御宿かわせみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

御宿かわせみ』(おんやどかわせみ)は、平岩弓枝作の連作時代小説シリーズ。旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖。

『小説サンデー毎日1973年(昭和48年)2月号から隔月で連載される。第33話掲載後、『小説サンデー毎日』休刊のため一時中断した。1982年に出版社を替え『オール讀物』で連載が再開された。2005年11月号掲載作品をもって終了。 1973年にTBSの『東芝日曜劇場』で「秋の螢」のタイトルでドラマ化され、以降NHKテレビ朝日などでテレビドラマ化された。1984年には、主演浜木綿子帝国劇場にて舞台化された。

同誌2007年1月号より、時代が明治維新以降に飛び、子ども世代を主とした『新・御宿かわせみ』が書かれている。

あらすじ[編集]

時は江戸時代末期、ところは江戸大川端。腕利きの町奉行所定廻り同心だった父を亡くした庄司るいは、家督を親戚に譲り、大川端町(永代橋の西詰めあたり[1])に旅籠「かわせみ」をひらいた[2]。幼なじみでひとつ年下の恋人の神林東吾は、町奉行所与力の弟。東吾の友人で八丁堀の定廻り同心の畝源三郎や、将軍家御典医の倅の医師天野宗太郎、かわせみの奉公人嘉助・お吉らとともに市井の事件を解決する。

連作の初期から中期には、身分違いを気にするるいと東吾のなかなか進展しない恋愛模様が長く描かれ、いわば永遠の青春の物語を呈する。のちに東吾の出仕、るいとの結婚と子供の誕生と、幕末の時代の流れの中でそれぞれの登場人物の時間が動いていくさまが描かれる。

作品一覧[編集]

本編[編集]

通し番号は毎日新聞社発行のものからの通算(文藝春秋サイトでは異なる)

