ばいばい、アース
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『ばいばい、アース』は、角川書店から刊行されている冲方丁のファンタジー小説である。長らく品切れ状態であったが、角川文庫にて文庫版が2007年から2008年にかけて刊行された。文庫版はライトノベル風の表紙になっている。
目次 |
[編集] ストーリー
空には聖星(アース)が輝き、花は生き生きと動き、人々は動物の姿かたちをまとう。そんな世界にただ一人、牙も毛皮もまとわぬ無形にして異形の 「のっぺらぼう」として生まれたラブラック=ベル。彼女は自分と交わることを許してくれる世界を探すため、旅の者(ノマド)になる為、<都市>と <外>の戦いに身を投じる・・・。
[編集] 重要語句
- 刻印(スペル)
- 剣にそれぞれ刻まれており、刻まれたスペルによって剣は特殊な効果を発揮する。
- 花
- 魚や鳥、虫のかたちをしており、普通の花と同じく種(いわゆる卵)で増える。根を下ろしてそこに定着することも可能。
- 都市<パーク>
- 法(テーマ)の下に統べられた<テーマ・パーク>が複数存在している
- <剣の国>シュベルトランドの文字通り都市。上から見るとヘキサクルの形をしている。中心には神の樹を祀り王の住まう城がある。
- また、都市の民は<内>や<正義>と表示され、トップドッグと言われる。
- 都市の外
- 一般的に<城外民>と呼ばれる者が住み<外>や<悪>と記されアンダードッグと言われる。文字通り<正義>と対立し、戦っている。
- カタコーム
- <外>にある、死者を葬る地下洞窟。迷路のように複雑だが、ここの司祭のコリンズ一族は道の繋がりが分かる。
- <外>にあるがあくまで中立的な聖地で、私利私欲で利用しようものなら<悪>であっても撃退され、逆に死者を弔うべく来た者なら<正義>でも丁重にもてなされる。
- 魔
- ニドホックと呼ばれ、神に仇なす者を指し、彼らは神言にて剣士達に撃退される。
[編集] 登場人物
- ラブラック=ベル
- 主人公。人間の少女=<のっぺらぼう>で異形として生まれた存在。石の卵から生まれた(この石は別名賢者の石とも言われる)。大地との関わりが希薄な為、超跳躍が可能。また、怪力。常軌を逸脱している存在な為、野蛮<ビースティ>と言われる。
- 所有する剣は<唸る剣>ルンディング。刻まれたスペルは無何有郷を意味するEREHWON。超重量の剣。普段はくすんだ刀身だがベルの感応に反応し、白銀の刃を現す。また、折れてもまた新しい刃が生まれる、生まれ続ける剣。名前のベルとは小さき者と言う意味。
- 旅の呪いで斬れないものが出るようになった。
- 別称止揚者、神を止揚する者。
- ラブラック=シアン
- 月瞳族(キャッツアイズ)教示者(エノーラ)。ベルの養父にして師匠の存在。最後の教示をした為、ベルには彼の記憶が薄くしか残っていない。教え子には他にもアドニスやガフがいる。
- 所持する剣は青燐色(ラピスラズリ)の剣で、刻まれた刻印はENOLA(教示する者)。
- 先代の弟王(ファタール)として<剣の国>最強の剣士だったが、自らの意思で自由に剣を振るうことが出来ず、神の奴隷として生きることに絶望。教示者となることで軛から逃れようとするが、自らの過ちで次の弟王候補であったガフの弟を殺害してしまう。剣作家ドランブイとの出会いから神への懐疑を覚え、神の法から開放された旅の者となり、太古の秩序を滅ぼし、新たな世界を創造する「理由の少女」ベルを育てることになる。
- シャンディ=ガフ
- 城に住む主族の月瞳族の者で金の体毛を持つ。黄の(アイボリー)神官団の頭。王亡き後は兄王(フォルチュネ)となる。真面目で厳格な性格。だが頑固では無い。周りの人望も厚い。
- 所持する剣は<王国の剣>。刻印はEMOCLEW(王国)。緋色の諸刃の剣だが、金色に輝く時がある。
- 弟がいた。
- クエスティオン=アドニス
- <懐疑する者>の刻印を持つ。月瞳族の青年。銀髪で赤いバンダナがトレードマーク。
- 自分の剣を持たず死人の剣を使うことから剣盗人とも呼ばれる。
- 真相は生まれながらにして旅の呪いを持っていて、その呪いが触ったものへの感応が大きいほどそのものを腐敗させると言うものだったので自分の剣が持てない。
- 通常剣士は感応をこめ刻印の力を発揮、剣を振るがアドニスはそれをせず、剣を消耗品として使う。また獣花のバンブーを使い魔としている。この獣の体内は異次元になっておりそこに住居や剣の保管場所を構えている。城の剣士だったがあることをきっかけに飢餓同盟に入り、ドランブイと出会う。そこで初めて自分の剣を入手する。
- 剣の名は錆びた爪(ラスティネール)。刻印はNOWHERE(無何無郷)。死してなお死に続ける剣で、刃を折っても折られた箇所が修復される。<撓う剣>レーピアの形だが、刀身は異様にささくれている。
- ギネス
- 剣楽隊(バンド)の脚本者(リブレット)。弓瞳族の青年。元々才能はあるのだが、気が弱いために人の言に左右され易く、鬱屈した戦術しか取れない。ある戦で出会った<悪>のミストの叱咤激励、ジンバックの教えを受け、才能を開花。この戦いで失ったものは大きかったが、脚本者として鬼才の評価を得る。ジンバック亡き後、彼の指揮剣を受け継ぎ、指揮者としても卓越した才能を発揮。同時に、民が神に束縛されない生き方を模索し始める。
- ベネティクティン
- 剣楽隊(バンド)の演出者(エディター)。雌雄同体の水族(マーメイド)。氷の結界術を自在に操り、弓の名手でもある。ベルとは相容れないように思われたが、ある戦での出来事がその距離を急激に縮めた。また、その時の戦果により演出者(エディター)としての評価も高まった。
- キティ=ザ・オール
- 旅の長耳族。外見は10代前半の少年だが、老成した雰囲気と成熟した言葉を使う。
- <硬貨の国>の流浪王子。シアンの弟子でもある。圧倒的な演算魔法と式を使い、ベルの窮地を救い、時に彼女に助言を与え、導く。
- キティ=ザ・ナッシング
- シェリー
- キール=ロワール
- ティツィアーノ
- 水族(マーメイド)の雌性。ガフやアドニスらと同じ4剣士の一人。ある事件以来、行方不明となっている。剣にはLEGNA(使わす者)という刻印が刻まれている。
- ミスト
- クラウド
- ドランブイ
- ローハイド
[編集] 既刊一覧
角川書店(イラスト:天野喜孝)
- ばいばい、アース〈上〉 ISBN 978-4048732451 2000年12月発売。
- ばいばい、アース〈下〉 ISBN 978-4048732468 2000年12月発売。
角川文庫(イラスト:キム・ヒョンテ)
- ばいばい、アース I 理由の少女 ISBN 978-4044729035 2007年9月25日 初版発行
- ばいばい、アース II 懐疑者と鍵 ISBN 978-4044729042 2007年10月25日 初版発行
- ばいばい、アース III 爪先立ちて望みしは ISBN 978-4044729066 2007年11月22日 初版発行
- ばいばい、アース IV 今ここに在る者 ISBN 978-4044729073 2008年2月25日 初版発行