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→‎刑事訴訟法: 警職法8条に警察官は、この法律の規定によるの外、刑事訴訟その他に関する法令及び警察の規則による職権職務を遂行すべきものとするとあるので、大変申し訳ありませんが、刑事訴訟法のsec.はdel.
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*第8条 警察官は、この法律の規定によるの外、刑事訴訟その他に関する法令及び警察の規則による職権職務を遂行すべきものとする。
*第8条 警察官は、この法律の規定によるの外、刑事訴訟その他に関する法令及び警察の規則による職権職務を遂行すべきものとする。

===刑事訴訟法===
*第189条 警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。
*2 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。
*第192条 検察官と都道府県公安委員会及び司法警察職員とは、捜査に関し、互に協力しなければならない。
*第198条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
*第199条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
*2 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。
*3 検察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。
*第202条 検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。
*第203条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
*2 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。
*3 司法警察員は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。
*4 司法警察員は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。
*5 第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
*第210条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
*第215条 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。
*2 司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聴き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。
*第218条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
*4 第一項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。
*5 検察官、検察事務官又は司法警察員は、身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。
*第220条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第百九十九条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。第二百十条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。
**一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
**二 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。
*2 前項後段の場合において逮捕状が得られなかつたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。第百二十三条第三項の規定は、この場合についてこれを準用する。
*3 第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
*4 第一項第二号及び前項の規定は、検察事務官又は司法警察職員が勾引状又は勾留状を執行する場合にこれを準用する。被疑者に対して発せられた勾引状又は勾留状を執行する場合には、第一項第一号の規定をも準用する。
*第221条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
*第222条 第九十九条第一項、第百条、第百二条から第百五条まで、第百十条から第百十二条まで、第百十四条、第百十五条及び第百十八条から第百二十四条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条、第百十一条の二、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証についてこれを準用する。ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
*2 第二百二十条の規定により被疑者を捜索する場合において急速を要するときは、第百十四条第二項の規定によることを要しない。
*3 第百十六条及び第百十七条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする差押え、記録命令付差押え又は捜索について、これを準用する。
*4 日出前、日没後には、令状に夜間でも検証をすることができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第二百十八条の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。但し、第百十七条に規定する場所については、この限りでない。
*5 日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。
*6 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第二百十八条の規定により差押、捜索又は検証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。
*第223条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。
*2 第百九十八条第一項但書及び第三項乃至第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
*第224条 前条第一項の規定により鑑定を嘱託する場合において第百六十七条第一項に規定する処分を必要とするときは、検察官、検察事務官又は司法警察員は、裁判官にその処分を請求しなければならない。
*第229条 変死者又は変死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視をしなければならない。
*2 検察官は、検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。
*第241条 告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。
*2 検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。
*第242条 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。
*第246条 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。


==有事・災害対策関連法(関連部分のみ抜粋)==
==有事・災害対策関連法(関連部分のみ抜粋)==

2020年10月11日 (日) 10:00時点における版

日本の警察官のシンボルマーク(旭日章

日本において警察官(けいさつかん)とは、警察法2条1項の定めるところにより、国民生命身体および財産の保護に任じ、犯罪の予防鎮圧および捜査被疑者逮捕交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持にあたることを職務とする一般職国家公務員および地方公務員をいう[1]旧警察法においては、国家公務員である者を「警察官」、地方公務員である者を「警察吏員」と呼び区別していたが、現警察法においては「警察官」の名称に統一されている。なお、都道府県警察の警察官のうち警視正以上の者は国家公務員とされ「地方警務官」と呼ぶのに対し、それ以外の警察官その他の職員は「地方警察職員」と総称される(警察法56条1項、2項)。

戦前の宮内省皇宮警察では皇宮警察官と称したが、現在の皇宮警察では皇宮護衛官という。

歴史

前原一誠を捕らえる明治時代の警察官(月岡芳年画)

平安時代弘仁7年(816年)頃に警察組織として検非違使が設置され、主に京都の警備にあたった。

江戸時代には警察に相当する組織としては、町奉行勘定奉行などがあった。江戸市中は町奉行所が扱い、幕府直轄領については勘定奉行が扱った。たとえば江戸には南北の町奉行が、諸国には地名を冠した遠国奉行があり、その職員である与力同心が現在の警察官に相当した。ただし、与力、同心の人数は人口に対して非常に少なく、江戸の人口100万人(当時の日本は身分制の社会で、城下町の人々は武家方・寺社方・町方(など)に分類され[2]、町奉行の活動の対象となる町方(=町人)の人口は半分の約50万人)に対して警察業務を執行する廻り方同心は南北合わせて30人にも満たなかった。この人数で江戸の治安を維持することは困難であったため、同心は私的に岡っ引と呼ばれる手先を雇い、警察業務の末端を担わせていた。江戸の岡っ引は約500人、その手下の下っ引を含めて3,000人ぐらいいたという。また、重罪であった放火押し込み強盗などを取り締まる火付盗賊改方も断続的に設置された。

明治維新によって江戸幕府が崩壊し、新たに薩長土肥が主導する明治政府が誕生すると、諸藩兵)が治安維持に当たった。しかし、藩兵は純然たる軍隊であり、警察ではなかった。1871年東京府 邏卒(らそつ)3,000人が設置されたことが近代国家警察の始まりとなった。邏卒には薩摩藩長州藩会津藩越前藩、旧幕臣出身の士族が採用された[3]が、その内訳は薩摩藩出身者が2,000人、他が1,000人であり、日本警察に薩摩閥が形成される契機となった[4]

警察関連法・規定(重要・関連部分のみ抜粋)

警察法

(警察の責務)

  • 第2条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。

(長官官房の所掌事務)

  • 第21条 長官官房においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。
    • 十七 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関すること。

(職員)

  • 第34条 警察庁に、警察官、皇宮護衛官、事務官、技官その他所要の職員を置く。
  • 3 長官は警察官とし、警察庁の次長、官房長、局長(情報通信局長を除く。)及び部長、管区警察局長その他政令で定める職は警察官をもつて、皇宮警察本部長は皇宮護衛官をもつて充てる。

(経費)

  • 第37条 都道府県警察に要する次に掲げる経費で政令で定めるものは、国庫が支弁する。
    • 一 警視正以上の階級にある警察官の俸給その他の給与、地方公務員共済組合負担金及び公務災害補償に要する経費
    • 二 警察教養施設の維持管理及び警察学校における教育訓練に要する経費
    • 三 警察通信施設の維持管理その他警察通信に要する経費
    • 四 犯罪鑑識施設の維持管理その他犯罪鑑識に要する経費
    • 五 犯罪統計に要する経費
    • 六 警察用車両及び船舶並びに警備装備品の整備に要する経費
    • 七 警衛及び警備に要する経費
    • 八 国の公安に係る犯罪その他特殊の犯罪の捜査に要する経費
    • 九 武力攻撃事態等における対処措置及び緊急対処事態における緊急対処措置並びに国の機関と共同して行うこれらの措置についての訓練に要する経費
    • 十 犯罪被害者等給付金に関する事務の処理に要する経費
  • 2 前項の規定により国庫が支弁することとなる経費を除き、都道府県警察に要する経費は、当該都道府県が支弁する。
  • 3 都道府県の支弁に係る都道府県警察に要する経費については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、国がその一部を補助する。

(職員)

  • 第55条 都道府県警察に、警察官、事務吏員、技術吏員その他所要の職員を置く。
  • 2 警視総監、警察本部長、方面本部長、市警察部長及び警察署長は、警察官をもつて充てる。
  • 3 第一項の職員のうち、警視総監、警察本部長及び方面本部長以外の警視正以上の階級にある警察官は、国家公安委員会が都道府県公安委員会の同意を得て、任免し、その他の職員は、警視総監又は警察本部長がそれぞれ都道府県公安委員会の意見を聞いて、任免する。
  • 4 都道府県公安委員会は、警視総監、警察本部長及び方面本部長以外の警視正以上の階級にある警察官については国家公安委員会に対し、その他の職員については警視総監又は警察本部長に対し、それぞれその懲戒又は罷免に関し必要な勧告をすることができる。

(職員の人事管理)

  • 第56条 都道府県警察の職員のうち、警視正以上の階級にある警察官(以下「地方警務官」という。)は、一般職の国家公務員とする。
  • 2 前項の職員以外の都道府県警察の職員(以下「地方警察職員」という。)の任用及び給与、勤務時間その他の勤務条件、並びに服務に関して地方公務員法の規定により条例又は人事委員会規則で定めることとされている事項については、第34条第1項に規定する職員の例を基準として当該条例又は人事委員会規則を定めるものとする。
  • 3 警視総監又は警察本部長は、第43条の2第1項の規定による指示がある場合のほか、都道府県警察の職員が次の各号のいずれかに該当する疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、当該職員が当該各号のいずれかに該当することが明らかになつたときは、都道府県公安委員会に対し、都道府県公安委員会の定めるところにより、その結果を報告しなければならない。

(職員の定員)

  • 第57条 地方警務官の定員は、都道府県警察を通じて、政令で定め、その都道府県警察ごとの階級別定員は、内閣府令で定める。
  • 2 地方警察職員の定員(警察官については、階級別定員を含む。)は、条例で定める。この場合において、警察官の定員については、政令で定める基準に従わなければならない。

(援助の要求)

  • 第60条 都道府県公安委員会は、警視庁又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる。
  • 2 前項の規定により都道府県公安委員会が他の都道府県警察に対して援助の要求をしようとするときは、あらかじめ(やむを得ない場合においては、事後に)必要な事項を警察庁に連絡しなければならない。
  • 3 第1項の規定による援助の要求により派遣された警察庁又は都道府県警察の警察官は、援助の要求をした都道府県公安委員会の管理する都道府県警察の管轄区域内において、当該都道府県公安委員会の管理の下に、職権を行うことができる。

