振り込め詐欺

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振り込め詐欺ふりこめさぎ)は、電話はがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みをや送金を要求する犯罪行為である、詐欺事件の総称として警察庁が使用を決めた名称。

従来、「オレオレ詐欺」(別名「なりすまし詐欺」)や「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」などと呼ばれていたが、手口の多様化で名称と実態が合わなくなったため、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。2008年現在、上記のオレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺に還付金等詐欺が加わり、詐欺及び恐喝行為の総称となっている[1][2]

当初から長年「振り込み詐欺」(ふりこみさぎ)と言われたが、振り込みでは納得して自ら振り込みをする意味合いとなるため、あくまで振り込めと人から言われている、騙されていないかとなど、どの時点でも注意や再考を喚起するようにと「振り込め詐欺」へと統一を図った経緯がある。

目次

[編集] 概要

[編集] 発祥

この種の詐欺が広く知られる様になったのは、「若い人の声で高齢者に電話をかけ、子や孫を装ったうえで困窮した状況を訴え、金が必要としてだまし取る」[3]という犯罪を紹介して注意を喚起する報道がなされた事からである。当初の手口は、手当たり次第に電話をかけたり、電話帳に掲載されている氏名から一人暮らしの高齢者と推定される人を選んで電話をかけ、電話口に出たのが高齢者と見るや単に「オレオレ」と「名乗り」遠隔地に住む子や孫であると錯覚させる。そのうえで、悲哀に満ちた声や緊迫に満ちた声で困窮に陥って居る事、例えば、悪徳金融業者から大金を借り直ぐに返さないと酷い目に遭わされる、交通事故を起こして直ぐに示談金を払わないと収監される、などの状況を装い、所定の口座へ大金を振り込む様に仕向ける。第一声が「オレオレ」である事から、俗に「オレオレ詐欺」と呼ばれた。新聞やテレビなどの報道機関が手口を詳細に報道したため、逮捕された犯人が「新聞を読んで、これなら自分もできると思った」と自供するなど、報道がかえって模倣犯を激増させた。

[編集] 展開

当初は詐欺を行う犯人が専ら1人で子や孫を演じていたが、「債務者」であると装って困窮を訴えるのに加えて「債権者」役の人も電話口に出て「至急返済がなされなければ酷い目に遭わせる」と脅迫する手口も使われる。一方で、演じる対象を通勤に出た夫をはじめとする家族や親類に拡げて「交通事故」「痴漢」「横領」「傷害事件」「借金返済」などの加害者や債務者に仕立てる手口も使われる。危害を受けた被害者やその関係者、駅員、警察官、弁護士等の役割分担を行って多人数で演技を行い、更には背景にサイレン等の効果音を流すなどの演出も行われた(劇団型犯罪)。偽造運転免許証などで不正に取得されたプリペイド式携帯電話を駆使して、異なる人物が異なる電話からかけてきたり、被害者を装う人間に電話をかけさせるなどして全体として困窮に陥ったシチュエーションを演出する手法もとられた。その一方で、本物の親類へ確認をとる連絡を妨害するために、詐欺をしかける相手の家族の電話番号まで調べ上げて、予めその親類へ電話して話を長引かせて「話し中」としたり、いたずら電話を何回もかけて携帯電話の電源を切らせるなどの手法もとられた。「オレオレ」ではなく、個人名を名乗るケースも増えた。また、個人情報を入手して、相手の職業等に応じたシチュエーションを演出する事も行われる様になった。例えば、教員が教え子に淫らな行為や暴力行為をはたらいて示談金や治療費が必要として家族に振り込ませる、医師が医療ミスを起こして示談金や慰謝料が必要として家族に振り込ませる、等。

初期には単独犯や数人での犯行であったものが、徐々に大規模な組織を構成するようになり、組織内でマニュアルを作成したり訓練を行っているとの事例も伝えられる。また、暴力団との繋がりを指摘したり、詐取した金が暴力団の資金源になっている、とする報道もある。

単に「オレオレ」と名乗って詐取する手法から派生して千差万別の手口が用いられる様になったことから、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。複合語の構成要素に活用語命令形を持ってくることに違和感を覚える者もいるが、同種の語は「置いてけ堀」や「詰めろ問題」、「走れ走れ運動」など以前からある。

官公庁や個人の電話番号を偽装する手口や、不正に改造した自動車電話によって振込詐欺グループ側が個人宅や官公庁への確認の電話を受話する手口もある(詐欺グループは官公庁や個人の隣で自動車電話に入力式電話転送装置などを接続して待機する)。この手口のため、被害にあった個人や官公庁職員がトラブルになったケースがある。

