ナレンドラ・モディ

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インドの旗 インドの政治家
ナレンドラ・モディ
नरेन्द्र मोदी
Narendra Damodardas Modi (cropped).jpg
ナレンドラ・モディ(2013年7月)
生年月日 1950年9月17日(65歳)
出生地 インドの旗 インドボンベイ州ワタナガル
出身校 グジャラート大学
所属政党 インド人民党
サイン Signature of Narendra Modi.svg
公式サイト Narendra Modi

インドの旗 第18代首相
内閣 ナレンドラ・モディ内閣
在任期間 2014年5月26日 -
大統領 プラナブ・ムカルジー

第14代グジャラート州首相
選挙区 マニナガル
在任期間 2001年10月7日 - 2014年5月26日
知事 カマラ・ベニワル
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ナレンドラ・ダモダルダス・モディヒンディー語: नरेन्द्र दामोदरदास मोदी英語: Narendra Damodardas Modi1950年9月17日 - )は、インドの政治家、第18代インド首相。前グジャラート州首相。

経歴[編集]

選挙で演説するモディ
州首相として病院の設立式典に参加するモディ
首相に就任するモディ

北グジャラート(現在のグジャラート州)のメサーナ地区にあるワタナガルで生まれた。グジャラート大学において政治学修士号を習得した。

2001年から2014年までグジャラート州首相を務め、3度再選されている。モディの行政手腕は長けており、清廉潔白であることも知られている。今でも母親は小さなアパートに住み、兄弟も政府の事務員や小さな小売店の店主をしており、家族ぐるみの汚職が大きな問題となっているインド政界では、クリーンなイメージを持たれていることも人気の理由のひとつである。一方で、ヒンドゥー至上主義反イスラーム主義的言動でも知られる[1]が、一方で、後述する2014年のインド総選挙後には、「全国民とともに」にという表現で、イスラーム教徒への配慮を行うことを示唆した[2]

2014年5月の総選挙開票前に、インド人民党の選挙運動委員会会長に任命された。長らく妻はいないとしてきたが、総選挙に立候補するとき、書類に配偶者欄に記入して提出、妻がいたことを告白した。結婚生活は破綻しているという[3][4]

2014年5月に開票された総選挙でインド人民党が勝利を収めたことにより、5月26日、第18代首相となり就任式を執り行った[5]

英語は流暢に話せるが、外国の要人との会談では英語ではなくヒンディー語を使い、通訳を介して話す[6]

政策[編集]

外交[編集]

日本[編集]

日本はグジャラート州で産業・投資について協力をしており、モディとはグジャラート州首相時代から友好的な関係を持っている[7]。2007年4月に訪日し、当時首相であった安倍晋三らと会談しており[8]、2012年7月に再度日本を訪問し厚遇を受けた[9]。2012年12月、第46回衆議院議員総選挙に圧勝した安倍晋三が首相に就任することが決まった時、最初に祝福の意を伝えた海外要人の一人がモディだったとされる[10]。このようにモディは安倍と個人的な信頼関係があり、また、様々な点で安倍と共通点を有することから、モディが首相に就任した際、プレジデント社はWebサイト「PRESIDENT Online」の記事でモディについて「インドで誕生した『安倍派』の新首相」と表現している[11]。日本の自動車メーカー・スズキ鈴木修会長とも親しく、これらのことから親日家と報じられることもある[12]

2014年8月30日、モディが首相として初来日し、安倍首相主催による非公式の夕食会が京都市の京都迎賓館で開かれた。翌31日には安倍とともに東寺を訪れ、大日如来像の前で二人で合掌した[13]。日印首脳会談は9月1日に東京で行われ、共同声明の「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」では「特別な関係」が明記され、安全保障面では、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置検討で合意、シーレーンの安全確保に向けた海上自衛隊インド海軍の共同訓練の定期化と、経済分野では日印投資促進パートナーシップを立ち上げ、対印の直接投資額と日本企業数を5年間で倍増させる目標を決定した[14]。同日夜に開かれた夕食会でモディは、極東国際軍事裁判(東京裁判)で被告全員の無罪を主張したインド人判事・ラダ・ビノード・パールに言及し、「インド人が日本に来てパール判事の話をすると尊敬される。自慢できることだ。パール判事が東京裁判で果たした役割は我々も忘れていない」と述べ、その功績を称えた[15]

2015年、中国が反発し、インド軍内にも反対意見がある中、モディ政権は米印海上共同訓練「マラバール」に日本を招待することを決定した[16][17]。日本の海上自衛隊は、「マラバール」に過去数回参加したことがあるが、初参加した2007年以外はいずれも日本近海でのものであり、日本が参加することで中国を刺激することを避けたいインドはインド洋ベンガル湾での訓練に日本が参加をすることに難色を示してきた。しかし、モディ政権は中国への対抗も考え、ベンガル湾での訓練に日本が参加することを容認したといわれる[18]