(事案の共同処理等に係る指揮及び連絡)

  • 第61条の2 警視総監又は警察本部長は、当該都道府県警察が、他の都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼし、その他他の都道府県警察と共同して事案を処理する場合において、必要があると認めるときは、相互に協議して定めたところにより、関係都道府県警察の一の警察官(第60条第1項の規定による援助の要求により派遣された者を含む。)に、当該事案の処理に関し、当該協議によりあらかじめ定めた方針の範囲内で、それぞれの都道府県警察の警察職員に対して必要な指揮を行わせることができる。
  • 2 第60条第2項の規定は、前項の規定による協議をしようとする場合について準用する。
  • 3 都道府県警察は、他の都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼすときは、当該他の都道府県警察と緊密な連絡を保たなければならない。

(警察官の階級)

  • 第62条 警察官(長官を除く。)の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査とする。

(警察官の職務)

  • 第63条 警察官は、上官の指揮監督を受け、警察の事務を執行する。

(警察官の職権行使)

  • 第64条 都道府県警察の警察官は、この法律に特別の定がある場合を除く外、当該都道府県警察の管轄区域内において職権を行うものとする。

(現行犯人に関する職権行使)

  • 第65条 警察官は、いかなる地域においても、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第212条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、警察官としての職権を行うことができる。

(移動警察等に関する職権行使)

  • 第66条 警察官は、二以上の都道府県警察の管轄区域にわたる交通機関における移動警察については、関係都道府県警察の協議して定めたところにより、当該関係都道府県警察の管轄区域内において、職権を行うことができる。
  • 2 警察官は、二以上の都道府県警察の管轄区域にわたる道路運送法(昭和26年法律第183号)第2条第8項に規定する自動車道及び政令で定める道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路の政令で定める区域における交通の円滑と危険の防止を図るため必要があると認められる場合においては、前項の規定の例により、当該道路の区域における事案について、当該関係都道府県警察の管轄区域内において、職権を行うことができる。

(小型武器の所持)

  • 第67条 警察官は、その職務の遂行のため小型武器を所持することができる。

(被服の支給等)

  • 第68条 国は、政令で定めるところにより、警察庁の警察官に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。
  • 2 都道府県は、前項の政令に準じて条例で定めるところにより、都道府県警察の警察官に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。

(皇宮護衛官の階級、職務等)

  • 第69条 皇宮護衛官の階級は、皇宮警視監、皇宮警視長、皇宮警視正、皇宮警視、皇宮警部、皇宮警部補、皇宮巡査部長及び皇宮巡査とする。
  • 6 皇宮護衛官及び警察官は、その職務の執行に関し、相互に協力しなければならない。

(礼式等)

  • 第70条 警察職員の礼式、服制及び表彰に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

(長官の命令、指揮等)

  • 第73条 第71条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、長官は布告に記載された区域(以下本条中「布告区域」という。)を管轄する都道府県警察の警視総監又は警察本部長に対し、管区警察局長は布告区域を管轄する府県警察の警察本部長に対し、必要な命令をし、又は指揮をするものとする。
  • 2 第71条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、長官は、布告区域を管轄する都道府県警察以外の都道府県警察に対して、布告区域その他必要な区域に警察官を派遣することを命ずることができる。
  • 3 第71条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、布告区域(前項の規定により布告区域以外の区域に派けんされた場合においては、当該区域)に派遣された警察官は、当該区域内のいかなる地域においても職権を行うことができる。

(恩給)

  • 第77条 地方警察職員で次に掲げるものは、恩給法(大正12年法律第48号)第19条に規定する公務員とみなして、同法の規定を準用する。
    • 一 警部補、巡査部長又は巡査である警察官
    • 二 警視又は警部である警察官

警察官職務執行法

(この法律の目的)

  • 第1条 この法律は、警察官が警察法(昭和29年法律第162号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。

(質問)

  • 第2条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
  • 4 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

(保護)

  • 第3条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
    • 一 精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞のある者
    • 二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)
  • 2 前項の措置をとつた場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなければならない。
  • 3 第1項の規定による警察官の保護は、24時間をこえてはならない。但し、引き続き保護することを承認する簡易裁判所(当該保護をした警察官の属する警察署所在地を管轄する簡易裁判所をいう。以下同じ。)の裁判官の許可状のある場合は、この限りでない。
  • 4 前項但書の許可状は、警察官の請求に基き、裁判官において已むを得ない事情があると認めた場合に限り、これを発するものとし、その延長に係る期間は、通じて5日をこえてはならない。この許可状には已むを得ないと認める事情を明記しなければならない。
  • 5 警察官は、第1項の規定により警察で保護をした者の氏名、住所、保護の理由、保護及び引渡の時日並びに引渡先を毎週簡易裁判所に通知しなければならない。

(避難等の措置)

  • 第4条 警察官は、人の生命若しくは身体に危害を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
  • 2 前項の規定により警察官がとつた処置については、順序を経て所属の公安委員会にこれを報告しなければならない。この場合において、公安委員会は他の公の機関に対し、その後の処置について必要と認める協力を求めるため適当な措置をとらなければならない。

(犯罪の予防及び制止)

  • 第5条 警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があつて、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。

(立入)

  • 第6条 警察官は、前2条に規定する危険な事態が発生し、人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる。
  • 2 興行場、旅館、料理屋、駅その他多数の客の来集する場所の管理者又はこれに準ずる者は、その公開時間中において、警察官が犯罪の予防又は人の生命、身体若しくは財産に対する危害予防のため、その場所に立ち入ることを要求した場合においては、正当の理由なくして、これを拒むことができない。
  • 3 警察官は、前2項の規定による立入に際しては、みだりに関係者の正当な業務を妨害してはならない。
  • 4 警察官は、第1項又は第2項の規定による立入に際して、その場所の管理者又はこれに準ずる者から要求された場合には、その理由を告げ、且つ、その身分を示す証票を提示しなければならない。

(武器の使用)

  • 第7条 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法(明治40年法律第45号)第36条(正当防衛)若しくは同法第37条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
    • 一 死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる十分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他の手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のあるとき。
    • 二 逮捕状により逮捕する際又は勾引状若しくは勾留状を執行する際その本人がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。

(他の法令による職権職務)

  • 第8条 警察官は、この法律の規定によるの外、刑事訴訟その他に関する法令及び警察の規則による職権職務を遂行すべきものとする。

有事・災害対策関連法(関連部分のみ抜粋)

災害対策基本法

(発見者の通報義務等)

  • 第54条 災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
  • 3 第1項の通報を受けた警察官又は海上保安官は、その旨をすみやかに市町村長に通報しなければならない。

(市町村長の出動命令等)

  • 第58条 市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は警察官若しくは海上保安官の出動を求める等災害応急対策責任者に対し、応急措置の実施に必要な準備をすることを要請し、若しくは求めなければならない。

(警察官等の避難の指示)

  • 第61条 前条第1項の場合において、市町村長が同項に規定する避難のための立退きを指示することができないと認めるとき、又は市町村長から要求があつたときは、警察官又は海上保安官は、必要と認める地域の居住者、滞在者その他の者に対し、避難のための立退きを指示することができる。前条第2項の規定は、この場合について準用する。

(市町村長の警戒区域設定権等)

  • 第63条 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。
  • 2 前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の吏員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があつたときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行なつたときは、警察官又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
  • 9 警察官、海上保安官又は災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第7項において準用する前条第2項又は前項において準用する第2項前段の規定により工作物等を除去したときは、当該工作物等を当該工作物等が設置されていた場所を管轄する警察署長等又は内閣府令で定める自衛隊法第8条に規定する部隊等の長(以下この条において「自衛隊の部隊等の長」という。)に差し出さなければならない。この場合において、警察署長等又は自衛隊の部隊等の長は、当該工作物等を保管しなければならない。
  • 10 前項の規定により警察署長等又は自衛隊の部隊等の長が行う工作物等の保管については、第3項から第6項までの規定の例によるものとする。ただし、第3項の規定の例により公示した日から起算して6月を経過してもなお返還することができない工作物等の所有権は、警察署長か保管する工作物等にあつては当該警察署の属する都道府県に、政令で定める管区海上保安本部の事務所の長又は自衛隊の部隊等の長が保管する工作物等にあつては国に、それぞれ帰属するものとする。

(都道府県知事等に対する応援の要求)

  • 第74条 都道府県知事等は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
  • 2 前項の応援に従事する者は、応急措置の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。この場合において、警察官にあつては、当該応援を求めた都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行なうものとする。

(災害時における交通の規制等)

  • 第76条 (略)
  • 第76条の2 道路の区間に係る通行禁止等が行われたときは、当該道路の区間に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を当該道路の区間以外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに当該道路の区間以外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。
  • 2 区域に係る通行禁止等が行われたときは、当該区域に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を通路外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに通路外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り通路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。
  • 4 第1項及び第2項の規定にかかわらず、通行禁止区域等に在る車両の運転者は、警察官の指示を受けたときは、その指示に従つて車両を移動し、又は駐車しなければならない。
  • 第76条の3 警察官は、通行禁止区域等において、車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該車両その他の物件の占有者、所有者又は管理者に対し、当該車両その他の物件を付近の道路外の場所へ移動することその他当該通行禁止区域等における緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。
  • 2 前項の場合において、同項の規定による措置をとることを命ぜられた者が当該措置をとらないとき又はその命令の相手方が現場にいないために当該措置をとることを命ずることができないときは、警察官は、自ら当該措置をとることができる。この場合において、警察官は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両その他の物件を破損することができる。
  • 3 前2項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、第1項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両(自衛隊の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。
  • 4 第1項及び第2項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、消防吏員の職務の執行について準用する。この場合において、第1項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「消防用緊急通行車両(消防機関の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「消防用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。

