iD (クレジット決済サービス)

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コインパーキングに設置されたiD決済用の防水R/W

iD(アイディ)とは、株式会社NTTドコモが運営する、おサイフケータイを利用するための決済プラットフォームおよび、ブランドである。

概要

ドコモがシステムを運営し、ドコモおよびドコモと提携する会社(以下「提携会社」)が自身の会員にサービスを提供する。提携会社の場合は提携会社が発行するクレジットカード(一部を除く)の会員でなければiDを申し込むことができないが、ドコモの場合は「dカード mini」としてiDのみを申し込むことができる。

ポストペイ型(後払い式)電子マネーであるため、あらかじめチャージしておく必要がない。

「iD」の名称の由来は「Identity(存在証明)」と、身分証明書を意味する「ID」。サービス開始当初のロゴタイプにはレオナルド・ダ・ビンチの絵画(『ウィトルウィウス的人体図』)が使用されていたが、2015年6月に「より親しみやすい[1]」シンプルなロゴタイプに変更することが発表された[2][3]

携帯電話キャリアであるドコモがブランドを運営するが、2006年後半よりFeliCaカード型のiDも登場し、携帯電話(おサイフケータイ)がなくても利用可能である。大和ハウスフィナンシャル株式会社のようにおサイフケータイでの利用に対応していないものも存在する(「#利用方法」を参照)。

iD会員番号は、クレジットカードと同じく16桁であり、いずれも「6900-11」から始まる。

歴史

2004年までポストペイ型電子マネーの一つである QUICPay の開発に加わっていたドコモ[4]2005年11月8日に発表し[5]、同年12月1日からサービスを開始した(初のサービスは三井住友カード株式会社の「三井住友カードiD」)。その後、ドコモはこれを応用した「DCMX」(現・dカード)の受付を2006年5月26日(「DCMX mini」は同年4月28日[6])に開始している[7]

開始された当初は、日本のみの利用に限られたが、2008年に国際展開を開始している[8]。日本の非接触決済ブランドの国際展開はiDが初である。(2012年9月30日をもって、海外におけるサービス終了)

会員の数は、2007年11月に500万、2008年12月に1,000万、2010年8月末に1500万を突破しており[9]、2012年3月現在1,650万人を超えている[10]。また、加盟店に設置されたリーダライタは55万台弱となっている。

また2011年2月7日からは、Android搭載のスマートフォンでも利用が可能となった。

他電子マネー等との関係では、2006年にSuicaとの共用端末を開発すると発表し、その後、QUICPayやEdy(現楽天Edy)も合流する形で共用型読み取り機の開発が行われた。その後も端末の共用化が進み、10種類以上の電子マネー等に対応した端末も存在する。

利用方法

携帯電話

携帯電話(おサイフケータイ)を用いてiDを利用するものである。対応しているのは、ドコモの携帯電話・スマートフォンの内、iモードFeliCaもしくはFeilCaを搭載しているものであり、これを搭載していない端末などではiDを利用することはできない(「iDに対応しているおサイフケータイ」を参照)。

クレジットカードに追加して利用されるサービスの形をとり、iDのみを申し込むことはできない(「dカード mini」を除く。「dカード」および「dカード GOLD」はクレジットカードも発行される。)。

iDに対応しているクレジット会社のうち、大和ハウスフィナンシャルを除く各社が対応しているが、一部のクレジットカードはiDに対応していない場合がある。

NFC対応スマートフォンを利用する「iD/PayPass」については、PayPassを参照。

なお、通信にiモードもしくはspモードを使う関係上、対応するドコモの携帯電話を所持していても、MVNOを利用している場合は使うことはできない。

専用カード

iDの機能を搭載した専用のカードを用いてiDを利用するものである。

クレジットカードに追加して利用されるサービスの形をとり、専用カードのみを申し込むことはできない。

iDに対応しているクレジット会社の内、三井住友カードなどが発行するクレジットカードの一部に専用カードを追加して発行することができる。これを用いる場合は、iDに対応しているおサイフケータイを持っていなくてもiDを利用することができ、また、iDに対応しているおサイフケータイを持っている場合は、専用カードおよび携帯電話の両方でiDを利用することもできる。

ネット決済には対応していない。

クレジット一体型カード

iDの機能を搭載したクレジットカードを用いてiDを利用するものである。

iDに対応しているクレジット会社の内、三井住友カード、オリエントコーポレーション、大和ハウスフィナンシャルなどが発行するクレジットカードの一部にiDが搭載されている。これを用いる場合は、iDに対応しているおサイフケータイを持っていなくてもiDを利用することができ、また、iDに対応しているおサイフケータイを持っている場合は、クレジット一体型カード及び携帯電話の両方でiDを利用することもできる。

ネット決済には対応していない。

サービス

クレジットカードと同様にショッピング及びキャッシングを利用することができる。携帯電話、専用カード又はクレジット一体型カードをかざすだけで利用することができる。

ショッピング

加盟店の端末にかざすだけで利用することができる。

プリペイド式電子マネーの場合はチャージの上限が決まっているため、必然的に小額の決済に限られてしまうが、iDの場合はクレジットカードの利用枠の範囲において高額の決済にも利用することができる。

