BIG MACHINE
『BIG MACHINE』 | ||||
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B'z の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2002年6月、2003年2月 - 4月 | |||
ジャンル |
ハードロック[1] ブルースロック[1] ポップ・ロック[1] J-POP | |||
時間 | ||||
レーベル | VERMILLION RECORDS | |||
プロデュース | 松本孝弘 | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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B'z アルバム 年表 | ||||
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『BIG MACHINE』収録のシングル | ||||
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『BIG MACHINE』(ビッグ・マシーン)は、日本の音楽ユニット・B'zが、2003年9月17日にリリースした、13作目のオリジナル・アルバム。
概要[編集]
B'zがデビューしてから15年目に発売された作品。発売時点で5曲にタイアップがつき、後に3曲増えたため、収録13曲中計8曲にタイアップがつき、タイアップ曲が最多のオリジナル・アルバムとなる。
松本によると、前作『GREEN』が発売される前の2002年6月頃から既にデモテープを用意しており、その曲数は20曲程にも及んだという。また、この間に自身のプライベートスタジオ「RODEO RECORDING」がロサンゼルスに完成し、それに伴い、本作以降レコーディングの拠点はロサンゼルスとなり、ドラムはほぼ外国人プレイヤーが担当している[注 1]。
また、本作では「アレンジャー・コンペティション」という試みが行われ、これは松本が作成したデモテープを数名のアレンジャーに渡して好きなようにアレンジしてもらうもの[4]。最終的には徳永暁人のアレンジが多く採用されたため、本作から『MONSTER』まで編曲専任者兼ベーシストとして起用されることになる[注 2]。
本作の特色としてはシンプルなバンドサウンド中心の作品となっており、前作まで使用されていた弦楽器、管楽器、キーボードは一切使われておらず、打ち込み音も前作『GREEN』に比べて控えめとなっている。これらの傾向は次作『THE CIRCLE』で更に顕著になる。
次作『THE CIRCLE』の収録曲「BLACK AND WHITE」は、本来なら本作に収録されるはずだったが、アルバムのイメージに合わないという理由で先送りされた。また、「輝く運命はその手の中に」もこの時期のアウトテイクである。
稲葉浩志曰く、「『GREEN』の発展形かつ、変わる前って感じ」と評しており、アルバムタイトル『BIG MACHINE』とは15周年を迎え、ファンやスタッフと共に大きくなっていった「B'z=BIG MACHINE」を意味している。
DVD『Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜』の特典付属の映像作「The Days of Pleasure」に本作のレコーディング風景が収録されている。
2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[5]。
収録曲[編集]
曲の解説やタイアップ等はB'zで解説しているため、一部簡潔に解説する。
- アラクレ (3:25)
- フジテレビ系火曜9時ドラマ『あなたの隣に誰かいる』主題歌。
- 発売直後の「B'z LIVE-GYM 2003 Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"」ツアーの渚園公演でオープニングナンバーとなった。
- イントロのリフはデモ・テープの時点では入っておらず、スタジオでレコーディングを行っている最中に出来上がったもの[6]。
- ベスト・アルバム『B'z The Best "ULTRA Treasure"』でファン投票20位となり[7]、唯一の2000年代発売のオリジナル・アルバム初出曲からの選出となった。また、シングル曲を除く本作収録曲では唯一ライブ映像化もされている。
- 野性のENERGY (4:39)
- 35thシングル。表記はされていないが、アウトロやミックスなどを変えたアルバムバージョン。
- WAKE UP, RIGHT NOW (3:18)
- リフだけが最初にあって、そこにメロディを付けていったらしい。間奏のコーラス部分には、マネージャーなどのスタッフが参加している。稲葉曰く「歌うのがちょっと難しかった」とのこと。
- スタッフの間では、この曲を先行シングルにしようという意見もあった[注 3]。『1億3000万人が選ぶ!ベストアーティスト2003』で演奏された。
- 儚いダイヤモンド (3:28)
- I'm in love? (2:59)
- メンバー曰く「恋心II」とのこと。「恋心 (KOI-GOKORO)」よりも歌詞の主人公は成長しているようで、「自分の心の揺れ具合に戸惑っている感愛情表現って感じ。子供じゃないから、なんでも好き好きで始まればいいっていうもんじゃない」と一歩引いた位置に立っている。演奏時間は3分を切るほど短い。
- IT'S SHOWTIME!! (4:00)
- 愛と憎しみのハジマリ (4:26)
- 当時開戦したイラク戦争を知った稲葉が感じたことを歌詞にしており、「『愛だと思ってやっていることが、逆の立場から見れば愛じゃなかった』ということを書きたかった」とのこと。なお、松本はこの曲のギターソロも気に入っている。
- ただの8分打ちだが、徳永のアレンジによりいい感じで暗い曲だという。
- BIG MACHINE (3:34)
- 表題曲。B'zの曲では珍しく7弦ギターが使用されている。これは、間奏とエンディングに出てくるリフがlowBで、7弦でないと弾けないためである。特にイントロ部分は6弦と7弦では響きが大きく変わるという。