(応急措置の業務に従事した者に対する損害補償)

  • 第84条 市町村長又は警察官、海上保安官若しくは災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官が、第65条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定又は同条第2項において準用する第63条第2項の規定により、当該市町村の区域内の住民又は応急措置を実施すべき現場にある者を応急措置の業務に従事させた場合において、当該業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となつたときは、当該市町村は、政令で定める基準に従い、条例で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。

(罰則)

  • 第113条から第115条まで (略)
  • 第116条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金又は拘留に処する。
    • 一 第52条第1項の規定に基づく内閣府令によつて定められた防災に関する信号をみだりに使用し、又はこれと類似する信号を使用した者
    • 二 第63条第1項の規定による市町村長(第73条第1項の規定により市町村長の事務を代行する都道府県知事を含む。)の、第63条第2項の規定による警察官若しくは海上保安官の又は同条第3項において準用する同条第1項の規定による災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の禁止若しくは制限又は退去命令に従わなかつた者

武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)

(他の都道府県知事等に対する応援の要求)

  • 第12条 都道府県知事等は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
  • 2 前項の応援に従事する者は、国民の保護のための措置の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。この場合において、警察官にあっては、当該応援を求めた都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。

(市町村長による避難住民の誘導等)

  • 第62条 市町村長は、その避難実施要領で定めるところにより、当該市町村の職員並びに消防長及び消 防団長を指揮し、避難住民を誘導しなければならない。

(警察官等による避難住民の誘導等)

  • 第63条 前条第1項の場合において、市町村長は、避難住民を誘導するため必要があると認めるときは、警察署長、海上保安部長等又は自衛隊法第76条第1項、第78条第1項若しくは第81条第2項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の部隊等のうち国民の保護のための措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等若しくは同法第77条の4第1項の規定により派遣を命ぜられた自衛隊の部隊等(以下「出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等」という。)の長(政令で定める自衛隊の部隊等の長に限る。)に対し、警察官、海上保安官又は自衛官(以下「警察官等」という。)による避難住民の誘導を行うよう要請することができる。この場合において、市町村長は、その旨を当該市町村の属する都道府県の知事に通知するものとする。
  • 2 都道府県知事は、前条第1項の規定により避難住民を誘導する市町村長から求めがあったとき、又は当該市町村長の求めを待ついとまがないと認めるときは、警視総監若しくは道府県警察本部長、管区海上保安本部長又は前項の自衛隊の部隊等の長に対し、警察官等による避難住民の誘導を行うよう要請することができる。

(市町村長との協議等)

  • 第64条 第62条第1項の場合において、警察官等が避難住民を誘導しようとするときは、警察署長、海上保安部長等又は出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の長(次項及び第3項において「警察署長等」という。)は、あらかじめ関係市町村長と協議し、避難実施要領に沿って避難住民の誘導が円滑に行われるよう必要な措置を講じなければならない。
  • 2 市町村長は、警察官等が当該市町村の避難住民を誘導しているときは、警察署長等に対し、避難住民の誘導の実施の状況に関し必要な情報の提供を求めることができる。
  • 3 市町村長は、警察官等が当該市町村の避難住民を誘導している場合において、避難住民の生命又は身体の保護のため緊急の必要があると認めるときは、その必要な限度において、警察署長等に対し、避難住民の誘導に関し必要な措置を講ずるよう要請することができる。

(病院等の施設の管理者の責務)

  • 第65条 病院、老人福祉施設、保育所その他自ら避難することが困難な者が入院し、その他滞在している施設の管理者は、これらの者が避難を行うときは、当該避難が円滑に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(避難住民を誘導する者による警告、指示等)

  • 第66条 避難住民を誘導する警察官等又は第62条第1項若しくは第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定により避難住民を誘導する者は、避難に伴う混雑等において危険な事態が発生するおそれがあると認めるときは、当該危険な事態の発生を防止するため、危険を生じさせ、又は危害を受けるおそれのある者その他関係者に対し、必要な警告又は指示をすることができる。
  • 2 前項の場合において、警察官又は海上保安官は、特に必要があると認めるときは、危険な場所への立入りを禁止し、若しくはその場所から退去させ、又は当該危険を生ずるおそれのある道路上の車両その他の物件の除去その他必要な措置を講ずることができる。
  • 3 前項の規定は、警察官及び海上保安官がその場にいない場合に限り、避難住民を誘導している消防吏員又は自衛官の職務の執行について準用する。

(避難住民の誘導への協力)

  • 第70条 避難住民を誘導する警察官等、第62条第1項若しくは第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)若しくは第67条第3項の規定により避難住民を誘導する者又は同条第4項の規定により避難住民の誘導を補助する者は、避難住民の誘導のため必要があると認めるときは、避難住民その他の者に対し、当該避難住民の誘導に必要な援助について協力を要請することができる。
  • 2 前項の場合において、警察官等、同項の避難住民を誘導する者及び同項の避難住民の誘導を補助する者は、その要請を受けて避難住民の誘導に必要な援助について協力をする者の安全の確保に十分に配慮しなければならない。

(発見者の通報義務等)

  • 第98条 武力攻撃災害の兆候を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は消防吏員、警察官若しくは海上保安官(次項及び第四項において「消防吏員等」という。)に通報しなければならない。

(生活関連等施設の安全確保)

  • 第102条 都道府県知事は、武力攻撃事態等において、武力攻撃災害の発生又はその拡大を防止するため、次の各号のいずれかに該当する施設で政令で定めるもの(以下この条において「生活関連等施設」という。)のうち当該都道府県の区域内に所在するものの安全の確保が特に必要であると認めるときは、関係機関の意見を聴いて、当該生活関連等施設の管理者に対し、当該生活関連等施設の安全の確保のため必要な措置を講ずるよう要請することができる。
    • 一 国民生活に関連を有する施設で、その安全を確保しなければ国民生活に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるもの
    • 二 その安全を確保しなければ周辺の地域に著しい被害を生じさせるおそれがあると認められる施設

(協力の要請に係る安全の確保)

  • 第110条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、第107条第2項及び第3項の規定により関係都道府県知事並びに関係市町村長、関係消防組合の管理者又は長及び警視総監又は道府県警察本部長に対し必要な協力を要請するときは、都道府県、市町村及び消防組合の職員(警察官及び消防吏員を含む。)の安全の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。

(市町村長の退避の指示等)

  • 第112条 市町村長は、武力攻撃災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該武力攻撃災害から住民の生命、身体若しくは財産を保護し、又は当該武力攻撃災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、必要と認める地域の住民に対し、退避(屋内への退避を含む。第4項において同じ。)をすべき旨を指示することができる。
  • 7 第1項の場合において、市町村長若しくは都道府県知事による退避の指示を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、警察官又は海上保安官は、必要と認める地域の住民に対し、退避の指示をすることができる。この場合においては、第2項及び前項の規定を準用する。

(警戒区域の設定)

  • 第114条 市町村長は、武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、当該武力攻撃災害による住民の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、警戒区域を設定し、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずる者以外の者に対し、当該警戒区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該警戒区域からの退去を命ずることができる。
  • 3 第1項の場合において、市町村長若しくは都道府県知事による同項に規定する措置を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する措置を講ずることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。

(消火、負傷者の搬送、被災者の救助等への協力)

  • 第115条 市町村長若しくは消防吏員その他の市町村の職員、都道府県知事若しくは都道府県の職員又は警察官等は、当該市町村又は都道府県の区域に係る武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、消火、負傷者の搬送、被災者の救助その他の武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、当該市町村又は都道府県の区域内の住民に対し、その実施に必要な援助について協力を要請することができる。

第10章 罰則

  • 第193条 第102条第7項(第183条において準用する場合を含む。)の規定による警察官若しくは海上保安官の制限若しくは禁止若しくは退去命令又は第114条(第183条において準用する場合を含む。)の規定による市町村長、都道府県知事、警察官若しくは海上保安官若しくは出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官の制限若しくは禁止若しくは退去命令に従わなかった者は、30万円以下の罰金又は拘留に処する。
  • 3 第1項の場合において、市町村長若しくは都道府県知事による同項に規定する措置を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する措置を講ずることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。

義務

憲法擁護義務

公務員として日本国憲法第99条に基づき、憲法尊重擁護の義務を負う。犯罪捜査を行う場合については、刑事訴訟法の規定に基づき、司法警察員又は司法巡査として、検察官の指揮を受ける。

守秘義務

警察官は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする(地方公務員法第34条第1項)。守秘義務違反は懲戒処分の対象となる。

秘密を漏らすとは、秘密事項を文書で表示すること、口頭で伝達することをはじめ、秘密事項の漏洩を黙認する不作為も含まれる。法令による証人鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない(同法第34条第2項、第3項)。

保護義務

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない(警察官職務執行法第3条)。

  • 精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者
  • 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

この措置をとった場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなければならない。

また警察官は、精神障害のために自身を傷つけ、又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは、直ちにその旨を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならない(精神保健福祉法第23条)。

