ラニル・ウィクラマシンハ

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ラニル・ウィクラマシンハ
රනිල් වික්‍රමසිංහ
ரணில் விக்ரமசிங்க
Ranil Wickremesinghe
R Wickremasinghe.jpg
ラニル・ウィクラマシンハ(2014年11月)
生年月日 (1949-03-24) 1949年3月24日(73歳)
出生地 Flag of Ceylon.svg セイロンコロンボ
出身校 ロイヤル・カレッジ・コロンボ
コロンボ大学
前職 弁護士
所属政党 統一国民党 (UNP)
配偶者 マイトリー・ウィクラマシンハ英語版

スリランカの旗 第9代大統領
在任期間 2022年7月21日 - 現職

スリランカの旗 第13・17・21・23・25代首相
在任期間 1993年5月7日 - 1994年8月19日
大統領 ディンギリ・バンダー・ウィジェートゥンガ
在任期間 2001年12月9日 - 2004年4月6日
大統領 チャンドリカ・クマーラトゥンガ
在任期間 2015年1月9日 - 2019年11月21日[注記 1]
大統領 マイトリーパーラ・シリセーナ
在任期間 2022年5月12日 - 2022年7月22日
元首 ゴーターバヤ・ラージャパクサ
ラニル・ウィクラマシンハ(自身)
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ラニル・ウィクラマシンハシンハラ語: රනිල් වික්‍රමසිංහ, タミル語: ரணில் விக்ரமசிங்க, 英語: Ranil Wickremesinghe, 1949年3月24日 - )は、スリランカ政治家。2022年7月21日より同国大統領を務めている。現在までに首相を4期(在任: 1993年 - 1994年2001年 - 2004年2015年 - 2019年(復職も含む)、2022年)務め、同国の二大政党の一つ統一国民党 (UNP) の党首(在任: 1994年11月 - )である。

生い立ち[編集]

1949年3月24日、弁護士の父エスモンドと母ナリニの次男としてコロンボに生まれる[1]

ロイヤル・カレッジ・コロンボ出身で、クラスメイトには後に政治家となるアヌラ・バンダラナイケディネーシュ・グナワルダナがいた。その後セイロン大学コロンボ・キャンパス(現コロンボ大学)に進学し、法学を学んだ。大学卒業後は司法試験を通過して弁護士となる[2]

経歴[編集]

1977年の議会総選挙英語版で初当選。1993年5月のラナシンハ・プレマダーサ大統領の暗殺に伴う、首相ディンギリ・バンダー・ウィジェートゥンガの大統領昇格により、初めて首相就任を果たす。2001年の総選挙英語版では、自身の率いるUNPの勝利により、チャンドリカ・クマーラトゥンガ大統領の下で2期目となる首相に就任する。2005年には大統領選挙英語版に出馬、48.43%の得票率を集めるも、同じく元首相のマヒンダ・ラージャパクサに僅差で敗北した。

3期目の首相[編集]

2015年の大統領選挙においては、与党スリランカ自由党 (SLFP) を離脱したマイトリーパーラ・シリセーナを野党統一候補として支持、シリセーナの当選により3期目となる首相就任を果たした。

しかし、UNP/SLFPの大連立政権となったシリセーナ政権においては、大統領と首相ならびに政党間の対立が続き[3]、2018年4月には不信任決議案を出されている(賛成76、反対122で否決)[4]。さらに10月には大統領により突如首相を解任され、後任に前大統領マヒンダ・ラージャパクサが任命される政治危機が発生した。ウィクラマシンハはこの解任を違憲として認めず法廷で争い、12月には首相再任を果たした[5]

2019年11月の大統領選挙においては、シリセーナが出馬を見送ったためUNP副党首のサジット・プレマダーサを擁立するもマヒンダの弟のゴーターバヤ・ラージャパクサに敗北。11月21日に首相を退任した。

4期目の首相からの大統領就任[編集]

後継の首相にはマヒンダ・ラージャパクサが就任したが、アジア最速でインフレが進むなどの経済失政を批判する声が高まり2022年5月9日に首相を辞任すると表明[6]。後継に指名され、5月12日に4度目の首相就任となった[7]。5月25日には財務大臣を兼任し、国際通貨基金(IMF)と救済措置をめぐる協議を主導することとなった[8]

しかし経済状況の好転は見通せず、6月22日に議会でスリランカ経済が完全に崩壊したと発言したほか[9]、7月5日には議会でスリランカを破産した国であると発言[10]。7月9日にラージャパクサ大統領の退陣を求めるデモ隊が大統領公邸の敷地内に侵入して占拠し、またウィクラマシンハ自身も自宅に火を放たれた。こうした事態を受け、ウィクラマシンハは挙国一致内閣樹立を理由に首相辞任を表明[11]、ラージャパクサも13日付で大統領を辞任することとなった[12]。7月13日未明にラージャパクサは空軍機でモルディブへ脱出し[13]、ウィクラマシンハが大統領代行に指名[14]。その後14日にラージャパクサが辞任を表明したため[15]、15日に正式に大統領代行に就任した[16]。20日に国会で行われた大統領選挙では134票を獲得し、82票のダラス・アラハペルマ英語版マスメディア相、3票にとどまった左派で人民解放戦線党首のアヌラ・クマラ・ディサナヤカ英語版を下して当選した[17]。21日に国会で宣誓を行い正式就任[18]。22日にディネーシュ・グナワルダナを首相に任命した[19]

大統領[編集]

