蒼き鋼のアルペジオ

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蒼き鋼のアルペジオ
ジャンル SF海洋戦記
漫画
作者 Ark Performance
出版社 少年画報社
掲載誌 ヤングキングアワーズ
レーベル ヤングキングコミックス
発表号 2009年11月号 - 連載中
発表期間 2009年9月30日 - 連載中
巻数 既刊9巻(2014年6月30日現在)
アニメ:蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-
原作 Ark Performance
監督 岸誠二
シリーズ構成 上江洲誠
キャラクターデザイン 森田和明
メカニックデザイン 松本剛彦
音楽 甲田雅人
アニメーション制作 サンジゲン
製作 アルペジオ・パートナーズ
放送局 放送局参照
放送期間 2013年10月 - 12月
話数 全12話
テンプレート - ノート
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蒼き鋼のアルペジオ』(あおきはがねのアルペジオ、ARPEGGIO OF BLUE STEEL)は、Ark Performanceによる日本漫画作品。『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)において、2009年11月号から連載中。単行本既刊9巻(2014年06月30日現在)。単行本第1巻のキャッチコピーは「少女たちが世界を滅ぼす…[1]近未来の日本とその近海を主な舞台として、潜水艦が活躍する青年向けSF海洋戦記漫画である。話数は「Depth.(深度)○○」とカウントされる。

2013年5月29日にアニメ化が発表され、同年10月から12月まで放送された[2]

あらすじ[編集]

21世紀初頭、人類は温暖化の影響により地上での版図を大きく失った。そこへ突然、世界各地へ霧と共に謎の超兵器を搭載した第二次世界大戦時の軍艦群が出現。意思を持ち、“霧の艦隊”と呼ばれるその軍艦群に人類は敗北を喫し、制海権を失って海上に出られなくなった。17年後、士官候補生の千早群像とその仲間達は、人類側についた“霧の艦隊”の潜水艦・イ401に乗り込んで、その艦のメンタルモデルであるイオナと共に“霧の艦隊”と戦う。

登場キャラクター[編集]

※担当声優ドラマCD版 / テレビアニメ版の順。1人しか記載されていない場合は特記ない限りテレビアニメ版のキャスト。

蒼き鋼(蒼き艦隊)[編集]

千早群像率いる、元“霧”の艦であるイ401を旗艦とした艦隊。艦艇色は青系統と灰色(軍艦色)。現在イオナ、ヒュウガ、タカオの三艦が所属。イ401以外は船体を失ってしまっているため、霧の艦艇としてはイ401のみが単独で存在する状態だが、代わりに白鯨と共同で行動するようになっている。なおイ401のクルーは静を除き、横須賀の海洋技術総合学院の同級生であった。

千早 群像(ちはや ぐんぞう)
声 - 福山潤 / 興津和幸
本作の主人公。18歳。海洋技術総合学院の士官候補生だったが、物語開始時の2年前に海洋技術総合学院へ生徒として潜入していたイオナと出会い、政府の制止を振り切り2人で出奔[3]、イ401の艦長となる。タカオからの攻撃を直前で察知するなど戦況分析に秀でる。海洋技術総合学院での成績は総合2位(杏平曰く「万年2位」[4])。常に冷静沈着で、若くして政府高官とも対等に渡り合える程の度胸を持ち、聡明な頭脳と機転で的確な戦術を即座に立案する。その姿勢はタカオのように敵さえも魅了する程だが、ゾルダンに敗北した際は自室で感情的になるなど内面には年相応の幼さも残る。
上陰次官補より鹿島沖に展開中の“霧”の巡洋艦の撃沈依頼を受け、その完遂後に「人類の最後の希望」である新兵器・振動魚雷のアメリカ合衆国への移送依頼を受ける[5]
“霧”の艦艇の多くがメンタルモデルを持ち始めたことを受け、メンタルモデルによってコミュニケーションが可能であるのではないかと考えており、その事実こそが世界を変える鍵だと考えている[6]
<アニメ版>顔つきがより中性的になっている。イオナとの出会いが少し変更されている。コンゴウを招いて硫黄島で会食を開くなど、独自のアプローチで霧と分かり合おうとしていたが、警戒していたコンゴウの策でそれも失敗に終わる。コンゴウとの交戦を切り抜けた先で400に撃沈され生命の危機に陥るもイオナの尽力で助かり、タカオ達に救助された。その後は復活したイオナの指揮を取ってアメリカへ向かい、追跡してきたコンゴウを倒しアメリカに振動弾頭を届けることに成功した。
イオナ【イ401】
声 - 悠木碧 / 渕上舞
元“霧の艦隊”所属の艦艇で、旧帝国海軍伊四〇〇型潜水艦二番艦・伊四〇一の形状を模す。「イオナ」の名は人類からもらったという[7]。「霧乃イオナ」と名乗り海洋技術総合学院へ生徒として潜入していた時期があり、この時のデータを元にタカオやイ402が人類と接触するための行動パターンを構築している。現在は自分の意思で群像達をクルーと認め、その指示・操作に従って行動している。ヒュウガの手による改装で本来“霧”の潜水艦には搭載されていない超重砲を装備、超重砲艦「イツクシマ」「ハシダテ」等のオプション艦を用いたミカサ戦術システムの運用等、同型艦のイ400やイ402と同等だった探知能力を犠牲にして大幅に戦闘能力を高め、戦闘艦へと変貌している。ナノマテリアルに限りがあるためにいくつかの部分とクルーのアイデアによって人類製技術を取り入れているため、従来の霧とは異なるハイブリット艦となっている。ただし探知能力の削減がタカオの捜索に後れを取る要因になった。
メンタルモデルであるイオナは銀髪の小柄な少女の姿をしており、服装はTシャツにショートパンツなどのカジュアル系が多い。必要なこと以外はあまり喋らない寡黙なタイプであるが、ふざけた言い回しをしたり、いわゆる「ギャグ顔」的なとぼけた表情が描かれることもあり、無愛想というわけではない。実はなかなかイイ性格をしており、イ402によるとタカオに負けず劣らずなツンデレである模様。演算キャパシティの余裕にもよるが、人手不足などで手が必要な場合、額に番号が振られた3頭身くらいにデフォルメされた小柄な分身体を出現させて作業に従事させることも出来る。メンタルモデルを持つ“霧”の艦の中ではヤマトに並ぶ最古参の一人。
霧の艦隊を離れても戦術ネットワークに繋がったままであるのは霧側の者達も本人からすらも疑問に感じられていた事柄だったが、二時間のシステムチェックとして眠りについている間に行われた「自己診断プログラムみたいな物」を名乗る存在との精神世界での会話(自己診断プログラム曰くこれは夢のようなもの)によって、実はイオナそのものが戦術ネットワークであり、自分自身を切り離せるわけがないという事実が明かされる。その会話の際のイオナの姿は普段表出しているメンタルモデルとは髪色や服装がまったく異なっており、自己診断プログラムによるとこのイオナのことは表のイオナ自身を含めてまだ誰にも気づかれておらず、ネットワークの件もこのイオナのことも表のイオナが知らないのは自分自身で設定したことであり、それが正常で完璧に動作している証であるという事実も判明。「自己診断プログラムみたいな物」も含めたイオナについての新しい謎が描写された。しかし目覚めたイオナはこの会話のことを記憶しておらず、他にも何かあったようなという感覚はあってもログにはシステムチェックと記録されているのみだった[8]
<アニメ版>性格が大きく変わっており、服装は青いセーラー服で統一されている。分身体も存在しない。原作のようなギャグ表現をすることは無くなり常に無表情で、無垢で機械的な少女と言った風になっている。しかし、硫黄島で出会ったタカオの問いかけを切っ掛けに自らの存在に思い悩むようになり、感情を表すようになった。ヒュウガ曰く、スペシャルで突然変異による進化あるいは癌細胞のような存在とされる。また、陸軍による刑部邸襲撃の際に、メンタルモデル姿で白兵戦を行い部隊を壊滅させ、ハルナや蒔絵を救出する場面が新たに追加された。硫黄島を襲撃したコンゴウから逃走することに成功するも直後に400と402によって撃沈されてしまい、船体の大部分を失い、群像を救うためにメンタルモデルのナノマテリアルをも費やして彼の生命維持を優先し、ユニオンコアのみに成り果てる。直後タカオによって救われ、彼女の船体と引き換えに復活した。この際タカオと個性が混ざり合い、船体は401の本体にタカオの艤装を得たようなハイブリッドの姿「“アルス・ノヴァ”モード」に変貌を遂げている。姉妹艦の400と402との戦闘では彼女達と戦いたくない旨を内心抱いていた。追跡してきたコンゴウが死を覚悟していることを察し、彼女を救うため直接決戦を挑む。アニメ本編終了時には“アルス・ノヴァ”モードは解除されている。
艦体の艦番号I-401の下に書いてあるのは、「"Dreifach ist der Schritt der Zeit: Zoegernd kommt die Zukunft hergezogen Pfeilschnell ist das Jetzt entflogen Ewig still steht die Vergangenheit..."」で、意味は「時の歩みは三重である。未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永久に静かに立っている」となる。
橿原 杏平(かしはら きょうへい)
声 - 白石稔 / 宮下栄治
イ401火器管制担当。常にゴーグルを着用している浅黒い肌をした陽気な男。肩にはタトゥーがある。学院での成績は総合200番代だが、砲術と水雷は10位以内で、その砲雷撃技術は霧の艦隊からも賞賛を受ける程。艦内に映像ソフトを各種持ち込んでおり、中でも「ハイソニックミクちゃん」なるアニメ作品はイオナもお気に入りであるらしい。
当初イオナに対しては“霧”のデータベースにアクセス出来ることなどから疑念が残っており、少なくとも対タカオ戦直後の時点ではまだ完全に払拭出来ていない模様[6][9]
<アニメ版>アニメオタク的な描写は無いが、身につけているシャツには「HI-sonic」のロゴがある。
八月一日 静(ほづみ しずか)
声 - 東山奈央
ソナー・センサー担当。前髪を切りそろえたストレートロングの黒髪に眼鏡をかけた少女。彼女のみ他のクルーより後から参加している。硫黄島基地が襲撃された際、「特殊部隊の相手は無理」と言いながらもトラップ類を駆使してプロの軍人をかなり翻弄しており(硫黄島で対峙した軍人からは偵察兵の手口と評される[10])、なんらかの実戦経験がある様子をうかがわせた。兄と父から戦闘技術を学んだような描写がある他、台湾に残された日本人であり父も兄も存命、群像達が台湾に寄港時にクルーになったらしいが、参加の経緯を含めて過去は現時点では不明。
織部 僧(おりべ そう)
声 - 杉田智和 / 松本忍
イ401副長。論理的で常識的判断が特徴。群像と琴乃の幼馴染[4]で、当時から今に至る群像の心情を案じている。頭部を全て覆い隠す形状の高性能マスク(赤外線カメラ・暗視カメラ・サーモカメラと水冷式冷却機能)を常に着けており、素顔は不明。ドラマCDによると学院時代には「アレルギー持ち」として知られていた模様。アニメ版ではマスクを「アレルギー避け」として説明していた。杏平曰く、プレゼン資料やリストの作成といった作業を非常に好むタイプ。学院での成績は総合4位。またマスクは、浸水しても一時間ほど活動できるようにエアが供給されている。
四月一日 いおり(わたぬき いおり)
声 - 豊崎愛生 / 津田美波
機関・技術担当。担当故に1人だけ配置がブリッジと離れているため、よくイオナ2号(前述の“分身体”)を派遣してもらっている。イオナと仲が良く、作戦会議等の際には2人でくっついている姿がよく見られる。学院での成績は総合5位。
<アニメ版>分身体が存在しないため、イオナ2号と戯れる描写が無い。
タカオ
声 - 佐藤利奈 / 沼倉愛美
旧帝国海軍高雄型重巡洋艦一番艦・高雄の形状を模した元“霧”の艦。メンタルモデルは蒼い長髪にスレンダーな体つきの女性の姿。イオナと同じように、デフォルメされた分身体を出して様々な雑用をさせている。ヒュウガの言によれば「乙女プラグイン」なるものを実装済みで、それ故か群像に対して恋心にも近い感情を抱いており、時折妄想にふける場面も見られる。イオナ曰く「ツンデレ重巡」。
登場時には名古屋沖に配備された“霧”の早期警戒艦であったが、潜水艦501を伴ってイ401と交戦し敗退。この時の経緯から人間、特に千早群像(当初は艦のユニットとしての『艦長』)に対して強い興味を抱き、“霧”の指揮系統から独断で離れ出奔。1週間程度を人間社会に紛れて過ごした後、硫黄島基地へ先回りして群像らを待ち受け、以来一行に加わることとなった。
その後、群像らとは別働隊として横須賀方面に向かうが、ここでU-2501と接触し交戦。2501にも多大な損害を与えたものの撃破され、艦体は喪失、メンタルモデルにも損傷を受けてしまう。この戦闘後、イ402に救助されて総旗艦ヤマトの身柄預かりという形で少量のナノマテリアルが与えられてメンタルモデルのみ修復された。現在はイ402と共に横須賀へと赴いており、そこで「蒼樹タカオ」と名乗り海洋技術総合学院の生徒として過ごしながら、キリシマとハルナがかつての第4施設焼失事件を調べるために訪れるのを待ちかまえている。そこでの生活で男子生徒に異常にモテており、男子を近づけないよう女子生徒が周りをガードしていたり、下駄箱からラブレターが雪崩のように溢れる様が描写されている。
<アニメ版>イオナと同じく分身体が存在しない。硫黄島までは原作と同じだが、コンゴウが群像達に宣戦布告した後、“一宿一飯の恩”という名目で蒼き鋼の艦隊に加わる。同時に艦の発光色も赤から青に変化した。401の代わりに振動弾頭とイオナのクルーおよびハルナ、キリシマ、蒔絵を乗せ、こちらが囮艦であるかのように振る舞うという群像の作戦を実行しコンゴウを欺いた。撃沈された401の捜索をヒュウガですら諦めようとする中、一人で必死に探し続け、発見した後自身のナノマテリアルをすべて使い、401を主体に融合した。だが、ユニオンコアは無事であり「イ401“アルス・ノヴァ”モード」の自立制御プログラム内に存在している。戦いが終わった後、メンタルモデルが修復されている。
ヒュウガ
声 - 藤田咲
元々は旧帝国海軍伊勢型戦艦二番艦・日向の形状を模した“霧”の大戦艦。“霧の艦隊”所属時には東洋方面第2巡航艦隊旗艦で、タカオもキリシマも当時は彼女の麾下であった。物語開始時点の前年にイ401と交戦し、敗退。ユニオンコアは無傷であったがこの敗北を以ってイオナに対して完全に心酔してしまい、群像らの協力者となった。交戦時点ではメンタルモデルは保持していなかったが、麾下となるにあたり群像の指示で生成させ、以降、本編登場時より艦は持たずメンタルモデル単体で活動している。メンタルモデルの外見は片眼鏡を掛けた知性派然とした女性の姿をとり、科学者風に白衣をまとっていることも多い。ただし学者風の見た目に反してかなりはっちゃけた性格で、あまりの変人っぷりにギャグキャラとして描写されることが多い。イオナに対しての感情はかなり同性愛方面へと向かっているため、イオナの艦長である群像を嫌っている。
イオナ曰く「メカフェチ」であり、残存していたナノマテリアルを流用しての硫黄島基地の改装と401への超重砲の搭載を始め、基地撤収後には401のオプション艦の建造と運用等、“蒼き鋼”の技術・開発方面を一手に引き受ける参謀格となっている。ナノマテリアルに頼らない技術開発を進めており、オプション艦のような人類と霧の技術とのハイブリッドである装備を作ったりもしている。コンゴウはタカオやキリシマといった元・第2艦隊のメンタルモデルが創意工夫に富んでいることについて、艦隊旗艦であったヒュウガの影響ではないかと推測し、それを感知したヒュウガは「人に噂されたらくしゃみをするらしい」とくしゃみをしてみせるなど、一般的なメンタルモデルよりは進化している面がある。
<アニメ版>メンタルモデルを生成した時期は群像達が硫黄島を留守にしている間であり、またハルナやキリシマと出会うシーンが新規に描かれ、蒔絵のためにデザインチャイルド用の薬を生成した。

