朝鮮日報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
朝鮮日報
Chosun IIbo Logo.svg
朝鮮日報のロゴ
各種表記
ハングル 조선일보
漢字 朝鮮日報
発音 チョソンイルボ(チョソンニルボ)
ローマ字 Joseon Ilbo(2000年式
Chosŏn Ilbo(MR式
英語表記: The Chosun Ilbo
テンプレートを表示

朝鮮日報(ちょうせんにっぽう、朝鮮語読み: チョソンイルボ)は、大韓民国日刊新聞東亜日報と並んで韓国で最も歴史が長い新聞社であり、発行部数は韓国最大である。

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総聯)の機関紙「朝鮮新報」とは無関係。

概要[編集]

発行部数も約230万部と韓国最大であり[1]、調査を始めた1989年以降2009年現在まで韓国で一番の購読率である[2]

編集性向は保守的右翼であり、韓国の新聞の中でも強硬派に属する。金泳三政権までは政府に好意的な記事が多かったが、金大中政権・盧武鉉政権時代は政府に批判的な言論が増えた。その後の保守派の李明博政権・朴槿恵政権には好意的であった。現在の文在寅政権に対しては極めて攻撃的・敵対的な姿勢をとっている。そのため、保守・右派層、既得権層、財閥、民族主義派からは支持を得ているが、左派労働組合からは批判を受けている。

なお、漢字復活を主張している新聞でもある。以前は社説でのみ韓国の慣習に反して漢字を直接使いハングルでルビを振っていたが、これは2008年1月に他の記事と同様にハングルの後ろに括弧の中に漢字を入れる表記法に変更された。また、「月刊朝鮮」は1998年に漢字復活キャンペーンを展開し、「少年朝鮮」でも漢字教室を掲載している。

2001年1月に韓国の新聞では初めて日本語サイトを開設し、2004年6月時点での月間訪問者数は約90万人に達した[3]

2008年11月24日より日本語版のみweb版の公開期限が無期限から1週間となり[4]、過去の記事の閲覧には有料会員登録が必要となった。朝鮮語、英語、中国語版は現在も無料で閲覧できる。

沿革[編集]

3.1独立運動以降の朝鮮総督府が打ち出した「文治政策」に呼応して、朝鮮人の大物実業家だった趙鎭泰の主導で朝鮮人経済団体の「大正実業親睦会」が中心となり、1920年3月5日に創刊した。だが直ぐに資金面で行き詰まり宋秉畯が経営権を取得、「皇城新聞」の元編集者でジャーナリストとして長く活動してきた南宮檍を社長として招き入れ編集を任せた。

ほぼ同時期に創刊された東亜日報が朝鮮人への啓蒙や実力養成に力を入れたのに対し、朝鮮日報は日本や朝鮮総督府の政策に真正面から批判する報道が目立った。創刊一ヶ月後には李王家の世子・李垠方子女王との結婚に異を唱える記事を掲載して紙面没収の憂き目に遭い、その後も4度の停刊処分を始め当局からの圧力や弾圧をしばしば受けた。その一方でこうした論調から左右を問わず独立運動家が集まり、安昌浩李商在が社長を務め、洪命熹朴憲永・金丹冶など左翼人士が執筆をおこなった。またハングル普及のため、教材の無料配布も行っている。

方應謨社長の時代に総督府の教育政策を批判した紙面が没収処分を受けた後、論調が当局に協力的になり、李奉昌の爆弾テロを非難したり、皇紀2600年にあたっては昭和天皇香淳皇后の写真を1面に掲げ南次郎総督の談話を掲載した。1940年8月には総督府の言論統制の一環で廃刊となる。

日本の統治が終わって1945年11月23日に復刊。方應謨社長が金九支持を打ち出したこともあり、韓国独立党系の新聞として論陣を張る。その後、1968年に「週刊朝鮮」を1980年に「月刊朝鮮」を夫々創刊。2005年3月5日には街版を廃止している。

自殺した女優チャン・ジャヨンに性接待を強要し、捜査に圧力をかけた疑惑[編集]

2009年3月7日に自殺した女優チャン・ジャヨンの遺書に、所属事務所からマスコミ社長、放送局のディレクター、財界の有力者への性接待を強要されていたこと[5]、「朝鮮日報の方社長のルームサロン接待に私を呼んで、性関係を要求するようにした」などの記述があった[6]。しかし、2009年の捜査記録に警察と検察が朝鮮日報社主の息子である方氏が2008年10月28日にチャンさんとある風俗店で同席していたという事実を詳しく調査した事実も出ているにもかかわらず[6]、2009年8月19日に関係者は不起訴処分とされた[7]

2018年、MeToo運動が盛り上がる中、チャン・ジャヨン自殺事件の再捜査・真相解明を求める国民の声が高まり、3月25日には事件の再捜査を求める大統領府国民請願の参加者が22万人を超えた[5]。4月2日、法務部(日本の法務省に相当する)の検察過去史委員会は再調査対象事件に選定した[6]