2022年9月22日、来たる27日に実施予定の故安倍晋三国葬儀にウィクラマシンハ大統領がスリランカ代表として参列することが、日本国外務省により発表された[20][21]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Regi Siriwardena dies at 82”. ancestry.com. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月21日閲覧。
  2. ^ Lankalovers”. lankalovers.com. 2005年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月21日閲覧。
  3. ^ 荒井悦代「2017年のスリランカ 政治的空転に忍びよる危機」『アジア動向年報』第2018巻、日本貿易振興機構 アジア経済研究所、2018年、 539-562頁、2019年11月20日閲覧。
  4. ^ “Sri Lanka PM Ranil Wickremesinghe survives no-confidence motion”. Al Jazeera English. アルジャジーラ. (2018年4月5日). https://www.aljazeera.com/news/2018/04/sri-lanka-pm-ranil-wickremesinghe-survives-confidence-motion-180404173714092.html 2018年4月5日閲覧。 
  5. ^ 荒井悦代「2018年のスリランカ 大統領による前代未聞の政変」『アジア動向年報』第2019巻、日本貿易振興機構 アジア経済研究所、2019年、 541-564頁、 doi:10.24765/asiadoukou.2019.0_5412019年11月18日閲覧。
  6. ^ “スリランカ首相が辞任、大統領の実兄-危機エスカレートの中”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2022年5月9日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-09/RBM3VQDWX2PT01 2022年5月13日閲覧。 
  7. ^ “新首相にウィクラマシンハ氏”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2022年5月13日). https://www.jiji.com/jc/p?id=20220513090136-0041662878 2022年5月13日閲覧。 
  8. ^ “スリランカ首相が財務相兼任、IMFとの協議主導”. ロイター. (2022年5月26日). https://jp.reuters.com/article/sri-lanka-crisis-idJPKCN2NB2BC 2022年5月26日閲覧。 
  9. ^ “スリランカ経済は「完全に崩壊」 首相が議会で発言”. CNN.co.jp. CNN. (2022年6月24日). https://www.cnn.co.jp/world/35189451.html 2022年7月10日閲覧。 
  10. ^ “スリランカは「破産」と首相が発言、大統領はロシアに支援要請”. CNN.co.jp. CNN. (2022年7月7日). https://www.cnn.co.jp/world/35190085.html 2022年7月10日閲覧。 
  11. ^ “スリランカ首相が辞任表明 デモ隊、大統領公邸占拠―ラジャパクサ氏は避難”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2022年7月9日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070900559&g=int 2022年7月10日閲覧。 
  12. ^ “Sri Lanka: President Rajapaksa to resign after palace stormed”. BBC News. BBC. (2022年7月10日). https://www.bbc.com/news/world-asia-62108597 2022年7月10日閲覧。 
  13. ^ “国外脱出のスリランカ大統領、モルディブ入り きょう正式辞任か”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年7月13日). https://www.afpbb.com/articles/-/3414240 2022年7月13日閲覧。 
  14. ^ “スリランカのデモ隊、今度は首相府に突入”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年7月13日). https://www.afpbb.com/articles/-/3414364 2022年7月13日閲覧。 
  15. ^ “スリランカ大統領、辞表を電子メールで送付 シンガポール到着直後”. ロイター. (2022年7月15日). https://jp.reuters.com/article/sri-lanka-crisis-idJPKBN2OP1HJ 2022年7月21日閲覧。 
  16. ^ “Sri Lanka swears in interim president after Gotabaya Rajapaksa resigns”. The Guardian. ガーディアン. (2022年7月15日). https://www.theguardian.com/world/2022/jul/15/sri-lanka-mps-to-elect-new-president-after-gotabaya-rajapaksa-officially-resigns 2022年7月21日閲覧。 
  17. ^ “スリランカ新大統領にウィクラマシンハ首相 「分断は今終わる」”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年7月20日). https://www.afpbb.com/articles/-/3415370 2022年7月21日閲覧。 
  18. ^ “新大統領が正式就任 経済危機脱却へ挙国一致模索―スリランカ”. 時事ドットコム. 時事通信. (2022年7月22日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072101154&g=int 2022年7月22日閲覧。 
  19. ^ “新首相にグナワルダナ氏 財政政策、引き続き大統領主導か―スリランカ”. 時事ドットコム. (2022年7月23日). https://www.jiji.com/sp/article?k=2022072300139&g=int 2022年7月24日閲覧。 
  20. ^ 故安倍晋三国葬儀への各国・地域・国際機関等からの参列 | 外務省
  21. ^ 「故安倍晋三国葬儀への参列:各国・地域・国際機関等の名称及び代表者名」(PDF)

注記[編集]

  1. ^ 2018年10月26日 - 12月16日にかけては首相留任を巡り対立。

外部リンク[編集]

公職
先代
ゴーターバヤ・ラージャパクサ
スリランカの旗 スリランカ大統領
第9代:2022年 -
次代
(現職)
先代
ディンギリ・バンダー・ウィジェートゥンガ
ラトナシリ・ウィクラマナカ
D. M. ジャヤラトナ
マヒンダ・ラージャパクサ
マヒンダ・ラージャパクサ
スリランカの旗 スリランカ首相
第13代:1993年 - 1994年
第17代:2001年 - 2004年
第21代:2015年 - 2018年
第23代:2018年 - 2019年
第25代:2022年
次代
チャンドリカ・クマーラトゥンガ
マヒンダ・ラージャパクサ
マヒンダ・ラージャパクサ
マヒンダ・ラージャパクサ
ディネーシュ・グナワルダナ
党職
先代
ディンギリ・バンダー・ウィジェートゥンガ
統一国民党総裁
第8代:1994年 -
次代
(現職)