ジョルジャ・メローニ
| ジョルジャ・メローニ | |
|---|---|
| Giorgia Meloni | |
| 就任 2022年10月22日 | |
| 大統領 | セルジョ・マッタレッラ |
| 前任者 | マリオ・ドラギ |
| 任期 2006年4月4日 – 2008年4月28日 | |
| 就任 2006年4月21日[1] | |
(若年層政策担当大臣) | |
| 任期 2008年5月8日 – 2011年11月16日 | |
| 個人情報 | |
| 生誕 | 1977年1月15日(49歳) ラツィオ州ローマ県ローマ |
| 国籍 | |
| 政党 | (イタリア社会運動→) (国民同盟→) (自由の人民→) イタリアの同胞 |
| 非婚配偶者 | アンドレア・ジャンブルーノ(2014-2023年) |
| 子供 | ジネーブラ(2016年生、長女) |
| 出身校 | アメリゴ・ヴェスプッチ職業学校(言語成熟度証明書、60/60) |
| 専業 | ジャーナリスト |
| 宗教 | ローマ・カトリック |
| 署名 | |
| 公式サイト | www.giorgiameloni.it |
ジョルジャ・メローニ(イタリア語: Giorgia Meloni[2]、1977年1月15日 - )は、イタリア共和国の政治家。2022年10月22日から同国首相を務めている[3]。イタリアの歴史上初の女性首相である[4][5]。
15歳で「イタリア社会運動(MSI)」の青年組織に参加[3][6]。2012年に右派政党「イタリアの同胞(Fratelli d'Italia、FdI)」を結成し、2014年3月8日から[要出典]現在まで党首を務めている[3][6]。
また、欧州議会の政治会派では、欧州保守改革グループ(ECR)を実質的に率い、2020年9月から2025年1月13日まで会長を務めた[7][8]。
経歴
[編集]

出生から政界入りまで
[編集]首都ローマ生まれ。税理士であった父は、メローニと母によると共産主義者であり[9][10]、2歳時に家族と別れスペイン領カナリア諸島へ移住、後に麻薬取引で9年服役した[11]。母はロマンス小説家(ペンネーム:Josie Bell、Amanda King)。祖父は映画監督ニーノ・メローニ、祖母は女優ゾエ・インクロッチ。イタリア共産党の創設者であるアントニオ・グラムシは遠戚に当たる[12][13]。
3歳でローマのガルバテッラ地区に移住。1990年から1996年までアメリゴ・ヴェスプッチ職業学校で学び、言語成熟度証明書を満点(60/60)で取得した[14]。
1992年、15歳でイタリア社会運動(MSI)の青年組織「青年戦線」に参加。学校改革反対運動「Gli Antenati」を設立。1996年、国民同盟(AN)の学生組織「学生行動」全国責任者に就任した[15]。
地方議員、記者として
[編集]1998年にANのローマ県議会議員に当選し、2002年まで務めた。2000年にAN青年組織「青年行動」全国幹部となり、2004年に女性として初めて会長に就いた。2004年から2006年までAN機関紙『Secolo d'Italia』記者。2006年にジャーナリスト資格を取得した[16]。
国会議員と青年相
[編集]2006年、下院ラツィオ1区のAN候補として初当選し、2008年まで副議長を務めた。2008年、自由の人民(PdL)から出馬してラツィオ2区で再選を果たし、第四次ベルルスコーニ政権の青年相として31歳、イタリア共和国史上最年少で就任した[17]。2010年、3億ユーロの青年支援策「Diritto al Futuro」を発表した。
イタリアの同胞設立
[編集]2012年、PdLの予備選中止に反発し、イニャツィオ・ラ・ルッサやグイド・クロセットらとイタリアの同胞(FdI)を結党した[18]。2013年に下院選挙にロンバルディア3区から出馬して当選し、FdI議長団長となった。翌2014年3月8日、党首就任。FdIは同年の欧州議会選挙で3.67%を得票したが、議席獲得はならなかった。2016年、ローマ市長選に立候補し、得票率は20.62%で3位だった。
野党リーダーと首相就任
[編集]2018年の下院議員選挙ではラツィオ2区-ラティーナで出馬し、41%を得票して当選。FdIは4.35%を得て議席を倍増させた。FdIは2019年欧州議会議員選挙で6.5%、5議席を獲得したが自身は辞退した。2022年総選挙でFdIは26%を得票して第一党となり、同年10月22日に首相に就任した[2]。2024年欧州議会議員選挙でFdIは28%、24議席[19]。
2024年7月、『TIME』誌8月号の表紙を飾り、「地中海の鉄の女」と評される[20]。
2025年以降の動向
[編集]2025年1月にアメリカ合衆国(米国)を訪問し、アメリカ合衆国次期大統領ドナルド・トランプの邸宅マー・ア・ラゴに招かれ貿易、ウクライナ、2023年から続くハマスとイスラエルの戦争などについて話し合った[21]。1月20日、2025年ドナルド・トランプ大統領就任式に欧州唯一の首脳として出席した[22]。
同年1月、アフリカとの協力計画「ピアノ・マッテイ」を発表した[23]。同月にはアルマスリ事件で捜査対象とされるが、8月4日に不起訴となった[24]。
2026年3月22日には司法職の自治組織である最高司法評議会(CSM)を裁判官と検察官で分割し、両者のキャリアを分離することを意図した憲法改正国民投票に踏み切ったが、事前の世論調査では賛否が拮抗した[25]。投開票の結果、反対が約53%、賛成は約47%となって憲法改正案は否決され、メローニは結果を受け入れると表明したと同時に、イタリアは近代化する機会を逃したとコメント。改革を掲げてきたメローニ政権に打撃となると報じられた[26]。
