ELEVEN (アルバム)

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ELEVEN
B'zスタジオ・アルバム
リリース
録音 1999年9月 - 2000年
オーシャン・ウェイ・レコーディング
ジャンル ロック
ハードロック
ミクスチャー・ロック
J-POP
時間
レーベル Rooms RECORDS
プロデュース 松本孝弘
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 2001年度年間19位(オリコン)
ゴールドディスク
B'z 年表
B'z The "Mixture"
(2000年)
ELEVEN
(2000年)
DEVIL
2002年
『ELEVEN』収録のシングル
  1. 今夜月の見える丘に
    リリース: 2000年2月9日
  2. May
    リリース: 2000年5月24日
  3. juice
    リリース: 2000年7月12日
  4. RING
    リリース: 2000年10月4日
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ELEVEN』(イレヴン)は、日本音楽ユニットB'zの11作目のオリジナルアルバムである。2000年12月6日Rooms RECORDSよりリリース。

内容[編集]

本作はそれまでのアルバムとは異なり、発売時期を決めずに前年の「B'z LIVE-GYM'99 "Brotherhood"」終了直後から日本でレコーディングを開始された。その後、1999年11月頃に1か月半ロサンゼルス(以下L.A.略)へ渡米し、現地の有名プロデューサー兼エンジニアでMr.Big等を手がけたパット・リーガン、ガンズ・アンド・ローゼズ等を手がけたマイク・クリンク[1]と共同作業でレコーディングが行われ、歌詞はすべて英語詞で制作され、アレンジ等も外国人プロデューサーにすべて委ねる方式がとられた。

2000年になり日本で制作が再開され、その後3月に再び渡米、現地のエンジニアのジム・シャンペンと共同作業で制作が行われた。その後、再び日本でもレコーディングが行われ、途中『B'z The "Mixture"』のレコーディングや「B'z LIVE-GYM Pleasure 2000 "juice"」を挟み、ツアーの頃は歌入れが少し残す程度でほぼ完成していた。

上記のように、本作はアルバムにすることをあまり意識せずにどんどん制作が行われ、アルバムのバランスやコンセプトがないまま作業が進められた。このため本作はL.A.で制作されたヘヴィな曲やオリエンタル調のバラード等、結果としてかなりのバラつきがある内容となった。アルバムの構成も難航したらしく、メンバー曰く「シングル曲がアルバム内における給水所のような役割」と語っている。アルバムリリースも収拾がつかなくなるからアルバムとして一区切りさせる目的もあり、その後もレコーディングは継続され、次回作『GREEN』に繋がることになる。

本作のL.A.レコーディング等の中で「B'zは2人であること、自分たちは日本人・東洋人であること」を意識するようになり、翌年以降の打ち込みによる原点回帰、松本孝弘のソロ作品のような「"和"テイスト」なスタイルがみられるようになった。アルバムタイトル『ELEVEN』はコンセプトやテーマが全くなかったため、このアルバムが「11枚目のオリジナルアルバム」だったことから付けられた。初回特典としてB'zの2001年度カレンダーが付属していた[2]

オリジナルアルバムとしては『The 7th Blues』以来メンバーが登場していないデザインとなっており、ジャケットに写っているは、1994年のジャパンカップで勝利したマーベラスクラウン。ジャケットデザインもこのレースの写真が基となっている。

香港、台湾盤も発売されたが、ボーナストラックは収録されていない。しかし、スリーブが日本盤とは異なっている。

1年間かけて20曲程がレコーディングされたため、本作に収録されなかった曲が多く存在している。次回作『GREEN』に収録された「SIGNAL」「SURFIN' 3000GTR」(当時は「SURFIN' 2000」)「美しき世界」は元々この時期に制作された曲である。また「まっかなシルク」、「New Message」、ライブでのみ披露された「Logic」等もこの時期のアウトテイクである。

