日本・EU経済連携協定

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経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定
European Union Japan Locator.svg
通称・略称 日・EU経済連携協定
署名 2018年7月17日
効力発生 未発効
言語 ブルガリア語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ハンガリー語、イタリア語、ラトビア語、リトアニア語、マルタ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スウェーデン語及び日本語
主な内容 日EU相互間の関税の撤廃、知的財産権(特許・著作権の保護期間等)等
関連条約 日EU戦略的パートナーシップ協定
条文リンク 日EU経済連携協定(和文テキスト)Japan-EU Economic Partnership Agreement (EPA) - 外務省
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日本・EU経済連携協定

日本・EU経済連携協定(Agreement between the European Union and Japan for an Economic Partnership)は、日本欧州連合間における、貿易投資など経済活動の自由化のための経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)である。政治,グローバル課題,その他の分野別協力を目的にする日EU戦略的パートナーシップ協定(日EUSPA協定)とは別の協定である。

署名までの経緯[編集]

2011年5月28日菅直人首相とEUのヘルマン・ファン・ロンパウ欧州理事会議長およびジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長が、日本とEUの経済連携協定(EPA)について、予備交渉を早期に開始することで合意した[1]

2013年4月、日本と欧州連合のEPA交渉が開始され、[2][3][4]2014年7月19日茂木経済産業相とデフフト欧州委員(通商担当)が会談し、2015年末までの妥結を目指すことで一致し、閣僚レベルで具体的な妥結時期を初めて確認した[4]

その後EU側が乳製品において大幅な市場開放を求めるなど強硬姿勢を崩さず協議は難航したが、アメリカドナルド・トランプ大統領保護主義政策に対抗するため、2017年3月に首席交渉官を経済交渉の経験が長い鈴木庸一大使に交代するなどし、協定締結に向けた交渉が加速[5][6]。2017年7月6日安倍晋三首相とEUのドナルド・トゥスク欧州理事会議長およびジャン=クロード・ユンケル欧州委員長が、共同記者会見を開き交渉が大枠合意に至ったことを正式表明[7]。その後同年12月にブリュッセルで行われた首席交渉官会合で交渉妥結に至り[8]投資家対国家の紛争解決制度について首席交渉官による交渉会合を継続することも合意された[9][10]

投資分野については、最終的に日EUEPAから分離することになった[11]。投資分野の分離は、2019年3月の英離脱前のEPA発効を最優先するのが狙いである。通商協定の投資分野を巡っては欧州司法裁判所は2017年5月、対外交渉の権限をEUだけでなく、加盟国も共有していると判断した[12]ため、EUでは投資部分を含む通商協定の発効にはすべてのEU加盟国の議会と一部地方議会の批准・承認手続きが必要となっている。2016年にはカナダとの包括的経済・貿易協定(CETA)を巡って、ベルギー地方議会の反対で承認が遅れて混乱した。切り離しでこうした不透明要因はなくなる。

交渉妥結を受け、日EU間において協定条文の作成作業が行われ、EU側においては、2018年4月18日付けで、欧州委員会から欧州理事会に対して協定の署名の署名について提案がされた[13][14]。欧州委員会の決定に基づき2018年7月6日づけ理事会決定により協定署名が決定された[15]。EPA協定の署名は当初、SPA協定と同時に2018年7月11日にブリュッセルで開催される予定だった日EU首脳協議において行われる予定[16]とされていた。しかし西日本を中心にした平成30年7月豪雨により甚大な被害が広範囲に拡大したことを受け、安倍晋三首相の訪欧が取りやめになったことにより延期され、7月17日に東京で開催される日EU首脳協議において署名されることになった[17]

協定の署名については、日本側は、2018年7月17日の閣議で決定[18]し、17日の第25回日EU定期首脳協議において、安倍晋三首相、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長及びジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長との間で協定の署名がされた[19]。署名後、協定の条文(日本語、英語)が外務省HP[20]に掲載され公表された。

なお分離された投資分野については、7月9日から11日までベルギーのブリュッセルにおいて開催された日EU投資交渉会合において、双方はこの交渉の早期妥結に向けて引き続き協議していくことで一致し、次回会合を秋以降に開催することになった[21][21]

国内手続[編集]

日本[編集]

2018年9月3日に農林水産省は、事前意図公告として「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部改正案について」を公表した[22]。これはWTO協定附属書1Aの貿易の技術的障害に関する協定第2条9.2及び第5条6.2に基づくもので規格等の導入にあたり事前に意図を公表し、意見を述べることができるようにするものである。改正案の概要は「日EU経済連携協定を担保し、また、本協定に基づき両国の地理的表示(GI)の相互保護を適切に行うため、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正するもの」[22]である。

