BREAK THROUGH
『BREAK THROUGH』 | ||||
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B'z の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | BMGビクター | |||
プロデュース | 中島正雄 | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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B'z アルバム 年表 | ||||
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『BREAK THROUGH』収録のシングル | ||||
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『BREAK THROUGH』(ブレイク・スルー)は、日本の音楽ユニット・B'zが1990年2月21日にBMGビクターからリリースした3作目のオリジナル・アルバムである。このアルバムは、BMGルームス(現:VERMILLION RECORDS)の設立後も、発売権はソニー・ミュージックダイレクトのGT musicに残された。
内容[編集]
キャッチフレーズは「感性が誘惑された。創造力が突き抜けた。」[4]。
初回盤のみCDケースを入れる紙製の箱が付属している。
ジャケットのメンバーの格好は当時流行りのビジュアル系ファッションを意識したもの。
また、本作から[注 1]ディスクレーベルがジャケットのロゴを使用した専用デザインになった[注 2]。
B'zのオリジナル・アルバムとしては初めて裏ジャケットに収録曲が表記されておらず、新品時に付属している帯に収録曲が表記されている。
タイトル通り“突き抜ける”がテーマで、“BREAK THROUGH”と同じ意味の歌詞があちこちに登場するのが特徴。また、ラップやヒップホップの要素を取り入れるなど現在では聴けないテイストの曲が多い。稲葉は独自の作詞スタイルを確立するため、ロックでは敬遠されるような言葉や口調を積極的に取り入れるようになったと述べている[5]。松本は「3枚目までにブレイクしないとマズい」という危機感を持っており、勝負となる1枚だったとコメントしている。
また、本作からバンドスコアが発行されるようになり、本作のバンドスコアである『BREAK THROUGH+BAD COMMUNICATION』には『BREAK THROUGH』の楽曲の他に「BAD COMMUNICATION」(楽曲)も収録されている。
「シングルと同時発売」「1曲目がシングル表題曲」という形式は現時点で本作が最後となり、カップリング曲(2nd beat)も15年後の『THE CIRCLE』まで収録されなくなる。
実験的に発売したミニ・アルバム『BAD COMMUNICATION』がロングヒットしていたことも影響してB'zでは初のTOP10入りを果たし、最終的には72万枚以上を売り上げる大ヒットとなった[1]。メンバーは「ようやく何かをつかんだ」とコメントしている。
2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[6][注 3]。
収録曲[編集]
全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘、全編曲: 松本孝弘・明石昌夫。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「LADY-GO-ROUND」 | |
2. | 「B・U・M」 | |
3. | 「BREAK THROUGH」 | |
4. | 「BOYS IN TOWN」 | |
5. | 「GUITARは泣いている」 | |
6. | 「LOVE & CHAIN」 | |
7. | 「となりでねむらせて」 | |
8. | 「HEY BROTHER」 | |
9. | 「今では…今なら…今も…」 | |
10. | 「SAVE ME!?」 | |
11. | 「STARDUST TRAIN」 | |
合計時間: |
楽曲解説[編集]
- LADY-GO-ROUND
- 3rdシングルの表題曲。
- B・U・M
- BREAK THROUGH
- 表題曲、2ndアルバム『OFF THE LOCK』の頃に制作され[7][8]、稲葉曰く「転調が多いから歌いにくい」。
- BOYS IN TOWN
- GUITARは泣いている
- タイトルはビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」から取られたもので、松本は「ずっとやってみたかったタイプの曲」とコメントしている[7][8]。
- LOVE & CHAIN
- 3rdシングルのカップリング曲。
- となりでねむらせて
- HEY BROTHER
- B'zでは異色のファンキーで跳ねたビートが前面に出ている曲で、稲葉の歌い方も当時のヒップホップを意識したとコメントしている。歌詞にシボレー・コルベットが出てくる。
- 曲のエンディング部分の笑い声は阿部薫によるもの[9]。
- 今では…今なら…今も…
- 後に『B'z The "Mixture"』でリメイクされた。
- 松本が一曲を通してコーラスを担当したのはこの曲のみ。
- SAVE ME!?
- 最後に制作された曲[7][8]。
- 歌詞に「PURPLE HAZE」とあるように、ジミ・ヘンドリックスの「PURPLE HAZE」のリフを曲の一部で使っており[7][8]、メンバー曰く、「HEY BROTHER」と今曲は「お遊びソング」。
- 1994年に行われたツアー『B'z LIVE-GYM '94 "The 9th Blues"〈PART 2〉』でも披露され、ラップ部分を日本語詞に変更して演奏された。
- STARDUST TRAIN
- 歌詞の内容は不倫を歌ったものとなっている。
- イントロのキーボードは後に追加された[7][8]。『Flash Back -B'z Early Special Titles-』ではイントロのキーボードが省略されたものが収録されている。ファンからの人気も高く2008年のファンクラブ(B'z Party)の会報の人気投票では上位にランクインし、同会報のアンケートでは2014年「まだ自身は聴いたことがないけれど、いつかLIVE-GYMで聴きたいと夢見ている曲」のアンケートで6位、2017年の「LIVE-GYMで聞いてみたいB'zナンバー」のアンケートでは8位に選ばれた。
- アルバムツアー『B'z LIVE-GYM "BREAK THROUGH"』では唯一演奏されなかったが、翌年の『B'z LIVE-GYM "Pleasure '91"』で初披露され、限定ライブ『B'z PARTY Presents B'z Pleasure in Hawaii』で27年ぶりに演奏された。
参加ミュージシャン[編集]
- 松本孝弘:ギター、コーラス(#9)、全曲作曲・編曲
- 稲葉浩志:ボーカル、コーラス、全曲作詞
- 明石昌夫:コーラス、全曲編曲
- 青山純:ドラム(#4.5.9.11)
- 増田隆宣:キーボード(#11)
- 坪倉唯子:コーラス
- 阿部薫:コーラス
- 広本葉子:コーラス
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ ミニ・アルバムも含めると、『BAD COMMUNICATION』から
- ^ 前作『OFF THE LOCK』までディスクレーベルは汎用タイプだった。
- ^ 発売元は原盤権を所有するアリオラジャパン
出典[編集]
- ^ a b “B'z、さらなる記録更新へ!ニューアルバムリリース決定!”. ORICON NEWS (オリコン). (2006年5月10日) 2020年3月15日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Download Albums | Charts”. Billboard JAPAN. オリコン (2021年5月26日). 2022年12月14日閲覧。
- ^ 「日本レコード協会 ミリオン以上認定作品」『The Record』第442号、日本レコード協会、1996年9月1日、4頁。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「キャッチコピー」「catch copy」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
- ^ 雑誌「音楽と人」1998年1月号のインタビュー
- ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日) 2018年11月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 『be with!』第05巻、B'z Party、1990年6月。
- ^ a b c d e f g h 『be with!』第79巻、B'z Party、2008年10月。
- ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、245頁。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- B'z DISCOGRAPHY 『BREAK THROUGH』 ※楽曲の試聴が可能