[編集] 対策

振り込め詐欺を撲滅するための対策としては、詐欺の例を周知すると共に、詐欺師への販売目的で作った他人名義の口座(架空口座)の作成や取引を禁じる立法、新規口座作成の場合に入金元を開示させる規定、プリペイド式携帯電話販売時の身元確認を厳しくしたり譲渡を禁ずる立法等がなされた。また、振り込んでから詐欺と気付いて口座の利用停止を求めた場合、金融機関が口座停止を拒み、振り込んだお金が下ろされていくのを指をくわえて見守るしかなかったが、次第に口座停止や強制解約に応じるようになり、振り込め詐欺救済法に伴い、残った預金から返還を受けられる例も増えている。

  • 警視庁は2004年度、副総監を本部長とする対策本部を設置。その後、道府県警本部もこれに倣い対策本部を設置し専門の捜査班、技術班を編成し公式ウェブサイト上でも広く市民へ対策を呼びかけている。
  • 2007年12月14日、振り込め詐欺等の犯人の口座を凍結して、被害金を被害者に返還する法律として、「振り込め詐欺救済法」が成立し、2008年6月21日施行された。[4]
  • 預金保険機構は、振り込め詐欺で利用された(または可能性のある)口座の一覧を公開し、振り込み前に口座を確認できるようになった。
  • 振り込め詐欺には、さまざまな方法で取得された架空名義の口座や第三者の実名口座が用いられることが多い。このような事態に対し、金融庁銀行に対し管理の強化を指導し、疑わしい口座の強制解約や利用停止を進めている。
  • 振り込め詐欺(おれおれ詐欺)に使われる口座の大半がインターネットなどで購入されたものであることから、口座の売買自体を禁じることの必要性が訴えられた。これを受けて本人確認法金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律)が改正され、罰則が設けられた。
  • 振り込め詐欺(おれおれ詐欺)に使われるプリペイド式携帯電話の大半がインターネットなどで本人確認をせずに(または偽名で)販売されたものであることから、2006年4月携帯電話不正利用防止法が施行され、携帯電話PHSについて契約者の本人確認の義務付けや、不正な譲渡の禁止等がなされた。しかし2008年の1月~6月の間に不正利用された携帯電話は2300台と、一向に減る気配がない。警察は各社に本人確認の徹底を要請している。特にソフトバンクモバイルの利用が7割となっており、同社の契約台数を増やすためのあまい確認方法に対し批判がでている。[5]
  • 2009年1月には、警視庁は振り込め詐欺対策として、捜査第一課特殊犯捜査係を及び機動捜査隊を捜査に投入する方針を打ち出した。

[編集] 現状

手法が周知され、電話口での対応法や対策も広く知られる様になった。その一方で、この様な詐欺があると承知していても、いざ、電話で緊迫した声、悲哀に満ちた声を聞かされると、冷静さを保つのは困難で、どうしても犯人のペースに乗せられやすいという実験も紹介されている。また、被害者に対する調査では、大半がこの様な詐欺の存在を承知しており、調査の一例において28%の人は行員等に振り込め詐欺の可能性を指摘されているにも関わらず大金の送付を実行してしまったという。各種の対策はなされているが未だに類似の詐欺の根絶には至っていない。

また、ある手口が紹介されて警戒が求められると、更に手の込んだ手口を弄して詐取にかかるなど、いたちごっこの様相もある。被害が続出する一方で、犯人はプリペイド式携帯電話や裏で売買されている別人の口座(架空口座)を駆使して身元を隠すため、逮捕するのは困難である。

その他に金策の手段として消費者金融信販会社でお金を借りるように指示され、借り受けた現金を即座に指定の銀行口座に振り込ませたり指定の住所に送付する様に指示されるケース、家に直接訪問してきた警察官や弁護士を騙る犯人に現金を渡してしまうケース、現金での振り込みが10万円までと制限されたため、10万円を数回に分けて振り込みを指示するケースやキャッシュカードを使って被害者の銀行口座から多額の現金の振り込みを指示するケースもある。

また、銀行のATMコーナーで銀行の職員や警官が振り込め詐欺(おれおれ詐欺)の警戒にあたる様になると、コンビニATMから送金する様に指示するケースもでてきた。

検挙率は極めて低く、2004年度の検挙率はわずか5.2%にとどまっている。その後、対策本部の設置などにより幾分検挙率は上がったが、それでも2006年度の検挙率は16.0%にとどまっている[6]