2026年9月4日に首相就任から1413日を迎えて、第二次ベルルスコーニ政権を抜いて第二次世界大戦後のイタリアでは最長の政権となった[27]。戦後イタリアは多党制で1年程度で連立政権が崩壊することが多かったが、メローニは自国優先主義を貫きつつもEUと強調するなど現実主義的な外交政策をとり、経済が比較的好調なこともあって世論調査や選挙で高い支持を得て、右派連立の結束を維持している[27]。
政治思想
[編集]イデオロギー
[編集]国家保守主義・右派を掲げる。メディアは「極右」と分類するが、メローニは「主流保守」であると主張し、英国保守党や米国共和党に近いとされる[28]。2024年、青年部のファシスト関連問題で関係者を排除し、現代保守を強調[29]。ジャンフランコ・フィーニの国民同盟の流れを汲むポスト・ファシズムを代表する政治家とも評されている[30]。
ファシズムとの関係
[編集]戦間期から第二次世界大戦にかけてファシスト党を率いてイタリアに君臨したムッソリーニについて、メローニは19歳だった1996年に「過去50年で最高の政治家」と称賛した。2006年、ファシズムを歴史の一部とし、誤り(人種法、戦争、権威主義)を批判した[31]。2020年、MSI創設者ジョルジョ・アルミランテを追悼し、批判受けた。FdIの三色炎はMSI由来[32]。2021年Fanpage調査で党員のファシスト関連行為が発覚、排除する姿勢を示した[33]。
社会問題
[編集]伝統的家族を擁護し、同性婚やLGBT養子に反対、ジェンダー理論存在主張、性教育・安楽死・大麻・代理出産の反対派である[34]。2022年選挙で同性カップルの権利維持を表明。女性の権利を「右派女性」として支持、ピンククォータに反対している[35]。
移民
[編集]多文化主義を批判、中東やアフリカから欧州をめざす不法移民・難民に対して、支援するNGO船の取り締まり、イタリア海軍による地中海警戒、「国境の壁」提案といった強硬策を打ち出している[36]。2023年10月には、アドリア海対岸のアルバニアに不法移民の一時収容所を設置した[27][37]。出生地主義に反対し、血統主義に基づき、アルゼンチンの大統領ハビエル・ミレイに市民権を付与[38]。
外交
[編集]もともとは欧州懐疑主義的な発言をしていたが、首相就任後はEU諸国との協調[27]や北大西洋条約機構(NATO)の結束を重視している。2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、ウクライナに武器を支援した[39]。
米国の第二次トランプ政権と良好な関係を築いた欧州で数少ない政府首脳であったが、2026年2月末からの対イラン攻撃開始後は距離を置き、トランプ大統領によるローマ教皇レオ14世批判を「容認できない」と反駁して、カトリックが多数派のイタリア世論から高い支持を受けた[27]。
中華人民共和国(中国)から統一圧力を受ける台湾を支援し、パレスチナ問題ではパレスチナ国とイスラエルが共存する二国家解決を支持している[40]。2023年12月に中国に対して一帯一路から離脱することを伝えたが、同時に対中通商関係は重視している[27][41][42]。
日本との関わり
[編集]2024年2月に日本を訪問し、岸田文雄首相がハローキティの日伊辞典を贈呈した[43]。
2026年1月に再び訪日し、16日、高市早苗首相がメローニへの誕生日記念として、ハローキティのコップ、江戸切子のピアスをプレゼントした[44]。メローニがファンと公言している漫画『北斗の拳』作画担当の原哲夫と面会し、原からサイン付きジークレー版画を贈呈された[45]。
私生活
[編集]
家族
[編集]姉のアリアンナ・メローニはFdI幹部である。
2014年から2023年まで、ジャーナリストのアンドレア・ジャンブルーノと事実婚しており、2016年に娘ジネーブラをもうけた[46]。
信仰
[編集]趣味
[編集]J・R・R・トールキン原作の『ロード・オブ・ザ・リング』愛好者で、Atrejuイベント名に反映[47]。
略歴
[編集]- 1977年:ローマで出生。
- 1992年:イタリア社会運動(MSI)の青年組織に参加。
- 1996年:アメリゴ・ヴェスプッチ職業学校卒業(言語成熟度証明書、満点)。
- 2000年:国民同盟(AN)の青年組織全国幹部。
- 2004年:AN青年組織「青年行動」会長。
- 2006年:下院議員初当選(ラツィオ1区)、下院副議長。
- 2008年:第4次ベルルスコーニ政権で青年相(史上最年少)。
- 2012年:イタリアの同胞(FdI)を結党。
- 2013年:下院議員再選(ロンバルディア3区)。
- 2014年:FdI党首就任。
- 2016年:ローマ市長選挙に立候補(3位)。
- 2018年:下院議員3選(ラツィオ2区-ラティーナ)。
- 2022年:イタリア初の女性首相に就任。
書目
[編集]- Meloni, Giorgia (2011) (イタリア語). Noi crediamo. Milan: Sperling & Kupfer. ISBN 978-8820049324
- Meloni, Giorgia; Meluzzi, Alessandro; Mercurio, Valentina (2019) (イタリア語). Mafia nigeriana. Origini, rituali, crimini. Mantova: Oligo Editore. ISBN 978-8885723252
- Meloni, Giorgia (2021) (イタリア語). Io sono Giorgia, le mie radici, le mie idee. Rome: Rizzoli. ISBN 978-8817154680
脚注
[編集]出典
[編集]- ↑ “Page on Meloni at Chamber of Deputies website (Italian).”. 2010年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月13日閲覧。