警察以外の機関からの派遣・派出要請等

採用試験

警察官になるには、警察官採用試験に合格しなければならない。警察官の多くは、都道府県ごとに実施されている警察官採用試験を受験し、地方公務員として都道府県に就職することになる。警察庁の警察官採用試験は、都道府県の警察官採用試験とは別で実施され、国家公務員として採用されている。いわゆる「警察官僚」と呼ばれ、採用は毎年20人ほどの極めて狭き門である[5]。採用試験には、大卒程度のⅠ類、短大卒程度のⅡ類、高卒程度のⅢ類といった区分が設けられている[6]。受験資格は自治体によって異なるが、受験年齢下限は18歳、上限は28~35歳とされている。この他に職務の特性から身体基準が設けられている。自治体によって、採用試験の時期や回数は異なっており、1年に1回という自治体が多いが、およそ3割の自治体が採用時期を分けて1年に2、3回実施している[7]。毎年度、おおむね4月・8月・12月頃に、1週間〜10日前後の試験申し込み期間が設けられ、願書などの必要書類を提出する。その約1か月後に一次試験が実施される。その2週間ほど後に合否が発表され、合格者は数週間後に行われる二次試験に進み、最終合格者については「警察官採用候補者名簿」に名前が記載され、翌年度の4月1日以降、順次「巡査」として採用されることになる[6]。試験は、各都道府県別、男性・女性別、またⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類といった区分別に、年に複数回実施されることが一般的であるが、採用までの一連の流れは共通している[6]

警察官採用試験では一次試験に筆記試験、二次試験に体力試験や面接試験が実施される[8]。警察官等を採用するための公務員試験の筆記試験は「教養試験」と言われており、教養試験は知識分野と知能分野で構成されている[9]。教養試験に出題される数的推理、判断推理、資料解釈、文章理解等の一般知能と呼ばれる科目は、高等学校大学の教養課程では学習することのない科目である。日本史世界史地理政治経済思想現代社会物理化学生物地学数学等の一般知識と呼ばれる科目は、中学高等学校の学習内容と相違ない問題が出題され、自治体によって違いはあるものの、概して40問〜50問の問題を120分〜150分で解くという試験がほとんどである[10]。公務員試験の制度として、9月3週に実施される警察官、市役所消防など同一日に実施される試験では、多くの自治体が日本人事試験研究センター作成の共通の問題を使用している。警察官50問、市役所40問と自治体によって問題数が異なるものの、ほとんどの問題は共通しているため、警察官採用試験の難易度は市役所職員採用試験と同じ難易度である[11]。筆記試験はあくまでも、職種ごとの入り口考査として、受験者の資質を問うものである。政令市を除く市町村試験では事務職消防職ともにSPI3が導入されるなど警察官試験よりも、より簡易的な方法で実施されているところも多く、多様な人材を取り入れたいために、筆記試験ハードルを下げ人物試重視の傾向となっている[12]

教養試験は採用試験のうちの一次試験に過ぎず、面接試験が中心となる二次試験でも相当の倍率が出ている[13]。参考までに、令和2年度第1回福岡県警察官採用試験の結果は、受験者数1,822名、1次試験合格者数588名、最終合格者数197名となっており[14]、仮に一次試験に合格したとしても、面接や体力試験があり、最終合格までたどり着ける受験生は、ほんの一握りである[15]。また、一次の筆記試験から二次の面接までの間、各警察本部は非公開にしているものの、警察情報を元にした身上調査も行われる。極左極右団体での活動歴や犯罪歴の有無、反社会的勢力との関係の有無について、本人両親兄弟祖父母といった三親等にまで範囲を広げて調査が行われる[16]。さらに、性格診断も実施されるため、警察官に不向きな性格と判断されれば、筆記・体力・面接がよくても不合格となる[15]競争倍率を見ても令和元年度福岡県警4.9倍と、県ごとに差があるものの各県を平均すると倍率は約5倍となっており[17]、およそ5人が受験して4人は警察官になることができないため、容易な試験ではない[18]

警察官の職務は多岐にわたり、体力・知力ともに高いものが要求される仕事である[19]。採用後の警察学校では、刑法ほか警察官として必要な学術を学ばなければならず[12]、入校中は試験もあるため、卒業まで行けずに退職する者も多い。卒業後も「昇任試験」があり、巡査部長警部補警部と昇進するには必ず合格する必要がある。また、同じ公安職だと消防官消防法など法律知識が必要とされるが、座学と訓練の割合で言えば警察官の方が多く、勉強する知識の幅も広いため[20]、一定以上の学力が求められる[19]

階級・階級的職位

警察官の階級は、警察法第62条により、警視総監以下、警視監警視長警視正警視警部警部補巡査部長及び巡査の9階級が定められている。また巡査と巡査部長の間に階級徽章から区別されるように、警察法に定められた正式な階級では無いが「階級的地位」として運用される巡査長[注釈 1]がある。

警察庁の長たる警察庁長官は日本の警察官の最高位の官職名・職位であるが、階級を有しない警察官である(警察法第34条第3項、第62条)。警視監以下の警察官は制服着用時に「階級章」を着装するが、長官は特別に規定された「警察庁長官章」(金色の5連日章)を両肩肩章に着装する(警察官の服制に関する規則第4条第1項)。警視総監も警視監までに規定されている階級章ではなく、両肩に4連日章を着装する。

警視総監は、最高の階級として東京都を管轄する警視庁に1名のみ置かれ、その職名と階級が一致する。全国の道府県警察本部長が警視監ないし警視長なのに対して、首都治安維持を指揮する警視総監は、階級においても特別な地位である。

その他の公務員でも同様であるが、殉職した場合は殉職の態様により二階級、あるいは一階級特進等の形で特別に昇任する場合があり、その場合には、(遺族への)退職金支払い・叙勲・その他の保障も特進した階級に基づきなされる。

1990年代に、職務の高度化及び専門化に鑑み、警視、警部、警部補の人員割合を増やすという、階級構成の是正化が行われている[21]

国家公務員として警察庁(本庁)に採用された場合、国家公務員総合職採用者(旧Ⅰ種、旧三級職、有資格者、いわゆるキャリア)は警部補階級を初任とし、国家公務員一般職(大卒)採用者(旧Ⅱ種、旧二級職、いわゆる準キャリア)は巡査部長の階級を初任とする。これら警察庁採用の警察官は昇任試験を課せられることなく、選考により昇任する。

地方公務員として都道府県に採用された場合は、採用枠や学歴に関係なく原則として巡査(旧1級職、国家III種採用相当、高卒程度)の階級を初任とする。その後は一定の経験年数を受験資格とする、巡査部長警部補警部と3段階の試験を通じて昇任の道が開ける。いずれも倍率の高い試験である。警視以上へは試験ではなく個別の選考により昇任する。警察制度上、巡査部長は初級幹部、警部補は中級幹部と位置づけられる。地方公務員として採用された者であっても、警視正の階級に至ると国家公務員に身分が切り替わり、任命権者警察本部長から国家公安委員会になる(地方警務官)。俸給その他手当についても国庫がその支弁を行うようになる(警察法37条1項1号、警察法施行令2条1項)。 都道府県の場合、専門性を必要とされる職種については経験者または有資格者を採用しており、学歴に関係なく経験や能力によって階級が定められている。主に財務捜査、サイバー捜査において専門採用枠があり、採用時の階級は巡査部長であることが多い。

警察官の階級・階級的職位
階級序列 階級
(職位)
主な官職
- 警察庁長官 警察庁長官
1 警視総監 警視総監
2 警視監 警察庁次長官房長局長審議官部長・主要課長、警察大学校長・副校長、管区警察局長、皇宮警察本部長、警察大学校長、警視庁副総監・主要部長、警察本部長(一部)
3 警視長 警察庁内部部局課長参事官管理官管区警察局部長・学校長、警察大学校部長、警視庁部長・主要参事官、方面本部長(一部)、警察本部長、警察本部主要部長
4 警視正 警察庁内部部局室長・理事官、管区警察局部長・主要課長・管区警察学校部長、警察大学校主任教授、警視庁参事官・主要所属長、方面本部長、警察本部部長・主要参事官・主要課長・首席監察官市警察部長、大規模警察署長
5 警視 警察庁内部部局課長補佐・課付、管区警察局課長・調査官・管区警察学校教授、警察本部参事官・所属長・管理官・係長、警察署長・副署長・主要警察署管理官・課長
6 警部 警察庁内部部局係長、管区警察局課長補佐・係長、主要警察本部係長、警察本部課長補佐、警察署・副署長・次長・課長・課長代理、執行隊中隊
7 警部補 警察庁内部部局係長心得、警察本部係長・主任、警察署課長代理・係長・係長代理、班長、執行隊小隊
8 巡査部長 警察署主任、班長、執行隊分隊
- 巡査長 指導係員
9 巡査 係員
階級序列 - 1 2 3 4 5 6 7 8 - 9
胸章
警察庁長官 警視総監 警視監 警視長 警視正 警視 警部 警部補 巡査部長 巡査長 巡査
肩章
Second Lieutenant
Second Lieutenant
Officer Cadet
Officer Cadet

階級の変遷

明治初期

1874年明治7年)、司法省にあった警保寮を内務省に移管。帝都の治安を担う東京警視庁設置により、本格的な行政警察に基づく警察制度が確立した。当初、長は警視長とされたが、同年中に次位の大警視を長の名称に引き上げるなどの改正がされた。その後、内務省警視局への組織改編をはさんで数度の改正が行われた。

一方、東京府以外の各府県では、1875年(明治8年)に警部と巡査が置かれた。府県の警察担当部署は第四課で、1880年(明治13年)に警察本署と改められた。

再び警視庁が置かれる直前(1880年)における、東京府(内務省警視局)と東京以外の府県の警察官・巡査の職を示す。

警察官・巡査の階級(1880年)
官等 警視局 府県
勅任 3等 大警視 -
奏任 4等 中警視 -
5等 権中警視 -
6等 少警視 -
7等 権少警視 -
8等 一等警視補 一等警部
9等 二等警視補 二等警部
判任 10等 大警部 三等警部
11等 権大警部 四等警部
12等 中警部 五等警部
13等 権中警部 六等警部
14等 少警部 七等警部
15等 権少警部 八等警部
16等 警部補 九等警部
17等 警部試補 十等警部
(等外) 等外1等 一等巡査
等外2等 二等巡査
等外3等 三等巡査
等外4等 四等巡査