[編集] 変形

最近では、銀行口座の利用を避けて、現金私設私書箱に送付させたり、宅配便バイク便、「エクスパック500」、「ポスパケット」、普通郵便で指定の住所に送付する様に要求するケースがある。

通常、現金そのものを送付する手段は現金書留であるが、受取に身分証が必要なために現金書留以外の手段が使われている[7]。規定上、宅配便やエクスパック、メール便、普通郵便で現金や有価証券類を送付することはできないので、これらの手段での送金を指示された場合は、詐欺と考えて差し支えない[8]

加えて、家に直接警察官や弁護士が訪れるので多額の現金を渡す様に指示され、言われるままに訪問してきた犯人に現金を渡して被害に遭うケースもある。これと同様に代金引換郵便を悪用し多額の現金を騙し取られるケースもある。これらは「振り込まない」詐欺と言える。

2009年初めには、家族が不祥事を起こして至急に弁済をしなければならないとして在宅の家族を呼び出し、その留守宅に忍び込んで金品を窃盗するケースも報道されている。

「振り込まない」詐欺の対抗策については、前述のように宅配便などでの送付の警戒や、2008年後半あたりから、警察と被害者が協力して「だまされたふり」をし、指定された現金の受け取り場所や宛先に警察官を張り込ませ、現れた犯人をその場で逮捕するなどの成果を上げている。

[編集] 詐欺の具体的手口

  • 高齢者などを狙い、「俺だよ、オレオレ」「わたし、わたし」「お母さん……」「久しぶりだけど、覚えてるかな?」などと孫や子、兄弟、親、知り合いなどの縁者を装った電話をかけ、「交通事故を起こして示談金が要る」、「中絶費用が必要になった」、「知り合いの借金の連帯保証人なったが、知り合いが失踪してしまい私のところに督促状が来ているので返済する金を送金して欲しい」等、虚偽の急用を訴えて口座に送金させ、金銭をだまし取る。こうしたものをオレオレ詐欺という。泣き詫びる子供を装う「ごめんなさい詐欺」や「ボクボク詐欺」も派生した。
  • 交通事故を装うケースでは、事故を起こしたとされる人物の勤務先に電話を掛け、だまされる人物が確認のために本人に電話を掛けても話中になるように仕組まれていたケースがあった。例えばだまされる人物の長男が事故にあったとする場合は、長男の携帯電話に悪戯電話を繰り返して電源を切らせるなどの方法がとられた。また、録音された緊急車両サイレンを電話から流しているケースもあった。
  • 警察官を装い、被害者の身内が事故に遭ったとして、事故の示談金名目で金を騙し取るケースが増えてきた。全体の4分の1を占め、増加傾向にある。
  • 勤め先の会社の幹部や顧問弁護士などを装い、身内が会社のお金を横領して警察に逮捕されたとして、横領の弁済金名目や保釈金を騙し取るケース、身内が会社でトラブルを起こして会社に損害を与えたからとして、賠償金名目などで金を騙し取るケースが急増。
  • 税務署職員を装い、税金を還付するので手数料を振り込ませるケースがある。
  • 誘拐を装った詐欺事件も最近増えて来ている。
  • 融資を引き受ける条件として、保証金の振込みをさせる(「融資保証金詐欺」)。この場合、メガバンクなどの超有名企業と酷似した名称の社名を名乗ったり、大手消費者金融会社の広告物を無断使用し、電話番号だけを書き換えたダイレクトメールを送りつけて融資の勧誘をするケースが多い。東京都2005年11月1日に「貸します詐欺」と命名した。
  • 「お宅の息子や夫が電車内で(場所はいろいろ作られる)暴力/傷害行為を働いて逮捕された」と装い示談金や入院費、休業補償名目などで現金を騙し取るケースもある。
  • 賃貸住宅や集合住宅に住んでいる人に、家賃や管理費の振込先が変更になったという偽の連絡を入れ、家賃や管理費を振り込ませる。
  • 駅員や警察官などを装い、息子や夫が痴漢行為で逮捕したと装い示談金をだましとるケースもある。
  • 国民健康保険庁」なる機関名をでっち上げ、郵便で「指定の電話番号に連絡しない場合は、国民健康保険証が無効になる」と電話をかけさせ、国民健康保険料の支払いを要求するケースも発生。
  • お宅の夫や息子が駅員に暴力行為をはたらいて大怪我させたなどと偽って、示談金や入院費・休業補償などを求めるケースもある。
  • 主に高齢者が被害者となるケースが多いが、最初の頃は、逆に両親や祖父母と離れて一人暮らししていたり、独立した家庭を営む若い世代が、「両親(祖父母)が危篤状態だから大至急送金を頼む」とか、年配者を利用して携帯電話に「おじいちゃんだけど…」とだまそうとしてまんまと引っ掛かったケースもあるという。
  • 事前に騙す相手に電話をかけ、携帯を変えた、連絡先が変ったと伝える「アポ電」の手口が伝えられる。これにより、多少声が変っていても、携帯の端末を変えたせいだと説明できる。また、番号通知でも予め伝えた本人の番号が表示されるために疑いを持たれる可能性が低くなる。
  • 示談金を騙し取った後、マスコミへの口止め料を騙し取ったケースがある。
  • カジノで負けて多額の借金を作ったと装い、借金を返済する金が必要だと偽って現金を騙し取るケース、で失敗して多額の借金を作ったと装い、借金を返済する金が必要だと偽って現金を騙し取るケースもある。
  • 女性とささいな事でトラブルを起こしたと偽って多額の示談金や賠償金を騙し取るケースもある。
  • 暴力団関係者を名乗る人物が、「お宅の親族が、で高級腕時計ノートパソコンなどを壊した」と偽って修理代や慰謝料など請求し、支払わないと「組の者が、自宅や勤務先に請求しに行くぞ」と脅すケースもある。
  • 勤め先の会社、役所、公的機関のパソコンを壊したと装い、修理代や壊したパソコンの弁償を要求する。
  • 夫、息子などを装い、未成年者と淫行をして、妊娠させてしまった。このままだと逮捕されるから何とか示談で済ませたい。などと言って架空の示談金をだまし取る。
  • 2008年10月に、神戸市在住の中国出身の留学生の実家に、インターネットカフェの関係者を装い、「お宅の息子がパソコンを壊したので、監禁している。解放してほしければ修理代を支払え」との電話が入り、兵庫県警が捜索する事件が発生。この学生の他にも、別の中国人留学生の実家にも、類似の手口で現金を要求する電話が入っていたといい、『日本語教育振興協会』が日本語学校などに注意を呼びかける事態となっている。また、これらの事件は、中国国内の新聞などでも報道されているという[9]
  • 宮城県および兵庫県宮崎県千葉県において市職員を名乗り定額給付金の給付手続きを行うように促す電話があったことが判明し、総務省はこれに対しての注意を呼びかけている[10][11][12][13][14][15]
  • 警察官や弁護士などを装い、お宅の息子さんが恐喝事件で逮捕されたと装い、示談金や脅し取った金の弁償金、保釈金を要求し、入金の確認が出来ない場合は拘置所に収監されると偽って金を騙しとるケースもある。

