UボートXXI型

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U3008.jpg
戦後1948年にアメリカ海軍で試験されるU-3008 艦橋後部が流線型に改造されている
概要
名前: UボートXXI型t
運用:  ナチス・ドイツ海軍
戦後:
 フランス海軍
 西ドイツ海軍
 イギリス海軍
 ソビエト連邦海軍
 アメリカ海軍
完工: 118隻
仕様諸元
分類 潜水艦
排水量 標準:1,621トン
最大積載時:2,100トン
全長: 76.7 m (251 ft 8 in)
全幅: 8 m (26 ft 3 in)
喫水: 5.3 m (17 ft 5 in)
機関: ディーゼル/電気
2× MAN M6V40/46KBB 過給式 6気筒 ディーゼル機関, 4,000 PS (2.9 MW)
2× SSW GU365/30 複動式電動機, 5,000 PS (3.7 MW)
2× SSW GV232/28 静粛航行電動機, 226 PS (0.166 MW)
速力: 浮上時:
15.6 kn (28.9 km/h) (ディーゼル)
17.9 kn (33.2 km/h) (electric)
潜航時:
17.2 kn (31.9 km/h) (electric)
6.1 kn (11.3 km/h) (静粛航行電動機)
航続距離: 浮上時:
10 kn (19 km/h)で航行した場合15,500 nmi (28,700 km)
潜航時:
5 kn (9.3 km/h)で航行した場合340 nmi (630 km)
総員: 57人
兵装: 魚雷発射管6門
4 x 20 mm キャノン砲

UボートXXI型 (U-Boot-Klasse XXI) は、第二次世界大戦中のドイツ海軍潜水艦

概要[編集]

大西洋の戦いでは、進歩を続ける連合国の対潜部隊に対し、ドイツ潜水艦隊の主力だったVII型IX型 などの従来型潜水艦は、性能的に不利な状況に追い込まれていた。

この状況を見た海軍総司令官カール・デーニッツはそれまでのVII型、IX型を主力とした潜水艦の建造計画を大きく変更し、全力で水中高速型潜水艦を建造することとした。早期の戦列化を可能にするため、艦体の設計はヴァルター機関を動力とした水中高速艦として設計されていたXVIII型のものを流用している。艦体は円筒を上下につないだような形をしており、水中航行用の蓄電池を多数搭載しても十分な艦内容積を確保することができた。多数の蓄電池と新たに開発されたモーターの組み合わせにより、本型の最大水中速力は当時の潜水艦としては桁外れの17.5ノットに達した。その後1945年4月までに288隻の建造が予定された。

建造に際しては徹底したブロック工法が採用されており、32カ所の造船所および鉄工所で建造された船体を11カ所の造船所に集めた上で艤装工事を実施し、さらに艤装の完了した船体を3カ所の造船所で組み立てるという体制で建造された。

1番艦は1944年5月に竣工し、それ以降も続々と竣工していったが、燃料不足や、乗員の訓練や頻発した初期不良の調整に手間取ったため、出撃できたXXI型は少数にとどまり、終戦までの間の戦果、戦歴等はほとんどない。しかし、水中行動を主とするこの型の設計思想は、アメリカ海軍アルバコアソ連海軍611型潜水艦など、戦後多くの国の潜水艦の設計に影響を与えた。また、戦後に接収した本型を使用して行われた対潜訓練では、当時最も優れているといわれたアメリカ・イギリス海軍の対潜部隊を持ってしても本型を探知できなかったという逸話が残っている。

特徴[編集]

接収直後のU-3008 流線型の船体がよくわかる
外観
従来型の潜水艦と異なる流線型の船体を始めとして、従来型の艦に付いていた備砲は撤去され、対空機銃も流線型のカバーがついた引き込み式になるなど水中での抵抗を極力減らす設計が見られる。このため水中速力は従来型の2倍以上となった。
水中航続力
本型は艦内に多数の蓄電池を有しているので、水中航行時間も6ノットで航行した場合約48時間と、従来型と比べて大幅に伸びていた。そのためにXXIII型とともに電気Uボートとも呼ばれた(卓越した能力から奇跡のUボートと呼ぶ者も居た)。
水雷兵装
魚雷発射管はそれまでの型と違い、艦首に6門が集中的に装備された。搭載魚雷数は23本で、全て艦内に格納された。本型は魚雷発射管に自動装填装置を装備した最初の型であり、約10分で6門全ての再装填が可能となっていた。
また、水中高速潜の能力を最大限に発揮するために、魚雷射撃用の指揮装置も新型のものが搭載された。これは探知用と攻撃用の2つのソナーから送られたデータを電気信号で自動的に解析することができるもので、潜望鏡を用いない全没状態での攻撃でも十分な精度を発揮した。
対空兵装
当初、航空機関砲として余剰となっていた30mm MK103機関砲を揺動砲架に収めた物が搭載される予定であったが間に合わず、前述のように水中での抵抗を減じるカバーに20mm連装機関砲を収めたものが、セイルの前後に搭載されている。

性能諸元[編集]

アメリカが作成した図面
  • 全長: 76.7m
  • 全幅: 8.0m
  • 排水量: 水上1,621t、水中1,819t 
  • 最大速度: 水上15.5kt、水中17.5kt
  • 水中航続距離: 528km(285海里)/6kt
  • 水上航続距離: 20,650km(11,150海里)/12kt
  • 乗組員: 57名(うち士官5名)
  • 兵装: 533mm魚雷発射管×6(艦首6 搭載魚雷23本)、20mm Flak38連装機関砲×2

同型艦一覧[編集]

  • U-2501~U-2552
  • U-2553~U-2608 未成
  • U-2609~U-2643 発注延期
  • U-2644~U-2762 キャンセル
  • U-3001~U-3041
  • U-3042~U-3043 建造中に爆撃を受け破壊
  • U-3044
  • U-3045~U-3046 艤装中に爆撃を受け破壊
  • U-3047
  • U-3048~U-3049 未成
  • U-3050~U-3051
  • U-3052~U-3088 未成
  • U-3089~U-3295 建造未着手
  • U-3296~U-3500 未契約
  • U-3501~U-3530
  • U-3531~U-3571 未成
  • U-3572~U-4000 発注延期

関連項目[編集]

外部リンク[編集]