし1974年にメンバーの薬物中毒などで、バンドの活動は中止に追い込まれた。
その後1977年、デヴィッド・ボウイのプロデュース・作曲でソロ活動を始動、見事に再起を果たす。特にボウイプロデュースの2枚目『ラスト・フォー・ライフ』のタイトルトラックは、1996年に映画「トレインスポッティング」のオープニングに(5分以上カットなしで)使用され、大きく再評価された。
オーストラリアのバンド、ジェットが2003年にリリースした「アー・ユー・ゴナ・ビー・マイ・ガール」がイギーの楽曲「ラスト・フォー・ライフ」と酷似しているとして、ローリング・ストーン誌の「クレイジーなほど似ている曲トップ20」で1位に選ばれている[1]。2008年にはジェットと共にジョニー・オキーフの「ワイルド・ワン」をコラボレーションした[2]。
その後も、元セックス・ピストルズのグレン・マトロックと元パティ・スミス・グループのアイヴァン・クラール(アルバム『ソルジャー』)、スティーヴ・ジョーンズ(『ブラー・ブラー・ブラー』『インスティンクト』『アメリカン・シーザー』)、元MC5(ツアーメンバー)、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュとダフ・マッケイガン(『ブリック・バイ・ブリック』)、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、ボニー・レイットを手がけたプロデューサーのドン・ワズ(『ブリック・バイ・ブリック』『アベニューB』)など充実したメンバーたちと活動するが、以前ほどの大きな評価は得られることはなかった。
2003年にベーシストに元ミニットメンのマイク・ワットを迎え29年ぶりにストゥージズを再結成し、再びパワフルなサウンド、ステージを展開する。特に2007年のフジロックグリーンステージでのライブは熱狂した観客百人以上をイギーがステージに上げてしまい、客にマイクを取られるなどパニック状態になり、ライブが中断するという異様な事態となった。
2009年1月、ザ・ストゥージズのギタリストのロン・アシュトンが心筋梗塞と思われる病因で死去。ミシガン州の自宅で死後数日経っているところを発見された。[3]
[編集] 影響
パンクのゴッドファーザーという異名を持ち、ライブにおける過激なパフォーマンスは、セックス・ピストルズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、マッドハニーなどにも深い影響を与えた。サウンド面でも、ストゥージス時代の曲はセックス・ピストルズ、ダムド、スレイヤー、デフ・レパード、ガンズ・アンド・ローゼズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、サウンドガーデン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ホワイト・ストライプスなどがカバーしている。特にホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトは2ndアルバム『ファン・ハウス』、セックス・ピストルズのジョニー・ロットン、ニルヴァーナのカート・コバーンは3rdアルバム『ロー・パワー』をベストアルバムに挙げている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] ザ・ストゥージズ
- イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ - The Stooges (1969年)
- ファンハウス - Fun House (1970年)
- The Weirdness (2007年3月)
[編集] イギー・アンド・ザ・ストゥージズ
[編集] イギー・ポップ・アンド・ジェームズ・ウィリアムソン
[編集] イギー・ポップ
- イディオット - The Idiot(1977年)
- ラスト・フォー・ライフ - Lust For Life(1977年)
- ニュー・ヴァリューズ - New Values (1979年)
- ソルジャー - Soldier(1980年)
- パーティ - Party(1981年)
- Zombie Birdhouse(1982年)
- ブラー・ブラー・ブラー - Blah Blah Blah(1986年)
- インスティンクト - Instinct(1988年)
- ブリック・バイ・ブリック - Brick by Brick(1990年)
- アメリカン・シーザー - American Caesar(1993年)
- ノーティー・リトル・ドギー - Naughty Little Doggie(1996年)
- アベニューB - Avenue B(1999年)
- ブチノメセ! - Beat `Em Up(2001年)
- スカル・リング - Skull Ring(2003年)
- プレリミネール - Preliminaires (2009年)
[編集] DVD
- キス・マイ・ブラッド(1991年)
- ア・パッション・フォー・リビング(1996年、ドキュメンタリー)
- ライヴ・アット・アヴェニュー・B(1999年)
- イギーポップ&ザ・ストゥージズ ライヴ・イン・デトロイト2003(2003年)
- イギーポップ&ザ・ストゥージス ライブ(エスケープドマニアックス)(2005年、二時間を越えるドキュメンタリーも収録)
[編集] 関連項目
[編集] 来日公演
(1998年以降)
- 7月31日 東京ベイサイドスクエア
- 2003年 フジ・ロック・フェスティバル'03
- 7月26日 苗場スキー場
- 2004年 Magic Rock Out
- 3月20日 幕張メッセ
- 2007年 フジ・ロック・フェスティバル'07
- 7月28日 苗場スキー場
[編集] 脚注
- ^ 「アヴリルだけじゃない!?ファーギーも!?クリソツ・ソング・ランキング発表 1位はJET/イギー・ポップ」 ABC振興会、2007年7月19日。
- ^ 「Jet and the Wild One」 Daily Telegraph、2008年6月28日。
- ^ 「ザ・ストゥージズのギタリスト、亡くなる」 バークス、2009年1月7日。
[編集] 外部リンク
- Iggy Pop homepage(英語)
- EMI Music Japan(日本語)