[編集] 個人情報などを使った詐欺

詐欺を仕掛ける相手の個人情報、住所や職業等を把握し、それに応じた状況設定を演出して陥れるものもある。

  • 新潟県中越地震では、自衛隊や消防を名乗り、「親族ががけ崩れに巻き込まれたので民間ヘリコプターのチャーター代を振り込め」「被災者をとりまとめて振り込みの依頼をしている」と電話で連絡する手口が登場した。
  • 高校野球全国大会に出場することになった高校の卒業生に対して、電話で同窓会関係者を名乗って寄付をして欲しいという。
  • 親族に医師薬剤師といった医療従事者がいる家庭に対し、親族の医師や薬剤師を装って「医療(投薬)ミスにより患者を死亡させた」と連絡し、遺族に対する示談金が必要と振り込ませる手口も登場した。
  • 防衛施設庁の担当者を名乗る男から電話で「陸自隊員の息子が戦車を運転中、誤って駐屯地の門柱を破損したため、その修復費用を振り込め」と要求するケースも発生。
  • 小泉改革で過去の不正が発覚したと装い、公務員の家族に弁済を求めるケースもある。

(愛媛県で発生 県職員を装い職安に偽求人 偽電話番号から問い合わせをし自動車電話に県の雇用労政課電話番号に設定した転送装置を取り付け県に確認電話  をした職安職員を逆に納得させ職安から応募した求職者十数名を官名で働かせ金融機関から県の名前や厚生労働省の名前の偽要請文書で金銭を騙し取らせていた )