2013年には松本が「B'zのNo.1アルバムは?」との問いに本作を挙げている。2014年にも伊藤政則との対談で「アルバムを通してギターの音が好き」と評している[3]

収録曲[編集]

曲の解説やタイアップ等はB'zで解説しているため一部簡潔に解説する。

  1.  I  (0:24)
    打ち込みで作られた約24秒のインストゥルメンタルで、今まで発表されたB'zの曲の中で最も短い曲。歌詞カードに歌詞は一切記載されていないが、何度か「B'z ELEVEN」と言っているのが聞こえる。曲の終了と同時に次の曲へと繋ぐ。曲順を決める際、頭に何か欲しいということで急遽制作された。稲葉浩志が床から這い出てくるMVも制作されている(短いがフルMV)。
    曲名表記は   (四角)の中に「I」の文字が入った記号。松本によると、このマークは譜面を書くときに使うリハーサル・マークだそうで、「I」は、「イントロ」あるいは「イントロダクション」の頭文字。
    翌年に行われた「B'z LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"」では、佐世保公演からロングバージョンでオープニングSEに使用された。
  2. Seventh Heaven (4:10)
    ジム・シャンパンとの共同作業で制作された曲。元々はホーンのないファンキーな雰囲気の曲だった。ベースは「FIREBALL」以来、松本が演奏している。曲名は「第7天国」「最上天」という意味の他に「最高の気分」「至福のとき」という意味がある。
    2000年の『ミュージックステーションスーパーライブ』で「今夜月の見える丘に」と共に披露された。ショートバージョンのMVが製作されており、当時放送されていた「笑う犬の冒険」の「テリーとドリー」の一部をパロディとして取り入れている。
    2014年の伊藤政則との対談で「B'zの楽曲で一曲選ぶなら?」という問いに松本はこの曲を挙げている。今の自分にはない勢いが感じられるとのこと[3]
  3. 信じるくらいいいだろう (3:39)
    イントロからサビ、間奏までリフで構成されている。そのためギターソロがないが、意図した事ではなくて自然とそうなった。普段の松本はメロディから作曲していくスタイルだが、この頃は周りから「リフ魔」と呼ばれるほど、リフから作曲することが多かったという。歌詞は稲葉によると「絶望寸前の人間の最後の望み…」。アルバムツアーでは序盤の一部会場のみで演奏されていた。
  4. RING (3:59)
    30thシングル。このアルバムでは初期に制作された。シングル曲にも関わらず、アルバムツアーでは未演奏となった。
  5. 愛のprisoner (4:09)
    パット・リーガンとの共同作業で制作された曲。本作の収録曲が発表された当初は1曲目の予定だった。翌年のELEVENツアーではオープニングを飾った。
  6. 煌めく人 (2:57)
    ラップを用いたミクスチャー・ロックを意識した楽曲。L.A.でリフが出来ており、メンバー曰く「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンみたいなのがやりたかった」という。稲葉は「こういうのもやっといたほうが勉強だと思って、松本さんに練習させてもらった曲」と語っている。
  7. May (4:19)
    28thシングル。元サポートメンバーの大島こうすけとの共同作業で制作された曲。シングル曲にも関わらず、アルバムツアーでは未演奏となった。
  8. juice (PM mix) (4:02)
    29thシングルのミックスバージョン。ジム・シャンパンとの共同作業で制作された曲。ギターリフが少し強調され、原曲よりヘヴィになっている他、ボーカルのレベルを少し上げたという。
    サブタイトルの「PM」はポキートマス(Poquito Mas)という安いメキシコ料理屋の名前であり、L.Aレコーディングでよく通っていたという。ちなみにポキートマスは「もうちょっと!」「もっともっと!」という意味。
  9. Raging River (7:32)
    ロックとストリングスを交えた7分32秒に及ぶバラードで、リメイク版を除くB'zのオリジナル楽曲では最も演奏時間が長い[4]。初めはピアノによるイントロの後、稲葉のボーカルと松本のアコースティックギターの伴奏のみで演奏されるが、中盤から他の楽器も参加して激しくなってくる。
