いじわるばあさん

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いじわるばあさん』は、長谷川町子が、雑誌「サンデー毎日」に1966年1月2日号から1971年7月18日号まで連載した4コマ漫画作品。「いじわるばあさん」または「意地悪ばあさん」のタイトルで数回、テレビドラマ化やテレビアニメ化された。

目次

[編集] 解説

海外に『いじわるじいさん』という意地悪なおじいさんを主人公とした作品があり、これに触発されて誕生した[1]ことを、作者の長谷川は『サザエさんこぼれ話』などで語っている。

当時の長谷川は朝日新聞の『サザエさん』の連載と共に、サンデー毎日で『エプロンおばさん』を連載していたが、双方の作品に共通するヒューマニズムの作風に飽きを感じていた。そのような中で、サンデー毎日の新年号に8ページの漫画を依頼されて執筆したのが「いじわるばあさん」である。主人公を女性に変更したのは、『いじわるじいさん』を読んで「おバァさんのほうがグッと迫力あるのになァ」[1]と感想を持ったことに由来する。その反響を見て連載を依頼しに来たサンデー毎日の編集長と話し合った末、1年後の1966年に連載を開始した[2]

テレビドラマやテレビアニメ化された中でも、特に青島幸男主演のテレビドラマは人気が高かった。ただし、長谷川は漫画作品とは別と考えており、「あれは青島幸男による青島ばあさんです」と述べるなど、アニメの『サザエさん』同様テレビでの登場を快く思っていなかった節がある。

なお、アメリカでも、「Granny Mischief」というタイトルで翻訳・出版されて人気を博した。出版の際には、一部のコマが左右反転された。

また、2001年度の立命館中学校の入試問題で出題されたことがある。

[編集] 登場人物

伊知割石(イシ)
本作の主人公。数々の意地悪で人々を困らせるが、動物には優しい。たまに裏目に出て人助けに繋がったり、自分からいい事をしようとしたりもする。また、意地悪をしようとして自分がひどい目にあったり後悔する事もある。夫とはかなり前に死別。普段は長男である順一の家族と生活しているが、家族は石の意地悪に悩まされているため、次男シゲルと三男トシアキの家庭に回されることもある。
伊知割順一
石の長男。54歳のサラリーマン(部長職)。ミチコとの間に2男1女。死んだ父親の遺言で、仲人口を信用するなと言われたため、妻とは恋愛結婚している。しかし、ホステスと浮気をしている様で、石の反射テストなどで明かされている。
伊知割ミチコ
順一の妻。
順一の子供達
長男は大学生のマコト、長女は高校生のサナエ、次男は小学生のツトム。
伊知割シゲル
石の次男。開業医。病院の設立資金は妻の実家に出してもらっており、妻に頭が上がらない上に看護師たちにも軽くあしらわれている。
伊知割トシアキ
石の三男。売れっ子の漫画家。妻とまだ赤ん坊の子供がいる。
石の四男
名前不明。新婚であり、新妻とともに登場するが、登場は一回のみ。
石の妹
名前不明。学校の理事長。入試結果発表に不合格者の番号を貼り出し合格と勘違いした当人たちを一転絶望に陥れるなど意地悪ではあるが、石より心優しい。石の亡き夫が出征する際に「君を選べばよかった」と言われたことで、それ以来、生涯独身を貫いている、ということになっている。実際は、人に言えない恥ずかしい病気持ちで、それが原因で結婚相手が現れなかったと、姉から暴露されている。
石の夫
石曰く、大酒飲みで博打などをするので、自分は夫が目覚めるまで非常に苦労したと語っている。しかし、順一と妹の証言は食い違っており、「意地悪さゆえ貰い手が無い石の嫁入りさせるために、石の両親が仲人を説得して、石と結婚することになってしまい、意地悪に泣かされた」と明かしている。いずれにしても、真相は闇の中である。ただし、盆の日に、石が夫について、『浮気者の大酒飲みで家で暴れられた』と怒っているとき、順一がお盆だからと宥めている。その頃地獄では、石の夫だけが、この世へ帰らず閻魔大王と将棋をしているというエピソードがある。
実在の人物
『サザエさん』とは異なり、実在の人物が登場して石の意地悪の対象になることはほとんどなかったが、東京オリンピックの記録映画がその内容を巡って議論を呼んでいたときに、総監督の市川崑に石がわざと嫌みを言う作品が掲載された。ドラマ版の主人公青島幸男が登場した回については下記を参照。