明治中後期

1881年(明治14年)、警視庁が再置され、内務省本省から独立した。警視庁の長は警視総監となり、この官名は現在に引き継がれている。警視庁の初期には警視副総監、巡査総長など現在とは異なる名称の職も置かれたが、数度の改正を経て1891年(明治24年)には警視総監 - 警視 - 警部 - 巡査の形となった。

東京府以外の府県では、1881年に警部長 - 警部 - 警部補 - 巡査の形となった。警察部門の名称は、警察本署から警察本部、警察部と改められたが、警部長が引き続いてその長となった。1905年(明治38年)の警部長廃止後は警務長が置かれ、警察部長たる事務官が充てられた。台湾・朝鮮の外地には、巡査の下に巡査補の階級が置かれ、台湾人・朝鮮人が巡査補に任命された。

  • 1890年(明治23年) - 巡査部長を設置。警部補を廃止(警部に吸収)。
  • 1900年(明治33年) - 府県に警視を設置(1924年大正13年)に地方警視に改称)。
  • 1910年(明治43年) - 警部補を再び設置。

大正〜昭和戦前

  • 1913年(大正2年) - 警務長を廃止。
  • 1943年昭和18年)〜1946年(昭和21年) - 大阪府では警察局となり、警察局長が置かれた。
  • 1944年(昭和19年)〜1946年(昭和21年) - 警視庁と一部道府県に警務官が置かれた。

終戦1945年(昭和20年)8月15日)当時における警察官、消防官等の職を示す。

警察官・巡査、消防官等の階級(1945年)
官等 警視庁 北海道庁 大阪府 府県 消防
勅任 警視総監 - - - -
- 警察局長
奏任 官房主事
各部長
警察部長 警察局各部長 警察部長 -
警務官 警務官 警務官
警視 警視 地方警視 消防司令
北海道庁消防司令
地方消防司令
判任 警部 警部 警部 消防士
消防機関士
警部補 警部補 警部補 消防士補
消防機関士補
判任待遇 巡査部長 消防曹長
巡査 消防手

官名と職名

次の3つに分類することができる。上2つは国家公務員、3つ目は地方公務員である(カッコ内は例)。

  • 警察庁警察官(官名=警察庁巡査部長、警察庁警部補、職名=官房審議官、四国管区警察学校教務部長兼教授)
  • 地方警務官(官名=警視正、警視長、職名=警視庁副総監、神奈川県警察本部交通部参事官兼運転免許本部長)
  • 警視以下の都道府県警察官(官名=巡査長沖縄県巡査、北海道警部、職名=大阪府警察本部刑事部捜査第一課長、○○警察署地域課長)

装備

警察庁の警察官は、制服のほかに階級章、識別章、警察手帳手錠警笛警棒拳銃、帯革、けん銃吊り紐を貸与されることと定められている[22]。各都道府県警察でも、これに準じた装備が貸与されている。

服制

明治時代から第二次世界大戦中までの制服詰襟であったが、戦後背広型となった。イメージは軍服に負い皮付き帯革を締めた姿。

1994年から採用されている形式の制服は、旧制服よりもさらに市民への威圧感を軽減し、男女ともに機能性・活動性に特化したデザインであると同時に、警察官として相応しいりりしさと見た目にも美しさを兼ね備えたデザインを取り入れている。

同年より女性警察官の制服にはスカートの他にズボンも配布されたが、ズボンは当初、正装とは見なされなかったが、近年では一部の都道府県警察の訓令でスカート・ズボンどちらも着用していいこととなった。特に指定のない場合の公式正装では下衣はスカート着用とされている。ズボン配布は、制服のスカート丈が短いので内勤は良いが外勤の際は冬場では寒いという意見が多かったので、外勤の活動服として取り入れられたことによる。

最近の警察官は個人の標準装備に、ベルトポーチ(ウエストバッグではない)など自前購入した様々なオプションを付け加えることが容認されているようである(巻尺を着けている警察官もいる)。制服に関しては1994年以降変更されていない。

右上腕部のそでにあるエンブレムを除き[注釈 2]、全国的に統一されたデザインの物が着用されている。これは全ての警察官が同じ制服を着用していることによる一体意識を持たせること、複数の都道府県警察の警察官が合同で業務を行う際の混乱を防ぐこと等の理由があると考えられる。エンブレムが右腕に着くのは、交通検問の際に質問者が警備員ではなく警察官であると直ちに認識させるため(日本車は運転席が右側にあるので、運転手からは相手の右上腕が最初に目に入る。もっとも、警備員が"検問"をすることは法律上できない)。

なお、民間警備会社の警備員の制服は、色彩・形式・記章(ワッペン)等により警察官および海上保安官と明確に識別できるものでなくてはならない(警備業法第16条、警備業法施行規則第27条)とされている。これは警備員が警察官や海上保安官と誤認されたり、民間企業従業員である警備員の行う警備業務が警察官等の行う行政警察活動としての警備と混同されたり、警備員に特別な権限があるかのような誤解を招くことがないようにとの主旨によるものである。

活動服

白バイ隊員

活動服は、上衣が4つボタンのブルゾン(フランス語でジャンパー)型で丈が短く、腰部分にシャーリング(ゴム紐を入れた絞り)が入っているため非常に動きやすくなっている。地域警察官や留置場勤務の総務警察官や道路標識などの管理業務中の交通警察官が着ているのが「活動服」であり、「冬服」・「合服」を着ているのは署内勤務員(各種申請・届出を受け付けたりする総務警察官)や交通警察官(交通整理を街中で立ち、行うためにスーツたる背広を着用)や幹部クラスの警察官である。まれに「冬服」・「合服」を着ている地域警察官を見かけることがあるが、活動服が使用不可能な状態(破損や汚損など)な場合が多い。ただし飽くまで略装であり、常用は厳しく制限している本部もある。当初は自動車警ら隊等のパトカー乗務員にのみ支給されていたが、現場の意見から広く採用されることとなった。

街中でパトロールや取締りをする交通機動隊高速道路交通警察隊に属する警察官の制服は他部署(自動車警ら隊員や地域警察官など)とは異なっており、交通乗車服という特殊服(ダブルボタンのライダースジャケットに、サスペンダー付きで丈が胸の下まであるズボン。色は共に空色で、ズボンにはの側章線が入る。履物は乗車用ブーツ)を着用する。また常に必ずヘルメットを被ってパトロールに従事するよう定められている。

他にパトロールをする刑事警察機動捜査隊に属する警察官(刑事)の場合(覆面パトカーに乗務)、制服ではなく「私服警察官」として、一般人と同様の背広などを着てパトロール等に従事するため、警察官と気づかれることなく挙動不審人物に職務質問することが可能となり犯人を取り逃がす可能性が低くなる。

冬服・合服

冬服(12月1日から翌年3月31日まで着用)は3つボタンである。色は濃紺色。導入当初、市民からは「遠目には警備員と区別がつかない」と不評だったという。

帯革(たいかく[注釈 3])をズボンのベルトに専用金具で固定する。帯革には、拳銃ホルスター無線機警棒(伸縮式警棒)、拳銃吊り紐、手錠ケースなどがつけられる。拳銃ホルスターや無線機は上衣の外に出ていないといけないため、上衣腰ポケット蓋下に切られているスロットからベロを引き出しそれに付ける。つまり一般の上着と違い、腰ポケット蓋はダミーで、腰ポケットに物は入れられない構造である。拳銃吊り紐はカールコード式で、端は帯革に留める。

合服(4月1日から5月31日まで及び10月1日から11月30日まで着用。沖縄県警では合服の期間が短いほか、警視庁小笠原警察署では通年夏服のため着用しない)は、上衣、ズボン共に紺色とする。制式は冬服と同様。生地にが混じっているため、色や艶が冬服とはやや異なる。上着の下には夏服そっくりの肩章付のワイシャツ(長袖で色は白)を着用している。上着を脱いでワイシャツのみでの着用も認められており、その際は腕まくりも許可されている。

旧制式と比較して、次の点などが変更されている(1968年1994年式制服の比較)。

  • 上衣の下衿は、ピークドラペル[注釈 4]からノッチドラペル[注釈 5]になった。肩章の襟側に飾りボタンが左右1個ずつ付いた。4つボタンから3つボタンになった。胸部のポケットの張り合わせが、ひだ一条になった。腰部左右にポケットとポケット蓋を留めるボタンがあったものから、ズボンベルトに付けた帯革の拳銃と無線機を出す貫通口とその蓋となった。センターベンツから、サイドベンツになった。
  • 帯革を上衣の下に締めることとして負革が廃止された。そで章を袖前面に一直線に配した線から、袖前面に外上がり内下がり斜めに配した線に変更。
  • 警部補の帽子の帯章の黒色線を紺色線に変更。
  • 警棒が全長60センチの木製からアルミ合金特殊警棒に統一された(捜査員や白バイ隊員は従来から特殊警棒)。
  • 階級章のデザインを変更(警察庁長官章と警視総監の階級章を除く)し装着位置を両襟(盛夏服は右胸)から左胸に変更。
  • 右上腕部にエンブレムが付いた(これは交通取締時に運転手へ警察官と証明し、交通警察活動を認識させるため。警備員のワッペンは逆に左腕や、アメリカの法執行官同様の両腕である)。エンブレムはシリコン製となっている。

夏服

夏服(6月1日から9月30日まで着用)は、水色の制式シャツ(肩章とエンブレムが付く)、あい色ズボン。シャツは半袖と長袖があり、長袖着用時は腕まくりも認められている。夏服のみ第一ボタンがなく、ネクタイも着用しない。

階級章

階級章は巡査〜警視監まで同じ型で、左胸に付ける。金色の部分が多いほど階級が上になる(警視総監の階級章および警察庁長官の長官章のみ、1968年当時から変わらず肩章。これは両方とも一人しかいないため)。