日本[編集]

海面上昇に加え、“霧の艦隊”による海上封鎖によって資源が不足しており、同盟国からのSSTOによる援助で成り立っている。そのため、振動弾頭を開発できても量産する工業力がない。安全保障のため、東京札幌長崎の3都市にそれぞれ政府と首都機能が存在する。

政府関係者[編集]

楓 信義(かえで のぶよし)
分散首都のひとつ、東京を有する中央管区の首相。ハイテク車椅子による呼吸や視覚・発声などの補助を受けている。
海上自衛隊を退役していたが、北が艦長を務めるミサイル駆逐艦「あきつ丸」で副長を務めることに。その後、“霧”との海戦で負傷。無事帰還を果たすも、現在のような体となっている。
イ401と白鯨による“霧”の大戦艦2隻撃沈の戦果を受け、立役者である上陰のバックアップを約束する。
刑部 眞(おさかべ まこと)
分散首都のひとつ、札幌を有する北管区の首相を務める中性的な容姿を持つ青年。デザインチャイルドの一人であり[11]、蒔絵の兄にあたる。消化酵素の生成が困難な個体であるため、食事のたびに消化を助ける薬をとらなければならない。海洋封鎖以降の非常に厳しい日本の情勢下で効率よく政治を行うために、蒔絵と違いほとんど感情を持たない調整が行われている(人道を無視した決断が多く必要とされたため)。生みの親である刑部博士とは懇意にしており、よく通信を取り合っていた。函館にやってきたハルナやキリシマ、マヤを迎え入れ、会談を行う。その際に生まれて初めての昂ぶりを覚え、設計許容点を超えた刺激を与えてくれた彼女らに感謝していた。
<アニメ版>デザインチャイルドで生き残って完成したのは蒔絵一人ということになったため存在せず。代わりに薬の設定が蒔絵に取り込まれた。
北 良寛(きた りょうかん)
声 - 斧アツシ
元海上自衛隊所属の陸軍派代議士で、与党幹事長。海上自衛隊時代、陸上自衛隊が建造したミサイル駆逐艦「あきつ丸」の艦長として出向していた。霧との戦いで敗戦後、強硬派をコントロールするために陸軍に接近した。イ401クルーを強制的に招集し艦の返還を要求するが、後に代償として自身の更迭と引き換えに[12]、イ401のクルーを殺害してまでも、イ401を奪取する硫黄島強襲作戦を立て実行に移す。しかし、群像が立てた偽の囮作戦にひっかかり、鹵獲したイ401はナノマテリアルで造られた模造品で、クルー達の死体もすべてナノマテリアルである事に確信したことで、自らの負けと新しい時代を迎えていることを認めるのであった。
<アニメ版>原作と同じく群像たちを招待し、艦の返還を要求する。要求が断られるとその場で兵士らに処分させようとしたが、イ401が出現でクルーは救出される。その際、イオナへの質問時に何かを確信する。メンタルモデルを知的生命体として扱う配慮や、群像らを跳ね返りの子供ではなく対等の存在として会談する度量をみせた漫画版と異なり、メンタルモデルを人形呼ばわりするなどやや狭量さと偏見を持つ人物として描写されている。

統制軍関係者[編集]

上陰 龍二郎(かみかげ りゅうじろう)
声 - 置鮎龍太郎
統制軍軍務省次官補。政府内では蒼き鋼に対して当初から好意的だった人物で、群像のことを高く買っておりイ401に振動弾頭の移送を依頼してくる。その際に報酬の一部として、蒼き鋼がイ401を所有することを認め、その他の違法行為も帳消しにすることを条件として提出した。周囲より一足早く、蒼き鋼がヒュウガを撃沈した報告を受けた時から「世界の歯車の動き出す音」を感じていたという[13]
楓首相の片腕的存在で、政府側の描写が成されるさいによく登場する。政治的に対立していた北良寛の更迭にも一枚噛んでいるが、個人的には北良寛を尊重している様子も伺える。後に次官に昇任される。
<アニメ版>原作よりかなり冷徹な性格に変わっており、味方というより若干敵役気味な立ち位置。基本的に蒼き鋼は利用するだけの存在という姿勢で、自らが政府内で実権を握るために行動している。また軍内における設定が一部改変され、刑部邸襲撃が陸軍の暴走ではなく上陰による直接の命令となっている。これはメンタルモデルの確保が目的ではなく、あくまで振動魚雷の秘密を握る蒔絵を霧側に渡さないためのものであり、蒔絵の抹殺こそが主目的であった。これにより群像とは決別することになる。
クルツ・ハーダー
霧の艦隊の海上封鎖によって取り残された元米国海兵隊中尉で、現在は統制軍所属。「元在日米軍組」のトップ。イ401の制圧を目的として独自にフロッグマンで襲撃しようとしたことがある。現在は白鯨に乗り込み、イ401との共同作戦を行っている。
浦上 博(うらがみ ひろし)
統制海軍中将で、戦術技術局局長。群像の父とは知己だった。現在は白鯨に乗り込み、駒城の相談役となっている。
駒城 大作(こまき だいさく)
イ401を援護する「白鯨級」潜水艦白鯨III艦長。上陰とは同期で曰く「腐れ縁」。真瑠璃をオブザーバーとして受け入れたが、共に戦ううちに歳の差があるにも関わらず彼女に惚れてしまう。レパルスが追われている場面に出くわした際、蒼き艦隊の一員として彼女を助けるために戦いに介入し離脱する隙を作った。
響 真瑠璃(ひびき まるり)
声 - 花澤香菜(ドラマCD版)
元はイ401のソナー担当で、大戦艦ヒュウガ戦まではクルーとして活動していたが、ヒュウガ戦後は艦を降り現在は統制海軍少尉待遇。海洋技術学院での成績は総合3位。群像が「完璧すぎた」ためにイ401を離れた。

霧の艦隊[編集]