[編集] 書誌情報

[編集] テレビドラマ

  • 1967年9月26日~1969年9月25日 よみうりテレビ制作・日本テレビ
    主演は最初、青島幸男だったが、参議院議員選挙に立候補したため、8代目古今亭志ん馬落語家)に、さらに後に高松しげお(元漫才師晴乃チック・タック)に交代した。漫画で、このロケを石が見に行って、あまりの意地悪振りに「自分の方が余程いい」と腹を立てるエピソードがある。
    主人公の名前は波多野タツ。
    讀賣テレビ放送版の主題歌は青島が作詞し、歌も歌っていた。現代では差別用語と解釈される言葉が歌詞に含まれており、一部のカラオケに入っているものは該当部位が伏字になっている。
  • 1971年10月12日~1971年12月28日 フジテレビ
    主演:藤村有弘
  • 1981年10月12日~1982年12月27日 テレパック製作・フジテレビ系
    主演:青島幸男。
    主人公の名前は波多野タツ、息子夫婦は平四郎(河原崎長一郎)・良子(坪内ミキ子)。原作と設定が若干異なり、受験生の居候・万年浪夫(まんねん・なみお)、警官・早野金造(はやの・きんぞう)が登場する。万年を三波豊和が好演。また早野を演じたイッセー尾形もこれで知名度が上がった。スラップスティックの唄うテーマ曲(「意地悪ばあさんのテーマ」作詞・作曲:森雪之丞/編曲:飛澤宏元 /発売元:キャニオンレコード・7A0127)も人気を博した。
  • 1983年10月10日 帰って来た意地悪ばあさん
    月曜ドラマランドで放映。以後1987年10月の同枠終了まで毎年4・10月に放送。翌1988年も同時期に単発スペシャルとして放送。
    1981年版の設定を引き継ぎつつも原作に登場したシゲル(佐藤英夫)・トシアキ(大和田獏)も登場しているが、シゲルが長男、平四郎が次男となっている。
  • 1984年 フジテレビ開局25周年記念 長谷川町子スペシャル サザエさんVS意地悪ばあさんVSいじわる看護婦
  • 1984年4月16日 意地悪ばあさんの逆襲
  • 1984年10月22日 意地悪ばあさん GO!GO!!ハワイの巻
  • 1985年4月8日 意地悪ばあさん まだまだ…マダマダ…の巻
  • 1985年10月7日 意地悪ばあさん 北海道へ追放?の巻
    ミチコ(シゲル夫人)の朝丘雪路はこれを最後に登場しなくなる。当時新人だった軽部真一アナウンサーがワンカットながら物語の重要な場面で登場する。
  • 1986年4月7日 意地悪ばあさん もう沖縄は夏の色の巻
  • 1986年10月6日 意地悪ばあさん 馬はいななく北海道
  • 1987年4月6日 意地悪ばあさん 幻の金印の巻
  • 1987年10月4日 意地悪ばあさんスペシャル
    翌週で月曜ドラマランドは終了。その回は名場面集だったため、月曜ドラマランドの実質的な最終回である。
  • 1989年1月5日 傑作 意地悪ばあさん・抱腹絶倒!意地悪ギャグ決定版
  • 1989年4月5日 意地悪ばあさんスペシャル・GO!!豪!!ゴールドコースト移住!?の巻(19:30-20:54)
    1983年より続いたスペシャルの最終作である。
  • 1999年10月12日 意地悪ばあさんリターンズ 伝説のばあさんVS湾岸署スリーアミーゴス意地悪バトル
    「青島幸男が東京都知事に再選できなかったらドラマいじわるばあさんの新作が作られる」という下馬評どおりの結果。湾岸署一日署長になってスリーアミーゴスを困らせたり、商店街で多発する空き巣を撃退したりする内容だった。
    続編の制作も検討されていたが、10%台がやっとと言うほどの低視聴率だったばかりか、主演の青島が2006年12月20日に逝去したため、青島主演作としての「意地悪ばあさん」は本作が最後となった。ちなみに本作以後、実写ドラマ・テレビアニメを含む映像化は2008年4月現在一切されていない。