  • 教師PTAの関係者が児童や生徒にわいせつ行為や暴力行為などをはたらいたと装い示談金や治療費をだましとるケースもある。
  • 健康診断の結果、感染症の疑いがあり、家族も検査が必要などと偽って、検査費用をだましとろうとするケースもある。
  • アメリカ弁護士を名乗る人物より電話があり、「アメリカに旅行したお嬢さんが現地で交通事故を起こして幼児を死亡させた、直ぐに対応しないと収監されて厳罰に処せられる、相当期間日本に帰れない」と説明して対応のための多額の手数料を要求する。
  • 運送会社に電話して「お宅のトラックが道端に落ちていた牛乳パックを踏んで中身が飛び散りうちの客の服を汚した。客の電話番号を教えるので連絡して対応しろ」と連絡し、改めて連絡した先の「被害者」がクリーニング代や慰謝料を要求する。
  • 資産家や上場企業役員(上場企業社長等)を名乗る人物より会社法人に電話があり、別の大口商取引をちらつかせながら近づき、馬主を騙り、巨額の競馬馬券を購入させ、当たった場合、予想代金を請求する。外れた場合は、行方をくらます。(詐欺師は大口の取引など最初からするつもりはない。なりすまし詐欺コーチ屋との複合詐欺。)
  • 新聞の死亡記事を見て、実在の葬儀会社の名を騙って遺族に葬儀代金を要求する。
  • 通信教育受講者に代金が未払いと騙し、未払い金を要求する。
  • 電話で税務署署員を名乗り、税金の還付をATMで受けられると偽り詐取する。ATMの前に誘導して、操作に不案内なのにつけこんで、税務署の口座から被害者の口座に移す操作だと偽って、被害者の口座から架空口座に振り込みを行わせる。
  • お宅の子どもさんが金銭トラブルを起こしたと偽って家族や保護者が示談金や慰謝料を要求する。
  • 社会保険庁職員を名乗り、消えた年金を回復させる手数料を要求する。
  • 企業の人事部の社員を名乗り、「当社勤務のお宅のお子さんが、当社の金を横領をした。」などと騙し、金を要求する。
  • お宅の子どもさんが校内暴力を起こして他の児童や生徒に暴力を振るって大怪我をさせたと偽って示談金や入院費などを要求する。
  • デリヘル店からの個人情報漏れにより、利用したコンパニオンが暴力団の娘だったなどの脅迫による示談金を要求する。
  • コピーDVDを知らずに購入した者の弱みに付け込み、警察だと名乗るものからコピーDVDを購入したことの反省金、購入履歴情報の履歴削除金を要求する。
  • クレジットカードの引き落としが確認できないので指定の口座に振り込むように要求する。
  • バイト先の金を横領したと装い横領の弁済金を指定の口座に振り込むように要求する。

[編集] 身元隠蔽の手口

詐欺の実行犯は、他人名義の携帯電話架空口座私設私書箱などを用いて身元の隠蔽工作を行っている場合が殆どである。

[編集] 詐欺の一般的な特徴

  • 電話が掛かってくる時間帯で多いのは、金融機関営業日の11時〜14時が多く、15時までの振込み時間の締め切りに「今すぐ振り込まないと間に合わない」「用意してもらえないとヤミ金や消費者金融に行くしかない」と慌てさせたり、不安を煽ったりする。
  • ゆうちょ銀行では、振替が16時まで対応していることと、比較的職員が訓練されていないことから、ゆうちょ銀行(郵便局の貯金窓口)を指定する場合もある。
  • 大声・早口でまくし立てるなどして、落ち着いて冷静に考えさせないように仕向ける。
  • いかにも緊急性を要するようなことが騙られることが多い。よく言われるのは「暴力団(あるいは類似の暴力組織)に乱暴される」「警察に逮捕される」「妊娠しており、事故で破水したので緊急に手術が必要」「今すぐ対応しないと会社もクビになる」など。
  • 駅員、弁護士、警察官、会社の幹部など第三者の視点から状況が時間との勝負であるとの説明を補強する。「今すぐ誠意を見せてくれれば被害者が示談に応じても良い、事件にはしないと言っている」「今すぐ対処しないと事件が公になる。テレビのニュースにもなるし新聞にも載る。旦那さんは懲戒解雇でしょうね」「誠意を見せるために至急の対応を」「迅速な対応は誠意の証として有効です。仮に裁判になっても良い心証を得られ有利ですよ」など。また、確認をする素振りを見せれば、その様な時間的余裕は無いとたたみかける。
  • 詐欺の手口が有名になると、金融機関テラーが高齢者の口座解約や多額の引き出しについて理由を尋ねて詐欺だと発覚するなど、未遂で終わる場合がでてきた。これに対抗し、金融機関に口止めする事件も発生している。
  • 100万円以上の高額の振り込みに金融機関の警戒が強化されたため、98万円を要求する事件が増えている。
  • 「ばれるとオレ、ただじゃすまないから誰にも言わないでくれ」などと親心を利用する。
  • 近年では振り込め詐欺に悪用されている携帯電話がプリペイド式携帯ではなく携帯端末の割賦方式を悪用し、偽造運転免許証などで不正に取得された携帯電話が悪用されていると報じられている。

