インド海軍

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インド海軍
Indian Navy crest.svg
海軍紋章
創設 1947年
本部 国防省(ニューデリー)
指揮官
最高司令官 プラナブ・ムカルジー大統領
国防大臣 アルン・ジャイトリー
司令官 ロビン・ダワン提督
参謀長 ロビン・ダワン提督
総人員
徴兵制度 なし
現総人員
関連項目
歴史
Naval Ensign of India.svg
軍艦旗
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インド海軍(भारतीय नौसेना, Bharatiya Nau Sena、Indian Navy)はインド軍の軍種の一つで、インド洋で活動する海軍では最大級のものである。

概要[編集]

インド海軍の主な目的は、インドの海洋権益に対する脅威や侵略の抑止であり、インドの政治、経済、インド周辺の海域での安全性の確保と、災害救援などの人道的支援を通じて国際関係を強化することにある。多国間合同演習も盛んで、特にアメリカ海軍とは1992年から海上合同演習「マラバール」を続けている。

2008年からソマリア沖の海賊の、対テロ戦争の一環として、インド洋・アラビア海ペルシア湾などで海上阻止行動/海上治安活動などの作戦行動を行なっている合同海上部隊に参加し航行する船舶の護衛にあたってる。

2014年時点の総員は、約58,350名で、この中には7,500名の士官、5,000名の海軍航空隊、2,000名の特殊作戦部隊を含む。保有艦艇を2015年時点の137隻から2027年までに約200隻へ増やす計画である。空母は3隻、潜水艦は20隻以上に増強し、インド洋の東西で同時に艦隊を展開させられる態勢を目指す[1]

歴史[編集]

前史[編集]

インドは有史以来アラビアなどと海上交易をしていたので、ある程度の海上戦力を有していたと考えられるが、これは現在のインド海軍とはあまりつながりがない。近代インド海軍の始まりはイギリス東インド会社がポルトガルとのスワリーの海戦英語版に勝利したところからであるといわれている。

1612年9月5日、東インド会社はインドでの利権を守るためにスワリー(Suvali;英名 Swally)に艦隊を設置した。この艦隊は商船の護衛を任務とするもので、大規模な海戦を戦うためのものではなかった。

1665年2月8日に東インド会社がボンベイ(現・ムンバイ)を占領、以降拠点として整備するようになる。これにより艦隊も活動範囲を広げるようになった。

1686年、艦隊はボンベイ海軍の名を与えられポルトガルフランスオランダの海軍と戦うようになった。1824年ビルマ戦争も戦った。

1830年になるとボンベイ海軍は女王陛下のインド海軍(Her Majesty's Indian Navy)と名を改められ、イギリス海軍の一部となった。活動範囲はさらに広がり、中国との戦いにも用いられるようになった。

インド海軍は1863年に再びボンベイ海軍へと名を戻したが、1877年には再び女王陛下のインド海軍となった。この頃の海軍はカルカッタとボンベイを根拠地とした。

1892年、インド海軍は王立インド海軍英語版(Royal Indian Navy)と名を変えた。王立インド海軍は50隻の軍艦を運用していた。

20世紀に入ると、第一次世界大戦では物資をアフリカ各地へ送る任務を行ったものの、直接的な戦いをすることはなかった。

第二次世界大戦でもイギリス本国に対して豊富な物資を輸送する任務についた王立インド海軍には枢軸国からの苛烈な通商破壊に晒された。その中には数隻の日本海軍の潜水艦も含まれている。この時期の王立インド海軍は30,000の兵士と117機の軍用機、8隻の軍艦を運用していた。

インド独立後[編集]

1950-2001
2001-2004

第二次世界大戦後、インドが独立を達成すると、1947年にインド海軍に創設。ゴア解放英語版ポルトガル語版第二次印パ戦争バングラデシュ解放戦争第三次印パ戦争に参戦し、第三次印パ戦争においては、空母機動部隊ベンガル湾に派遣し東パキスタンのチッタゴン飛行場を空襲した。この経験から洋上航空戦力を重視し、インドの経済発展に伴い、通常型の空母を国産で建造する計画が持ち上がっている。2007年5月16日には、2017年までに空母3隻を保有する計画が議会に提出された。

インド海軍は空母を長年にわたり運用してきた実績もあり、昨今の経済発展とあわせて原子力弾道ミサイル潜水艦や、航空母艦、駆逐艦フリゲートコルベット揚陸艦を含む、多くの艦艇や航空機を建造する計画である。

編成[編集]

インド海軍の、司令部本部は国防省の統合本部にあり、艦隊に相当するコマンドが3個がある。

教育[編集]