アメリカ合衆国[編集]

モディがグジャラート州首相を務めていた2002年に発生した2002年グジャラート州暴動英語版は700人以上の死者が生じたが、モディが暴動を阻止するために適切な行動をしなかったと疑われ、ジョージ・W・ブッシュ政権は2005年よりモディへのビザ発給を停止しているが、モディ政権誕生に伴いビザ停止を解除した。

2014年8月、ジョン・ケリー国務長官がインドを訪問し、モディと会談し米印関係の改善を演出した[19]

2015年の共和国記念日の式典には、バラク・オバマを招待した。共和国記念日の式典にアメリカ大統領が主賓として招かれるのは史上初めてのことであり、米印関係強化の方針を明確に打ち出した形である。タイムズ・オブ・インディア紙によると、インド外務省が用意した招待者候補名簿にはオバマの名はなく、オバマの招待はモディの強い意向で実現したものである[20][21][22]

中国[編集]

2014年2月には、中国に対し「拡大という思考を捨て去る必要がある」と述べ、中国の領土拡大的な動きを牽制した[23]。2014年の選挙期間中、モディは中国に対する厳しい態度を表明し、首相就任式でも中国が真珠の首飾り戦略を進めている南アジアの国々や、チベット亡命政権ロブサン・センゲ首相を招くなど、中国を牽制する狙いを示した[24]

一方で、首相就任後の5月27日、中国側の提案で李克強首相と電話会談を行った。在中インド大使館によれば、この電話会談で、モディはインドの外交政策にとって常に優先国だと述べたとされる。首相となったモディが、外国の首脳と行った電話会談は、これが初めてとなる[25][26]

2011年、モディは中国を訪問しており、モディ政権の誕生によって中印関係は拡大すると見る中国メディアもある[27]

2014年6月8日、王毅外相がインドを訪問し、スシュマ・スワラージ外相と会談。インドへの経済支援を約束し、中印関係の促進で一致した。日本との関係強化を目指すモディ政権に楔を打ち込む狙いがあるとの指摘がある[28][29]

モディは中国と友好関係を深めつつも、対中防衛を目的として安全保障政策もまた重視している[30]。首相就任の後、モディは初の外遊先にブータンを選択したが、これもブータンと中国が接近していることに懸念を抱いているからとされる[31]

パキスタン[編集]

ヒンドゥー愛国主義の傾向のあるモディは、3回印パ戦争で、領土問題が残り、パキスタンに対して強硬路線を取る可能性が指摘されていたが、2014年5月26日のモディの首相就任式では、パキスタン首相のナワーズ・シャリーフが出席した。両国の独立以降、首脳が相手国の首相就任宣誓式に出席するのは初めてとなる[32]。パキスタン側は招待を受けた後、3日間に渡り政府や軍が出席の是非を検討、新たな印パ関係を築く貴重な機会として出席を決めた。モディは、首相就任式にパキスタンのシャリフ首相以下、南アジア地域協力連合の全加盟国の首脳かその代理を初めて招いた[33]

経済[編集]

グジャラート州はインドで最も高い経済成長を遂げているであり、モディはその立役者とされる[34]。モディの経済政策は新自由主義に近く、小さな政府民営化の推進を主張しており、イギリスマーガレット・サッチャー首相に例えられることもある[35]

モディの経済手腕は海外からも期待されており、モディが選挙に圧勝して首相に就任すると、インドの会社の株が数多く買われた。2014年6月9日、インドの株式時価総額は過去最高値を付けた[36]

モディ政権が2014年6月9日に発表した経済政策はニューズウィークなどの海外マスコミ報道からは「モディノミクス」と呼ばれる。これには中国の方式が一部に取り入れられてるとされ、モディは中国との経済関係を重視しているとも指摘される[37][38]。また、農業面の成功からイスラエルとの関係を重視していることでも知られる[39][40]

宗教[編集]

モディは若い頃からヒンドゥー至上主義を掲げる民族義勇団に所属しており、イスラム教に対する憎悪を煽る演説を行っていた[41]。イスラム教徒のヒンドゥー教徒への列車焼き討ち事件 を、きっかけに起きた2002年グジャラート州暴動英語版では、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒双方合わせて1000人以上[42]死亡する事件を黙認したマスコミに指弾され、グジャラート州のモディ政権は西側諸国から「犯罪政権」と見做された[34]。事件当初からモディ自身は事件への関与を否定していたが、後の裁判で改めて関与否定が確定した[43]が、一部の側近は事件に関与したと判断された[44]。この事件を理由に、英エコノミストは、モディを支持しないと表明していたが、2014年5月に開票された総選挙でインド人民党が勝利を収めると、一転して、「モディの素晴らしい勝利はインドの繁栄の過去最高のチャンスを与える」と表明した。