- 1 2 “Giorgia Meloni: Italy's far-right wins election and vows to govern for all”. BBC (2022年9月26日). 2026年1月16日閲覧。
- 1 2 3 “筋金入りの右翼「メローニ」を首相にするイタリアはどこに向かうのか 「極右」「女性だがフェミニストではない」とされる彼女を国民が支持する理由”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ 「メローニ氏、イタリア初の女性首相に 右派連立政権22日誕生」『Reuters』2022年10月21日。オリジナルの2022年10月21日時点におけるアーカイブ。2023年7月15日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni: Italy's first female PM” (英語). BBC (2022年10月22日). 2023年7月15日閲覧。
- 1 2 “MSI had important role in Italian history says Meloni - English” (英語). ANSA.it (2022年12月29日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni Elected ECR President” (英語). ECR Group (2020年9月29日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “フォンデアライエン欧州委員長が続投へ 主要ポストは親EU派に”. 毎日新聞 (2024年6月29日). 2024年6月29日閲覧。
- ↑ “La storia di Giorgia Meloni, un saggio di dissimulazione” (イタリア語). Il Foglio (2022年9月20日). 2025年10月26日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni a La Confessione (Nove) di Peter Gomez: “Io di destra perché mio padre di sinistra? No, non ha influito sulla mia vita”” (イタリア語). il Fatto Quotidiano (2021年5月21日). 2025年10月26日閲覧。
- ↑ Giorgia Meloni (2021). Io sono Giorgia. Rizzoli. ISBN 978-8817154895
- ↑ “L’inaspettato legame familiare tra Meloni, Letta e Gramsci” (イタリア語). Pagella Politica (2023年12月1日). 2025年10月26日閲覧。
- ↑ “L’inaspettato legame familiare tra Meloni, Letta e Gramsci” (イタリア語). L'Unione Sarda (2023年12月2日). 2025年10月26日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni: Biografia” (イタリア語). Corriere della Sera (2022年10月21日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Chi è Giorgia Meloni” (イタリア語). La Repubblica (2022年9月26日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Albo dei Giornalisti” (イタリア語). Ordine dei Giornalisti. 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni, prima donna premier” (イタリア語). Il Sole 24 Ore (2022年10月22日). 2023年7月15日閲覧。
- ↑ “Storia di Fratelli d'Italia” (イタリア語). FdI. 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Risultati Elezioni Europee 2024” (イタリア語). Parlamento Europeo (2024年6月10日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Giorgia Meloni: Mediterranean Iron Lady” (英語). TIME (2024年7月24日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Meloni meets Trump in Mar-a-Lago” (英語). Reuters (2025年1月15日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Meloni attends Trump inauguration” (英語). Politico (2025年1月20日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Piano Mattei” (イタリア語). Governo Italiano (2025年1月28日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Meloni, archiviazione Almasri” (イタリア語). ANSA (2025年8月4日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “イタリアで憲法改正問う国民投票、「左派偏向」司法の改革図る…否決ならメローニ首相の求心力低下”. 読売新聞オンライン. 2026年3月23日. 2026年3月23日閲覧.