第二次世界大戦時の艦艇を模した形状を持つ、正体不明の艦船群。英語表記はFOG FLEET。各艦船にはA.I.とおぼしき意思を持つユニオンコアが搭載されており、操船者を持たずに自身で判断し、それぞれの旗艦の指揮下で行動している。艦艇色は赤みがかった灰色(軍艦色)または黒。各艦には固有のマークがあり、メンタルモデルが艦を制御する場合等には、船体やメンタルモデルの額に赤い発光として出現する。

総旗艦艦隊[編集]

その名の通り、現在の総旗艦ヤマトを中心とする艦隊。その全容は不詳。イ401(イオナ)も元々はこの艦隊の所属艦であった。

ヤマト
旧帝国海軍大和型戦艦一番艦・大和の形状を模す。“霧の艦隊”総旗艦で、超戦艦級。最初のメンタルモデルと言われる。メンタルモデルは2人が同時に存在し、その容貌は群像の幼馴染の女性・天羽琴乃をモデルとしているので瓜二つである。メンタルモデルの1人「ヤマト」は優美なドレスをまとった姿をとるが、もう1人の「コトノ」はかつての琴乃と同じと思われるセーラー服を着ている。ヤマトは常に微笑みを湛えながらも超然とした感じだが、コトノは感情表現が豊かでかなり快活な性格。ヤマトはタカオから腹黒呼ばわりされている。
17年前の大海戦の時にはなぜか戦いに参加せず行方をくらましており、2年前に突如メンタルモデルを伴って帰還したことが全ての“霧”にとっての始まりとされている。しかし、ムサシとイオナはそれ以前にメンタルモデルを持っていたらしい描写がなされ、当時の場面には燃える海と戦いの傷跡を残す艦体に一人佇むヤマト、傷つき倒れ意識の無い現在よりも若干若い外見の翔像とその傍らに立ち敵意も露にヤマトを睨むムサシ、401の甲板で生まれたばかりといった様子のイオナが描かれていた。
コトノは翔像のことを「千早のおじ様」と呼び、群像について「甘えんぼさん」と言うなど、千早家について昔から色々知っているかの様な発言をしている[14]。また甲板上で花やスイカを栽培したり、他のメンタルモデルを着せ替え人形にして楽しんだりと超然としたヤマトに比べてかなり人間臭い行動をとる。また瞳の虹彩の描かれ方がヤマトや他のメンタルモデルと異なっている。2人目であるコトノの存在はイ400、イ402やナガトといった一部の“霧”しか知らないらしく、その姿を初めて見たタカオは驚いていた。
イ400
声 - 悠木碧 / 日高里菜
ヤマト直轄の巡航潜水艦。イ401と同じく、旧帝国海軍伊四〇〇型潜水艦の形状を模す。“霧”のイ400型本来の、超戦艦クラスに匹敵する強力なセンサーによる索敵・探査能力を持つ情報収集艦で、諜報活動を主任務としている。コトノ曰く「臨機応変」をキーワードに、基本的な方針のみをヤマトより指示され、以降は自己判断により単艦で活動するのが基本スタイル。メンタルモデルの外見はイオナと非常によく似ており、髪の一部を左右の頭側部にてお団子頭にし、中国風の服を着用している。401や402に比べてあまり感情を表に出さない。
函館に現れたタカオを追って、イ402と行動を共にしていた。その後は単独でアドミラリティ・コードが直に接触したハルナの動向を追っており[15]、蒔絵を伴って函館を出港したハルナ達のことを402へ知らせている。
<アニメ版>402ともどもアドミラリティ・コードの命令に背く者を監視する役割に就いており、霧に反逆する401を撃沈した。その後コンゴウのメンタルモデルに生じた感情の揺らぎを理由に彼女の艦隊旗艦の任を解き、艦を支配下に置き制圧する。戦闘能力は低いと推測されるが402との連携で401のナノマテリアルをハッキングして制御不能に陥れたり、コンゴウに抵抗させずハッキングする、マヤを模したメンタルモデルを作り上げるなど情報に関して高い実力を持つ。最後はアメリカへ向かう401との戦闘に敗れて撃沈され、メンタルモデルも消滅した。
イ402
声 - 悠木碧 / 山本希望
イ400同様、ヤマト直轄の巡航潜水艦。同じく旧帝国海軍伊四〇〇型潜水艦の形状を模す。イ401を「姉」と呼ぶ[16]。メンタルモデルの外見はやはりイオナと非常によく似ており、髪の一部を左右の前に垂らしリボンで結んでいる(横須賀に現れた402の写真を見た上陰は最初イオナだと誤判断した)。400に比べて好奇心が強く活動的な性格。U-2501と交戦中のタカオの前に現れた時にはコトノより渡されたスイカを抱えていた。ジャンクなどを集めるのが趣味らしく、水没した街から物をサルベージしたり、スラム街を歩き回ったりしている。
函館に現れた後は鹿島沖でナガラのコアの探索を行い[17]、一旦ヤマトの元に帰還、アドミラリティ・コード探索継続の指示を受けた後にタカオとU-2501が交戦中の海域に現れる。最初は傍観していたものの劣勢のタカオに突如支援を行い始め、最終的にはイ401ダミーの遠隔操作をタカオから引き継いで彼女の超重砲発射を可能にし、ダミーを横須賀まで届けた。
その後海中に投げ出されたタカオを回収して共に総旗艦艦隊へと帰還。機密扱いの次元空間曲率変位システムの発動という余計なものを目撃した彼女のU-2501戦における一部戦闘データをロックした上で、ヤマトの命により自分の艦に同乗させて方々に連れ回した。現在は横須賀でタカオやズイカクらと共に一般市民に紛れて生活しながら、第4施設消失事件を調べようと向かってくるキリシマとハルナを妨害すべく待ち構えている。
<アニメ版>原作と違い、イオナ同様に感情を露わにすることが無くなっている。400と同様監視役であり、最後はアメリカへ向かう401との戦闘に敗れて撃沈され、メンタルモデルも消滅した。消滅の際、船体を損傷した400を守っており、自身の中に芽生えた感情に戸惑っていた。
ユキカゼ
旧帝国海軍陽炎型駆逐艦八番艦・雪風の形状を模す。総旗艦艦隊・第二水雷戦隊所属の駆逐艦級。本来はメンタルモデルを持たないクラスだが、イ400とイ402が別任務で動けない中、姿をくらました群像とヒュウガの捜索のためにヤマトからその演算力の2%を分け与えられメンタルモデルを形成した。メンタルモデルの外見は和服を纏った小柄な少女の姿をとる。

東洋方面巡航艦隊[編集]

"霧の艦隊"が日本近海に配備している部隊の総称。元々は3隊の構成だったがヒュウガの撃破により再編され、コンゴウとナガトが旗艦として2隊をそれぞれを率いる体制になっている。

