腕におぼえあり

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腕におぼえあり』(うでにおぼえあり)は、1992年NHK総合金曜時代劇」で放送された藤沢周平原作の時代劇。好評であったことからシリーズ化され、同年に『腕におぼえあり2』、1993年に『腕におぼえあり3』も制作された。各作とも、『用心棒日月抄』シリーズを元にして、『よろずや平四郎活人剣』で描かれたエピソードを織り交ぜたものとなっている。

登場人物[編集]

ここではシリーズ共通の人物について述べる。※は第1・第2シリーズの人物。
青江又八郎 - 村上弘明
元東北の小藩の馬廻り組百石取り。26歳。城下の渕上道場で師範代を務めた剣の腕前を持つ。藩主毒殺の陰謀を漏れ聞くことによって許嫁の父親に命を狙われ、止む無く斬り殺してしまう。その為に脱藩し、江戸へ出るが藩からの刺客に命を狙われている。
江戸鳥越の寿松院裏の嘉右衛門店の長屋住まい。用心棒稼業、人足仕事で暮らしをつないでいる。
後に許嫁である由亀を妻に迎え、第2作で藩の密命による脱藩で妻と暫しの別れの後、嫡子を儲けるも、第3作で妻・由亀を嗅足組の急襲で喪い、松三郎を残して江戸へ脱藩し、最後の戦いに赴く事になる。
細谷源太夫 - 渡辺徹
又八郎の用心棒稼業の仲間。浪人。30代半ば。雲つくように身体が大きい。霊岸島浜町の長屋に妻と5人の子供と共に暮らす。作州津山藩森家に仕えていたが、藩が潰れたため浪人となり4年になる。
文 - 風吹ジュン
細谷の妻。20代半ばの小柄で血色の良い美人。15歳で細谷家に嫁ぐ。多産の質。
相模屋吉蔵 - 坂上二郎
神田橋本町の口入屋・相模屋の主人。背が低く丸顔で、一見豆狸風。50歳前後。第1シリーズでは番組内の語り(山川静夫とともに)と次回予告のナレーションも担当。
おいね※ - 小田茜
相模屋の一人娘。17歳。物静かで顔立ちのきれいな娘。
由亀 - 清水美砂
又八郎の許嫁。18歳。父親が又八郎に斬られるところを目撃する。しかし、又八郎を信じて、その理由を聞きただしたいと思っている。第1作中盤で自ら江戸に赴き、又八郎と再会し真相を聞かされる。最終回にて晴れて妻となり、第2作では松三郎という嫡子にも恵まれるが、第3作冒頭で嗅足組の急襲に遭い、無念の死を遂げる。
間宮作左衛門 - 日下武史
中老。藩主毒殺の陰謀を暴こうとする。41歳。
佐知 - 黒木瞳
又八郎が仕えていた藩の隠密組織「嗅足組」(かぎあしぐみ)の江戸屋敷側の女頭目。登場当初、又八郎の生命を狙うが後に彼に惹かれ、様々な場面で行動を共にする。第2作で元筆頭家老の谷口権七郎の娘であることが明かされる。
土屋清之進※ - 矢崎滋
又八郎と同藩の武士。酒と女が好きな遊蕩児。かつては由亀の許嫁であった。藩政の派閥に興味はなかったが間宮中老派に組み入れられる。俳諧に凝っていて、江戸詰めになってからは松尾芭蕉門下に入門する。
みね※ - あき竹城
又八郎と同じ長屋の住人。何かと又八郎の世話を焼きたがる。
青江きん※ - 北林谷栄
又八郎の祖母で唯一の親族。又八郎の脱藩後は小さな屋敷に1人で住み、孫の帰りを待っている。その後、親の仇ながらそのいきさつの真相を知りたい一心で押しかけてきた又八郎の許嫁・由亀と共に暮らす。
大富静馬※ - 片岡鶴太郎
家老大富丹後の甥。江戸で東軍流を修行した後、諸国を放浪する。剣の使い手。

第1シリーズ[編集]

あらすじ[編集]

元禄13年の暮れ、東北のある小藩に仕える武士の青江又八郎は藩主毒殺の陰謀に巻き込まれ、それに関係していた許嫁の父親を斬ってしまう。藩を抜け出し江戸へ出てきた又八郎は裏長屋に住み、藩から放たれた刺客と対決しながら、口入れ屋の相模屋から割のいい仕事である用心棒を引き受け日々を暮らしている。用心棒稼業の仲間である細谷源太夫は腕は立つが子沢山で、これも近くの長屋で貧しい生活を送っている。用心棒の仕事でいろいろな事件に巻き込まれていくうちに、赤穂の浪人たちと知り合い、討ち入りが近いことを感じ取っていく。また、許嫁の由亀が敵討ちのため弟と一緒に江戸にやってくるが、又八郎は何とかして真実を打ち明けたいと悩む。そして由亀との和解の後、大石内蔵助ら赤穂の浪人とその仇敵である吉良家の志士たちとの関わりを経て、江戸に戻った又八郎は、藩主毒殺の元凶である家老・大冨丹後との決着を付けるべく、最後の戦いに挑む…。

シリーズキャスト[編集]