[編集] 被害者

  • 被害者(連絡を受け、直接入金手続きを行った者)は2003年女性が約7割、60歳以上が全体の約8割。被害世帯の半数以上は、家族構成が65歳以上だけの『高齢者世帯』。
  • 2004年以降は、主婦の被害が急激に増えている。
    共通する特徴として、あまり働いておらず自分自身で生活を支えるほどの賃金を得ていない者が大多数を占めていることが挙げられる。
  • 地域では関東(特に東京都)が最も多く、逆に京阪神(特に大阪府)では非常に少ない(平成16年には静岡県で大阪の主婦がオレオレ詐欺を啓発する公共CMが制作されたエピソードもある)[16]。これについての分析はいろいろと行なわれているが、警視庁の対策ページでは「大阪のおばちゃんは金銭感覚が鋭敏であるため、お金に絡む話ではハッキリ物を言う・日ごろから相手に“ツッコミ”を入れることに慣れている」といった気質に基づく要因が指摘されている[17]。税金などの払い戻しを装う還付金詐欺といった手口では以前は大阪が弱いとされていたが、被害件数は2008年日本全国で4539件・約47億円[18]、大阪府は161件で東京都が1083件で約6.73倍と、還付金詐欺でも大阪が必ずしも弱いとは言えない[19][20]

[編集] 被害額など

  • 以前より存在したが2003年になって急増し、社会問題化した。警察庁によると、2003年1月から10月の間に全国で3807件発生し、被害総額は22億6000万円。
  • 警察庁のまとめでは、2003年の被害総額は約43億1800万円。2003年末に被害額が急増。
  • 警視庁捜査第二課によると、都内で2004年1月から8月までに発生したオレオレ詐欺は未遂のものも含め808件、被害総額は約15億4300万円で、昨年一年間の約15億円を上回っている。
  • 2004年12月13日発表の被害額は1-10月で約222億円。
  • 2006年4月4日に警視庁が100人規模で組織化された振り込め詐欺グループを逮捕した。そのグループによる被害額は約100億円。そのグループと暴力団の関係が根強くあると警視庁が発表した。
  • 2006年9月7日に警視庁に逮捕された容疑者は、仕事で入手した通信教育の顧客名簿を悪用し、実在しない未払い代金を要求した。1人で1億5500万円も騙し取られた被害者がいる。
  • 2005年には振り込め詐欺グループが金を巡り仲間割れしメンバーの4人を殺害するという、殺人事件にまで発展した例が2例ある。
  • 2008年1月〜3月の3か月で振り込め詐欺の被害額は、5,618件で約78億円。還付金を装う手口1,614件(昨年同期の4.6倍)、被害総額約17億円(昨年同期の5倍)でなりすます機関は社会保険事務所・自治体・税務署など。(警察庁まとめ)

