独立主張のある地域一覧

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独立主張のある地域一覧(どくりつしゅちょうのあるちいきいちらん)とは、ある地域において公に独立を主張する勢力がある地域の一覧である。

分類[編集]

独立運動の実態は多種多様で、おおまかに分類すると以下のようになる。列記している地域は、その主な例である。

一定の実態のある独立運動[編集]

実効支配地域のある政治的実体は、「事実上独立した地域」として一部の国から独立国扱いを受けている。ただし、日本政府はこれらを一切国家承認していない。

政府が域内にあり一部国連加盟国から独立を認められた地域[編集]

これらの地域の政治的実体は、独立主張がある地域を実効支配し、独立宣言(または国家としての宣言)も行っており、1か国以上の国際連合加盟国から国家承認をされている。

政府が域外にあるも一部国連加盟国から独立を認められた地域[編集]

これらの地域の政治的実体は、独立宣言後に独立を主張する地域とは別の国に本拠地を置いている(亡命政府)が、その地域の一部を実効支配し、1か国以上の国際連合加盟国から国家承認をされている。

政府が域内にあるも国連加盟国から独立を認められない地域[編集]

これらの地域の政治的実体は、独立主張がある地域を実効支配し、独立宣言も行っているが、国際連合加盟国から国家承認を一切されていない。

政府が域外にあり国連加盟国から独立を認められない地域[編集]

これらの地域の政治的実体は、独立を主張する地域とは別の国に本拠地を置いて「亡命政府」を公称しているが、独立を主張する地域を一切実効支配しておらず、国際連合加盟国から一切国家承認されていない。

独立主張のある地域[編集]

該当地域の一覧は下記にまとめて掲載してある。
政治的実体が独立宣言はしているが、支配国の実効支配を免れていない地域
  • Flag of the Iroquois Confederacy.svg イロコイ連邦 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国内に所在。独自のパスポートを発行、連邦捜査局の捜査権も及ばないインディアンの独立自治地域である旨主張。
  • Pine Ridge Flag.svg ラコタ共和国 - 2007年12月19日にアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国からの独立を宣言した。
  • Flag of Catalonia.svg カタルーニャ共和国 - 2017年10月10日にスペインの旗 スペインからの独立を宣言した。カタルーニャ自治州政府が自治権を有しているが、スペイン内務省の統制下にある。2017年以降は州独自の警察組織がスペイン警察に編入された。2018年現在、独立運動に関してはカタルーニャ自治州政府と、事実上の亡命政権でありブリュッセルに所在するEstelada blava.svg「カタルーニャ共和国理事会」の二重支配になってしまっている。主に州の内政を州政府が、独立運動の国外への理解や協力を募る活動を共和国理事会が行っている。
政治的実体が独立宣言も地域の実効支配もしておらず、主張や運動の段階にとどまるもの。

ミクロネーション[編集]

  • 現存するミクロネーション
  • Flag of the Principality of Seborga.svg セボルガ公国 - イタリアの旗 イタリアからの「独立」を宣言してはいるが、イタリアからはコムーネとして扱われ、セボルガ自体もイタリアの行政を受けているため、独立主張というよりも村おこしの一種であるとする見方もある。
  • Flag of Sealand.svg シーランド公国 - 独立宣言当時公海上にあった人工要塞を私人が「独立」させたもの。その部分の実効支配は行っているものの、国際法上では人工構造物は国家領土とは認められておらず、国家成立要因に欠けている。
  • Flag of the Republic of Molossia.svg モロッシア共和国 - Flag of Reno, Nevada.svg リノの近くに位置し、2.5ヘクタール砂漠に拠点を置くミクロネーション。ケビン・ボー大統領によって統治され、「入国」にあたってはパスポートの提示を求められる。ただし、ボーは合衆国に税金(ボーはこれを「対外援助」と称する)を納めておりその領土は合衆国の統治下にある。
  • Hutt River drapeau.jpg ハット・リバー公国 - オーストラリアの旗 オーストラリア国内のひとりの地主が、自分の所有地のオーストラリアからの独立を宣言し、家族と使用人を国民としている。
  • Naval Ensign of Russia.svg ロシア帝国 - 独立宣言当時、ロシア公人が自ら購入した南半球環礁を「独立」させたもの。当該領域の実効支配は行なっているものの、肝心のロシア政府を始めとする諸国家からは一国家と認められておらず、今も未承認のままである。

世界の独立問題[編集]

アジア[編集]

日本[編集]

中華人民共和国[編集]

インドネシア[編集]

ミャンマー[編集]

近年は独立よりも、高度な自治権の確立に目標が変わりつつある。

一部の勢力は麻薬産業を資金源としており、国際社会からは麻薬組織と看做される勢力もある。

インド[編集]

パキスタン[編集]

イラク[編集]