  1. 御宿かわせみ(1974年、毎日新聞社 / 1979年3月、文春文庫 / 2004年3月、文春文庫【新装版】)
    • 「初春の客」「花冷え」「卯の花匂う」「秋の螢」「倉の中」他3編
  2. 江戸の子守唄(1975年、毎日新聞社 / 1979年4月、文春文庫 / 2004年3月、文春文庫【新装版】)
    • 「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」
  3. 水郷から来た女(1977年、毎日新聞社 / 1980年10月、文春文庫 / 2004年7月、文春文庫【新装版】)
    • 「秋の七福神」「江戸の初春」「湯の宿」「桐の花散る」「水郷から来た女」「風鈴が切れた」「女がひとつ」「夏の夜ばなし」「女主人殺人事件」
  4. 山茶花は見た(1980年8月、文藝春秋、上下巻 / 1980年11月、文春文庫 / 2004年8月、文春文庫【新装版】)
    • 「山茶花は見た」「女難剣難」「江戸の怪猫」「鴉を飼う女」「鬼女」「ぼてふり安」他2編
  5. 幽霊殺し(1982年9月、文藝春秋 / 1985年9月、文春文庫 / 2004年9月、文春文庫【新装版】)
    • 「恋ふたたび」「奥女中の死」「川のほとり」「幽霊殺し」「源三郎の恋」「秋色佃島」「三つ橋渡った」
  6. 狐の嫁入り(1983年5月、文藝春秋 / 1986年8月、文春文庫 / 2004年10月、文春文庫【新装版】)
    • 「狐の嫁入り」「師走の月」「迎春忍川」「梅一輪」「千鳥が啼いた」「子はかすがい」
  7. 酸漿(ほおずき)は殺しの口笛(1986年4月、文藝春秋 / 1988年10月、文春文庫 / 2004年11月、文春文庫【新装版】)
    • 「酸漿は殺しの口笛」「春色大川端」「玉菊燈籠の女」「能役者、清大夫」「冬の月」「雪の朝」
  8. 白萩屋敷の月(1986年10月、文藝春秋 / 1989年10月、文春文庫 / 2004年12月、文春文庫【新装版】)
    • 「白萩屋敷の月」「美男の医者」「恋娘」「絵馬の文字」「水戸の梅」他3編
  9. 一両二分の女(1987年6月、文藝春秋 / 1990年5月、文春文庫 / 2005年1月、文春文庫【新装版】)
    • 「一両二分の女」「藍染川」「美人の女中」他5編
  10. 閻魔まいり(1988年6月、文藝春秋 / 1991年6月、文春文庫 / 2005年2月、文春文庫【新装版】)
    • 「閻魔まいり」「源三郎祝言」「橋づくし」他5編
  11. 二十六夜待の殺人(1988年9月、文藝春秋 / 1991年9月、文春文庫 / 2005年3月、文春文庫【新装版】)
    • 「二十六夜待の殺人」「女同士」「犬の話」「牡丹屋敷の人々」「源三郎子守歌」「虫の音」他1編
  12. 夜鴉おきん(1989年5月、文藝春秋 / 1992年5月、文春文庫 / 2005年6月、文春文庫【新装版】)
    • 「夜鴉おきん」「岸和田の姫」「息子」「源太郎誕生」他4編
  13. 鬼の面(1989年11月、文藝春秋 / 1992年10月、文春文庫 / 2005年7月、文春文庫【新装版】)
    • 「鬼の面」「麻布の秋」「忠三郎転生」「春の寺」他3編
  14. 神かくし(1990年5月、文藝春秋 / 1993年6月、文春文庫 / 2005年9月、文春文庫【新装版】)
    • 「神かくし」「みずすまし」「六阿弥陀道しるべ」「梅若塚に雨が降る」他3編収録
  15. 恋文心中(1990年11月、文藝春秋 / 1993年10月、文春文庫 / 2005年10月、文春文庫【新装版】)
    • 「恋文心中」「祝言」「雪女郎」「わかれ橋」他3編
  16. 八丁堀の湯屋(1991年11月、文藝春秋 / 1994年11月、文春文庫 / 2005年11月、文春文庫【新装版】)
    • 「八丁堀の湯屋」「ひゆたらり」「びいどろ正月」「春や、まぼろし」他4編
  17. 雨月(1992年9月、文藝春秋 / 1995年10月、文春文庫 / 2005年12月、文春文庫【新装版】)
    • 「雨月」「尾花茶屋の娘」「春の鬼」「百千鳥の琴」他4編
  18. 秘曲(1993年7月、文藝春秋 / 1996年11月、文春文庫 / 2006年1月、文春文庫【新装版】)
    • 「秘曲」「松風の唄」「おたぬきさん」「目篭ことはじめ」他4編
  19. かくれんぼ(1994年7月、文藝春秋 / 1997年10月、文春文庫 / 2006年2月、文春文庫【新装版】)
    • 「かくれんぼ」「マンドラゴラ奇聞」「残月」「江戸の節分」他4編
  20. お吉の茶碗(1995年4月、文藝春秋 / 1998年4月、文春文庫)
    • 「お吉の茶碗」他7編
  21. 犬張子の謎(1996年1月、文藝春秋 / 1998年11月、文春文庫)
    • 「犬張子の謎」他7編