利用額が一定を超える場合は、クレジットカードのIC(接触IC)による決済と同様に暗証番号を入力する必要がある。ただし、暗証番号の入力に対応していない加盟店が一部存在するので注意が必要である。

ネット決済

iDをおサイフケータイで利用している場合は、携帯電話のインターネット接続機能を利用するショッピングでの決済にも利用することができる。機種としてはFOMAのおサイフケータイ(携帯電話)に対応している(「#iDに対応しているおサイフケータイ」を参照)。[11]

キャッシング

ファミリーマート(旧am/pm店)などに設置されている@BΛNK九州地方を除く)でキャッシングを利用することができる。ATMのリーダーライター部分におサイフケータイをかざすことにより利用出来る。

iDに対応しているクレジット会社の内、株式会社三井住友銀行と提携しているものがこれに対応する(ドコモは「DCMX mini」を除く)。ただし、iDの機能を搭載するクレジットカードは、iDのキャッシングを利用することはできないので、これを利用したい場合はおサイフケータイを用いる必要がある。

2013年12月15日をもってサービス終了。[1]

加盟店

加盟店に関する業務は、三井住友カード、イオンクレジットサービス、ユーシーカード、クレディセゾンおよび楽天KCが行っている。また、2010年7月にiDを導入したセブン-イレブン・ジャパンにおいては、ジェーシービーが加盟店に関する業務を行っている[12]

iDに対応しているクレジット会社

2015年12月1日現在で次の各社がiDに対応したサービスを提供している(括弧内はサービスの名称)。

iDに対応しているおサイフケータイ

おサイフケータイで利用する場合のドコモの対応機種は、次の通りである。

※一部機種では利用できるサービスに制限あり。

Xi

docomo with series

Optimus it / MEDIAS X / Xperia SX
Ascend HW-01E / AQUOS PHONE si / SH-01E Vivienne Westwood / Xperia AX / Disney Mobile on docomo N-03E / ARROWS Kiss F-03E / ARROWS V / MEDIAS U / N-02E ONE PIECE / Optimus LIFE
AQUOS PHONE EX / MEDIAS X N-04E

docomo NEXT series

ARROWS X LTE / Optimus LTE / MEDIAS LTE
GALAXY S III / AQUOS PHONE ZETA SH-09D / ARROWS X F-10D / REGZA Phone T-02D / Optimus Vu: / L-06D JOJO / Xperia GX / ELUGA power / AQUOS PHONE sv
Optimus G / GALAXY S III α / GALAXY Note II / AQUOS PHONE ZETA SH-02E
ELUGA X / Xperia Z / ARROWS X F-02E / Optimus G Pro / Ascend D2

ドコモ タブレット

MEDIAS TAB

FOMA

docomo STYLE series

F-02A / N-02A / N-03A / N-05A / P-02A / P-03A / P-06A / SH-02A / F-08A / L-04A / N-08A / P-08A / P-10A / SH-05A / SH-08A
F-02B / L-01B / L-02B / L-03B / N-01B / N-03B / P-02B / SH-02B / SH-04B / SH-05B / F-07B / F-08B / L-04B / N-05B / N-06B / P-05B / P-06B / P-07B / SH-08B / SH-02B marimekko
F-02C / F-04C / F-05C / N-01C / N-02C / P-02C / SH-02C / SH-04C / SH-11C / F-10C / P-04C / P-06C / L-10C
F-02D / F-04D / P-03D / F-06D / F-06D Girls' / N-02D / N-03D / SH-03D / SH-05D
SH-03E / P-01E / N-01E / F-01E

docomo PRIME series

F-01A / F-03A / N-01A / P-01A / SH-01A / SH-03A / F-09A / L-06A / N-06A / N-07A / P-07A / SH-06A
F-01B / F-04B / N-02B / P-01B / SH-01B / F-06B / N-04B / P-04B / SH-07B
F-01C / N-03C / P-03C / SH-01C / SH-10C / F-09C / CA-01C / P-05C

docomo SMART series

F-04A / N-04A / P-04A / P-05A / N-09A / P-09A
F-03B / P-03B / N-07B / SH-09B
F-03C / P-01C / F-11C / N-05C

docomo PRO series

SH-04A / SH-07A
SH-03B
SH-05C / SH-06C

ドコモ スマートフォン

REGZA Phone T-01C / LYNX 3D / MEDIAS / AQUOS PHONE SH-12C / MEDIAS WP / Xperia acro / F-12C / AQUOS PHONE f

docomo with series

REGZA Phone T-01D / ARROWS Kiss / F-03D Girls' / AQUOS PHONE SH-01D / LUMIX Phone / AQUOS PHONE slider / Q-pot.Phone / PRADA phone by LG L-02D
MEDIAS ES / Disney Mobile on docomo F-08D / Disney Mobile on docomo P-05D / Xperia acro HD / ELUGA V

docomo NEXT series

MEDIAS PP / ARROWS μ / P-04D / AQUOS PHONE SH-06D/SH-06D NERV / P-04D

コンセプトモデル

SH-06A NERV
SH-09C / F-07C
らくらくスマートフォン

9シリーズ

7シリーズ

mova

DCMXmovaに対応していない[14][リンク切れ]

脚註

関連項目

外部リンク