2002年10月、続発した警察不祥事への対策の為、IDを示す半月状の識別章(書式は英字2字に3桁の数字。英字が所属警察本部または警察署、数字が個人番号を表す。裏側には警察本部名だけが書かれていて、従事する個人を特定されると支障が生じる強制捜索の場合など、必要に応じて反転させられる構造)が取り付けられるようになった[注釈 6]。色は巡査部長まで全て銀色、警部補以上は縁が金色になる。

巡査部長は冬服・合服の袖に銀のライン、警部補・警部は金のライン、警視以上は金に加え紺のライン一条または二条が入る。また、制帽の帯章には警部補は紺、警部以上は金のラインが入る。

防弾・防護具

大戦前には、特殊帽防火・防弾具については地方長官が内務大臣の認可を得て制定することとされており、府県ごとに相違していたと思われるが、1941年には内務省警保局長通牒により防空警備に従事する警察官の特殊制帽の様式が示され、これにより各府県警察部は防空警備時には軍用品に類似の略帽および鉄帽(いずれも徽章旭日章)を使用できることとなった。鉄帽については当初白色と指定されていたが、大戦末期の鉄帽着用警察官の写真ではいずれも暗い色調となっている。

現在では、服制改正以降、薄型の防刃衣が導入され、外勤警察官の多くが着用するようになった。また、この頃から、銃器による犯罪の捜査現場や暴力団抗争事件の現場警備などで、突入捜査班・機動隊など以外の警察官も自衛隊88式鉄帽類似の戦闘用ヘルメットセラミックプレート入り防弾衣(旧型の金属板入りタイプも残存)を着用して捜査・警戒にあたる姿が報道などを通じてみられるようになっている。また交通機動隊の白バイ隊員は夜光チョッキと一体化した防護衣を着装している。

制服・装備品年表

  • 1871年明治4年) - ら(邏)卒(巡査の前身)制度発足。
  • 1877年(明治10年) - 近代警察制度発足。二等巡査以下はサーベルを帯刀できず。
  • 1883年(明治16年) - 巡査を含む全ての警察官がサーベルを帯刀する。
  • 1896年(明治29年) - 立襟5つボタン
  • 1908年(明治41年) - 立襟5つボタン。新たに肩章が付く。
  • 1923年(大正12年) - 10月22日、警察官及消防官服制改正公布(勅令)、必要なとき警察官の拳銃使用を認める。
  • 1935年昭和10年) - 立襟5つボタン。ポケットや肩章に変更がある。
  • 1946年(昭和21年)
    • 7月30日 - GHQの指導により「警察官及び消防官服制」(昭和21年勅令367号)公布。内容は下記の通り。
      • 冬服は詰襟から濃紺色開襟式4つボタン背バンド付きに変更。常時ワイシャツ・ネクタイを着用。
      • 夏服は白色詰襟から上記同様のデザインに変更(生地は薄手)し、ネクタイを用いずワイシャツの襟を上位の襟に重ねるスタイルとした。
      • 盛夏服を新設。制式は上衣は茶褐色ワイシャツ式、ズボンも茶褐色とした。
      • 肩章を着脱式から縫い込み式に変更し日章1個とする。一級官・二級官は金色金属製、警部・警部補は銀色金属製、巡査部長・巡査は銀色布製とした。
      • 肩章の変更に伴い新たに階級章を制定。警部補以上は縦26ミリメートル横45ミリメートルの黒色布製台地に両縁に金線繍を施し、中央に平織金線及び銀色日章を付けたもので巡査部長・巡査は縦55ミリメートル(巡査は43ミリメートル)横70ミリメートルの布製黄色山型及び銀色日章を付けたものとした。
      • サーベルを廃止しけん銃、警棒及び警杖とした。
    • 9月21日 - 一級官たる警視庁官房主事各部長及び庁府県警察部長の階級章を制定。
  • 1947年(昭和22年)5月1日 - 服制一部改正で警察官章を制定。併せて「婦人警察官服制」(昭和22年勅令第183号)公布。同日施行。
  • 1948年(昭和23年)8月21日 - 旧警察法施行に伴い「警察官服制」(昭和23年国家地方警察訓令第2号)および「婦人警察官服制」(同3号)公布。内容は
    • 肩章について警部・警部補は金色金属製、巡査部長・巡査は銀色金属製に変更。
    • 長官・次長・警視長・警視正の階級章を新設。
    • 上記以外は従前の例による。
  • 1950年(昭和25年)1月10日 - 服制一部改正。帯革および帯革止を新設。
  • 1956年(昭和31年) - 警察官の服制及び服装に関する規則(昭和31年国家公安委員会規則第4号)が制定される。
  • 1963年(昭和38年)4月1日 - 服制一部改正。題名を「警察官の服制および服装に関する規則」に改正し、冬服上衣・冬帽子・外とうの材質に合成繊維(夏服上衣・夏帽子にはそれに加え麻・綿)使用できるようになり、「警部・警部補の階級章が巡査部長・巡査の階級章と見分けがつきにくい」との現場の意見を反映し警部・警部補の階級章を金線の太さを2ミリメートルから4ミリメートル(飾りみぞ付き)にし金線の両縁に1.5ミリメートルの黒線を付したものに変更。
  • 1964年(昭和39年)9月10日 - 服制一部改正。雨衣の色を従来の濃紺または黒に加え白(各色頭きんに無色透明)を用いることができるようになり、従来の雨衣を雨衣第1種に変更、「6分コート」+「ズボン」の雨衣第2種を追加。
  • 1967年(昭和42年)7月1日 - 巡査長制度開始に伴い巡査長を示す章を追加。制式については警察庁次長訓令「巡査長制度の趣旨および運用の方針ならびに巡査長を示す章の制式および着用について」(昭和42年6月3日警察庁乙官発第9号、警察庁乙務発第20号)により長さ30ミリメートル幅3ミリメートル高さ3ミリメートルの金色金属製とし、着用位置を階級章の外側(盛夏ワイシャツ着用時は階級章の下側)とした。
  • 1968年(昭和43年)8月23日 - 服制一部改正。内容は下記の通り。
    • 制服関係
      • 冬服・夏服のデザインを統一。
      • 夏服・盛夏ワイシャツの色をねずみ色から色褪せにくい灰み青色に変更。
      • 上衣を3つボタンから4つボタンに変更。えりを小型化。前ボタンとポケットのボタンの形状・寸法を同一化。ボタンの色も冬服は金色・夏服はいぶし銀色とした。
      • 胸ポケットの位置を高くし、外方に10度の傾斜をつけた。腰ポケットは飾りぶたのみとした。
      • 着用時の乱れの無いように上衣の下前を持ち出し式とし、作業着的印象を払拭するため後ろの背ひだに代えてゆとりを設けセンターベントとした。
      • 冬服の肩章および警部以上の冬服上衣・外とうのそで章にあった日章を廃止。
      • 上記に関連して冬服・外とうのそで章を階級に応じ1条ないし3条の黒色しま織線をつけ、警部補以上はじゃ腹組金線を、巡査部長はじゃ腹組銀線をつけることとし、夏服は階級に応じ1条ないし3条の灰み青色しま織線をつけることとした。
      • ズボンを細くし、前立てをチャック式とした。右後方ポケットのふたおよび時計入れポケットを廃止し右前ポケットに内ポケットを追加。
    • 制帽関係
      • 夏帽子をねずみ色から灰み青色(前ひさしおよびあごひもはねずみ色から黒色)に変更。
      • 警視正と警視の帯章を同一化。
      • 夏帽子の帯章を水色ななこべりから灰み青色あやたけべりに改め警部以上はじゃ腹組およびじゃ腹組灰み青色線を、警部補はじゃ腹組灰み青色線を付した。
    • 階級章関係
      • 警察庁長官章を右胸につけるタイプから日章5個の肩章につけるタイプに変更。
      • 警視総監の階級章を飾りみぞ付き金色の台に日章3個から日章4個の肩章につけるタイプに変更。
      • 警視監以下の階級章も全面的の改めサイズを大型化。巡査長章を廃止。冬服・夏服・外とうの階級章取り付け位置をえりの中央部からえりの外側に変更。
    • 帯革関係
      • 帯革の本帯・負革および警棒つりの巾を小さくし、ギボシ・ギボシ穴を廃止し遊革1個を追加。
  • 1970年(昭和45年)9月11日 - 交通巡視員の服制が定められる(交通巡視員の服制及び服装に関する規則(昭和45年国家公安委員会規則第7号))。
  • 1972年(昭和47年)10月1日警察庁の場合) - 警察官の礼装について統一規格が定まる(警察官の礼装の実施について)。
  • 1973年(昭和48年)7月1日 - けん銃入れをふた付きのものに変更。
  • 1976年(昭和51年)6月21日 - 服制一部改正。内容は
    • 男子警察官の外とうのデザインを変更(7分コート式にし、えりを大型化)。これを第1種とし、「6分コート」+「ズボン」の第2種を追加。材質に合成皮革を用いることができるようになる。
    • 夏帽子のまち部をトリコット・メッシュ編式のナイロン製を用いることができるようになった。
    • 婦人警察官の服制を全国統一化。従来からある舟形の略帽に加えドゴール式の制帽を追加。
  • 1994年平成6年)4月1日 - 警察官の服制及び服装に関する規則が改正される。題名を「警察官の服制に関する規則」に改正。活動服などが定められた。階級章が両衿から機動隊の出動服同様の左胸1箇所のみになり、また拳銃吊り紐の留め位置が右肩から帯革に変わる。外とうを防寒服に改称。