4月18日には、事件の捜査に朝鮮日報社が圧力をかけていたとの元スポーツ朝鮮社長の証言が報じられた[8]

5月28日、検察過去史委員会は、かつての捜査は「一貫性がある核心的な目撃者の供述を排斥したまま、信ぴょう性が不足した酒の席の同席者の陳述を根拠に不起訴処分した」として検察に再捜査を勧告した。

6月26日、ソウル中央地検の女性児童犯罪調査部は、「再捜査の結果、事件の核心的で本質的な部分について、目撃者の供述が一貫しており、目撃者の供述を信じられるような状況が発見された」として、元朝鮮日報記者のチョ某容疑者を強制わいせつ罪で在宅起訴した[7][9][10]。チョ容疑者は、2004年の国会議員総選挙ハンナラ党から[11]出馬したが落選した人物だという[12]

日本関連で議論を呼んだ記事[編集]

  • 2012年9月25日付けのコラム「萬物相」[13]で、日本国内で行われている反韓デモにおいて大極旗が「破り踏みにじられた」ことや江戸時代踏み絵などを取り上げ、「他人を踏み付けて快感を覚える加虐本能が、日本人の遺伝子の中に今なお流れているのだろうか」「日本文化には以前から猟奇的、怪奇的な要素が多い」といった内容が掲載された。 J-CASTニュースは「ネットでは韓国を代表する一流紙の朝鮮日報なのに、三流のゴシップ紙でも書かないような内容だ、と唖然とした空気が広がった」としている[14]
  • 2013年7月3日、日本を正常化するには、九州・四国・沖縄の2倍に相当する領土を割譲したドイツと同様に日本の領土を献上させるべきだというコラムを執筆し、「朝鮮日報の記者らしい記事」だと賛同の声が集まったという[15]
  • 2013年7月6日に起きた「アシアナ航空214便着陸失敗事故」において、アシアナ航空の乗務員たちの美談を熱心に伝えているが、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、パイロットの操縦ミスに関する報道は行っていない。大半の韓国メディアはそういう傾向の報道であり、「墜落機のパイロット、ボーイング777型機の飛行経験はわずか43時間」との報道が一紙(中央日報[16]で行われただけである[17]。この事故に関しては「(韓国の航空会社において)彼らの飛行経験とは、一般的に自分が客席に座り、飛行機が自動操縦状態にある状態を指す」との証言がでているように韓国のパイロット養成の問題点が指摘されている[18]が、朝鮮日報は論説で「(韓国軍の)FX事業参加業者であるボーイングに、大韓民国国民感情を悪化させないのが良いことだと警告圧迫しなさい」など5つの提言を行って、ボーイング社国家運輸安全委員会への抗議レベルを一層高めるよう主張している[19]
  • 2013年8月29日国際連合事務総長潘基文の発言に対して、国際連合憲章の中立性規定に違反する可能性が指摘されていた問題で、日本側は日本のみ指摘したものではない、との事務総長側の釈明を受け入れて決着した[20]が、これについて朝鮮日報の李漢洙(イ・ハンス)記者は『盗っ人たけだけしい日本メディア』と日本側を非難した[21]
  • 2014年7月18日の「大統領を取り囲んだ風聞」[22](日本語版は8月10日[23])で、セウォル号沈没事故の当日、朴槿恵大韓民国大統領の居場所が7時間も不明だった事で、誰かと密会していたという噂が流れている、という記事を書いた。これを8月3日に産経新聞引用した所[24]加藤達也ソウル支局長に名誉棄損で出頭するよう求められ、在日本韓国大使館から記事削除の要請があった[25]。8月9日に岸田文雄外務大臣が、ミャンマーで大韓民国の尹炳世外相と会談し、この件で「日韓関係に影響が出るのではないか、報道の自由との関係で心配している。」と伝えた[26]
  • 2015年12月29日、前日の旧日本軍慰安婦問題をめぐる日韓合意を1面トップで報じた際、岸田文雄外相尹炳世外相に頭を下げているように見える写真を掲載したが、実際は尹外相の背後の国旗に一礼した瞬間を撮ったものであり、産経新聞は「国旗に一礼するシーンにニュース性はない。韓国側の編集意図は明らかである。事実に反する演出は言論人として厳に慎むべきだ」と批判した[27]