  22. 清姫おりょう(1996年10月、文藝春秋 / 1999年11月、文春文庫)
    • 「清姫おりょう」他7編
  23. 源太郎の初恋(1997年6月、文藝春秋 / 2000年5月、文春文庫)
    • 「源太郎の初恋」「立春大吉」他6編
  24. 春の高瀬舟(1998年3月、文藝春秋 / 2001年3月、文春文庫)
    • 「春の高瀬舟」「伝通院の僧」「名月や」「紅葉散る」他4編
  25. 宝船まつり(1999年3月、文藝春秋 / 2002年4月、文春文庫)
    • 「宝船まつり」「冬鳥の恋」「神明ノ原の血闘」「大力お石」「大山まいり」他3編
  26. 長助の女房(1999年8月、文藝春秋 / 2002年8月、文春文庫)
    • 「長助の女房」「千手観音の謎」「嫁入り舟」「唐獅子の産着」他4編
  27. 横浜慕情(2000年4月、文藝春秋 / 2003年4月、文春文庫)
    • 「横浜慕情」「鬼ごっこ」「烏頭坂今昔」「鬼女の息子」他4編
  28. 佐助の牡丹(2001年3月、文藝春秋 / 2004年4月、文春文庫)
    • 「梅屋の兄弟」
    • 「江戸の植木市」(2000年3月号)
    • 「佐助の牡丹」(2000年4月号)
    • 「江戸の蚊帳売り」(2000年5月号)
    • 「三日月紋の印籠」(2000年6月号)
    • 「水売り文三」(2000年8月号)
    • 「あちゃという娘」(2000年9月号)
    • 「冬の桜」(2000年10月号)
  29. 初春弁才船(2001年11月、文藝春秋 / 2004年10月、文春文庫)
    • 「宮戸川の夕景」(2000年11月号・12月号)
    • 「初春弁才船」(2001年1月号、「新春弁才船」を改題)
    • 「辰巳屋おしゅん」(2001年2月号)
    • 「丑の刻まいり」(2001年3月号)
    • 「桃の花咲く寺」(2001年4月号)
    • 「メキシコ銀貨」(2001年5月号)
    • 「猫一匹」(2001年6月号)
  30. 鬼女の花摘み(2002年9月、文藝春秋 / 2005年8月、文春文庫)
    • 「鬼女の花摘み」(2001年7月号)
    • 「浅草寺の絵馬」(2001年8月号)
    • 「吉松殺し」(2001年9月号・10月号)
    • 「白鷺城の月」(2001年12月号)
    • 「新春夢づくし」(2002年1月号)
    • 「招き猫」(2002年2月号)
    • 「蓑虫の唄」(2002年3月号・4月号)
  31. 江戸の精霊流し(2003年5月、文藝春秋 / 2006年4月、文春文庫)
    • 「夜鷹そばや五郎八」(2002年5月号)
    • 「野老沢(ところざわ)の肝っ玉おっ母あ」(2002年6月号)
    • 「昼顔の咲く家」(2002年8月号)
    • 「江戸の精霊流し」(2002年9月号)
    • 「亥の子まつり」(2002年10月号)
    • 「北前船から来た男」(2002年11月号)
    • 「猫絵師勝太郎」(2002年12月号)
    • 「梨の花の咲く頃」(2003年1月号)
  32. 十三歳の仲人(2004年3月、文藝春秋 / 2007年4月、文春文庫)
    • 「十八年目の春」(2003年2月号)
    • 「浅妻船さわぎ」(2003年3月号)
    • 「成田詣での旅」(2003年4月号)
    • 「お石の縁談」(2003年5月号)
    • 「代々木野の金魚まつり」(2003年6月号)
    • 「芋嵐の吹く頃」(2003年8月号)
    • 「猫芸者おたま」(2003年9月号)
    • 「十三歳の仲人」(2003年10月号)
  33. 小判商人(2005年4月、文藝春秋 / 2008年4月、文春文庫)
    • 「稲荷橋の飴屋」(2004年5月号)
    • 「青江屋の若旦那」(2004年6月号)
    • 「明石玉のかんざし」(2004年7月号)
    • 「手妻師千糸大夫」(2004年8月号)
    • 「文三の恋人」(2004年9月号)
    • 「小判商人」(2004年10月号・11月号)
    • 「初卯まいりの日」(2005年1月号)
  34. 浮かれ黄蝶(2006年4月、文藝春秋 / 2009年9月、文春文庫)
    • 「浮かれ黄蝶」(2005年2月号)
    • 「捨てられた娘」(2005年3月号・4月号)
    • 「清水屋の人々」(2005年5月号)
    • 「猫と小判」(2005年6月号)
    • 「わいわい天王の事件」(2005年7月号)
    • 「二人伊三郎」(2005年9月号)
    • 「さんさ時雨」(2005年10月号)
    • 「公孫樹の黄ばむ頃」(2005年11月号)