武装

刀剣・警棒・警杖

明治最初期の警察組織においては、警部以上の幹部警察官は武官と同様に制約を受けずに帯刀していたのに対し、廃刀令や治安の改善を受けて邏卒の帯刀は禁止されており、3尺の手棒を携行していた。その後、1874年8月の太政官達によって1等巡査(後の警部補)にも帯刀が解禁された。当初は特に制限はなかったが、得意満面で帯刀して闊歩するものが多く、2ヶ月後には勤務時のみに制限されるようになってしまった。その後、西南戦争での抜刀隊の活躍や、欧州各国の警官が洋刀を佩用していること考慮して、帯刀の解禁が検討されるようになり、1882年12月2日の太政官達第63号をもって、1883年5月24日より、全国一斉に帯刀が開始された[23][24]

佩刀としては基本的にはサーベルが用いられていたが[25]幹部などは刀身が日本刀の場合もあり、外装も高級であった[26]。また消防水上警察および自動車勤務者はサーベルに代えて短剣を佩用しており、1923年以降は交通取り締まり勤務者やその他庁府県長官が指定するものにも拡大された。なお、正当な理由なく抜剣して傷害を与えた場合は罪に問われるなど、サーベル等の使用には現在の日本の警察官における拳銃と同等以上の厳しい制限が加えられていた[23]

サーベル・短剣は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指示に基づき、1946年3月12日に公布した「警察官及消防官服制、巡査服制及判任官待遇消防手服制臨時特例」(昭和21年勅令第133号)により佩用禁止となり、警棒・警杖の使用が定められた。警視庁では、同年7月20日に佩刀返納式が挙式された[27]。しかしながら、物資不足から警棒・警杖の支給が遅れる地域も多く、また、後に拳銃の常時携行が定められてからも拳銃の不足が続いたため、それらの代替として暫定的にサーベル・短剣の禁止が緩和され、しばらく部分的に使用が続いた[28]

このとき使用が始まった製警棒は後のものと比較すると長さが短く(450mm)、色に塗られ、先端部に向かって太くなる形状であるなどの相違が見られる。警棒の様式はその後改められ、木製ニス塗りで長さ600mm、握り部分から先端まで同一径のものが長期にわたって使用されることとなった。1994年の服制改正時に、警棒については、携行性改善の観点からそれまでの木製ニス塗り一体型を廃し、三段伸縮式アルミ合金製のいわゆる特殊警棒に変更された。更に2006年には、長さを延長するなどの規格改正が行われている。

けん銃

内務省時代
FN ブローニングM1910を装備した警視庁特別警備隊

日本の警察での拳銃装備の起源については、不明な部分が多い。例えば1884年の秩父事件のさいには、現地で陣頭指揮にあたっていた埼玉県警察部長が拳銃配備を指令した記録があり、この時点で埼玉県警察本署に拳銃が配備されていたと推測されるが、埼玉県警察では、これは制度的なものではなかったと分析している[30]

その後、第一次世界大戦後の不況に伴い凶悪犯が頻発、警官の装備不十分が指摘されるようになった。折からの関東大震災後の治安悪化もあって、直後の1923年10月20日の勅令第450号および451号をもって、警察官吏の拳銃携帯が解禁された。これを受けて、1925年3月には警察官吏武器使用規定(大正14年内務省訓令第9号)および警察官吏拳銃携帯に関する件(警第7号)が通達され、運用規定が整備された[30]。採用された拳銃は、携行性などの面から比較的小型の自動式拳銃が主体であり、具体的には警保局長よりの通達により「コルト式又はブローニング式大型けん銃」および「(同)小型けん銃」と指定され、前者を主として制服警察官用、後者を私服警察官など用として使用していた。前者はコルトM1903またはFN ブローニングM1910を、後者はコルト・ベスト・ポケットまたはFN ポケット・モデル M1906を指すものと推測される。例えば警視庁では、1924年2月18日より、コルト大型拳銃250丁と小型150丁を、各署約3丁あて配備した[31]。また全国的にみると、1930年12月の時点で1,322丁の拳銃が配備されていた[32]

その後、1932年9月1日の通達(昭和7年内務省発警第107号)によって、銃種制限が撤廃された[33]

この結果、福岡県警察部などではモーゼルM1910[34]茨城県警察部では「米国製 三十二番方 五連発 中折」(スミスアンドウェッソンまたはハーリントンアンドリチャードソン、あるいはアイバージョンソンの32口径中折式5連発リボルバー)などの使用認可申請もされている(拳銃装備に際しては地方長官内務大臣の認可を得る必要があった)。

なお、これらの通常装備とは別に、最初期には、有事に備えた兵器も装備されていた。これは士族反乱などに備えた措置として、1874年2月10日の川路利良大警視の上申を受けて、陸軍省から小銃7,000挺を借り受けたのを端緒としており、当初は陸軍から派遣された教官により訓練がなされていたが、同年10月4日には、訓練および警備編制の統括機関として警備編制所が設置された。有事には、警部を小隊長として81個小隊が編成される計画となっていた。また西南戦争に派遣された警視隊は、同所の修了者が多く、活躍したとされている[35]。その後、1881年の憲兵制度の発足を受けて警備掛は廃止され、旧警視局所管の兵器は全て陸軍省に納付された[36]。しかしその後も、朝鮮などの外地では、武装勢力との戦闘に備えて小銃野砲などの軍用武器を保有している場合もあった。

日本では1871年から新しい郵便制度を発足させたが、現金書留を狙った強盗被害が多かったことから、1873年に郵便配達員に拳銃(郵便保護銃)の携帯を許可している(郵便物保護銃規則も参照)。

旧警察法時代
S&W M1917

拳銃については、終戦直後は日米双方が混乱しており、アメリカ側が警官の非武装化を志向したと解釈された時期もあった。しかし1946年1月16日、連合国軍最高司令官総司令部よりSCAPIN-605として「日本警察官の武装に関する覚書」が発出され、拳銃により武装できることが明文化された[37]。当初は、FN ブローニングM1910コルトM1903のように戦前の警察組織から引き継がれた武装のほか、GHQの指令を受けた旧日本軍武装解除や民間からの回収によって入手された十四年式拳銃九四式拳銃などが用いられていた。しかし、当時は日本全体が非武装化されつつあり拳銃の入手が難しく、充足率は低かった。例えば、比較的装備充実していた警視庁ですら、1946年3月の時点では、関東大震災直後に調達した572挺を保有するのみで、警察官25人に1挺にも満たない程度であった。その後、同年6月に旧軍の装備品4,189挺の獲得に成功し、およそ3人に1挺の割合となった[27]

1949年の時点では全国平均として6人に1挺程度保有していたものの、地域によって差が大きく、警視庁青森県三重県のようにほぼ全員分を確保していた地域がある一方[38]、例えば平市警察の場合、同年に発生した平事件を受けた事後調査において、30名の定員に対して2挺しか保有していなかったことが指摘されている[39]。配備されている拳銃にも老朽品が多かったほか、多種多様な銃が混在して配備されており、様式は実に170種以上に及んでいた[32][40]

1949年夏よりこれらの拳銃はGHQに回収され、かわってアメリカ軍の装備が貸与されることとなった[41]。同年7月1日、GHQ参謀第二部公安課から日本政府に手交された覚書により、当時の日本警察125,000名に対して、各人に拳銃1挺および実包100発あての貸与が通達された[42]S&W ミリタリー&ポリス(戦時型のビクトリー含む)やコルト・オフィシャルポリス(戦時型のコマンド含む)など、.38スペシャル弾仕様の回転式拳銃のほか、.45ACP弾仕様のコルト・ガバメントM1917リボルバーも多数含まれていた。例えば警視庁は全員がS&W M1917[43]大阪市警視庁は全員がコルトM1917、埼玉県では、国家地方警察はコルト・コマンド、自治体警察はコルト・ガバメントが配置された[44]。このように貸与拳銃はいずれも大・中型拳銃であったことから、1951年、国家地方警察本部と警視庁、複数の自治体警察の共同購入として、商社を介してS&Wチーフスペシャルコルト・ディテクティブスペシャルといった小型拳銃を輸入し、女性警察官や私服勤務員に配備した[43][45]。また私服勤務員やセキュリティポリスなどでは、戦前と同様、FN ブローニングM1910コルト・ベスト・ポケットFN ポケット・モデル M1906といった小型の自動拳銃も用いられていた[46]

これらの施策によって充足率は急激に向上し、例えば警視庁では、1950年1月10日に全警察官に拳銃を貸与し、翌1951年6月1日には私服警察官に小型拳銃を貸与した[47]。全国的にみても、1951年には全ての警察官への支給が完了したとされている[37]

一方、拳銃の充足率の向上に伴い事件や事故が多発した。警視庁は1949年1月に「常に(拳銃を)携帯しなければならない」と指示したが、暴発や電車内で居眠り中に拳銃を奪われた事例、酒席や映画館まで拳銃を持ち込みトラブルとなった事例も発生した。このことから1951年に規則改正を行い「勤務に必要なとき以外は、所属長に申告して取扱責任者に一時保管を委託できる」とした[48]

新警察法時代
石川県金沢西警察署での通常点検。

1954年の新警察法施行時点で、警察組織が保有する拳銃約124,000挺のうち87.3パーセントが米軍からの貸与品であった[32]。また1955年6月1日付で、これらは譲渡に切り替えられた[49]

上記のような経緯の結果、1955年の時点で、警視庁が使用していた拳銃は下記の通りであった[38]