    マイク・クリンクとの共同作業で制作され、歌詞は外国人プロデューサーの元で何をやってもOKテイクが出ず八方塞がりだった心境が反映されていると稲葉は語っている。
    この曲のデモ音源が、マストアルバム『B'z The "Mixture"』にシークレット・トラックに収録されている(2016年現在は視聴不可)。その際はアコギを用いた全編英語詞によるバージョンだった。
    赤い河」とは無関係。松本は「赤い河」自体忘れていたらしい。
  10. TOKYO DEVIL (3:26)
    パット・リーガンとの共同作業で制作された曲。打ち込み音から始まり、チャイニーズゴングで終わる楽曲。パットが鳴らすループに松本がリフを重ねていく方式で制作が行われた。
    別バージョンとして、2002年発売の『日韓サッカーワールドカップ公式コンピレーション盤』、ミニアルバム『DEVIL』、ベストアルバム『B'z The Best "ULTRA Treasure"』に収録された全英詞バージョンの「DEVIL」がある。こちらは、外国人プロデューサーと作業したデモが基となっている。
  11. コブシヲニギレ (4:32)
    「信じるくらいいいだろう」同様、リフ先行で作曲が行われた曲。メンバー曰く、今回やりたかったことの理想形。間奏のブルースハープは稲葉が担当。松本はこの曲をシングルにしたかったとか。前曲や次曲と曲間がない。
    翌年に行われた「B'z SHOWCASE "コブシヲニギレ"」のサブタイトルにもなった。
  12. Thinking of you (4:30)
    L.Aレコーディングの合間に松本がデモを作成し、その後日本で制作が進められた曲。イントロがなく、前曲終了直後に稲葉の歌い出しから始まる。
    同年に行われた「B'z LIVE-GYM Pleasure 2000 "juice"」の客出し曲に使用され、未発表の原曲が客出し曲に使われたのはこの曲が初めてである。アルバムツアーで未演奏となり、現在もライブ未演奏。
  13. (2:51)
    本作では最後に制作された曲で、当時のツアーサポートメンバーとのセッションにより制作された。セクションによってテンポが揺れており、エンディングではギターをパンニング処理で左右に振っている。アルバムツアーで未演奏となり、現在もライブ未演奏。
  14. 今夜月の見える丘に (Alternative Guitar Solo ver.) (4:10)
    27thシングルのアルバムバージョンで、シングル曲とはギターソロが異なる。なお、"Alternative"はここではただ単に「別の」や「代わりの」と言う意味であり、オルタナ調であるという意味ではない。
    ライブではこのバージョンが披露されることが多く、2000年のPleasureツアーで初披露された。なお、バラードベストアルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』に収録されている音源は別テイクで、このバージョンやシングルバージョンとも違うギターソロになっている。
    アルバムの最後に収録されたのはメンバー曰く「ドラマの印象が強いから中盤には収まらず、ここに入れるしかなかった。ボーナストラックのような感じかも」とのこと。

参加ミュージシャン[編集]

ライブ映像作品[編集]

シングル曲については各作品の項目を参照

Seventh Heaven

愛のprisoner

煌めく人

Raging River

TOKYO DEVIL

コブシヲニギレ

脚注[編集]

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  1. ^ May』の2nd beatとなった「You pray, I stay」も彼との共同作業で制作された曲
  2. ^ 尚、このカレンダーだけでは未完成であり、当時の会報誌に付属されていたポストカードと合わせることで「完全版」となる仕様だった
  3. ^ a b ラジオ番組「bayfm 25th Anniversary POWER OF RADIO SPIRITS」での発言
  4. ^ 全ての作品を含めても、「OUT OF THE RAIN -OFF THE LOCK STYLE-」(1stミニアルバム『BAD COMMUNICATION』収録、「君を抱きたい」のリメイク)の7分38秒に次いで長い。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]