コンゴウ
声 - 桑島法子 / ゆかな
旧帝国海軍金剛型戦艦一番艦・金剛の形状を模す。“霧の艦隊”東洋方面第1巡航艦隊旗艦。このクラスは大戦艦級。メンタルモデルは金髪に黒いドレスを着た女性の姿。よく海鳥と戯れている[6][18]。キリシマやハルナ、マヤなどを指揮系統下に置き、彼女らに指示を行っている。任務を最優先に考え、メンタルモデル達が独自に人間の文化を学ぶことは不要であるとしている堅物。任務を全うすることを最優先にしているが、その隙を突かれてキリシマ達に丸め込まれることもしばしばある。
率いる艦隊は、その艦隊色から黒の艦隊の俗称で呼ばれる[19]。現在は麾下の艦隊から一部を編成し、401攻撃に乗り出しているがコンゴウだけは旗艦能力構築というものをアカシと共に行っており、動けない状態が続いている。
<アニメ版>人間の文化に特別興味を示していない原作と違い、紅茶を嗜むようになっている。他の艦との概念伝達時はテーブルと椅子が用意された空間で茶会を開くイメージを展開する。タカオやハルナ、キリシマがイ401に続けて負け、命令にも従わないハルナ達に業を煮やし、群像の本質を見極めるため、艦隊を率いて彼らが集った硫黄島へと向かう。群像との会談の末、群像とイオナは霧の艦隊の本質を捻じ曲げ弱体化させる存在と断じ、それに従う者共々殲滅を図る。401こそ全ての元凶と嫌悪の感情を露わにして追い詰めるが、それを逆手に取られたことでイ401と振動弾頭を双方とも取り逃がし、敗北を喫する。401に固執し、彼女を自身の手で沈めることこそが望みだと自覚するが、直後にそうした不安定な精神を理由に旗艦の座を奪われた挙句、400と402によって拘束された。自分を理解してくれる唯一の存在であるマヤに縋ろうとするもマヤもまた単なる監視ユニットでしか無かった事実を告げられ途方に暮れてしまう。しかし、突如拘束状態を自力で破り、マヤを吸収し艦艇の形を捨てた巨大な浮遊艇とでも言うべき姿を取り、アメリカへ向かう群像達に追いすがった。アメリカの霧の艦隊をナガラを利用した超重力砲で一掃し、圧倒的な火力を持ってイオナ達を追い詰めるも、メンタルモデルを用いて直接コンタクトしてきたイオナと概念の世界で戦うこととなる。怒りや悲しみ、寂しさという感情を持ったことによる兵器のままであれば味わうことの無かった苦しみを吐露し、彼女と思いをぶつけ合った末に超重力砲で自分ごと401の撃沈を図ったがイオナの説得で思い留まり、船体も崩れ去った。その後は群像達とも和解しており、他者との繋がりを肯定し「寂しくなったらお茶を飲みに行く」と再会を約束し、兵器だけではない霧の存在意義を求めて彼らとは別の航路を進んだ。
ヒエイ
旧帝国海軍金剛型戦艦二番艦・比叡の形状を模す。人類の文化を曲解している節があり、自身周辺の組織系統を「生徒会」になぞらえて制服風の衣装を纏わせ、自らは「生徒会長」として組織運営にあたっている。
メンタルモデルの外見はブルネットの長髪の後ろ髪をリボンでまとめて眼鏡を掛けた女性の姿で、「生徒会名簿」と書かれたバインダーとペンを手にしている。「“霧”は本来、美しいユニオンを誇る存在である」と考えており、「秩序の再構成」と称して前述の生徒会システムを周囲に押し付けているため、ミョウコウ型らから煙たがられている様子の描写がある。ミョウコウ・ハグロらとともに後方で待機していたがアシガラを破ったイ401に警戒網を突破される。
ミョウコウ
旧帝国海軍妙高型重巡洋艦一番艦・妙高の形状を模す。メンタルモデルは薄紫の内巻きのショートカットで右眼に機械的な眼帯をし、制服風の衣装を着た女性の姿。ヒエイ生徒会の「副会長」で、“制服”はあまり気に入っていないらしい。男性的な口調で話し、気が強いタイプの様子。ヒエイ、ハグロとともに後方で待機していたがアシガラを破ったイ401に警戒網を突破される。
ナチ
旧帝国海軍妙高型重巡洋艦二番艦・那智を模す。ミョウコウからは「ウチの次女」と呼ばれる。メンタルモデルは薄緑の髪の一部を三つ編みにしたショートカットに、制服風の衣装を着た女性の姿。慎重派で常に正座をしているほど落ち着いている。ミョウコウ指揮の下にアシガラと共にイ401と交戦するが先走ったアシガラが撃破され結果、警戒網を突破される。
アシガラ
旧帝国海軍妙高型重巡洋艦三番艦・足柄を模す。ミョウコウからは「三女」と呼ばれる。メンタルモデルは黒のロングの髪に狼の形状の髪飾りを付け、制服風の衣装を着た少女の姿。武闘派と評されるほどかなり好戦的な性格で、イオナ曰く粗忽者。敵を見つけるやいなや考えも無く突撃、メンタルモデルにフィールドを張るのを忘れて潜行したり、負けたら負けたで手足をバタつかせながら大喜びするなど、少しおバカキャラ風な描写がされている。ヒュウガからはナチと同様に創意工夫は無いと評されている。イオナ指揮するイ401と戦うが手玉に取られ中破、後方にて修理と補給を行っていたところにイ401がコンゴウを奇襲、身を挺してイ401の侵食魚雷からコンゴウを守り撃沈される。船体とメンタルモデルを損傷し沈んでいくなか、ナガトの命で戦闘データを収集していたアタゴにコンゴウの救援を懇願し、了承されたのを確認しつつ海底へ沈んでいった。コアの安否は不明。
ハグロ
旧帝国海軍妙高型重巡洋艦四番艦・羽黒の形状を模す。メンタルモデルはくせ毛気味のツインテールの髪をした小柄な少女の姿。ヒエイの「生徒会」のメンバーであるが、押し付けられた衣装を露骨に嫌がっており、以前の服装に戻りたがっている。アシガラ・ナチの前衛部隊を突破し進撃してきたイ401の攻撃を受け轟沈。コアの安否は不明。
イセ
旧帝国海軍伊勢型戦艦一番艦・伊勢の形状を模す。メンタルモデルは頭にホワイトブリムと2個の大きな鈴を付けたゴスロリ風の女性の姿。元「ヒュウガ」の僚艦。
モガミ
旧帝国海軍最上型重巡洋艦一番艦・最上の形状を模すと思われるが、コンゴウからの指示を受ける通信会話のみの登場で、現在のところ詳細は不明。
アカシ
旧帝国海軍工作艦・明石の形状を模す。メンタルモデルは体のラインが隠れるほどのサイズが大きい作業着を着ている黒髪の少女の姿。現在はコンゴウの旗艦能力構築の作業をしている。
ナガト
旧帝国海軍長門型戦艦一番艦・長門の形状を模す。“霧の艦隊”東洋方面第2巡航艦隊旗艦(本編キャプションでは「第1巡航艦隊旗艦」)。メンタルモデルは2人が同時に存在し、いずれも顎にほくろがあり和風の衣装を着た女性の姿を取る。1人は、もう1人は着崩し気味の和服にキセルを持ち左目が髪で隠れている。登場すると周囲には桜が舞う。
先代の総旗艦であった[7]
ズイカク
旧帝国海軍翔鶴型航空母艦二番艦・瑞鶴の形状を模す。ナガト麾下の海域強襲制圧艦。外観は空母であるが飛行甲板に艦載機の姿は無く、“霧”の超戦艦級に匹敵する機関出力を持つこと以外は兵装等、詳細不明。メンタルモデルは赤いレインコートを羽織り、前髪を切り揃えた黒髪に細いツーテールを垂らした少女の姿。甲板から釣った魚を七輪で焼き、木の飯櫃からよそった白米で食す等、和風文化の趣味がある模様。現在はまだ見ぬ布団に興味がある。猫らしき動物が傍らに居るが、本物なのかメンタルモデルの一部なのかは不明。ヤマトからの手書きの書状を受け取る際はイ402の小芝居に付き合った上、秘密だからとそれを食べるなどノリのいい性格。
現在は402やタカオと共に横須賀に出向いており、402の指揮下に入っている。大量の海産物を捕ってきて402の元を訪れたのだが、このときに判明したのがメンタルモデルを得て以降オホーツク海に展開という形で放置され続けてきたために「退屈」という概念を獲得、密かに抜け出しては海産物を使って人類と接触を繰り返してきたという事実で、そのため経験値が他の“霧”と比べると高い。
ショウカク
旧帝国海軍翔鶴型航空母艦一番艦・翔鶴の形状を模すと思われるが、現在は名称が言及されたのみであり、詳細は不明。ナガト麾下の海域強襲制圧艦。ズイカクと共に北方領土付近に強襲制圧群として展開中。
アタゴ
旧帝国海軍高雄型重巡洋艦二番艦・愛宕の形状を模す。ナガト麾下の重巡洋艦。ミョウコウ曰くタカオの「妹」で、メンタルモデルはそれを示すかのようにタカオを幼くしたような姿をとる。401攻撃隊の中にいるのはあくまで第1巡航艦隊の戦闘記録をナガトに中継するためだったが、アシガラの頼みで動き出す。
ナガラ
旧帝国海軍長良型軽巡洋艦一番艦・長良の形状を模す。イオナ曰く「標準的な“霧”の軽巡洋艦」[20]佐賀県鹿島市の宇宙センター沖にてイ401と交戦、撃沈される。残骸は何者かに回収された模様。コアは行方不明となっており、イ402はこれを不審に思い捜索している[17]
<アニメ版>重巡洋艦以下の霧の小型艦艇がナガラ級以外(駆逐艦含めて)登場しないためか、量産された本級が多数登場している。コンゴウとマヤの融合の際に数隻が取り込まれており、超重力砲の使い捨て発射砲台として利用された。

派遣艦隊[編集]

元々はコンゴウの指示により、イ401撃破のために派遣されて横須賀港を襲撃した部隊。ハルナ・キリシマが撃破されたため当初の目的は失敗に終わったが、キリシマの提案により現在は「刑部蒔絵の確保」「アドミラリティ・コードの探索」を新たな目的(半ば建前)として独立的に行動する別働隊となっている。襲撃時には軽巡以下の各種艦艇も配備されていたが、別働後は撤収されておりマヤがハルナ・キリシマを乗艦させて単艦で行動する体制をとる。現在の旗艦はハルナ。

ハルナ
声 - 山村響
旧帝国海軍金剛型戦艦三番艦・榛名の形状を模す。メンタルモデルは金髪のツインテールに顔半分程度しか出ないほどの大きなコートを埋もれるようにまとった少女の姿。普段は落ち着いているが、人前でコートを脱ぐと途端に落ち着きを失い、弱々しくなる。人間の「言葉集め」が趣味。イ401との戦闘に敗北したことで船体は失ったものの、メンタルモデルは残り、キリシマのユニオンコアと共に脱出した。その後はユニオンコアのみの状態のキリシマと共に蒔絵に拾われ、行動を共にしている。蒔絵からは「ハルハル」と呼ばれる[21](この呼び名はキリシマからは笑われている[21])。初登場時は必要最低限の言葉を事務的に話すだけであったが、敗北後に出会った蒔絵や刑部博士の影響で悲しみや怒りを覚えてかなり人間らしい雰囲気を持つようになり、友達などの概念を理解し尊重するまでに至っている。また経験を積んだことで予感を獲得している。
刑部邸に保護された事実が中央管区政府に知れたことで、メンタルモデルの確保を画策した中央管区陸軍の襲撃を受ける。しかしメンタルモデルの状態でも高い戦闘能力を持ち、軍人相手に圧倒的な力量差を示した。
刑部邸滞在時に刑部博士と対話し、蒔絵らデザインチャイルドの由来を聞き、さらに蒔絵の「友達」になってくれとの懇願を受ける。
刑部博士の死亡時に「死」を認識、さらに自身の中に湧き上がる衝動により「感情シミュレーション」を暴走させ、火器管制システムをリンクさせていたマヤをコントロールし日本の3首都を攻撃目標として殲滅攻撃を行おうとするが、その直前にアドミラリティ・コードの介入により回避される。
刑部邸での一件後はキリシマと共にマヤと合流、蒔絵との約束を果たすために函館へと向かう。何故か蒔絵が自分たちに会おうとしないため一時は諦めて函館から離れようとするも、マヤ達に諭されたことで考えを変え、蒔絵が保護されている沙保里宅に侵入して再会を果す。現在は蒔絵と共に人類と霧の未来を探す旅に出ており、刑部首相より提案があった第4施設消失事件調査のため横須賀へと向かっている。
<アニメ版>刑部邸でイオナに助けられ、そのままキリシマと蒔絵と共に硫黄島に同行。そしてそのまま、群像率いる蒼き艦隊の一員となり、新しくなった401のサブをヒュウガと共に務めている。全てが終わった後はハワイでキリシマや蒔絵と共に暮らしている。
キリシマ
声 - 内山夕実
旧帝国海軍金剛型戦艦四番艦・霧島の形状を模す。メンタルモデルはショートカットで、パンツスタイルにコートを羽織った女性の姿。横須賀における海戦ではハルナに対し主導権を握って行動する。イ401との戦闘開始時に「ワクワクする」、自分たちが窮地に追い込まれた時に「楽しい」と発言するなど好戦的な性格。イ401に敗北し、船体とメンタルモデルは失ったが、ユニオンコアだけは生き残った。轟沈時には「後悔」を知ったが、後に語る所によると群像達に対しては「憎悪」のような感情は持っていない様子。蒔絵を霧側に取り込むようにコンゴウに提案するなど、一般のメンタルモデルより創意に富んでいる。
蒔絵によりハルナが保護された後、刑部邸にてハルナからナノマテリアルを分けてもらい、蒔絵所有のクマのぬいぐるみ「ヨタロウ」を外装として動かす形で再び自力で動けるようになった。これ以降は常にヨタロウの姿でいるようになっている。実はこのヨタロウは着ぐるみに改造されており、頭部には目が光るなどの細工が施されている。これを3頭身くらいにデフォルメされた姿のキリシマが着込んでおり、着ぐるみの手入れをするときや刑部首相と会食したとき以外は脱いでいない。現在はハルナやマヤと共に蒔絵を伴っての旅に出ている。
<アニメ版>成り行きで蒔絵を守るはめとなる。力が半分以下しか出ないため、打撃技で陸軍の兵士達を倒していき、蒔絵と共に囮となったハルナと合流。かえってピンチに陥ったが、イオナに助けられた。その後、ハルナから蒔絵に自分を含めて友達になってくれと言われた時は頬を染めていた。イオナには遠まわしのお礼の言葉を送った。ヨタロウの色は原作とは違い赤く、体長もかなり大きく変更されている。彼女もハルナと共に蒼き鋼の一員としてアメリカに振動弾頭を届ける手伝いをする。アニメの方では中身のキリシマの描写が無く、ヨタロウ姿が気に入ったのか戦いの後もその姿で居続けている。
マヤ
声 - MAKO
旧帝国海軍高雄型重巡洋艦三番艦・摩耶の形状を模す。メンタルモデルは少女趣味な衣装をまとった、黒髪ロングヘアの少女の姿。横須賀襲撃の際には外洋待機で、それ以来長らく誰からも構ってもらえず放置されていたため、久しぶりに任務をくれたハルナを「心の旗艦」と呼び、個人的に慕っている状態となっている。音楽の趣味があり、ナノマテリアルで生成したピアノ(ただし、楽器に関する知識が不十分だったため、指摘されるまで鍵盤の配列がデタラメだった)で弾き語りをしたりして暇をつぶしていた。分身体で編成された楽団を持っている。
登場当初はかなり子供っぽい性格であったが、暇つぶしに上陸して町の見物をしたりする内に人間社会のことや感情について思いを巡らせるようになるなど、考え方や知識面で急速な進歩を見せつつあり、蒔絵が自分と会ってくれないことに苦悩するハルナに助言した。現在は蒔絵を伴ってハルナ達と共に旅に出ているが、出会ったばかりの蒔絵ともすぐに打ち解け友達になっている。
<アニメ版>もっとも大きく設定が変更されているキャラ。刑部邸襲撃の際の出番は無く、ハルナやキリシマとも行動を共にしないため、コンゴウ配下の艦として行動しており、彼女の命令により硫黄島に向かう。コンゴウに唯一付き従っており、彼女を友達と称している。砂浜に絵を描いたり蒔絵とハルナで遊ぶなど原作より子供っぽさが強調されていた。実はアニメ版の重巡マヤはメンタルモデルを持っておらず、現在のマヤは400と402によって作られた監視ユニットであり、プログラムされた思考パターンに従って行動していただけのただの人形だった。この事実は彼女に対して少なからず愛着を抱いていたコンゴウを大いに打ちのめし、己の感情を自覚させると同時に後の凶行の引き金となる。最終的にコンゴウに取り込まれて融合されてしまう。