11月6日の閣議で、「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について国会の承認を求めるの件」及び関連国内法改正である「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案」が決定され[23]、同日衆議院へ提出された[24][25]。特定農林水産物等の名称の保護に関する法律以外の法改正は必要としない[26]。これは、特定農林水産物等の名称の保護以外で法改正が必要だった事項(関税、著作権等)については、同じ内容が、CPTPP協定実施のための環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律により2018年12月30日に施行されるためである。

EU[編集]

EUにおいて日EU経済連携協定は、欧州議会の同意を要する[27]とされ、[28]2018年9月10日に欧州議会の国際貿易委員会に付託され、11月5日に賛成26、反対9、棄権2で[29]可決された[28]。今後は12月10~14日に予定されている欧州議会本会議で採決されることになる[30]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 日本とEU、EPA予備交渉へ 巨大市場と自由貿易目指す 共同通信 47NEWS 2011年5月28日
  2. ^ 外務省HP > 会見・発表・広報 > 報道発表 > 日EU経済連携協定(EPA)交渉第1回会合(概要)
  3. ^ “日欧EPA、「来年合意」で一致 EU側が姿勢明確に”. 朝日新聞. (2014年7月19日). http://www.asahi.com/articles/ASG7M6JLTG7MULFA00H.html 2014年7月20日閲覧。 
  4. ^ a b “日・EUのEPA交渉、来年末までの妥結で一致”. 読売新聞. (2014年7月19日). http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140719-OYT1T50105.html 2014年7月20日閲覧。 
  5. ^ 「コラム:米国の保護主義が後押し、日欧EPAの皮肉」ロイター通信2017年 07月 7日
  6. ^ 「日EUのEPA交渉、首席事務官が交代」日本経済新聞2017/3/29
  7. ^ 日欧EPA大枠合意、首相「国内対策指示」 関税下げに企業期待”. ロイター (2017年7月6日). 2017年7月6日閲覧。
  8. ^ 「外務省HP ジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長及び安倍晋三日本国総理大臣の共同声明」
  9. ^ 「日欧EPA発効は英離脱前に 鈴木庸一首席交渉官「見通し高まった」」産経ニュース2017.12.9 08:51
  10. ^ 「日欧EPA、協議継続の投資分野は来春メドに判断 日本側首席交渉官」日本経済新聞2017/12/9 9:22
  11. ^ 日欧EPA発効、投資分野切り離しを確認 日本経済新聞2018/3/1
  12. ^ 日欧EPA、英離脱前の発効にメド 日本経済新聞2018/4/18
  13. ^ Proposal for a COUNCIL DECISION on the signing, on behalf of the European Union, of the Economic Partnership Agreement between the European Union and Japan。同時に協定の全文が公表された
  14. ^ Proposal for a COUNCIL DECISION on the signing, on behalf of the European Union, of the Economic Partnership Agreement between the European Union and Japan
  15. ^ COUNCIL DECISION (EU) 2018/966 of 6 July 2018 on the signing, on behalf of the European Union, of the Agreement between the European Union and Japan for an Economic Partnership OJ L 174, 10.7.2018, p. 1–1
  16. ^ 外務大臣会見記録 平成30年7月5日
  17. ^ JRTRO ビジネス短信 2018年07月10日 日EU・EPA、7月17日首脳協議の場で署名へ
  18. ^ 外務省HP > 会見・発表・広報> 報道発表 > 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の署名
  19. ^ 外務省HP > 国・地域 > 欧州 > 欧州連合(EU) > 第25回日EU定期首脳協議
  20. ^ 外務省HP >政策 > 経済外交 > 経済上の国益の確保・増進 > 自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA) > 日EU経済連携協定(EPA)交渉
  21. ^ a b 外務省HP > 会見・発表・広報 > 報道発表 > 日EU投資交渉会合の開催
  22. ^ a b JETRO 通商広報
  23. ^ 平成30年11月6日(火)定例閣議案件 首相官邸HP
  24. ^ 衆議院トップページ 第197回国会 条約 1 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件
  25. ^ 衆議院トップページ 第197回国会 閣法 第197回国会 9 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案
  26. ^ 関税・外国為替等審議会 関税分科会 配付資料一覧(平成30年11月6日) 資料5 日EU経済連携協定のための関税関係法の取扱いについて
  27. ^ 2018/0091(NLE) - 29/06/2018 Legislative proposal EU HP
  28. ^ a b Procedure file 2018/0091(NLE) EU/Japan Economic Partnership Agreement European Parliament / Legislative Observatory
  29. ^ European Parliament International Trade Committee Results of roll-call votes - 5/11/2018
  30. ^ JETROビジネス短信欧州議会の国際貿易委、日EU・EPA勧告案を採択2018年11月06日

外部リンク[編集]