その他[編集]

  • 「御宿かわせみ」読本(2001年3月、文藝春秋 / 2003年4月、文春文庫) - 人名録の他、ドラマ出演者のインタビューなども収録
  • 御宿かわせみ傑作選
    • 初春の客(2004年1月、文藝春秋) - 初期10巻から著者自選の9編を収録
    • 祝言(2005年1月、文藝春秋) - 11巻〜20巻から著者自選の10編を収録
    • 千手観音の謎(2006年1月、文藝春秋) - 21巻〜30巻から著者自選の10編を収録

登場人物[編集]

主要人物[編集]

神林東吾(かみばやし とうご)
南町奉行所吟味方与力・神林通之進(かみばやし みちのしん)の弟。伸びやかな性格の持ち主。美男子。
神道無念流の遣い手で練兵館では高弟の一人。八丁堀の道場の師範の一人であり、方月館の師範代も兼任していた。
長らく次男坊の冷や飯食いで、るいとは正式に結婚できなかったが、通之進の配慮により祝言を挙げることができ、さらに講武所の教授方と軍艦操練所勤務(後に教官並)となる。
八丁堀に生まれた者の使命感と好奇心を併せ持ち、親友である畝 源三郎の手伝いをしたり、かわせみに飛び込んでくる事件に首をつっこんだりして常に捕り物に関わる。
なお、苗字は当初「かんばやし」と表記されていたが、現在は「かみばやし」に統一されている。
(庄司)るい((しょうじ) るい)
大川端にある旅籠かわせみの女主人。
東吾の妻。鬼同心と言われた庄司源右衛門の一人娘。父の死後、本来なら養子を迎えて家を嗣ぐべきところ、同心株を返して旅籠を始める。
東吾とは幼馴染。子どもの頃から東吾のことが好きだったが、身分違い(東吾は子のない通之進の跡継ぎと目されていた)であることと家付き娘であることから半ばあきらめていた。
作品中美人であることが強調されている。たびたび女長兵衛をきどる情け深さの一方、勇敢に小太刀を振るうことも。
「酉の市の殺人」にて、「来年がるいの生れ年と同じ干支」との記載がある。
畝源三郎(うね げんざぶろう)
定廻り同心。東吾の親友。東吾やるいにとっては幼馴染。
定廻りにしては野暮ったいと言われるが、誠実な男。東吾には「源さん」と呼ばれる。

かわせみ[編集]

千春(ちはる)
東吾とるいの娘。
嘉助(かすけ)
かわせみの老番頭。元は庄司源右衛門の若党。今でも捕り方だったときの習性が出ることがある。
るいを助ける忠義者。お吉とのでこぼこコンビぶりはこの作品の笑いを誘う一面である。
お吉(おきち)
かわせみの女中頭。母の代からの庄司家の奉公人で、いったん嫁いだが夫に死なれて出戻った。
忠義者だが、好奇心が強く、おしゃべり。大の幽霊嫌い。その性格がかわせみに騒動をもたらすこともある。
「祝言」にて、天保五年には二十歳過ぎだったとの描写がある。

神林家[編集]

神林通之進(かみばやし みちのしん)
南町奉行所吟味方与力。東吾の兄。
東吾とはひと回り以上年上で、早くに父を亡くした東吾にとっては父代わりでもある。美男子。やさしい風貌は、幼くして母を亡くした東吾が「母の顔を見たければ兄の顔を見よ」と言われて育ったほど。
妻の香苗とはおしどり夫婦。
麻太郎を養子にする。
香苗(かなえ)
神林通之進の妻。麻生源右衛門の長女。通之進とは幼馴染で、子どもの頃から許婚であり相思相愛であった。
おっとりした性格であるが、人目を忍ぶ仲だった東吾とるいを見守り、また麻太郎を「お腹を痛めて産んだ子としか思えない」と言い切る面も。
神林麻太郎(かみばやし あさたろう) / 大村 麻太郎(おおむら あさたろう)
清水琴江が大村彦右衛門との結婚後に産んだ子であるが、おそらくは東吾との一夜の契りによる子。
琴江が死亡した後、通之進と香苗が何もかも承知の上で養子とする。
東吾の若い頃に似ている(ということは通之進にも似ている)ため「通之進の隠し子ではないか」と噂された。

