日本・インド経済連携協定

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日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定
通称・略称 日本・インド経済連携協定、日・インド包括的経済連携協定
署名 2011年2月16日東京
効力発生 2011年8月1日
言語 英語
主な内容 日本国とインドの間の包括的な経済連携について定める
関連条約 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定
条文リンク 日・インド包括的経済連携協定 - 外務省
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日本・インド経済連携協定(にほん・インドけいざいれんけいきょうてい、英語: Comprehensive Economic Partnership Agreement between Japan and the Republic of India[1])とは、2011年日本インド間で締結された、貿易投資など経済活動の自由化に向けての経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)。日本法においては国会承認を経た「条約」であり、日本政府による日本語の正式な題名・法令番号は「日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定(平成23年条約第7号)」である。

署名・発効までの経緯[編集]

2004年11月29日のASEANとの首脳会合に出席するためラオスを訪問中のビエンチャンにおける小泉首相とインドのマンモハン・シン首相の会談において、経済関係強化のあり方につき、包括的な観点から協議するための枠組みとして「日印共同研究会(JSG)」を立ち上げることに合意[2]した。

2005年4月29日のニューデリーにおける小泉首相とインドのマンモハン・シン首相との会談において、発出された「アジア新時代における日印パートナーシップ」[3]において2005年6月までに共同研究会を立ち上げ、1年以内に報告書を提出するように指示がされた。

共同研究会は両国の産学官の代表から構成され、2005年7月にニューデリーにて官民共同研究の第1回会合、同年11月に東京にて第2回会合、2006年2月にニューデリーにて第3回会合、同年6月に東京にて第4回会合開催され、両国で協議を行ってきた結果、両国首脳に対する日・モンゴル経済連携協定交渉入りの提言を含む報告書が2006年7月に発出された[4][5]

2006年12月15日の、安倍首相と、インドのマンモハン・シン首相との日・インド首脳会談における共同声明において、両首脳は日本・インド経済連携協定交渉を開始することを決定した[6]

2007年1月31日から2月2日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第1回会合が開催され、日本・インドとのEPA交渉が開始された[7]

2007年4月9日から12日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第2回会合が開催された[8]

2007年6月25日から28日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第3回会合が開催された[9]

2007年9月3日から6日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第4回会合が開催された[10]

2008年1月8日から11日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第5回会合が開催された[11]

2008年4月10日から14日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第6回会合が開催された[12]

2008年5月12日から15日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第7回会合が開催された[13]

2008年7月14日から17日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第8回会合が開催された[14]

2008年9月8日から12日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第9回会合が開催された[15]

2008年10月6日から9日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第10回会合が開催された[16]

2008年12月3日から5日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第11回会合が開催された[17]

2009年9月29日から10月1日までの日程で東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第12回会合が開催された[18]

2010年4月8日から9日までの日程でインドのニューデリーにおいて、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第13回会合が開催された[19]

2010年9月9日、東京において、日本・インド経済連携協定(EPA)交渉の第14回会合が次官級で開催され[20]、大筋合意が確認された[21]

2010年10月25日、東京における日本の菅直人首相マンモハン・シン・インド首相首相との日・インド首脳会談[22]において日印包括的経済連携協定締結に関する両首脳間共同宣言[23]が発表され、「交渉が成功裡に完了したことを歓迎するとともに,協定発効により貿易・投資の拡大を期待」が宣言された。

翌2011年2月16日、日本の外務省において前原誠司外相とインドのアーナンド・シャルマ商工相との会談に際し協定の署名が行われた[24]

日本における国内手続として、2011年3月11日に、協定の締結承認案件が閣議決定[25]された。衆議院へは、4月5日に提出された[26]。国内法の改正については、外務省は条約の説明書において、「必要としない」[27]としている。閣議決定から国会提出までの日時を要した理由について、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響も考えられるが特に資料はみあたらない。

衆議院において、協定の締結承認案件は、外務委員会に付託され、それぞれ2011年5月11日に外務委員会で、5月12日に衆議院本会議で可決され、参議院に送られた[26]。賛成会派は、「民主、自民、公明、社民、みんな、国民、日本、国守」、反対会派は「共産」であった[28]

参議院において、協定の締結承認案件は、外交防衛委員会に付託され、協定は、2015年5月19日に委員会で、5月20日に参議院本会議で可決され、国会の承認がされた[26]。賛成会派は、「民主党・新緑風会;自由民主党; 公明党; みんなの党;たちあがれ日本・新党改革;社会民主党・護憲連合;国民新党」、反対会派は「日本共産党」であった、[29]

2011年6月30日、両国の国内手続の終了を受け、東京において、日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定(日・インド包括的経済連携協定)の効力の発生に関する外交上の公文の交換がおこなわれた[30]

