排水量

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排水量(はいすいりょう)とは、艦艇の重さを示す数値。

概要[編集]

アルキメデスの原理により、船を水上に浮かべた際に押しのけられるの重量をトン単位で示した数値で、船の重量に等しい。また、トン数の一種である排水トン数に等しい。ただし、完成した船を実際に計量するのではなく、海水の比重を考慮した上で設計図を元に喫水線下の体積から算出されるのが一般的である。軍艦およびそれに相当する艦艇以外ではトン数が主に使用されることから、商船や日本の海上保安庁所属の船舶等の諸元で目にすることはあまりない。 艦船の状態によって排水量は異なるため、以下の通り複数のものがある。なお、以下で「水」とあるのは飲料水その他の生活用水ではなく、予備罐水、つまり蒸気機関で使用する補充用の水のことである。

建造排水量[編集]

乗員、燃料、弾薬等一切搭載しない船そのものだけの排水量。

軽荷排水量[編集]

乗組員のみ搭載し、弾薬や燃料などを一切搭載しない状態の排水量。

基準排水量[編集]

年代および国によって定義が異なるが、一般的にはワシントン海軍軍縮条約において採用された、満載排水量から燃料および水の重量を差し引いた状態の排水量の事を指す。仮想敵国から想定される作戦海域は各国で異なり、燃料および予備缶水を含めると長大な航続力を必要としない国が有利になることから、純粋な戦闘能力のみで比較するためにこれらの重量を差し引いた状態とされた。想定作戦海域が広大である英米が不利にならないためであるとも言われている。船の状態としては不自然に過ぎ実用的ではないため、近年ではこの状態を諸元として使用する国はない。なお、海上自衛隊は艦艇の公式諸元として基準排水量を公表しているが、これは名称こそ同じであるものの1978年昭和53年)に制定された「水上艦船搭載物件配分標準[要出典]」で規定されているもので、ワシントン海軍軍縮条約における基準排水量とは異なるものである。

ワシントン軍縮会議以前の日英では基準排水量は燃料を搭載した時の排水量とされていた。

常備排水量[編集]

弾薬3/4、燃料1/4、水1/2を搭載した状態であり、軍艦が戦闘状態に入っていると想定したものである。ワシントン条約締結以前は、これを排水量の標準として使用する国が多かった。

イギリスではかつて積載排水量と呼ばれていた。

公試排水量[編集]

公試、即ち性能テストの際に使用される排水量のこと。大日本帝国海軍では弾薬を満載、燃料と水を2/3搭載した状態とし、昭和以降にはこれを重視した。往路・戦闘・復路で燃料などの消耗物資を1/3ずつ消費するとし、まさに戦闘に臨む直前、往路分の消耗物資が減り戦闘開始前であるため弾薬類は一切消費していない状態を想定したものである。

満載排水量[編集]

乗組員・弾薬・燃料・水など、計画上搭載できるもの全てを搭載した状態での排水量。近年多くの海軍ではこれを公式の諸元として使用している。

関連項目[編集]