[編集] 予防策、対応策

各方面から、次のような予防策、対応策などが広く発表されている。

  • 多額で至急の振込み要請・送金要請は、相手が誰であったとしても振り込め詐欺(おれおれ詐欺)を疑うこと。
  • 「電話番号が変わった」「メールアドレスが変わった」との連絡が入った場合は、振り込め詐欺の手口を疑うこと。[21]「旧番号」や勤務先に連絡して本人確認したり、本人に直接会って確認したり、周りの人に相談するなど、別の経路で本人確認を十分に行うこと。身内の者は、番号ポータビリティーを用いて番号を変えない、変えざるを得ない場合は旧携帯から「事前に」連絡しておく等の対策ができる。
    • 相手が言う電話番号は信用せず、自分で調べるか第三者の周りの人に相談すること。詐欺師の電話の恐れがあるため。
  • 可能な限り、電話会社が提供するサービスである「番号通知サービス(ナンバーディスプレイなど)」を利用する。「番号非通知」の電話や特定の電話番号の着信を拒否する機能を使えば、ある程度水際で被害を防ぐことが出来る。
  • 詐欺の電話は非通知でかかってくることがあるので、非通知の電話を拒否するようにする。ナンバーリクエストが利用可能。
  • 詐欺の電話は発信番号の偽装でかかってくることがあるので、不審な内容の電話は折り返しかけ直して、相手が同一か、偽装発信であったかを確認することができる。
  • 電話を受けたら、相手に名前を名乗らせ、自分から自分や相手の名前を先に言わないようにすることで、犯人に名前を知られることをある程度を回避できる。[22]しかし、家族の名前が事前に調べられていたり、相手が警察官弁護士駅員・上場企業社長・企業の人事部、スクールカウンセラーを名乗るといったオレオレ詐欺の派生型もあり(犯行グループで何人もの役が演じられるため、「劇団型犯罪」と呼ばれる)、その手口は巧妙化している。
    • 例えば実家で飼っている犬などのペットの名前を尋ねるなど、部外者にはわからない項目を質問すると効果的という。参考NHKのキャンペーンただし、最近ではこのような質問をすると、相手が「振り込め詐欺だと疑っているのか?」と逆に威圧的に問い詰めるケースが多いため、このような問い詰めにも落ち着いて対処することが大切。
  • 警察官や駅員が示談を促すことは無いと考えること。
  • 役所がATMを操作させお金を返すことは無いと考えること。
  • お金を借りるためにお金(保証金)が必要になるような融資は無いと考えること。
  • 交通事故やトラブルの示談、緊急を要する治療や救助のような場合でも、至急の振込みを要請することはあり得ないことを理解しておくこと。弁護士やスクールカウンセラーなどが同席しようが、あり得ない。例えば、“社の公金を横領したので穏便に済ませる代わりに弁償させる”場合は、相手が脅迫罪に問われる行為である。
  • 心当たりの無いところから代金引換郵便が届いた場合は、配達員に受け取り拒否か保留を申し出ること。
  • 鉄道会社の駅員を名乗る人からトラブルの示談の電話があった場合は、鉄道会社が設置しているお客さまセンターや鉄道会社の本社に、タウンページや番号案内等で自分で調べて問い合わせること。警察官等を自称した場合も同様に、その所属官署へ、自分で問い合わせること。相手に連絡先を問うてはならない(相手の言う電話番号も、詐欺である可能性がある。)
  • 氏名の読みさえ分かれば、実在する弁護士かどうか日本弁護士連合会のサイトから検索することができる。
  • 公務員の場合、本人の公務執行中の過失であれば、当人まして親族個人に口頭で賠償請求がされるようなことはない。
  • 暴力団関係者を名乗る人から慰謝料を要求する電話があった場合は、すぐ警察や暴力団対策センターに通報すること。恐喝罪が成立している。
  • 振込先に指定する口座の情報を聞き出し、金融機関に口座の停止を要請する。
    • 詐欺師が以下の口座へ振り込むよう指示されたものとする。
    • 金融機関名:○○銀行××支店
    • 口座番号 :普通1234567
    • 名義人 :○田△郎

金融機関名・支店名が実在しないか、名義人は偽名であれば口座停止できる。金融機関支店に電話で「○○銀行××支店の普通1234567、名義人○田△郎の口座が振り込め詐欺(おれおれ詐欺)に使われているので、口座を停止してほしい」と要請する。しかし、金融機関側は個人情報守秘義務があるので、警察の捜査要請がない限り口座を停止することはできない」と拒否することが考えられるが、情報の提供にはなるので、積極的に情報を提供した方がよい。

  • 振込先の口座が振り込め詐欺で使われていないかを検索で調べ、ない場合は口座の情報を掲示板などで開示すること(いくら情報を開示したからといって、それで振り込まれる側の個人情報が漏洩することはなく、また口座を停止することにならないので、積極的に開示した方がよい)。
  • 家に警察官や弁護士を名乗る人が訪問してきた場合は、警察官の場合は警察手帳の提示を、弁護士の場合は登録証の提示を求めること。相手が提示を拒んだ場合はすぐ警察に通報すること。
  • 通信教育などを受講する場合、卒業するまで領収書を保存することで未払い金の詐欺を予防できる。特に分割払いの場合、支払済み回数と未払い回数を自分で把握する。
  • 個人情報を公開しない。ハローページに登録されている場合は抹消してもらう。個人情報の流出・転売の恐れがある会社とは取引しない。以前取引をしたが、今後取引を行わない会社には個人情報の抹消を申し出る(ただし、抹消してもすでに流出している可能性もあるため、効果が現れるまでには時間がかかる)。

[編集] 風評被害

  • これらの影響により、金融機関では口座開設に当たって「振り込め詐欺」過敏に反応してしまい、一部利用者は口座開設を断られることが多くなっている。また、財政が厳しい金融機関の場合はコスト削減のために「振り込め詐欺」を名目に断るケースが少なからず存在している。このようなケースでは転勤族インターネットオークションなどでATM手数料及び振り込み手数料などで不便を強いられたりするケースがある。
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[編集] 海外における振り込め詐欺