その後、警察官の増員に伴い、昭和34年度以降は輸入も再開された[49]昭和35年度、国産のニューナンブM60が採用され、昭和43年度以降の調達はこちらに一本化された[32]。当時、供与拳銃のうち多数を占める45口径拳銃、特にM1917リボルバーについては、第一次世界大戦以来の老朽品であり、耐用年数を過ぎて動作不良や精度低下を来していたほか、警察用としては威力過大であり、大きく重いために常時携帯の負担が大きいという不具合も指摘されていた[38]。上記の新規購入の進展に伴い、昭和40年度より、これらの老朽銃の更新が開始された[49]。また1970年代には220挺程度のワルサーPPKが輸入されて、セキュリティポリス(SP)の警護官や皇宮護衛官を中心に配備されたと言われている[50]。しかしそれでも、昭和49年度末の時点で、警察組織が保有する拳銃約193,000挺のうちおよそ半数にあたる約95,000挺を譲渡品が占めていた[49]

ニューナンブM60は、外国製と比して射撃精度に優れ、また日本人の体格に合っていたこともあって好評であったが、1990年代にその生産が終了すると、再度輸入が開始された。1997年にはS&W M37エアーウェイトが大量発注され[51]、また2003年に5,344丁[52]2005年にも5,519丁が購入されている[53]。また2006年にエアーウェイトの販売が終了すると、やはりS&W社の拳銃に所定の改正を加えたサクラM360Jの調達が開始された[54][55]。エアーウェイトの採用以降は警察官の装備軽量化のため、調達する回転式拳銃は2インチ銃身と定められている。

またこの時期には、自動拳銃の調達も開始された。1990年代に行われたトライアルでは、ベレッタM92グロック17H&K P7M8、SIG SAUER P230、ミネベア社の国産試作銃が候補とされた[56]。最終的に.32ACP弾仕様のP230が採択され、マニュアルセフティやランヤードリングの追加など所定の改正を加えたP230JPが発注された。ニューナンブ生産終了後に調達の主力をこちらに移すことも検討されたものの、これは実現しなかった[57]

特殊けん銃

9x19mmパラベラム弾のように強力な実包を使用する自動拳銃は、上記のような回転式拳銃や小口径の自動拳銃とは区別され、警察部内では特殊けん銃と通称されているといわれている。主に警備公安警察、また刑事警察特殊犯組織犯罪に対処する部門などを中心に配備されており、下記のような多彩な拳銃が調達・配備された[58]

回転式、自動拳銃ともに専用のホルスターが支給されている。制服着用時は支給品の使用が義務付けられているが、刑事課員等の私服着用時は物理的な脱落防止機構(ストラップやフラップ等)が付いたものであれば私物ホルスターの使用が認められている。

特殊銃

シュアファイアM628ウェポンライトを装着したMP5を構えるSAT隊員。

警察官等特殊銃使用及び取扱い規範では、警察官が所持する銃のうち、警察法第六十八条の規定により貸与されるもの(けん銃)以外のものを「特殊銃」と規定している[61]

1968年に発生した金嬉老事件を切掛として、翌昭和44年度より狙撃銃の整備が開始され、昭和48年度までに全国都道府県に所定の配備が完了した[49]。この狙撃班が、のちに銃器対策部隊の母体となった。導入当初は豊和ゴールデンベアが用いられており、その後、これをフルモデルチェンジした豊和M1500に更新した。またSATではH&K PSG1L96A1も用いられている[56]

H&K MP5機関けん銃(短機関銃)は、1977年に設置された特殊急襲部隊(SAT)の前身部隊の時代から配備されており、2002年からは銃器対策部隊への配備も開始された。また一部の都道府県警察では、刑事部の特殊犯捜査係にも、単発射撃のみ可能なMP5SFKが配備されている[56]

またSATには自動小銃も配備されているほか、パリ同時多発テロ事件を受け、大都市を抱える警察本部の銃器対策部隊にも配備されることが決まった[62]

女性警察官

馬に乗る女性警察官(京都府京都市時代祭にて撮影)

戦前女性の警察官任官は禁止されており、警察官は全員男性であった。これは軍人も同じであり、また他の職業も大半は女性の社会進出を認めていなかった。

日本における女性警察官の採用は1946年昭和21年)に始まった。これは日本の男尊女卑傾向が強かったこともあるが、警察・軍隊はとりわけ男社会で、「軍人と警察官は女にはできない」という強い差別思想が国家にあったためである。しかし戦後、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の指導もあり、各国では既に当然であった婦警制度を実現させた。

ただし、当初はあくまで少数枠のみの採用しかせず、非常に狭き門であった。また、職場の花か広報としての役割のみで採用し、それ以外の職には一切就けない人事も横行したが、昭和30年代頃から女性の社会進出も増え始め、警察内の男女差別は弱まっていった。元々、婦人警察官というのは男性警察官の補助的役割という趣旨で導入され、同じ巡査であっても婦警巡査のほうが低い扱いであったが、これは現在では廃止されている。

2000年男女雇用機会均等法に伴い、名称が「女性警察官」へと変更された。通常はあえて女性の警察官のみを特定して呼称しない場合、「警察官」と統一して呼称される。

女性警察官は人事面での差別を一切受けないことになっており、男性警察官と同じく警務、総務、地域、刑事、交通、警備、組織犯罪対策各部に配属され、機動隊銃器対策部隊に配属された例もある。能力次第では、幹部警察官として管理官や警察署長、本部の課長(警視)や県警本部の各部長(警視正~警視監)などの職務にあたることもある。警視庁では女性警視が第5機動隊副隊長として着任したケースや岩手県警察では田中俊恵警視長が、女性警察官初の警察本部長に任命された。

呼称・俗称

呼称としては下記のとおり多様な呼称が存在するが、俗称としては「警官」、「お巡りさん」などが一般的である。これに加えて女性の場合は「婦警さん」なども呼ばれる。なお、「デカ」は警察官ではなく刑事を指す俗称。詳細は「刑事#俗称」を参照。

  • 警官」 - 部隊活動にあたる警察官の集団を「警官隊」等という形で使用していたマスコミ用語であり、正式な呼称ではない。
  • 部長」 - 巡査部長の略称。姓の下につけて〇〇部長と呼んだりすることがある。
  • サツ」 - 暴力団用語。また報道関係者を中心に「サツカン」と呼ばれる場合もある。蔑称のニュアンスがあるサツを避けてカンと略することもあるが、その場合、官憲とか公務員など意味が広がることもある。
  • マッポ」 - 警官に薩摩藩鹿児島県)の出身者が多いことによる“薩摩っぽ”から(初代警視総監・川路利良も薩摩出身だった)。さらにはその他の藩の出身者呼ぶ俗称もある。
  • ポリ」 - 英語の“police”から。主に関西蔑称的に使われる。「ポリさん」、「ポリ公」と呼ばれることもある。
  • 公僕」 - 「広く公衆、公共に奉仕する者」の意。[63]
  • ガチャ」 - サーベルの音を立てて歩いていることから。
  • オイコラ」 - 高圧的な警察官を意味するが、元来「おいこら」とは「おいそこの君」と人を注目させて呼び止めるいわゆる薩隅方言であって、本来は威圧する言葉ではない。このような風説が広まった背景として、千代丸健二によって「高圧的な警察官」の意味で作られた造語から発生している。千代丸は消費者運動に参加していた頃に企業と手を組んだ警察に誤認逮捕され、10年もの間裁判で争った関係から警察の内部事情に精通しており、オイコラ警察官対策という悪質な警察官の対策に関する書籍も出している。
  • カンケン」 - “官憲”から。
  • デコ助」 - 制帽の徽章がおでこのところにくることから付いた蔑称。暴力団関係者が言う事がある。「デコッパチ」とも。
  • PM」 - 英語のPoliceMan(ポリスマン、つまりは警察官)のスペルから。本来は警察通信上の隠語だが、警察マニア無線マニアの間でも使われている。
  • カンク」 - 「官狗」。昔、群馬県などで蔑称として陰で呼んでいたもの。いつの間にか元の意味を離れ、一般的呼称になっていたとも。
  • ヒネ」 - 「ひっそりと狙う」ことから。関西以西で蔑称として使われることが多い。
  • 女性警察官に対する俗称としては、「婦警さん」、「婦警」、「女警」などがある。警察内では総称する場合は単に「警察官」と呼び、区分けして呼ぶ必要のある場合は「女性警察官」と呼ぶ。
  • 警察組織では職務上、部隊行動上の理由で男女別に分けて名称を用いる必要性が多いので、その際には「男警」、「女警」を用いる。

各国の警察官

脚注

注釈

  1. ^ 「巡査長に関する規則」(昭和42年国家公安委員会規則第3号)に規定された階級的職位であり、巡査を一定期間経験し、勤務成績優秀と認められた場合に任じられる名誉職的な側面のある(法的には巡査)。
  2. ^ 逆三角形のような形で、上部は警察庁または警視庁あるいは道府県名の文字と警察庁または都道府県ごとに異なるシンボルが入る。下は帽章と同一の徽章が中央に配されている。
  3. ^ 中型国語辞典には出ていない。本来は「おびかわ」で警察や警備業でのみ使われる読み。
  4. ^ File:Peak_lapel.svg
  5. ^ File:Notch_lapel.svg
  6. ^ 消防職員も自衛官も勤務中は制式名札の着用を義務付けられており、存在しないのは警察官のみだった
  7. ^ 2005年に北海道で行われた自衛隊と警察の公開合同訓練で銃器対策部隊が装備。2010年頃より静岡県警察、愛知県警察、広島県警察、埼玉県警察RATS等にも配備。
  8. ^ 町田市立てこもり事件 (2007年)の際に出動した特殊捜査班の隊員が装備。2008年に訓練が報道公開された際にも装備していた。
  9. ^ 2010年4月26日にパシフィコ横浜で行われた公開訓練SPが使用しており、2012年に公開されたグロック社PRトレーラー に警視庁のロゴが登場している
  10. ^ 2010年5月6日に、日本テレビ系ニュース番組内の特集である「密着!警視庁SP要人警護の舞台裏」の中で、SPがP2000の実弾を使用した訓練を行っている。

出典

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参考文献

関連項目

外部リンク