東洋艦隊[編集]

東南アジア近海の封鎖を任務とする艦隊。

プリンス・オブ・ウェールズ
旧イギリス海軍キング・ジョージ5世級戦艦二番艦・プリンス・オブ・ウェールズの形状を模す。東洋艦隊の旗艦でクラスは大戦艦。大戦艦フッドの招集命令に従わないレパルスを離反しなかった駆逐艦3隻と共に攻撃し、撃沈してコアを回収しようとするが、白鯨の妨害により逃げられてしまう。
レパルス
旧イギリス海軍レナウン級巡洋戦艦二番艦・レパルスの形状を模す。メンタルモデルはキャップとロングドレスを身に纏い、メガネをかけた金髪のメイドの姿。アドミラリティ・コードの使命を無視して千早翔像を捕らえようとする大戦艦フッドの召集命令に応じた艦隊旗艦プリンス・オブ・ウェールズの指揮下を自らの意思で離れ、賛同した霧の駆逐艦ヴァンパイアと共に逃亡を計る。本人曰く人望が無く、出奔した際はヴァンパイア以外の僚艦が付かなかった。自分達を助けた白鯨と接触してみようとヴァンパイアから提案されるも、人間と会うのが怖いと躊躇している。
ヴァンパイア
旧イギリス海軍アドミラルティV級駆逐艦一番艦・ヴァンパイアの形状を模す。出奔したレパルスに協力した唯一の艦で、彼女へのツッコミ役。メンタルモデルこそ形成していないものの様々なことを思考している模様。威嚇射撃にも反撃してしまうなどあまり戦闘慣れしているとは言い難い性格の艦。

アメリカ太平洋方面艦隊[編集]

アニメ版に登場。第11話に於いて、ハワイを経由してアメリカのサン・ディエゴへ向かおうとする401の前に立ちはだかった。401艦内の画面表示に映る限りでは54隻で、その後シーンが上空から俯瞰する視点になると、艦隊は全70隻で構成されていることがわかる。静によれば模している艦種識別は「インディアナ級1、アイオワ級1、バージニア級2、デラウェア級1、レキシントン級2」とのこと。異形のコンゴウが放つ超重力砲の一撃で、全て一掃された。

その他の“霧”[編集]

フッド
旧イギリス海軍巡洋戦艦・フッドの形状を模すかと思われるが、現在は名称と一部の行動のみで所属も含め詳細不明。クラスは大戦艦。千早翔像率いる欧州方面艦隊がアドミラリティ・コード直衛艦隊の銘である緋色の艦隊を名乗ったことに異を唱え、千早翔像を捕らえるために東洋艦隊をはじめとした多くの“霧”に召集命令をかけた。

緋色の艦隊[編集]

群像の父・千早翔像を首魁とする、超戦艦ムサシを中心とする霧の艦艇で構成された“霧”の欧州方面艦隊。英語表記はTHE SCARLET FLEET。“霧”の東洋方面艦隊や東洋艦隊とは独立した意思の元に行動しているらしく、“緋色の艦隊”としてイギリス政府と独自に安全保障条約を締結する。最初の目的は欧州統一である。プリンス・オブ・ウェールズの言によると、“緋色の艦隊”とは本来はアドミラリティ・コード直衛艦隊のことなのだが…。

千早 翔像(ちはや しょうぞう)
元大佐。群像の父親で、人類を裏切って霧の艦隊に参加したと言われている。2039年にイ401を拿捕したのは彼であり、その後実戦投入のための2045年の初の有人航海でクルー全員と共に消息を絶った[22]。その後、2054年に霧の超戦艦ムサシと行動を共にしているのを目撃され、裏切りが疑われるようになった。現在は霧の艦隊の中で、提督として部下たちと共にムサシの制御系を掌握してメンタルモデルを解放することに従事している。ゾルダン曰く「欧州大戦の中を生き抜く術を与えてくれた」人であり、「わが父たる人[23]」とのこと。
なお群像は自身の経験から、彼が本物の翔像であるのかどうか疑念を抱いている。
ゾルダン・スターク
イ401と同じく人間が指揮する霧の艦船であるU-2501の艦長。ドイツ人。翔像の命を受け、イ401を衆人環視の元で撃沈することによって、人類が霧に対して無力であることを証明するために派遣された。「兵器である“霧”の艦にメンタルモデルは本来必要ない」「操艦者が居るなら演算リソースの無駄である」と考えており、停泊中、U-2501が無断でメンタルモデルを形成しているのを発見した時には冷徹にそれを叱責して納めさせた。
ロムアルド
U-2501の砲雷長を務める少年。両目を覆う形のヘッドセットを付けている。甘い物が好きらしく、常にお菓子を食べている。
フランセット
U-2501のソナー・センサーを担当する女性。視覚に障害があり、管制には点字ディスプレイのような機器を通じて情報を得る。
ムサシ
旧帝国海軍大和型戦艦二番艦・武藏の形状を模した“霧”の艦艇。翔像やその部下と行動を共にしている。メンタルモデルは白い衣服を身にまとった少女の姿で、目を閉じていることが多い。翔像のことを「お父様」と呼ぶ。メンタルモデルを持つ“霧”の艦としてはヤマト、イオナに並ぶ最古参。当時、その場には傷ついた翔像がいたがその詳細は不明。
U-2501
旧ドイツ海軍潜水艦UボートXXI型の形状を模した“霧”の艦艇。メンタルモデルは長い髪をしたまだ幼い雰囲気を残した少女の姿をとるが、ゾルダンにより形成を禁じられているため基本的には出現させていない。特殊潜航艇ゼーフントの形状を模した大多数の無人潜航艇、ミルヒクーの形状を模したゼーフント用の無人補給艦、無人の同型艦もう1隻を遠隔操縦して攻撃する群浪戦法を使う。切り札として、本来はヤマト級しか持っていないはずの、敵の放った超重砲のエネルギーを打ち消し、別次元の時空にエネルギーを転移させる次元空間曲率変位(ミラーリング)システムを搭載している。
霧の艦艇の中では新しい艦で、翔像がヨーロッパに向かってから新造された艦艇である[15]
ビスマルク
旧ドイツ海軍ビスマルク級戦艦一番艦・ビスマルクの形状を模した霧の艦艇。霧での分類は大戦艦級。欧州近海で行動中。メンタルモデルは軍服調の衣装を着て、眼鏡を掛けた双子らしき2名の少女の姿をとる。ハルナへの介入以前にアドミラリティ・コードの最後を目撃していた。年表によると「ビスマルク姉妹」なる人物がアドミラリティ・コード消失の唯一の目撃者とされているが、大戦艦ビスマルクとビスマルク姉妹の間の関連性は不明。そんな彼女が緋色の艦隊に協力している真意を翔像とムサシは聞かされておらず、疑念に思っている。

その他[編集]