- ↑ “メローニ政権打撃、司法改革否決 看板政策、憲法改正の国民投票”. 共同通信47news. 2026年3月24日. 2026年3月24日閲覧.
- 1 2 3 4 5 6 「[ttps://www.yomiuri.co.jp/world/20260905-GYT1T00029/ 伊メローニ政権 戦後最長/3年10ヵ月/EUと協調 現実路線]」『読売新聞』朝刊2026年9月5日(国際面)
- ↑ “Giorgia Meloni: Rising star of Italy’s far-right” (英語). Financial Times (2021年5月15日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Meloni distances from fascist youth” (英語). The Guardian (2024年7月10日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Italy is on its way to being run by ‘post-fascists’”. ワシントン・ポスト (2024年7月26日). 2025年10月26日閲覧。
- ↑ “Meloni 1996 interview” (フランス語). France 3 (1996年4月20日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Meloni e il fascismo” (イタリア語). Corriere della Sera (2022年9月26日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Fanpage: FdI e fascismo” (イタリア語). Fanpage.it (2021年10月20日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Meloni e i diritti civili” (イタリア語). Il Fatto Quotidiano (2022年9月20日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ Giorgia Meloni (2011). We Believe. Piemme. ISBN 978-8856617566
- ↑ “Meloni: Blocco navale” (イタリア語). La Repubblica (2022年9月10日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Italy-Albania asylum deal” (英語). Human Rights Watch (2023年11月6日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “イタリア、公式訪問のアルゼンチン大統領に市民権付与”. CNN (2024年12月16日). 2026年1月30日閲覧。
- ↑ “Meloni's Ukraine stance” (英語). Politico (2022年10月10日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Meloni supports Taiwan” (中国語). Central News Agency (2022年9月20日). 2023年6月30日閲覧。
- ↑ “Italy exits Belt and Road” (英語). Reuters (2023年12月6日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “イタリアと中国の協力関係を「再始動」、訪中のメローニ首相” (英語). Reuters (2024年7月29日). 2026年1月30日閲覧。
- ↑ “岸田首相、メロー二氏にハローキティの日伊辞典プレゼント”. 産経新聞 (2024年2月8日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “「サナエ」「ジョルジャ」誕生日ケーキのサプライズも 日伊首脳会談”. 毎日新聞 (2026年1月16日). 2025年1月18日閲覧。
- ↑ “イタリアのメローニ首相と漫画家・原哲夫が面会”. PR TIMESプレスリリース (2026年1月16日). 2025年1月18日閲覧。
- ↑ “Meloni-Giambruno separazione” (イタリア語). ANSA (2023年10月20日). 2025年10月17日閲覧。
- ↑ “Meloni and Tolkien” (英語). The New York Times (2022年9月25日). 2023年6月30日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- Giorgia Meloni (@giorgiameloni) - X(旧Twitter)