2011年8月1日、協定が発効した [31]

内容[編集]

日本は、農林水産品については、ドリアン、アスパラガス、とうがらし(生鮮・冷蔵)、スイートコーン(生鮮・冷蔵) カレー、紅茶(3kg超・飲用)等の農産品、製材等林産品、えび・えび調製品、冷凍たこ、くらげ等水産品のアクセス改善を行い、鉱工業品は、ほぼ全ての品目について関税撤廃した。[32]

日本は、ギアボックス、ディーゼルエンジン、マフラー等の自動車部品、熱延鋼板、冷延鋼板、合金鋼、亜鉛めっき鋼板等の鉄鋼製品、DVDプレイヤー、ビデオカメラ等電気電子製品・部品等のアクセス改善などを獲得している[32]

脚注[編集]

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  1. ^ MOFA
  2. ^ 日本・インド首脳会談(結果概要)”. 外務省 (2004年11月29日). 2019年11月1日閲覧。
  3. ^ アジア新時代における日印パートナーシップ~日印グローバル・パートナーシップの戦略的方向性~”. 外務省 (2005年4月29日). 2019-1101閲覧。
  4. ^ 日印共同研究会報告書について”. 外務省、財務省、農林水産省、経済産業省 (2006年7月). 2019年11月1日閲覧。
  5. ^ “[https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/asean+3_04/india_g.html 日・インド経済連携協定 (交渉開始までの経緯)]”. 外務省. 2019年11月1日閲覧。
  6. ^ 「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」に向けた共同声明”. 外務省 (2006年12月15日). 2019年11月1日閲覧。
  7. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第1回会合(概要)”. 外務省 (2012年6月7日). 2019年11月1日閲覧。
  8. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第2回会合(概要)”. 外務省 (2007年4月12日). 2019年11月1日閲覧。
  9. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第3回会合(概要)”. 外務省 (2007年6月28日). 2019年11月1日閲覧。
  10. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第4回会合(概要)”. 外務省 (2007年9月6日). 2019年11月1日閲覧。
  11. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第5回会合(概要)”. 外務省 (2008年1月18日). 2019年11月1日閲覧。
  12. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第6回会合(概要)”. 外務省 (2008年4月14日). 2019年11月1日閲覧。
  13. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第7回会合(概要)”. 外務省 (2008年5月15日). 2019年11月1日閲覧。
  14. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第8回会合(概要)”. 外務省 (2008年7月17日). 2019年11月1日閲覧。
  15. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第9回会合(概要)”. 外務省 (2008年9月12日). 2019年11月1日閲覧。
  16. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第10回会合(概要)”. 外務省 (2008年10月9日). 2019年11月1日閲覧。
  17. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第11回会合(概要)”. 外務省 (2008年12月5日). 2019年11月1日閲覧。
  18. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)交渉第12回会合”. 外務省 (2009年10月1日). 2019年11月1日閲覧。
  19. ^ 日本・インド経済連携協定(EPA)締結交渉 第13回会合”. 外務省 (2010年4月9日). 2019年11月1日閲覧。
  20. ^ 日・インド経済連携協定締結交渉 第14回会合の開催について”. 外務省 (2010年9月1日). 2019年1月16日閲覧。
  21. ^ 日・インド経済連携協定交渉 大筋合意”. 外務省 (2010年9月9日). 2019年1月16日閲覧。
  22. ^ 日・インド首脳会談(概要)”. 外務省 (2010年10月25日). 2019年1月16日閲覧。
  23. ^ 日印包括的経済連携協定締結に関する両首脳間共同宣言(仮訳)”. 外務省 (2010年10月25日). 2019年1月16日閲覧。
  24. ^ 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の署名”. 外務省 (2011年2月15日). 2019年1月16日閲覧。
  25. ^ 平成23年3月11日(金)定例閣議案件”. 首相官邸 (国立国会図書館アーカイブ). 2019年11月1日閲覧。
  26. ^ a b c 条約 第177回国会 18 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件”. 衆議院. 2019年11月1日閲覧。
  27. ^ 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の説明書”. 外務省. 2019年11月1日閲覧。
  28. ^ 法律案等審査経過概要 第177回国会 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件(条約第18号)”. 衆議院. 2019年11月1日閲覧。
  29. ^ 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件”. 参議院. 2019年11月1日閲覧。
  30. ^ 日・インド包括的経済連携協定の効力の発生に関する外交上の公文の交換”. 外務省 (2011年6月30日). 2019年11月1日閲覧。
  31. ^ 2011年(平成23年)7月1日外務省告示第230号 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定との間の協定の効力発生に関する件」
  32. ^ a b 日・インド包括的経済連携協定(IJCEPA)(2011年2月16日署名、同年8月1日発効)”. 外務省 (2011年8月1日). 2019年1月11日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]