刑部 蒔絵(おさかべ まきえ)
声 - 原紗友里
刑部博士の手によるデザインチャイルドの一人。兄の眞と違って豊かな感情を備えており、ハルナらを相手に様々な表情を見せる。人工的な処置により通常の人類を超えた思考能力を与えられており、振動魚雷に搭載するための新型コンピュータシステムの開発に携わっていた。開発完了後、その能力に畏怖した国家から用済みとして「処分」されかかるが、刑部博士の交渉により保留となり、「多忙により不在がちな老齢の科学者・刑部藤十郎博士の孫娘」という擬似記憶を与えられて「執事のローレンス」に扮した刑部博士と広大な屋敷に二人で暮らしていた。
時間と共に“設定”の維持に限界を感じてきた刑部博士が、「“お祖父様”は仕事でイ401に乗艦し、以降無期限に不在となる」と告げたためにそれを阻止するべく横須賀に出向き、ハルナらと遭遇して彼女らを屋敷に連れ帰ることとなる。そして友情を育むが、陸軍の暴走による襲撃でローレンスを失う。眞の手引きで北管区に脱出してからは千早沙保里によって引き取られるが、その頃にはハルナ達が霧の艦隊だと薄々気づいており、その霧を倒す振動魚雷の開発に関わっていたことへの罪悪感から訪れたハルナ達に逢おうとしなかった。だが、夜中に邸内に侵入してきたハルナとお互いの心情を吐露しあったことにより和解。ハルナ達と共に重巡マヤに乗って旅に出ることを決意する。
<アニメ版>より幼さが強調されており、行動も年齢相応になっている。また、生き残ったデザインチャイルドが蒔絵ただ一人という設定のため、刑部眞は登場せず、眞の設定を一部引き継ぎ、薬を食事の前に飲まなければならない身体になっている。ハルナとキリシマが霧側だと気づき和解するのが刑部邸の陸軍襲撃時に変更されており、父親がわりの刑部博士は死んだものと蒔絵には認識されている。401に助けられた後、ハルナ、キリシマと硫黄島へ向かい、ヒュウガとも友達となる。薬に関してはヒュウガが生成している。
刑部 藤十郎(おさかべ とうじゅうろう)
声 - 遊佐浩二
振動魚雷開発プロジェクトの中心にいた科学者。かつて野心からデザインチャイルド計画を提案し、自らそれを実行した人物だったが、やがて自分の手で「命」を消費しているという事実に恐怖し、苦悩の底に沈んで行くこととなった。
蒔絵の「処分」を関係各所とのあらゆる手段での交渉により保留させ、自らは「執事のローレンス・バレンタイン」に扮して親代わりとなって面倒を見ていたが、それすらも罪滅ぼしというエゴであると自らを断じ、ハルナに対して「蒔絵の友達になってやってくれ」と頼み込んだ。
ハルナらの拿捕を狙った陸軍の一派により屋敷を襲撃され、その際に蒔絵やハルナらを守るため戦って死亡。彼の死がハルナに激情を呼び起こし、「アドミラリティ・コード」がその健在を示すきっかけとなった。
<アニメ版>漫画版よりも更にはっきりと蒔絵を娘として愛している描写がなされている。執事としては登場せず、屋敷の地下にある自室で衰弱してベッドに寝たきりの状態で登場する。蒔絵を救うために交通事故による「死」を装って自分の存在を消し、この時の傷が元で寝たきりとなった。これ以後は屋敷のカメラで蒔絵を見守るだけで直接には会っていない。ハルナらが訪れた際にはすでに身体の限界が来ており、陸軍の襲撃と時を同じくして眠る様にこの世から去る。
天羽 琴乃(あまは ことの)
群像と僧の幼馴染で、海洋技術学院の総合1位を独占していた人物。「第4施設焼失事件」で行方不明となり、死亡と認定された。彼女の存在は、僧曰く「群像が越えるべき壁(トラウマ)」「ただ一人群像の心の中に存在する女性」であり、杏平曰く「完璧艦長のただ一つ残された永久に越えられない壁」である[4]
その容姿は「ヤマト」のメンタルモデルに酷似しており、興味本位でデータベースの顔写真を覘き見たタカオとヒュウガを驚愕させた[4]
「第4施設焼失事件」が起きる直前は毎晩、自分が「ヤマト」の艦上に現れてなぜか自分が「ヤマト」を操艦できる夢を見続けていた。同時にその夢を見ているときには宇宙服の人物が彼女の元に現れていた。「第4施設焼失事件」当時では火災に対する管制を行い続ける中、逃げ遅れて死亡と認定された。
千早 沙保里(ちはや さおり)
「ARPEGGIO SPECIAL BOOK 2009-2011」収録の短編にて初登場。翔像の妻であり、群像の母。鳥類学者。翔像が“霧”と行動し、群像がイ401の艦長となったことから、函館の自邸をカメラとセンサーで固められ、日本政府による保護を兼ねた実質上の軟禁状態にある。器の大きい人物なのか、警備網を破って勝手に入り込んで来たタカオを平然と歓待し、様々な知識を彼女に与えた。その後、ローレンスを失った刑部蒔絵を引き取った。
宇宙服の人物[仮称]
刑部邸襲撃事件の際、アドミラティ・コードが現出すると相前後してマヤの艦上に現れた人物。
アメリカ国旗の付いたアポロ計画タイプと思しき宇宙服を着て艦橋の上に立ち、ヘルメットを外して長い髪が風になびくシーンが描かれたが、後ろ姿と“霧”の紋章を象ったピアスを付けた耳元のアップだけであったため、容姿等は一切不明。
艦の主であるマヤは暴走直後であったためか、その存在を認識した様子は無かった。さらには「第4施設消失事件」の起きる寸前の琴乃が寝ている間に彼女の元に現れていたこともあった。

用語[編集]

霧の艦隊
突如世界の海に現れ、人類を海から排除した謎の艦船群。 現在のところ確認されている個体は全て第2次世界大戦時の軍用艦艇の形状を模しており、また実際に数々の兵装も備えた戦闘用艦艇として存在している。立ち込める霧と共に現れたことから人類が付けた呼称だが、彼女達も自身を「霧」と称しておりどちらから始まった呼称なのか不明。
その躯体は全て“ユニオンコア”と呼ばれる個々の意識を持つAIらしき演算中枢[注 1]が“ナノマテリアル”と呼ばれる素材をコントロールすることで構成されており、外見こそ旧式であるもののその実際の機能・兵装はモデルとなった艦艇を遥かに超えた性能を持つ[注 2]。人類の兵器の攻撃は無効化され、振動魚雷が開発されるまでは全く歯が立たなかった。どこかに専用の港を有しているらしく、損傷を受けてもそこから損失分を補填することが可能。
また前述の通り、各艦艇は独立した各自の意識と個性を持っているために操艦者・乗組員を必要とせず、実質的にはそれぞれが艦艇の形をした無機生命体であると言える[注 3]。が、その思考パターンは非常に単純で、有り体に言えば力押し。人間が歴史的に勝ち得た戦術概念は持ちあわせておらず、後述の「メンタルモデル」の開発につながる。
基本的には後述のアドミラリティ・コードに従って行動する兵器であり、人類の海上輸送を遮断、人類を海から駆逐した。しかし彼女達自身も自分達が何物であるのか理解しておらず、メンタルモデルの獲得に伴って自己の存在の探求、派閥や政治的な概念、意見の対立などが生まれ始め、統一された兵器群とは呼びがたいものになりつつある。
メンタルモデル
“霧”の艦艇が用いる、外界との接触を図り情報収集を行うために形成された人間型のインターフェイス。各艦艇の演算中枢であるユニオンコアの直接的な端末であり、メンタルモデルの示すキャラクターがほぼイコールで各艦艇のパーソナリティであると考えてよい。艦から離れて行動したり、同時に複数形成したりできる。船体と同様ナノマテリアルで構成されているが、外見的には人類と全く変わらず、普通にしていればタカオやマヤやイ402、ズイカクのように一般市民として人間社会を見聞することも難しくないようである。
“霧”の活動開始当初には存在していなかったが、先の人類側との全面的な対決の際、戦力面では圧勝したものの戦術的には全く劣っていたことを“霧”の側が問題視し、人類の感覚をトレースしてその思考と様々な概念を理解するべく物語開始時の約2年前より形成されるようになった。
形成には膨大な演算リソースを消費するため、基本的には潜水艦もしくは重巡洋艦以上のクラスの艦艇にしか存在していないが、例外として上位クラスの艦艇が一部分散して演算を負担することで駆逐艦等でも形成は可能となる。
なお現在のところメンタルモデルには女性型しか確認されていないが、この理由はイオナ(アニメ版ではハルナ)によれば「大抵の人類の言語で、艦船を指す場合に女性形で語られるから」であるとのこと。
原作ではメンタルモデル単体でさえ大型の機動兵器を持ってしても傷付けられない程の圧倒的な戦力を誇っていたが、アニメ版ではサイズダウンするとクラインフィールドがナノマテリアル総量に依存した小規模に限定され、許容量を超える砲火には圧されるなど無敵の防御を誇る圧倒的な存在としてまでは描かれていない。代わりに重力場のような物を形成して押し潰す、演算能力を利して優れた運動能力を得る、さらには巨大な剣状のエネルギーの塊を武器とするなど直接的な攻撃手段を得ている。
ナノマテリアル
“霧”が使用する、人類にとっては未知の物質。“霧”の艦艇の船体やメンタルモデル等の実体は全て中枢ユニットであるユニオンコアがこれらをコントロールすることで構成されており、情報さえあれば生物まで含めたありとあらゆる存在を寸分違わず再現することすら可能となる。
しかし“霧”にとってもこれは無限に生成出来るようなものではないらしく、戦闘などで損傷して絶対量が減少すると実体の維持は出来なくなり、最悪の場合ユニオンコアのみとなって自力で移動することすら不可能な状態となってしまう(ただし、コア同士で相互に融通しあうことは可能な模様)。
劣化して廃棄されると銀色の砂のような状態になるため、人類側からは「銀砂」と呼称されている。
強制波動装甲
霧の艦隊が持つナノレベルの材質により構成された超常装甲。基本的に中型以上の艦しか持たない。物理攻撃によるエネルギーを分散・吸収することにより防御するが、吸収したエネルギーはリサイクル利用や外部に放出する。
クラインフィールド
強制波動装甲が発する一種のバリアで、一切の兵器による攻撃を無力化する。基本的に中型以上の艦しか持たない。空間をねじ曲げて受けた攻撃のエネルギーを任意の方向に逸らしてしまう効果を持ち、クラインの壺に例えられる。全てを処理出来るわけではなく徐々にエネルギーは蓄積されてゆき、適度に発散しなければやがてフィールドが消失(“霧”達は「臨界に達する」と表現する)してしまい、そうなると人類の兵器でもダメージを受けてしまう。また、発散されたエネルギーは他の艦艇から探知が可能なため、イ401の様な潜水艦タイプの“霧”にとっては隠密性が失われる致命的な弱点と成りうる。メンタルモデル単体でも展開でき、応用して足場を作ったり手を触れずに物体を投げ飛ばすことも可能。
アドミラリティ・コード
霧の艦隊が探し求めている「失われし勅命」と呼ばれる謎のコード[24]。“霧”の指令系統の最上位に位置するものであり、全ての“霧”の記憶は「再起動の後は海洋を占有し人類を海から駆逐、分断せよ」から始まっているが、それ以後に命令がアップデートされた様子が無い。「再起動」の言葉が示す意味も不明。ヨーロッパで「失踪」した[7]とされており、それ以降に存在を示したのはハルナの感情的激発の際のアクセスの時のみである。
その行方は群像、翔像ら人類はもちろん、ヤマト、ナガトら霧の上層部も知っておらず、探し求められている[24]。そしてナガト曰く、「霧の中でも誰が見付けるかによって世界が変わる」という。ハルナが刑部博士の死の認識に激昂し人類への殲滅攻撃を行おうとした際に介入してそれを止め、ハルナを強制再起動させた。この際ハルナにはヨーロッパの何処かに佇む少女のイメージが描写されたが、このイメージは全世界の“霧”にも届いており、これ以降アドミラリティ・コードを巡っての様々な事態が動き出すきっかけとなった。それに関わるかと思われる何者かは、アメリカ国旗が刻まれた宇宙服を着込みピアスを付けた長髪の少女の姿をとって重巡「マヤ」の元に現れたが、その場にいたマヤは存在には気づかなかった。アドミラリティとは本来UK(イギリス)の海軍本部を指すが、本作との関連性は現在不明。
アニメ版では命令条項に通信網の封鎖と地上攻撃の禁止が追加されている。
デルタコア
霧の中でも総旗艦の資格を持つ大戦艦級以上に搭載されているユニオンコアの一種。演算処理能力が桁違いに高く作中では旗艦の資格をもつ艦のみに搭載され、演算処理能力に余力があるためか超戦艦ヤマトや前旗艦でもある大戦艦ナガトのようにメンタルモデルを二人持つのも珍しくないという。なお、ムサシ、ビスマルクにも同じものが搭載されているかは不明。
「白鯨」級潜水艦
人類が作り出した対“霧”用の最新鋭の原子力潜水艦。艦首から無数の気泡を放出して水との摩擦を極限まで減らし、ロケットモーターにて超高速で海中を移動するスーパーキャビテーション航行システムを採用している。イ401との連携と譲られた侵蝕魚雷を一本使用したとはいえ、初めて人類の戦力で“霧”に打ち勝った。船体はユニット構成になっており、中央の指令ユニット(脱出艇を兼ねる)以外のユニットを換装することにより100m級から1000m級まで複数の仕様が存在している。既に2隻を撃沈されている[18]
岩蟹(いわがに)
陸軍が保有する四足歩行型戦闘車両。ガトリング砲やロケットランチャーなどを装備している。作中では刑部邸の襲撃に使用されたが、霧のメンタルモデルに尽く無効化され歯が立たなかった。漫画版では有人型だが、アニメ版は無人の自律型。
侵蝕魚雷
“霧”の艦艇に有効打を与えることができる兵器。炸裂すると周囲の空間を重力波によって侵蝕、物質の構成因子の活動を停止させ崩壊させる。目標が“霧”である場合、展開中のクラインフィールドに中和されるがこれを侵食、臨界に近づけることが可能。重ねて撃ちこめば飽和・撃沈に追い込むことが出来る。元々霧の兵器であるため人類が製造、複製することは不可能であるが、人類製の潜水艦から発射することは可能。弾頭にはタナトニウムと呼ばれる未知の物質が使われている。魚雷と銘打たれているが、劇中にはタナトニウム弾頭を装備した大気中を飛翔するミサイルや、海中の機雷としてあるもの(アニメ版に登場、開発者はヒュウガ)も登場する。
タナトニウム
霧が兵器やエネルギー源としている未知の物質、常に自壊しており重力子を放出している。その為霧であれば探知可能であり対応を取られてしまうこともある。
超重力砲
“霧”の大型艦艇が装備している長距離破壊兵器。劇中では「超重力砲」「超重砲」の表記が混在している。大規模な変形を行い船体全体を砲身とすることで超広域に重力波を放つ。ロックオン時は正面の海を割る重力異常が起こり、誘導ビームによる捕捉が行われる。戦艦級ともなれば誘導ビームの拘束力が強く離脱が難しく、砲撃が掠っただけでも多大なダメージを被ることは必至である。直撃すればクラインフィールドをも一瞬で飽和・貫通し、目標を破壊出来る。弱点として、如何に強力な霧の艦艇であっても超重砲を使用の際は発射シークエンス演算に集中せねばならない上、発射口正面のクラインフィールドを解除する必要がある。ハルナ・キリシマはその隙を突かれ敗北した。
アニメ版では主に超重力砲と呼ばれる。船体を旋回させながら発射することで広範囲を砲撃するなどの利用法も見られた。
401は硫黄島への帰還後にヒュウガの手で更に改装され、ミカサ戦術システムの使用により放つ新型超重砲を搭載している。この新超重砲は従来のものより威力が絶大であるが、401のエンジン出力のリミッターを全解除したフルパワーでの超集束モードなら、重力子ビーム口径約1mで射程を140キロ以上にまで延長することが可能で、発射により海が割れた。この超長距離狙撃により、タカオと戦闘状態にあったU-2501の補給艦ミルヒクーが消滅しゾルダンは戦闘継続ができなくなった。新超重砲発射による強大な重力波は、遠く離れたコンゴウやナガト、函館へ向かう400やハルナ達までもが感知した。
アクティブデコイ
霧同士の戦闘で頻繁に使われる、ナノマテリアルを用いたデコイ。操作は自由にでき、敵センサーの撹乱を主目的として行動させることがほとんど。消耗品であるらしく他の兵装と同じく残弾数がある。
次元空間曲率変位(ミラーリング)システム
超戦艦ヤマト級とU2501のみ搭載されている特殊兵装。対象の超重力砲を別次元に相転移させ無効化するが、その反面、使用後の反動が大きく11次元に至るまで影響を受け一定の範囲の海域の重力バランスを崩壊させる。ひとつの海域でタカオの超重砲だけでなく新超重砲とミラーリングシステムまでが使用されたため、402曰く「地球が持たない」と言わしめた。U2501に搭載されている物はヤマトより規模がかなり小さいものの、広範囲にわたって重力異常を引き起こした。さらに使ったU2501も無事には済まず、一度使用しただけで艦の運用に支障が出てくるほどの損害をこうむっている。
振動魚雷
人類が開発した兵器の中で、唯一“霧”に対して有効な攻撃力を持つ装備。物体の固有振動数を割り出し、共振現象を起こすことで対象の分子結合を崩壊させて破壊するという物。
日本で開発されたが、海を封鎖された日本では5本を試作するのが限界であったため、以降の量産と実験はアメリカ合衆国に託すことが決定されていた。これまでに立案された輸送計画はことごとく“霧”に阻止されており、この試作品も既に1本しか残っていないため、日本政府は最後の手段としてその輸送をイ401に依頼することとなった。
“霧”の中型以上の艦艇が備える強制波動装甲およびそれが展開するクラインフィールドを突破する方法はまた別であるため、現時点では未だ課題が残る装備ではあるが、人類が手にした初の霧に通用する兵器ということで群像はこの魚雷の量産が霧との交渉材料になりうると考えている。
海洋技術総合学院(かいようぎじゅつそうごうがくいん)
横須賀に存在する軍直轄の学校。霧の艦艇に対抗するための海兵隊要員育成のために設立された。
第4施設焼失事件(だいよんしせつしょうしつじけん)
物語開始前、2054年に起こった事件。慰霊碑には「第4施設焼失事」と記載されている[25]。詳細は語られていないが、海洋技術総合学院の施設である第4施設において研修に来ていた56名の生徒が犠牲となった[25]。それから2年経った時点でも原因は不明のままである[25]。北管区、南管区の出身者も犠牲になっており、両管区政府はこの情報を中央管区に要求しているが、特別機密事項扱いとして中央管区は情報の開示を拒んでいる。群像はこの事故の生き残りで、琴乃は行方不明となり死亡したとされている。
ミカサ戦術システム
ヒュウガが構築した401の新戦術システム。401とオプション艦の全システムを連結しての連動戦術を行うシステムであるようだが、今のところは超重砲艦SGCS-01「イツクシマ」SGCS-02「ハシダテ」との3艦シンクロにより放つ新超重砲で使用したのみ。他のオプション艦が存在することも語られているが、今のところ登場はしていない。
概念伝達
アニメ版に登場した、メンタルモデル同士の相互通信システム。距離や状況を問わずに意思疎通やデータ交換が可能だが、相手の位置を特定する機能はなく空間に乱れが生じている場合は使えない。使用時には洋風あずまやのような空間が生成されるが、メンタルモデルの心の機微に応じて緑が生い茂り小鳥が囀るようになったり、逆に全てが色あせ朽ち果てた状態にも変化する。
フルバーストモード
アニメ版に登場した、イオナの高速航行形態。コンゴウでさえ追いつけない程の速力を発揮するが、使用後はしばらくセンサー類の感知力が落ちる。
アルス・ノヴァモード
アニメ版に登場した、船体を失ったイ401がタカオの全ナノマテリアルを与えられ復活し、彼女と融合することで変化した形態。外観は401を主体にタカオの装甲を足したような物で、タカオの武装をそのまま引き継いでいるため潜水艦には似つかわしくない高火力を得ている。また、副処理装置としてヒュウガ、タカオ、成り行きで同乗したキリシマ、ハルナも加わっているため、アクティブデコイを用いて400・402の両名を撹乱するほどの処理能力も発揮できる。一方、2艦融合という唯一無二の船体ゆえに独特の重力子機関のパターンを有しており、探知可能な全ての“霧"からそれと特定され隠密性は皆無に等しいという重大な問題を抱えている。

