町田市立てこもり事件 (2007年)
町田市立てこもり事件(まちだしたてこもりじけん)とは、2007年(平成19年)4月20日に暴力団組員の男性が、神奈川県相模原市内のコンビニエンスストア前の道路上で、同じ暴力団組織に所属する被害者を射殺した後、事件現場近辺にある東京都町田市の自宅(都営アパート)に立てこもった事件。
概要
[編集]犯人は現場に駆けつけた警察車両に対して、自室やアパート通路から拳銃を11回発射し、パトカーに4発、付近公園の公衆トイレに4発が命中した。警視庁は多数の警察官を配備した上で周囲50mを立ち入り禁止にし、犯人に対し説得を続けた。犯人の自宅付近の小中学校などは、生徒(児童)を学校で待機させる、集団下校させる・親と共に付き添い下校させるなどの処置を行った。そして翌21日午前3時過ぎ、刑事部捜査第一課の特殊犯捜査係(SIT)が催涙弾を発射し突入、銃刀法違反(拳銃所持)で男性を現行犯逮捕した。
突入の際、警察はあらかじめ棒を使って玄関ドアを内側から開けられなくする措置をとり、催涙ガスで犯人をベランダ側に燻し出して身柄を確保する作戦をとった。SITの背後には特殊部隊(SAT)の狙撃班も控えていた[1]。
突入前に犯人は拳銃で頭部を撃ち自殺を図ったものの、両目を撃ち抜いてしまい自殺に失敗し、重傷を負い後遺症として失明した。
アパートを捜索した結果、犯人が自動式拳銃「マカロフ」2丁と、銃弾約40発を所持していたことが判明した。
裁判では1審・2審ともに無期懲役の判決となり刑が確定した[2]。
影響・類似事件
[編集]この事件により、暴力団員が都営住宅に入居または同居できるということが判明し、東京都の入居審査や資格審査の杜撰さが指摘された。男性は2003年からこの都営住宅の自治会会長を務めていた[要出典]。
この事件の4週間後、愛知長久手町立てこもり発砲事件が発生した。
また同じ4週間後には、事件が起きた都営住宅からすぐ近くの都営住宅にて、家出人捜索願いが出されていた中学生の少女が病院で死亡した事件で、少女と同棲していた暴力団員が覚せい剤取締法違反で逮捕されるという事件が発生した。