[編集] テレビアニメ

  • いじわるばあさん(1970年10月3日~1971年8月18日 讀賣テレビ放送制作·日本テレビ放送網系)
    主人公の名は原野タツ。声の出演:高松しげお
    最終回の翌週はプロ野球中継だったが、当時の新聞のテレビ欄では雨傘番組として「いじわるばあさん」と記載されている。未放映の回が存在したのか、放送済の回の再放送の予定だったのかは不明。
  • いじわるばあさん(1996年4月19日~1997年6月13日 フジテレビ系。制作:エイケン
    出演:野沢那智麦人山寺宏一矢島晶子山口勝平大塚明夫
    1996年8月から関東のみのローカル枠に移行し、ほとんどの地域ではわずか3ヶ月で打ち切りになった。放送時間がドラえもんと重なっていたため、視聴率が伸び悩んだことが原因である。
    この時のオープニングテーマはスラップスティックが歌うドラマシリーズ(1981年)版の主題歌を、王様によってカヴァーされたもの(但し、歌詞の一部で出てくる「ローラースケート」が時代に合わせて「ローラーブレード」に変更されている)で、エンディングテーマは王様のオリジナル曲「裸の王様グルグル」だった。

[編集] 脚注

  1. ^ a b 長谷川町子『サザエさんこぼれ話』 朝日新聞社、2001年、ISBN 4022613408 90頁。
  2. ^ 長谷川町子『サザエさんこぼれ話』 朝日新聞社、2001年、ISBN 4022613408 91頁。

[編集] 前後番組の変遷

[編集] テレビドラマ

ytv制作·日テレ 火曜22:00 - 22:30枠
前番組 番組名 次番組
意地悪ばあさん
(ドラマ第1作)
(1967.9.26 - 1968.3.26)
ytv制作·日テレ 木曜19:00 - 19:30枠
木馬座と遊ぼう
※土曜18:00枠へ移動
意地悪ばあさん
(ドラマ第1作)
(1968.4.4 - 1969.9.25)
フジテレビ 火曜21:00 - 21:30枠
意地悪ばあさん
(ドラマ第2作)
フジテレビ 月曜19:30 - 20:00枠
意地悪ばあさん
(ドラマ第3作)

[編集] テレビアニメ

ytv制作·日テレ 土曜19:30 - 20:00枠
前番組 番組名 次番組
いじわるばあさん
(アニメ第1作)
(1970.10.3 - 1971.3.27)
ytv制作·日テレ 水曜19:30 - 20:00枠
スターへばく進!!
※19:00 - 20:00
いじわるばあさん
(アニメ第1作)
(1971.4.7 - 1971.8.18)
フジテレビ 金曜19:00 - 19:29枠 ※1
恐怖の体重計
(1996.2.23で終了。それ以後は
金曜超テレビ宣言!(19:30 - 20:54)を
19:00 - に拡大して放送)
いじわるばあさん
(アニメ第2作)
(1996.4.19 - 1996.7.19)
フジテレビ 金曜17:30 - 18:00 → 17:25 - 17:55枠
ドラゴンボールZ(再放送)
※月曜~金曜 → 月曜~木曜
いじわるばあさん
(アニメ第2作)
(1996.8.2 - 1997.6.13)
ゲゲゲの鬼太郎(1985年版)(再放送)
※月曜~金曜