大富丹後 - 新田昌玄
家老。藩主毒殺の陰謀の首謀者。
平沼喜左衛門 - 御木本伸介
由亀の父。徒目付。藩主毒殺の陰謀に加担し、その秘密を知った又八郎を斬ろうとするが逆に斬られてしまう。
平沼麟之丞 - 香取慎吾
由亀の弟。又八郎を仇と狙うが、真相を聞かされてからは江戸に留まり、又八郎に帰国命令が下ると彼と共に藩に戻る。

スタッフ[編集]

タイトル[編集]

  • 第1回:用心棒稼業
  • 第2回:逃げる浪人
  • 第3回:赤穂浪士の影
  • 第4回:夜鷹斬り
  • 第5回:夜の老中
  • 第6回:内儀の腕
  • 第7回:愛ふたたび
  • 第8回:代稽古
  • 第9回:内蔵助の宿
  • 第10回:討入り
  • 第11回:四十八人目の義士
  • 第12回:最後の用心棒

忠臣蔵関係の一部映像は大河ドラマの『元禄太平記』と『峠の群像』より流用されている。配役における浅野内匠頭の隆大介(『峠の群像』)や大石内蔵助の江守徹(『元禄太平記』)はその関係によるが、江守は第9回に新撮の映像でも登場している。また柳沢吉保役の石坂浩二も江守同様に『元禄太平記』に同役で出演しているが、こちらは大河ドラマからの映像は使われていない。

第2シリーズ[編集]

  • 放送期間 - 1992年9月4日 - 11月27日
  • 原作 - 『孤剣 用心棒日月抄』『刺客 用心棒日月抄』『よろずや平四郎活人剣』

あらすじ[編集]

前作の最終話から3か月程過ぎた頃、前桑山藩主毒殺に荷担した者たちの名が記された連判状を大富静馬が盗み江戸へ出奔した。青江又八郎は家老・間宮からその連判状を取り返すよう命じられる。藩命ではあるものの、厳しい藩の財政のため、又八郎は再び江戸での浪人暮らしを強いられることになる。一方、公儀隠密も連判状の争奪に乗り出し、三つ巴の様相を呈する。公儀隠密の手から静馬の危機を救った又八郎に静馬は礼の代わりにと連判状の筆頭にある人物の名を告げて去る。それは桑山藩にとって意外な人物の名であった。

シリーズキャスト[編集]

公儀隠密の元締め。小牧屋の隠居を装い静馬の命を狙うが、逆に静馬に襲われ、殺されてしまう。

スタッフ[編集]

タイトル[編集]

  • 第1回:帰ってきた用心棒
  • 第2回:番場町別宅
  • 第3回:凶盗
  • 第4回:奇妙な罠
  • 第5回:道楽息子
  • 第6回:孤剣
  • 第7回:雨中の決闘
  • 第8回:陰の頭領
  • 第9回:襲撃
  • 第10回:隠れ蓑
  • 第11回:妄想
  • 第12回:一匹狼
  • 第13回:黒幕の死

第3シリーズ[編集]

  • 放送期間 - 1993年1月8日 - 3月12日
  • 原作 - 『凶刃 用心棒日月抄』『よろずや平四郎活人剣』

あらすじ[編集]

前作の最終話から10年程経ったある日、青江又八郎はある人物から渡された密書が故にかつて志を共にしていたはずの桑山藩の隠密組織嗅足組(かぎあしぐみ)に妻・由亀を殺害され、みたび、脱藩を余儀なくされてしまう。

シリーズキャスト[編集]

スタッフ[編集]

タイトル[編集]

  • 第1回:又八郎ふたたび
  • 第2回:再会
  • 第3回:笹舟
  • 第4回:武士の魂
  • 第5回:陰謀
  • 第6回:過去の男
  • 第7回:対決
  • 第8回:疾風(はやて)
  • 第9回:浮草の女
  • 第10回:それぞれの道

舞台版[編集]

キャスト[編集]

評価[編集]

1年間に異例ともいえる3シリーズが制作され、放送終了7年後の2000年にも同じ中島丈博脚本、村上弘明主演で舞台化された。

本シリーズがNHKの時代劇制作にもたらした影響は大きく、以降も同局の「木曜時代劇」枠において数々の藤沢周平作品を原作とした番組が制作され、主演の村上弘明と音楽の近藤等則も同じ枠において再度起用されている。

備考[編集]

1993年1月15日『腕に覚えあり3』の放送時間中に釧路沖地震が発生したため放送が中断し、急遽地震特番へと切り替わった。そのため、1月15日放送回は翌週に再度放送されている。

ビデオ・DVD[編集]

  • 腕におぼえあり(2003年11月、NHKソフトウェア) VHS 全6本、DVD 全3枚
  • 腕におぼえあり2(2005年11月、NHKエンタープライズ) DVD 全4枚
  • 腕におぼえあり3(2006年1月、NHKエンタープライズ) DVD 全3枚

外部リンク[編集]

NHK総合 金曜19:30枠(45分)
前番組 番組名 次番組
アニメひみつの花園
※19:30 - 20:00
世界のショー
※20:00 - 20:45
腕におぼえあり

腕におぼえあり2

腕におぼえあり3
NHKニュース7
※19:00 - 19:57
清左衛門残日録
※20:00 - 20:50