振り込め詐欺の手法は日本での手法を真似、中国韓国など海外諸国へ飛び火。2008年での被害は報告されているものだけでも、中国では3億円近く[23]、韓国では4億円ほどの被害[24]が出ている。日本と同じく、被害者のほとんどが50歳以上の高齢者である。中国政府および韓国政府でも振り込め詐欺について勧告し、被疑者の検挙を行っている。

[編集] 関連項目

[編集] 脚註

  1. ^ 振り込め詐欺(恐喝)事件にご注意!金融庁-2008年12月27日確認
  2. ^ 2007年度の消費者被害に伴う経済的損失額は最大3兆4千億円-平成20年度版国民生活白書-2008年12月27日確認
  3. ^ この種の詐欺は古くは1986年に発生している。東京在住の当時67歳の女性が、「もしもし、僕だよ」と電話をかけてきた「高校生の孫」と「孫の担任」の要求により計31万円を詐取された。電話で孫と担任を一人で演じた42歳の犯人の男は、同様の手口で他にも10件の事件を起こしていた。ただし金銭を口座に振り込ませるという手口ではなく、担任を名乗る犯人が女性に直接会い現金を受け取っているので、厳密には振り込め詐欺ではない。(取違孝昭『詐欺の心理学』、ブルーバックス、1996)
  4. ^ 振り込め詐欺救済法について 金融庁
  5. ^ 振り込め詐欺使用携帯7割ソフトバンク製 警察庁、本人確認徹底を要請
  6. ^ 警視庁発表資料(PDF)
  7. ^ 送金手段は限定されている
  8. ^ 朝霞市役所 危機管理課の例
  9. ^ 「国際版」振り込め詐欺?中国人留学生の実家に修理代要求 読売新聞 2008年11月22日
  10. ^ 振り込め詐欺対策会議:県警本部で開催 定額給付金装う不審電話、県内で多発 /宮城毎日新聞地方版-2008年12月23日付記事-2008年12月27日確認
  11. ^ 定額給付金の給付をよそおった「振り込め詐欺」や「個人情報の詐取」にご注意ください。総務省-2008年12月27日確認
  12. ^ 新たな手口宮城県警察-2008年12月27日確認
  13. ^ 気をつけて「定額給付金」詐欺 神戸で不審電話も神戸新聞-2008年12月6日付記事-2008年12月27日確認
  14. ^ 注意して!! 給付金かたる不審電話 振り込め詐欺の恐れ東京新聞-2008年12月4日付記事-2008年12月27日確認
  15. ^ 定額給付金装う不審電話相次ぐ 振り込め詐欺の可能性も 宮崎市西日本新聞朝刊-2008年11月20日付-2008年12月27日確認
  16. ^ 島根県警でも「大阪のおばちゃん」による還付金詐欺防止CM :日刊警察ニュース
  17. ^ 警視庁の対策ページ
  18. ^ 振り込め詐欺:被害276億円--08年 - 毎日jp(毎日新聞)
  19. ^ 「振り込め」被害最悪 : 大阪 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  20. ^ 昨年の都内の振り込め詐欺認件数 過去最悪 - MSN産経ニュース
  21. ^ あらかじめうその携帯電話番号を電話で伝えて、後日その電話番号にかけさせる悪質巧妙な手口が増えています
  22. ^ 一人暮らしの方は、自分の名前を先に名乗るのはやめましょう
  23. ^ 中国でも振り込め詐欺多発、2カ月で被害2.8億円 2008/11/20(木) 09:23:13 (サーチナ)
  24. ^ 山口銀行:お楽しみコンテンツ>アジアニュース(2009年度)>釜山 Pusan 「韓国の『振り込め詐欺』事情」

[編集] 外部リンク

実際に起こった事例に基づいて防止方法を紹介。警察相談窓口の電話番号を掲載。
警視庁ホームページ内、2006年夏迄の被害状況や具体的手口について、犯罪者の証言も交えて紹介。
警視庁のホームページ内、実際にかかってきた振り込め詐欺の録音がある。
振り込め詐欺に指定されている口座の一覧
架空請求などで振込先に指定している口座の一覧が公開されている。
預金保険機構ホームページ内、振り込め詐欺に指定されている口座の一覧が公開されている。
Yahoo!オークションにて「代金を振り込んだが商品が送られない」と報告されている出品者の口座(トラブル口座)が公開されている。
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