畝家[編集]

千絵(ちえ)
畝 源三郎の妻。
札差・江原屋の一人娘のため、(お互い思いを口にできないまま)諦めようとしていたが、源三郎の婚礼当日、花嫁の駆け落ちを取り繕う仮嫁となり、そのまま正式に妻となった。
源太郎千代の二子がいる。
畝源太郎(うね げんたろう)
畝源三郎の長男。剣の師である東吾を慕う。麻太郎とは親友で、まるで東吾と源三郎の幼い頃のようとも言われる。
千代(ちよ)
畝源三郎の長女。千春とは幼馴染。

麻生家[編集]

麻生源右衛門(あそう げんえもん)
目付西の丸留守居を歴任した旗本。香苗と七重の父。
東吾たちの父とは親友で、七重と東吾の結婚を望んでいた。剛直な人物だが、宗太郎に家督をゆずって隠居した後は、孫や麻太郎・源太郎たちの相手をするのが楽しみ。
麻生宗太郎(あそう そうたろう) / 天野宗太郎(あまの そうたろう)
医師。東吾の親友。
偽名を名乗ってかわせみに泊まったさい、東吾の依頼で悪人を引っかける芝居に一役買ったのがきっかけで付き合うように。
将軍家御典医・天野宗伯の長男。母も典薬頭今大路家の長女。実母の妹(継母)の実子である弟に家督を譲るためと西洋医学を学ぶために極道を装って長崎に留学。後に、七重と結婚、麻生家に養子に入る。
つかみ所のない飄々とした人柄で、人を食ったような発言も多い。
麻生家の離れを治療所にし、貧乏人からは代金を取らない名医として本所・深川あたりの人々に親しまれている。
七重(ななえ)
宗太郎の妻。源右衛門の次女。東吾のことが好きだったが、るいの存在を知り半ば身を引く。
のちに宗太郎と結婚し、花世小太郎の二子を産む。
花世(はなよ)
宗太郎の長女。おてんばで、思わぬ事件に巻き込まれることも。
麻生小太郎(あそう こたろう)
宗太郎の長男。麻生家待望の嫡男。

お手先[編集]

長助(ちょうすけ)
畝源三郎のお手先(いわゆる岡っ引)。岡っ引には珍しく人柄が良い、誠実で温厚な男である。
深川佐賀町のそば屋長寿庵の主人だが、店は妻と息子に任せきり。血の気の多かった若い頃に畝源三郎の父に手札をもらいお手先となった。
仙五郎(せんごろう)
飯倉・麻布付近を縄張りにするお手先。本業は桶屋(後に息子に譲って隠居する)。こちらも岡っ引には珍しく人柄が良い。

その他[編集]

松浦方斎(まつうら ほうさい)
剣士。狸穴の方月館の主。直心陰流の達人。温厚な人柄で、東吾が師範代になってからは道場を任せきりにしている。刀剣などにも造詣が深い。
おとせ
方月館の家事一切を引き受ける女性。ある事件で東吾と知り合い、息子の正吉とともに方月館に身を寄せる。
善助(ぜんすけ)
方月館の番頭格。
文吾兵衛(ぶんごべえ)
通称「永代の元締」。深川あたりの香具師やばくち場を取り仕切る大親分。そのような立場でありながら人が良く、永代の元締の息がかかったばくち場なら素人が安心して遊べると言われる。
花世が引き起こした事件をきっかけに東吾達と知り合う。花世に「ひげもじゃもじゃ」と呼ばれる大男。息子は小文吾
清水琴江(しみず ことえ)
七重の友人。
一度嫁いだが子どもの頃に乱暴された記憶が元で離縁になる。柳河藩の重臣・大村彦右衛門と再婚が迫り、克服のためには好きな人と契ることと医師に言われ、一計を案じて東吾と一夜の契りを持つ。再婚後、おそらく東吾の子である麻太郎を産むが、夫に先立たれ、柳河藩の姫君のお輿入れのお供として多度津に行くも、お家騒動に巻き込まれ、密書を多度津藩江戸屋敷に届ける途中に斬り殺される。
斎藤弥九郎(さいとう やくろう)
剣士。この作品では珍しく実在の人物。
練兵館の主。東吾と同じ岡田十松に剣を学んだ東吾の兄弟子だが、十松の死後、改めて東吾と師弟の契りを結ぶ。