書誌情報[編集]

Ark Performance 『蒼き鋼のアルペジオ』 少年画報社〈ヤングキングコミックス〉、既刊9巻(2014年6月現在)

  1. 2010年4月30日発売、ISBN 978-4-7859-3375-3
  2. 2010年10月30日発売、ISBN 978-4-7859-3495-8
  3. 2011年3月30日発売、ISBN 978-4-7859-3593-1
  4. 2011年10月29日発売、ISBN 978-4-7859-3726-3
  5. 2012年4月28日発売、ISBN 978-4-7859-3831-4
  6. 2012年10月30日発売、ISBN 978-4-7859-3954-0
  7. 2013年5月30日発売、ISBN 978-4-7859-5056-9
  8. 2013年10月30日発売、ISBN 978-4-7859-5150-4
  9. 2014年6月30日発売、ISBN 978-4-7859-5327-0

応募者企画[編集]

2011年12月、単行本第4巻の発売を記念して、「コミックス連動企画」として「スペシャルドラマCD」と冊子『アルペジオ SPECIAL BOOK』の応募者全員サービスが行われた[26]。これは単行本第4巻付属の応募券と、同時期に発売された『ヤングキングアワーズ』2011年12月号または2012年1月号に付属の台紙に実費を添えて申し込む形の企画であった[26]
ドラマCDの内容はドラマ「アルペジオ始まりの物語」およびラジオ番組風プログラム「共同戦術ネットワーク」、冊子には、タカオの函館での行動を描いた描き下ろし漫画、設定画集、コラムが収録されていた[26]

テレビアニメ[編集]

2013年5月30日にアニメ化が発表され[27]、『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-[注 4][28](あおきはがねのアルペジオ アルス・ノヴァ)のタイトルで同年10月から12月まで放送された。全12話。登場人物を含め、作中の動く物体はほぼフル3DCGで制作されている[29]。3DCGアニメとして作ることは、監督岸誠二が提案したという[30]

ストーリーにおいては、キャラクターをはじめとした設定が一部変更された(ヤマトや千早翔像、ゾルダン、上陰と北以外の政府・統制軍関係者などは登場しない)ことに伴い、ハルナ・キリシマ戦や刑部邸襲撃後から硫黄島到着以降の展開はアニメオリジナルとなっている。ナレーションは中田譲治が担当している。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「SAVIOR OF SONG」(第2話 - 第8話、第11話)
作詞 - ナノ / 作曲 - MY FIRST STORY / 編曲 - WEST GROUND / 歌 - ナノ feat.MY FIRST STORY
第1話はEDとして使用。第9話・第10話・第12話は未使用。
エンディングテーマ
「ブルー・フィールド」(第2話 - 第4話、第6話 - 第8話)
作詞・作曲・編曲 - Heart's Cry / 歌 - Trident(渕上舞沼倉愛美山村響
「Innocent Blue」(第5話、第9話、第11話)
作詞・作曲 - fu_mou / 編曲 - 甲田雅人 / 歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
Our Story」(第12話)
作詞・歌 - ナノ / 作曲 - 北村武 / 編曲 - WEST GROUND
第1話、第10話は未使用。
「Purest Blue」(再放送・第4話、第6話、第8話、第11話)
作詞・作曲・編曲 - Heart's Cry / 歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
挿入歌「Silver Sky」(第10話)
作詞・歌 - ナノ / 作曲・編曲 - 甲田雅人

各話リスト[編集]

本放送のエンドカードは、奇数話がブラウザゲーム艦隊これくしょん -艦これ-』とのコラボ企画となっている(★で表記)。

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 CGディレクター エンドカード
本放送 再放送
#01 航路を持つ者 上江洲誠 柿本広大 今義和 ★しばふ 大見武士
#02 嵐の中へ 森田繁 平井義通 植高正典 ふじのきともこ[注 5] 北崎拓
#03 要塞港、横須賀 橋本裕之 鈴木大介、名倉晋作 ★コニシ 春野友矢
#04 横須賀急襲 中村浩二郎 柿本広大 山田雅之 今義和 夏元雅人 有馬啓太郎
#05 人ならざる者 日暮茶坊 kapu 平井義通 植高正典 ★コニシ 上山道郎
#06 ともだち 中村浩二郎 古田丈司 セトウケンジ 鈴木大介 石黒正数 今井哲也
#07 硫黄島 上江洲誠 高橋正典 柿本広大 石田竜介、松浦宏樹 みことあけみ 野上武志
#08 人形の家 森田繁 政木伸一 今義和 ことぶきつかさ 石田敦子
#09 決死の脱出行 日暮茶坊 中野英明 江島泰男 鈴木大介 ★パセリ 六道神士
#10 その身を捧ぐ 中村浩二郎 平井義通 植高正典 水上悟志 宮原るり
#11 姉妹 森田繁 吉岡忍 博史池畠 今義和 ★藤川 山村響
#12 航路を拓く力 上江洲誠 柿本広大 植高正典 Ark Performance