モディは2014年の選挙において、イスラム教徒への融和姿勢や配慮を強調する場面も見られた[2]インドのイスラム教徒の中には、モディのグジャラート州での政治を見て、経済成長からイスラム教徒が巧妙に阻害される「少数派の社会的疎外化」を懸念する声や、将来を悲観する声が上がっている。一方で、国民会議派の腐敗への失望や、モディの経済手腕への期待から、モディや人民党に票を投じたイスラム教徒も少なくなく、グジャラート州のイスラム教徒も発展の恩恵を受けたという指摘もある[45][46]

2014年5月26日の首相就任式では、イスラム教国家のパキスタンナワーズ・シャリーフ首相や、ヒンドゥー教徒が多いタミル人を弾圧し、タミル・イーラム解放のトラなどとの武装闘争の歴史を持つスリランカマヒンダ・ラージャパクサ大統領などが招待され、出席した。ヒンドゥー至上主義の懸念を払拭する狙いがあるとされる[24][47]

2014年6月11日、首相就任後、議会で初の主要演説を行った際には、インドで近年起こったレイプ事件とともに、ヒンズー教原理主義集団メンバーの仕業とされるイスラム教徒の若者の殺害に言及、「これらの事件は深い内省を必要とする。政府は厳しく処置しなければならない」と述べ、「国民は長く待っていないだろうし、われわれ自身の良心もわれわれを許さないだろう」と語った[48]

2014年に首相として来日した際は、仏教真言宗寺院である東寺を訪れ、大日如来像の前で合掌した[49]

軍事[編集]

モディの所属するインド人民党は、総選挙における公約に、核兵器に関する政策見直しを表明している[50]。モディは核の先制不使用は堅持すると発言している[51]が、インド人民党は、以前の政権担当時に核実験を実行したこともあり、外交・安全保障の面では、強硬な路線に傾く懸念が指摘されている[52]

脚注[編集]

  1. ^ “【日々是世界】インド総選挙、関心は「次期首相」モディ氏の「対立を糧に台頭した」手法”. 産経新聞. (2014年4月15日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/140415/asi14041513190002-n1.htm 2014年4月17日閲覧。 
  2. ^ a b “インド次期首相候補モディ氏が融和姿勢強調、イスラム教徒へ配慮”. ロイター (ロイター通信社). (2014年5月17日). http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DW1TI20140516 2014年5月17日閲覧。 
  3. ^ 岩城聡 (2014年4月10日). “インド首相候補モディ氏、既婚者と申告”. 日本経済新聞. http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM10033_Q4A410C1FF2000/ 2014年4月17日閲覧。 
  4. ^ 岩田智雄 (2014年4月17日). “【外信コラム】ガンジスのほとりで 選挙めぐる「配偶者抗争」”. 産経新聞. http://sankei.jp.msn.com/world/news/140417/asi14041703110002-n1.htm 2014年4月17日閲覧。 
  5. ^ インドでモディ政権発足、集権的な内閣目指すと表明 Reuters Japan 2014年5月26日閲覧
  6. ^ マンダキニ・ガーロット (2014年8月22日). “ヒンディー語強制策が多言語国家インドを分断”. ニューズウィーク. http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/08/post-3365.php 2014年8月23日閲覧。 
  7. ^ “米国、インド野党首相候補と関係修復”. MSN産経ニュース(産経新聞. (2014年2月13日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/140213/asi14021322090001-n1.htm 2014年3月7日閲覧。 
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  9. ^ “【インド総選挙】新政権外交は日印関係深化に期待”. 産経新聞. (2014年5月17日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/140517/asi14051707370005-n1.htm 2014年5月17日閲覧。 
  10. ^ パラシュ・ゴシュ (2014年4月18日). “インドと日本を結ぶ意外な友情”. ニューズウィーク. http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/04/post-3248_1.php 2014年5月3日閲覧。 
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  14. ^ “日印首脳会談、安保連携で一致 共同声明「特別な関係」明記”. 産経ニュース. (2014年9月2日). http://www.sankei.com/politics/news/140902/plt1409020007-n1.html 2015年8月31日閲覧。 
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]

公職
先代:
マンモハン・シン
インドの旗 インド共和国首相
2014年 -
次代:
-