テレビドラマ[編集]

秋の蛍[編集]

出演[編集]

真野響子版[編集]

NHK水曜時代劇の枠で放映[3]

  • 1980年10月8日〜1981年3月25日(全24回)
  • 1982年10月6日〜1983年4月13日(全23回)

時代劇専門チャンネルで放映

  • 2013年9月に『新・御宿かわせみ』のタイトルで30年ぶりにNHK版(1980-1983年)の続編として単発ドラマが製作放送され、主演はNHK版に引き続き真野響子が務める。詳細は新・御宿かわせみ#テレビドラマを参照。

出演(真野響子版)[編集]

ほか

主題歌[編集]

スタッフ[編集]

放映リスト[編集]

放送日 サブタイトル 演出 ゲスト
第1シリーズ
1 1980年10月8日 水郷から来た女 岡本憙侑 安奈淳、宮口精二、日色ともゑ渥美国泰中野誠也麻吹淳子木村四郎坂口芳貞
2 1980年10月15日 卯の花匂う 小林平八郎 奈良岡朋子吉沢京子森田順平下元勉狩野剛太郎
3 1980年10月22日 桐の花散る 千秋実萩尾みどり柳谷寛吉岡祐一長谷川弘石井富子菅沼赫
4 1980年10月29日 王子の滝 吉村芳之 井上孝雄長谷川明男尾藤イサオ高沢順子山口美也子高尾美有紀陶隆司成瀬正高月忠
5 1980年11月5日 江戸の子守唄 渡辺紘史 下條正巳、長谷直美、武内文平泉晶子絵沢萠子吾桐芳雄
6 1980年11月12日 夕涼み殺人事件 水原ゆう紀佐藤万理一の宮あつ子原康義佐古雅誉三上昭子真弓田一夫
7 1980年11月19日 七夕の客 南田洋子牟田悌三中井啓輔堀光昭加藤和夫草薙良一上田忠好福原秀雄
8 1980年11月26日 秋の蛍 吉村芳之 ハナ肇、坂上味和吉原正皓増田順司伊東あつ子
9 1980年12月3日 女がひとり 岡本憙侑 范文雀松橋登新井康弘名和宏平井道子、日色ともゑ、二見忠男久保晶
10 1980年12月10日 女主人殺人事件 小林平八郎 堀内正美梅津栄砂塚秀夫長谷川哲夫奥村公延西村淳二
11 1980年12月17日 山茶花は見た 渡辺紘史 岡本舞山本昌平田島義文根岸一正村田みゆき稲川善一山川弘乃
12 1980年12月24日 師走の客 三林京子浜田寅彦仲谷昇新村礼子滝奈保栄山路和弘
13 1981年1月7日 女難剣難 岡本憙侑 金田龍之介藤原釜足小野みゆき浦辺粂子辻村真人鳥井助國幸田直子
14 1981年1月14日 初春の客 松岡孝治 角替和枝阿部希郎多田幸男
15 1981年1月21日 江戸は雪 小林平八郎 小澤栄太郎河原崎建三織本順吉八木昌子武藤章生鶴岡修青柳文太郎三川雄三村瀬正彦
16 1981年1月28日 江戸の怪猫 渡辺紘史 結城しのぶ根岸季衣津村隆片岡半蔵照内敏晴
17 1981年2月4日 湯の宿 河村正一 伴淳三郎鈴木光枝伊藤孝雄新田昌玄樋浦勉蝦名由紀子丸山博一高杉玄山中康治団巌
保科三良谷津勲木村翠
18 1981年2月11日 玉屋の紅 小林平八郎 若月純子三浦真弓西川明矢野勇生橋本晶子
19 1981年2月18日 鴉を飼う女 南原宏治木村理恵佳那晃子うえだ峻姫ゆり子井上三千男大方斐紗子井上茂
20 1981年2月25日 宵節句 渡辺紘史 寺田農金沢碧大久保正信南祐輔伊藤弘一狩野剛太郎大原穣子池田勝美摂祐子
21 1981年3月4日 お役者松 渡辺紘史 高橋長英片桐夕子山田吾一鳳八千代関武志佐久間宏則谷崎弘一唐沢民賢
22 1981年3月11日 鬼女 吉村芳之 市原悦子河原崎長一郎二木てるみ芦屋小雁汐路章清水一郎たこ八郎田中筆子