放送局[編集]

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
近畿広域圏 毎日放送 2013年10月7日 - 12月23日 月曜 26:55 - 27:25 TBS系列
東京都 TOKYO MX 2013年10月10日 - 12月26日 木曜 22:00 - 22:30 独立局
日本全域 ニコニコ生放送 ネット配信 エンドカードは第5話以降で使用
ニコニコチャンネル 木曜 22:30 更新
BS日テレ 2013年10月13日 - 12月29日 日曜 24:00 - 24:30 日本テレビ系列
BS放送
AT-X 2013年10月15日 - 12月31日 火曜 22:30 - 23:00 アニメ専門CS放送 リピート放送あり
バンダイチャンネル 2013年10月17日 - 2014年1月2日 木曜 23:00 更新 ネット配信 見放題サービス利用者は全話見放題
dアニメストア 2013年10月18日 - 2014年1月3日 金曜 12:00 更新
韓国全域 ANIPLUS 2013年10月9日 - 12月25日 水曜 22:30 - 23:00 CS放送IP放送
ケーブルテレビ
ネット配信
15歳以上視聴可で放送
韓国語字幕あり
兵庫県 サンテレビ 2014年4月5日 - 6月21日 土曜 22:30 - 23:00 独立局

霧くまs[編集]

2014年4月よりTOKYO MX・サンテレビで放送される再放送で、CM枠の1分アニメ『霧くまs』(きりくまず)を放送。放送後はYouTubeにて配信。

メンタルモデルが全員クマのぬいぐるみ「ヨタロウ」の姿になってしまった世界のコメディ作。

スタッフ(霧くまs)[編集]

  • 監督 - 岸誠二
  • 構成 - 上江洲誠
  • 脚本 - 森田繁、中村浩二郎、日暮茶坊
  • 演出 - 鈴木大介
  • 音楽 - 甲田雅人
  • アニメーション制作 - サンジゲン

各話リスト(霧くまs)[編集]

話数 サブタイトル 放送日
SPOT#1 あのイントネ〜ション 1「幽体離脱」
キリシマの野望 1
2014年
4月5日
SPOT#2 あのイントネ〜ション 2「求愛行動」
全裸温泉 1
ハルナの辞典 第1版「自宅警備員」
4月12日
SPOT#3 合体戦艦 キリシマ☆ハルナ 1
困惑タカオとヒュウガ博士 1
キリシマの野望 2
4月19日
SPOT#4 キリシマの野望 3
合体戦艦 キリシマ☆ハルナ 2
ハルナの辞典 第2版「あざとい」
あのイントネ〜ション 3「就職活動」
4月26日
SPOT#5 あのイントネ〜ション 4「希望退職」
コマーシャル 1
端午の節句
5月3日
SPOT#6 野生の王国 1
困惑タカオとヒュウガ博士 2
野生の王国 2
5月10日
SPOT#7 あのイントネ〜ション 5「QRコード」
あのイントネ〜ション 6「シャンソン歌手」
コマーシャル 2
キリシマの野望 4
5月17日
SPOT#8 全裸温泉 2
大戦艦コンゴウさん
あのイントネ〜ション 7「九州旅行」
5月24日
SPOT#9 恋するフォーチュン☆タカオ
熊の艦隊
困惑タカオとヒュウガ博士 3
5月31日
SPOT#10 合体戦艦 キリシマ☆ハルナ 最終話
キリシマの野望 5
6月7日
SPOT#11 あのイントネ~ション 8「QRコード」
あのイントネ~ション 9「東京特許許可局」
わたしはマヤ 1
ハルナの辞典 第3版「魚雷」
6月14日
SPOT#12 キリシマの野望 6
あのイントネ~ション 10「九蓮宝燈」
わたしはマヤ 2
キリシマの野望 7
6月21日
SPOT#13 「Purest Blue」霧くまsバージョン 6月28日

BD / DVD[編集]

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
1 2013年12月27日 第1話 - 第2話 VTZF-37 VTZF-43
2 2014年2月7日 第3話 - 第4話 VTZF-38 VTZF-44
3 2014年3月7日 第5話 - 第6話 VTZF-39 VTZF-45
4 2014年4月4日 第7話 - 第8話 VTZF-40 VTZF-46
5 2014年5月2日 第9話 - 第10話 VTZF-41 VTZF-47
6 2014年6月6日 第11話 - 第12話 VTZF-42 VTZF-48

Webラジオ[編集]

蒼きラジオのアルペジオ』のタイトルで、2013年8月29日から2014年1月16日まで音泉にて毎週木曜配信。パーソナリティはイオナ役・渕上舞、タカオ役・沼倉愛美、ハルナ役・山村響、全14回。

ドラマCD(アニメ版)[編集]

『ヤングキングアワーズ』2014年2月号に、ドラマCD「メンタルモデルも電気羊の夢を見るのではないか?」が付録となっている。

スタッフ
  • 脚本 - 上江洲誠、日暮茶坊、中村浩二郎
  • 音響監督 - 飯田里樹
  • 録音調整 - 中野陽子
  • 効果 - 奥田維城
  • 音響制作担当 - 高井琢磨、齋藤祐樹
  • 音響スタジオ - ビクタースタジオ
収録内容
  1. 硫黄島到着前
  2. タカオ、愛のリベンジ大作戦
  3. タカオの部屋1
  4. CM
  5. 押忍! アルペジオ学園
  6. タカオの部屋2
  7. ご挨拶

特別番組[編集]

2014年6月28日 22:30 - 23:00にTOKYO MX・サンテレビにて特別編となる『Trident 密着ドキュメント 〜航海の先に、見えたモノ〜』が放映された(上述『霧くまs』#13も放映)。翌6月29日 1:00 - 1:30にニコニコ生放送でも配信。このエンディングにおいて劇場アニメの制作が発表[注 6]された。

ノベライズ[編集]

蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 横須賀出航
2014年7月23日発売 / 作 - 日暮茶坊 / イラスト - サンジゲン / 発売元 - KKベストセラーズ / ISBN 978-4-5841-3576-1

劇場アニメ[編集]

2015年公開予定。全2作を予定し、第1作はTVシリーズの再構成に新規映像を加えたもの、そして第2作は完全新作としている[31]

スタッフ (劇場アニメ)[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ これ自体は人間の手のひらに納まるようなコンパクトなユニットとなっている。
  2. ^ 一例として、ミサイルやレーザーを放つ、洋上艦を模す艦艇でも潜水行動が可能である、兵装等を使用する際に外装を自在に展開・変形させたり出来る等。キリシマ・ハルナは超重砲発射の際に合体を披露した。
  3. ^ ただし例外として、人間のクルーを乗せ一部役割を彼らに分担するシステムを独自に確立した個体も存在している。「イ401"イオナ"」や「ムサシ」、「U-2501」が該当。
  4. ^ 「アルス・ノヴァ」の部分はロゴではアルファベットの「ARS NOVA」表記。
  5. ^ サンジゲン制作のアニメ『うーさーのその日暮らし』のキャラクターデザインを担当。同作の第2期『覚醒編』第2話冒頭では本作とのコラボでイオナが登場した。
  6. ^ 番組内では「続編」とだけ紹介され、翌日開催の番組イベントで正式に劇場アニメであることを発表。

出典[編集]

  1. ^ 単行本第1巻帯より。
  2. ^ 『ヤングキングアワーズ』2013年10月号本作扉(39ページ)より。
  3. ^ 「ARPEGGIO OF BLUE STEEL Guide Line3【AD.2054 - 2056】」(単行本第3巻表紙折り返し収録)より。
  4. ^ a b c d Depth:023(第23話、単行本第4巻収録)より。
  5. ^ Depth:002(第2話、単行本第1巻収録)より。
  6. ^ a b c Depth:005(第5話、単行本第1巻収録)より。
  7. ^ a b c Depth:026(第26話、単行本第5巻収録)より。
  8. ^ Depth:053(第53話)より。
  9. ^ Depth:003(第3話、単行本第1巻収録)より。
  10. ^ Depth:033(第33話、単行本第6巻収録)より。
  11. ^ ARPEGGIO's Story Guide(単行本第5巻3ページ)より。
  12. ^ Depth:029(第29話、単行本第5巻収録)より。
  13. ^ Depth:015(第15話、単行本第3巻収録)より。
  14. ^ Depth:019(第19話、単行本第4巻収録)より。
  15. ^ a b Depth:037(第37話、単行本第7巻収録)より。
  16. ^ Depth:040(第40話、単行本第7巻収録)より。
  17. ^ a b Depth:030(第30話、単行本第5巻収録)より。
  18. ^ a b Depth:006(第6話、単行本第2巻収録)より。
  19. ^ 「蒼海辞典【あ〜か】」(単行本第3巻収録)より。
  20. ^ Depth:001(第1話、単行本第1巻収録)より。
  21. ^ a b Depth:022(第22話、単行本第4巻収録)より。
  22. ^ 「蒼海月報第十回アルペジオ年表2」、『ヤングキングアワーズ』2012年10月号、少年画報社2012年8月30日
  23. ^ Depth:036(第36話、単行本第6巻収録)より。
  24. ^ a b 「蒼海辞典【あ~か】」(単行本第2巻収録)より。
  25. ^ a b c Depth:007(第7話、単行本第2巻収録)より。
  26. ^ a b c 「蒼き鋼のアルペジオ」ドラマCD全サ、声優陣に福山潤ら”. コミックナタリー (2011年10月29日). 2013年9月26日閲覧。
  27. ^ 「蒼き鋼のアルペジオ」TVアニメ化決定 アニメ制作はサンジゲン、監督に岸誠二”. アニメ!アニメ!. イード (2013年5月30日). 2014年2月16日閲覧。
  28. ^ TVアニメ正式タイトルは、、、、 「蒼き鋼のアルペジオ ーア…”. Twitter (2013年6月28日). 2013年7月12日閲覧。
  29. ^ 「蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−」特集 第1回 岸監督インタビュー 〜その2 フル3DCGに魂を吹き込む〜”. トーキョーアニメニュース. moss (2013年10月7日). 2013年10月8日閲覧。
  30. ^ 12月29日、蒼き鋼の… - Twitter(岸誠二のツイート)、2013年12月30日
  31. ^ 「蒼き鋼のアルペジオ」映画化!2部作として2015年に公開 - コミックナタリー(ナタリー)、2014年6月30日配信

関連項目[編集]

外部リンク[編集]