出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ “238万部発行で不動の一等新聞”. 朝鮮日報. http://pr.chosun.com/chosun_japanese/numberchosun.asp 2008年12月20日閲覧。 
  2. ^ 世論調査:本紙が購読率・閲読率でトップを維持 朝鮮日報 2009/03/05 閲覧
  3. ^ “ペ・ヨンジュン公式サイトに約30万人が訪問~NetRatingsの6月度調査”. Impress Watch. (2004年7月26日). http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/07/26/4026.html 2008年12月20日閲覧。 
  4. ^ “【重要なお知らせ】記事公開期限の改定について”. 朝鮮日報. (2008年11月13日). http://www.chosunonline.com/article/20081113000058 2008年12月20日閲覧。 
  5. ^ a b “社説 性接待を強要された女優の自殺、いまこそ事件の真実解明を”. ハンギョレ. (2018年3月25日). http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/30123.html 2018年6月27日閲覧。 
  6. ^ a b c ““手抜き捜査”に終わったチャン・ジャヨン事件…“性接待”疑惑明かされるか”. ハンギョレ. (2018年4月2日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30186.html 2018年6月27日閲覧。 
  7. ^ a b “女優の故チャン・ジャヨンへの強制わいせつ容疑の元朝鮮日報記者、在宅起訴へ”. WoW!Korea. (2018年6月26日). http://www.wowkorea.jp/news/enter/2018/0626/10215565.html 2018年6月27日閲覧。 
  8. ^ ““장자연 사건 수사 때 조선일보 압력 있었다”(「チャン・ジャヨン事件捜査に朝鮮日報圧力あった」)”. メディアトゥデイ. (2018年4月17日). http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=006&aid=0000091603 2018年6月27日閲覧。 
  9. ^ “검찰,‘장자연 강제추행’전 조선일보 기자 불구속기소(検察、「チャン・ジャヨン強制わいせつ」元朝鮮日報記者在宅起訴)”. ハンギョレ. (2018年6月26日). http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/850774.html 2018年6月27日閲覧。 
  10. ^ “검찰 재수사로 '장자연 사건 연루' 전 조선일보 기자 기소(検察の再捜査で「チャン・ジャヨン事件関与」元朝鮮日報記者起訴)”. JTBC. (2018年6月26日). http://news.jtbc.joins.com/html/806/NB11655806.html 2018年6月27日閲覧。 
  11. ^ “단독 끝나지 않은 장자연사건 2라운드 하원 전 스포츠조선 사장의 또 다른 이야기‘조선일보 方씨 일가는 무엇이 그토록 두려웠나?(単独 終わらないチャン・ジャヨン事件2ラウンドハウス元スポーツ朝鮮社長のまた別の話 朝鮮日報方氏一家は何をそんなに恐れている?)”. サンデージャーナル. (2018年6月27日). http://www.amn.kr/31683 2018年6月27日閲覧。 
  12. ^ “검찰, 고 장자연 강제추행 전직 기자 불구속 기소(検察、故チャン・ジャヨン強制わいせつ元記者在宅起訴)”. 京郷新聞. (2018年6月26日). http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201806262010001&code=940301 2018年6月27日閲覧。 
  13. ^ “【萬物相】外国国旗の冒涜”. (2012年9月24日). http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/09/24/2012092402589.html 2012年9月27日閲覧。 
  14. ^ “日本人には「『加虐本能』が遺伝子の中に流れている」 最大手朝鮮日報が社説で侮辱的暴論”. J-CASTニュース. (2012年9月26日). http://www.j-cast.com/2012/09/26147826.html 2012年9月27日閲覧。 
  15. ^ 国土の一部を戦争被害国に献上すべきj-cast 2013年7月4日
  16. ^ 事故機の操縦士、B777運航経歴わずか43時間中央日報 2013年7月8日
  17. ^ 「死者が中国人でほっとした」―韓国人キャスター発言に非難集中WSJ 2013年7月9日
  18. ^ アシアナ機事故 元教官がパイロット養成の内幕を明かした衝撃的メール!―ドイツ紙record china 2013年7月15日
  19. ^ NTSBの "パイロット過失の主張対応5命令朝鮮日報 2013年7月15日
  20. ^ 菅官房長官 潘事務総長発言問題視せずTBS 2013年8月29日
  21. ^ 盗っ人たけだけしい日本メディア、国連総長発言を猛非難朝鮮日報 2013年8月29日
  22. ^ 대통령을 둘러싼 風聞 朝鮮日報 2014年7月18日(朝鮮語)
  23. ^ 大統領をめぐるうわさ 朝鮮日報 2014年8月10日(日本語版)
  24. ^ 朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた? 産経新聞 2014年8月3日
  25. ^ 本紙ソウル支局長に出頭要請 ウェブ記事「大統領の名誉毀損」 韓国検察 産経新聞 2014年8月9日
  26. ^ 岸田外相、産経支局長聴取「報道の自由、心配」 尹外相に伝達 産経新聞 2014年8月10日
  27. ^ “岸田外相が頭を下げた! 「慰安婦」日韓合意、日本相手なら何でもあり? 事実に反する韓国紙の“演出””. 産経ニュース. (2016年1月7日9時7分). http://www.sankei.com/column/news/160107/clm1601070005-n1.html 2016年2月5日閲覧。 

関連新聞[編集]

  • スポーツ朝鮮(스포츠조선

関連項目[編集]

外部リンク[編集]