23 1981年3月18日 花冷え 渡辺紘史 文野朋子岡まゆみ岸部一徳阿部寿美子坂部文昭大林丈史戸沢佑介伊藤正博
24 1981年3月25日 人は見かけに 小林平八郎 坂東八十助梅野泰靖伊藤高マキノ佐代子松村彦次郎春江ふかみ竹田寿郎
第2シリーズ
放送日 サブタイトル 演出 ゲスト
1 1982年10月6日 恋ふたたび 清水満 仲谷昇、奈月ひろ子、安部徹、園田裕久丸山詠二佐々木梅治桐原史雄
2 1982年10月13日 川のほとり 佐藤幹夫 松橋登草薙幸二郎増田順司出光元暖亜浮丸山由利亜谷津勲大月優子、安部徹、奈月ひろ子
3 1982年10月20日 奥女中の死 松橋隆 稲垣美穂子堀勝之祐佐古雅誉高杉哲平麻茶れい、奈月ひろ子
4 1982年10月27日 幽霊殺し 若園昌己 内田稔、下条正巳、平淑恵、小寺大介松村彦次郎田代隆秀
5 1982年11月10日 秋色佃島 清水満 林ゆたか高沢順子伊藤紘中島元岡雅子
6 1982年11月17日 三つ橋渡った 佐藤幹夫 湯原昌幸千野弘美戸川京子堀内正美稲葉義男高田敏江望月太郎長谷川弘
高橋義治川崎博司
7 1982年11月24日 倉の中 松橋隆 谷川みゆき広瀬昌助岐邑美沙子中原潤福田妙子大谷一夫
8 1982年12月1日 ぼてふり安 吉村文孝 犬塚弘日色ともゑ遠藤真理子岡本麗山西道広早田文次水城蘭子前沢迪雄竹田寿郎
麻ミナ白井美樹森井睦
9 1982年12月8日 幼なじみ 清水満 江藤潤山本みどり中村久美今西正男奥野匡舞小雪稲川善一勝田武
10 1982年12月15日 師走の月 松橋隆 火野正平谷村昌彦金田龍之介蜷川有紀吉野佳子宮沢元伊藤彰洋渡辺啓子、安部徹、奈月ひろ子
11 1983年1月5日 迎春忍川 清水満 高樹澪谷幹一緋多景子久保晶草見潤平篠田薫滝雅也
12 1983年1月12日 迷子石 佐藤幹夫 蟹江敬三香野百合子木田三千雄加藤正之山川弘乃飯田テル子
13 1983年1月19日 源三郎の恋 清水一彦 奈良富士子浦辺粂子清水宏上田忠好内山森彦三好美智子
14 1983年1月26日 油屋殺人事件 田島照 小坂一也岡本舞織本順吉佐藤仁哉國井正廣
15 1983年2月9日 江戸の手まり唄 松橋隆 古舘ゆき三ツ木清隆小島三児清水まゆみ堀越節子棟里佳
16 1983年2月16日 冬の桜 清水満
黛りんたろう
森下愛子中西良太江角英明宮本幸子佐野守保科三良斉藤暁池田武志
17 1983年2月23日 梅一輪 竹内豊 神崎愛ひし美ゆり子草薙良一斉川一夫岡本隆史、安部徹
18 1983年3月2日 千鳥が啼いた 佐藤幹夫 尾美としのり頭師佳孝此島愛子川田あつ子前野礼子黒岩義和小林テル三川雄三山崎満、安部徹
19 1983年3月9日 狐の嫁入り 清水満
大木一史
小松方正白石奈緒美福田公子伊藤美由紀金井大大谷桂三古代一平佐藤恒治神田正夫
大友町子田村寛飯田道郎加藤善博和沢昌治石垣恵三郎船場牡丹森康子吉田太門
20 1983年3月16日 子を思う闇 若園昌己 上村香子菅野忠彦浜村純増田順司横山万里子姫ゆり子戸沢佑介須釜直美
21 1983年3月22日 吉野の女 松橋隆 本田博太郎栗田陽子川口敦子稲垣昭三伊藤正博長谷川将坂野比呂志竹内靖、日色ともゑ
22 1983年4月6日 子無きは去る(前編) 佐藤幹夫 田村亮倉地雄平、出光元、加藤清三石田純子大滝玲子山口純平平川ひさし築地博田中勇次
島田芳子牧瀬康子平光琢也、内山森彦、下條正巳、平淑恵、安部徹
23 1983年4月13日 子無きは去る(後編) 清水満 田村亮、島村佳江宝生あやこ伊藤高名川貞郎、加藤清三、石田純子、山口純平、奈月ひろ子、
下條正巳、平淑恵、安部徹