- 曲名は自分達が「ビッグ(大物)」という意味ではなく、「大きな車輪」を自分達でひたすら転がして突き進むという意味で、楽曲「RUN」同様、B'zのことを歌っている曲である。
- Nightbird (3:56)
- ブルージーな朝 (3:57)
- ギターは、ウェス・モンゴメリーのような感じを松本の消化できる範囲で行っているという。昔、松本がジャズの教室に通っていた頃にこういう曲も色々やったので、ジャズナンバーも気持ちいいと思うセンスもあると語っている。
- 歌詞は女性からの視点で描かれており、稲葉曰く「パっとしないモヤモヤしてる感じ」とのこと。
- 歌詞に雑誌「フライデー」が登場する。
- 眩しいサイン (4:05)
- 製作当初から、メンバーの2人も「昔のB'zっぽい」と自覚しており、意図的に昔のB'zを彷彿とさせるアレンジが施されている。
- 『B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"』の客出し曲に使用された。
- CHANGE THE FUTURE (3:56)
- NHK-BS2 衛星アニメ劇場『時空冒険記ゼントリックス』主題歌。
- 収録曲では、唯一ロサンゼルスで制作されたもの。歌詞は環境問題がテーマとなっており、稲葉がアメリカをツーリングしていた際に、カフェに置いてあった本に綴られていた「今の世界は未来の人々から借りているもの」という一節に共感し、そこからイメージを膨らませたという[8]。
- 元々は、最後に収録される予定だった。
- ROOTS (5:13)
- 『ブラック・ジャック スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』のエンディングに使用された。
- 歌詞は「離散家族」というワードを起点に、イメージを広げていったもの[9]。稲葉曰く「世界中を旅行するような気持ちで書いた」とのこと。また、この歌詞は難産だったようで、ロサンゼルスで書き始めて歌入れ直前まで書き直していた。当初は最後に収録される予定はなかったが、最後に合う曲として急遽収録された。
- イントロが存在しないが、「アルバムの最後を飾るのに余計なイントロがなくていい」とのこと。また、当時のアルバムにはほとんどなかったフェードアウトで終わる曲であり、本作で唯一演奏時間が5分を超える曲でもある。
- 2014年にファンクラブ会報で行われた「まだ自身は聴いたことがないけれど、いつかLIVE-GYMで聴きたいと夢見ている曲」のアンケートでは11位となったが、ライブでは「Nightbird」、「眩しいサイン」と同様に一度も演奏されたことがない。
タイアップ[編集]
シングル曲については各作品の項目を参照
- フジテレビ系火曜9時ドラマ『あなたの隣に誰かいる』主題歌(#1)
- アサヒビール「アサヒスーパードライ」CMソング(#3)
- 「NBA JAPAN GAMES 2003」CMソング(#4)
- ロッテ「のど飴」CMソング(#9)
- NHK-BS2アニメ『時空冒険記ゼントリックス』主題歌(#12)
- 読売テレビ・日本テレビ系アニメ『ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』主題歌(#13)
参加ミュージシャン[編集]
- 松本孝弘:ギター、全曲作曲・編曲
- 稲葉浩志:ボーカル、全曲作詞・編曲
- 徳永暁人:ベース、全曲編曲
- シェーン・ガラース:ドラム(#1.2.6.8.9.11.13)
- ブライアン・ティッシー:ドラム(#2-5.7.12)
- クリス・フレイジャー:ドラム(#10)
ライブ映像作品[編集]
シングル曲については各作品の項目を参照
アラクレ
- Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜
- B'z The Best "ULTRA Treasure"(特典DVD)
- B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜
- B'z LIVE in なんば 2006 & B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c “B'z - Big Machine (2003, CD)”. Discogs. Zink Media, Inc.. 2019年11月23日閲覧。
- ^ “第18回ゴールドディスク大賞 受賞作品/アーティスト|THE GOLD DISC”. 日本レコード協会 (2004年). 2019年11月23日閲覧。
- ^ 『be with!』第123巻、B'z Party、2019年9月。
- ^ 別冊カドカワ(2003年9月号)より
- ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日) 2018年11月10日閲覧。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「リフ」「riff」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
- ^ “B'z The Beat “ULTRA Treasure”リクエスト集計最終結果 TOP30”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2008年7月16日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「CHANGE THE FUTURE」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「roots」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- B'z DISCOGRAPHY 『BIG MACHINE』 ※楽曲の試聴が可能
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