東アジア地域包括的経済連携

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
東アジア地域包括的経済連携
RCEP.jpg
通称・略称 RCEP
テンプレートを表示

東アジア地域包括的経済連携(ひがしアジアちいきほうかつてきけいざいれんけい、英:Regional Comprehensive Economic Partnership, RCEP,アールセップ、域内包括的経済連携)は、東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に、日本中国韓国インドオーストラリアニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTAを進める構想。英題のRCEPには「東アジア」の語は含まれないが、日本語では「東アジア地域包括的経済連携」と呼ばれる[1]

概要[編集]

従来、中国が2005年4月から提唱してきた「東アジア自由貿易圏(EAFTA;ASEAN+3)」と、日本が2007年6月から提唱してきた「東アジア包括的経済連携(CEPEA;ASEAN+6)」が併存しており、双方について、これまで、民間研究および政府間の検討作業が実施されてきた。

2011年8月の日中共同提案「EAFTAおよびCEPEA構築を加速させるためのイニシアチブ」を受け、同年11月に、ASEAN首脳は、両構想を踏まえ、ASEANとFTAを締結しているFTAパートナー諸国とのRCEPを設立するためのプロセスを開始することで一致した。

2012年4月に、ASEAN首脳は、2012年11月の交渉立上げを目指すことで一致し、2012年11月20日カンボジアプノンペンでのASEAN関連首脳会議で交渉立ち上げ式が開催され、交渉開始が宣言された[2]

2013年5月9日5月13日の日程でブルネイにおいてRCEP交渉の第1回会合が開催された[3]

2013年8月19日にブルネイにおいて初の閣僚会合を開き、貿易の自由化目標や自由化ルールを2014年夏頃までに決めることで一致した[4]

2013年9月24日9月27日の日程でオーストラリアブリスベンにおいてRCEP第2回会合が開催された[5]

2014年1月21日1月24日の日程でマレーシアにおいてRCEP第3回会合が開催された[6]

2014年3月31日4月4日の日程で中国南寧においてRCEP第4回会合が開催された[7]

2014年6月21日6月27日の日程でシンガポールにおいてRCEP5回会合が開催された[8]

2014年12月1日12月5日の日程でインドにおいてRCEP第6回会合が開催された[9]

2015年2月9日2月13日の日程でタイにおいてRCEP第7回会合が開催された[10]

2015年6月8日6月13日の日程で京都においてRCEP第8回会合が開催された[11]

2015年8月3日8月7日の日程でミャンマーにおいてRCEP第9回会合が開催された[12]

2017年11月12日、フィリピンでRCEP交渉に参加する16ヵ国が閣僚会合を開き2018年以降も交渉を継続することを確認した[13]。当初目標としていた2017年内の合意は断念した[13]

内容[編集]

秘密裏交渉[編集]

TPPと同様に交渉過程や内容が非公開であり、リークに頼る以外は市民がRCEPについて知ることができない[14]

薬価高騰[編集]

地球の全人口の約半分(特にサブサハラ地域)がインドや中華人民共和国からの低価格のジェネリック医薬品に頼っている[15]。 そして結核マラリア、そしてHIVといった病気に対処するために国境なき医師団が購入する全薬品の66パーセントがジェネリック医薬品である[15]。 RCEPの特許・知的財産権条項は、アジア・アフリカの人々のジェネリック医薬品へのアクセスを遮断しうる。リークされた文書によれば、、ジェネリック医薬品の流通を抑え、薬価高騰へとつながるような条項を日本と韓国がRCEPに入れようとしているのだという。それはWTO基準をこえて製薬企業に特許の権限を与えるような条項である。

試験データ保護は薬剤に関して言えば特許を超える法的な独占的保護であり、保護期間は政府は特許薬剤と似たようなデータを使う薬剤を認可できず、ジェネリック医薬品の市場への流通が遅れるのである[16]

インド政府は薬剤特許に規制を設け、薬へのアクセスを維持し製薬会社の収益に干渉することが可能である。だが投資分野ではISDSのような条項が含まれており、製薬会社がそのインド政府を訴えることが可能になる[15]。インドは「発展途上地域の薬局」として知られているが、国境なき医師団によればもしRCEPが合意にいたればインドはこの地位を失うのだという[16]

関連項目[編集]

脚注・注釈[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)-日本国外務省
  2. ^ 外務省>トップページ>報道・広報>報道発表>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の立上げについて
  3. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2013年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第1回会合が開催されました
  4. ^ 外務省>トップページ > 報道・広報 > 報道発表 > 第1回東アジア地域包括的経済連携(RCEP)閣僚会合の開催
  5. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2013年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第2回会合が開催されました
  6. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2013年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第3回会合が開催されました
  7. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2014年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第4回会合が開催されました
  8. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2014年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第5回会合が開催されました
  9. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2014年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第6回会合が開催されました
  10. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2015年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第7回会合が開催されます
  11. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2015年度一覧>東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第8回会合が開催されます
  12. ^ 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2015年度一覧 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の第9回会合が開催されます
  13. ^ a b “RCEP年内合意断念、2018年以降も交渉 閣僚会合”. 日本経済新聞. (2017年11月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23393230S7A111C1000000/ 2017年11月17日閲覧。 
  14. ^ And you thought the TPP was secret. The RCEP is even worse P. Martin, The Sydney Morning Herald, 4 Nov 2016
  15. ^ a b c The Aids revolution is why Asean, India and China must resist controls on generic drugs Maria Guevara, South China Morning Post, 10 Oct 2016
  16. ^ a b If India signs RCEP, it will not be the 'pharmacy of the world': MSFV. Krishnan, The Hindu, 18 Oct 2016

外部リンク[編集]