古手川祐子版[編集]

テレビ朝日系でドラマスペシャルが2回放映された

  • 1988年9月29日
  • 1989年3月28日

出演(古手川祐子版)[編集]

沢口靖子版[編集]

タイトルは『新・御宿かわせみ』テレビ朝日系放映

  • 1997年10月16日〜1998年3月12日(全19回)

出演(沢口靖子版)[編集]

高島礼子版[編集]

NHK金曜時代劇で放映

  • 第一章(2003年4月4日〜5月30日)(全8回) 
  • 第二章(2004年4月2日〜7月23日)(全16回)
  • 第三章(2005年5月13日〜8月5日)(全12回)

出演(高島礼子版)[編集]

主なゲスト
ほか

舞台[編集]

2016年版[編集]

明治座五月公演『御宿かわせみ』として、2016年5月に明治座で上演。NHK金曜時代劇と同じく、庄司るいは高島礼子、神林東吾は中村橋之助が務める。脚本・演出はG2が担当[4]。 「江戸の子守唄」「美男の医者」「お吉の茶碗」「岸和田の姫」など原作エピソード5作品を組み合わせて構成されたオリジナルストーリー。

出演(舞台)[編集]

漫画[編集]

島崎譲の作画による漫画版が、リイド社の時代漫画雑誌『コミック乱ツインズ』に2012年2月号から2013年5月号まで連載された。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 文久再鐫八町堀霊岸島日本橋南之絵図東京都立図書館Tokyoアーカイブ。2016年11月閲覧。
  2. ^ 初期の版の最初の方の巻では、柳橋.
  3. ^ 水曜時代劇 御宿かわせみ - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  4. ^ “中村橋之助と高島礼子が「御宿かわせみ」再び、人気エピソードをG2作演で”. ステージナタリー. (2016年4月21日). http://natalie.mu/stage/news/184306 2016年4月21日閲覧。 

外部リンク[編集]

NHK総合 水曜20時台
前番組 番組名 次番組
御宿かわせみ
(1980年版)
御宿かわせみ
(1982年版)
NHK総合 金曜時代劇
前番組 番組名 次番組
御宿かわせみ
(2003年版)
御宿かわせみ 第二章
(2004年版)
御宿かわせみ 第三章
(2005年版)