インド海軍士官学校

インドの国防大学校英語版は、マハーラーシュトラ州プネーにあり、日本の防衛大学校に相当する。陸・海・空軍すべての士官候補生に対して一般大学教育や軍事教育と基礎訓練を行う軍学校で、期間は3年である。 国防大学を卒業後、海軍入りを志望した士官候補生は、インド海軍士官学校に進む。なお、準軍事組織インド沿岸警備隊の幹部教育も、同校で行われる。

インド海軍士官学校英語版は、ケラーラ州のカヌール地区エジマラにある最新鋭の海軍教育訓練機関であり、海軍軍人に必要な学問や訓練を行う。 卒業するとサブ・ルーテナント(イギリス海軍などで見られる2階級制の尉官のうち下位の階級。NATO階級符号のOF-1、諸外国軍の中尉・少尉に相当)に任官される。

水上艦艇[編集]

航空母艦
駆逐艦
フリゲート
コルベット
  • カモルタ級(カモルタ、カドマット、キルタン2017年予定、カバラティ2017年就役予定)
  • カモルタ級改良型(8隻計画中)
  • アバイ級(アバイ、アジャイ、アクシャイ、アグライ)
  • コーラ級(コーラ、キルヒ、クリッシュ、カムルク)
  • ククリ級(ククリ、クタール、キルパンク、ファンジャル)
  • ヴィール級(ヴィール、ニルブヒク、ニパト、ニシャンク、ニルカト、ヴィブフティ、ヴィプル、ヴィナシュ、ナシャク、プラバル、プララヤ )
哨戒艦艇
高速戦闘艇
  • カー・ニコバル級(カー・ニコバル、チェトラト、コーラ・ディヴ、チェリヤム、キャンカルソ、コンダル、カルペニ、カブラ、コスワリ、カルバ)
揚陸艦
掃海艇
補給艦
練習艦
練習帆船
  • ヴァルナ級(ヴァルナ、タランギニ、スダーシニ)
運送船
  • ニコバル級(ニコバル、アンダマン)
測量艦
  • ストレジ級(ストレジ、ジャムナ) 
  • サンダヤク級(サンダヤク、ニルデシャク、ニルパク、インヴェンスティゲーター、ジャムナ、ストレジ、 ダルシャク、サルヴェクシャク、サンダヤク、ニルデシャク、ニルパク、インヴェンスティゲーター、ジャムナ、ストレジ、ダルシャク、サルヴェクシャク)
  • オールコックアッシュダウン級(ターニャ、他5隻建造予定)
情報収集艦
  • サガルドワニ
工作艦
  • ダリニ級
病院船
  • 『HP』型 - 2隻
航洋曳船
  • マタンガ
  • 港内曳船(各型×15隻)

潜水艦[編集]

シシュマール級潜水艦
原子力弾道ミサイル潜水艦
原子力潜水艦
通常動力型潜水艦
  • スコルペヌ型(6隻建造中)
  • シシュマール級(シシュマール、シャンクシュ、シャルキ、シャンクル)
  • シンドゥゴーシュ級(シンドゥゴーシュ、シンドゥヴァジ、シンドゥラジ、シンドゥヴィル、シンドゥラトナ、シンドゥケサリ、シンドゥキルティ、シンドゥヴィジャイ、シンドゥシャストラ)
  • プロジェクト75I(6隻計画中)

インド海軍航空隊[編集]

MiG-29K
BAe シーハリアー
ボーイング P-8Iネプチューン

インド海軍航空隊の任務は、艦隊の防空、攻撃、偵察、対潜哨戒、偵察、捜索救助など多岐にわたり、これらの任務を達成するため、さまざまな航空機やヘリコプターを使用している。

航空機[編集]

戦闘機
対潜哨戒機
空中早期警戒ヘリコプター
対潜哨戒ヘリコプター
飛行艇
輸送機
輸送ヘリコプター
練習機
UAV

特殊部隊[編集]

MARCOS

MARCOSはインド海軍特殊作戦部隊。 水陸両用戦 、テロ対策 、特殊偵察、不正規戦、非対称戦争などの作戦を行う。MARCOSは、約2000名。1988年に設立され、タミル・イーラム解放のトラへの対テロ作戦や海賊討伐といった作戦を経験している。

MARCOSは1A 9mmピストルスターリング短機関銃AK-103H&K MP5IMI タボールAR21IMI ネゲヴなどで武装し、ヘリコプターはHALドゥルブなどを使用している。

MARCOSは海軍スペツナズと合同訓練を行った他、訓練にクラヴ・マガを取り入れたりもしている。

階級旗[編集]

参考文献[編集]

  • 世界の艦船(海人社)本誌・増刊各号
  • Jane's Fighting Ships 2011-2012

脚注[編集]

外部リンク[編集]