  • クルディスタン地域の旗 イラク領クルド人自治区:イラク領内にあるクルディスタン地域。イラク戦争後自治権を獲得しており、イラク政府に参加しているものの独立論も強くある。シリアのロジャヴァとの関係が深く、両地域でクルド人国家の創立を目指す動きもある。2017年9月25日に行われた住民投票で独立賛成派が勝利、2年以内のイラクからの独立を目指す予定。

シリア[編集]

  • Flag of Syrian Kurdistan.svg ロジャヴァ・クルド人自治区:シリア国内のクルド人自治区。シリア内戦後に事実上の自治権を獲得している。西クルディスタンとも言われる。シリア内戦(2011年3月15日 - 進行中)において、シリア政府軍を放逐したISILを再度放逐し、かつてのロジャヴァ自治区よりも広範な領域の実効支配を獲得している。

ジョージア[編集]

  • Flag of South Ossetia.svg 南オセチア:(該当エリアは「グルジア」ならびに南コーカサスとしても知られる)ジョージアに属するが事実上独立している。南オセチア紛争でロシア軍の支援によって独立した。ロシア連邦への編入を要求。ロシア連邦とニカラグア共和国が独立を承認、ベラルーシ共和国が支持している。一部では、ロシア連邦への編入ではなく、いわゆる"ロシア・ベラルーシ連邦"の構成国になるべきとの意見もある。
  • Flag of the Republic of Abkhazia.svg アブハジア:ジョージアに属するが事実上独立している。南オセチア同様にロシア軍の支援で独立したが、ロシア連邦への編入は求めていない。ロシア連邦とニカラグア共和国が独立を承認、ベラルーシ共和国が支持している。南オセチアと同様に、一部では、ロシア連邦への編入ではなく、いわゆる"ロシア・ベラルーシ連邦"の構成国になるべきとの意見もある。
  • Flag of Adjara.svg アジャリア:ジョージアに属し、事実上独立していたが、住民の反発や、ロシア側の勧告により自治共和国大統領が辞任。ジョージアの統治下に戻ったが、現在でも独立主張がある。

アゼルバイジャン[編集]

その他[編集]

ヨーロッパ[編集]

ヨーロッパは複雑に民族が交差していることや、地続きで言語文化など民族意識を形成する要素の境界線が不明瞭な事から新たな民族グループが形成され易い。歴史的にも西ヨーロッパローマ帝国崩壊以降、無数の私領や小国家群に分裂していた期間が長く、近代に入ってから成立したに過ぎない既存国家・既存民族の枠に収まれない人々が盛んに分離独立運動を行ってきた。近代までは中央集権民族主義を進める政府によって弾圧されるケースが多かったが、現代に入ってからは地方分権の高まりや欧州統合の流れの中で、分離運動を自治権拡大によって収めようとする場合が多い。

ドイツでは神聖ローマ帝国からドイツ統一に至るまでの長期間に亘って、数個の国家と無数の貴族領・教会領に分かれていた。これを領邦国家といい、ナポレオン戦争が起きる1800年代後半以前はドイツ人としての意識も全く存在していないに等しかった。つまりドイツ地方の住民にとっては領邦時代の国々を祖国とする意識が強く、統一を果たしたドイツ帝国も有力な領邦国家に一定の自治権を与え続ける連邦制を志向した。この流れは現代においても(ドイツが西欧で唯一連邦主義を採用している事から分かるように)続いており、連邦主義を更に推し進めて、領邦国家の国家連合、または国民国家(主権国家)同士の連邦国家を形成しようとする動きがある。

スペイン・フランス・イタリアなどでも各地の文化的差異や経済格差は依然として存在し、また半世紀以上に渡り地域安定に取り組んできたEUの求心力と反対に特定国家への帰属意識が希薄化し[3]、それらが相俟って独立ないし分権を求める声は少なくない。

ドイツ[編集]

第二次世界大戦以降、ドイツ南西部(バイエルンの隣)に位置するアレマン地方で独立運動が盛んになった。アレマン語の独自性を由来とする政治運動はナポレオン時代から存在したと言われ、最終的にはスイスやアルザスと共にドイツ連邦から離脱する事を目標にしている。現在は小康状態にあるものの、東ドイツ併合やユーロ問題など大きな政治的議論が生じる度に活発化している。

言語・文化の差異から来る北ドイツ・南ドイツ間の対立とは異なり、旧西ドイツにとって経済的に重荷になっているとの理由から旧東ドイツの再分離を望む意見がしばしば言及される。また東ドイツ人の側でも統一後の待遇に失望する人々も少なくなく、2007年の調査ではドイツ人の5人に1人が「ベルリンの壁があった方がよかった」と答えている[4]

フランス[編集]

フランスの分離運動

古くからコルシカ語(標準イタリア語に近いと言われる)を話すコルシカ人が独立運動を続けている。

ブリタニア系(現在のウェールズ人やスコットランド人の祖先)の住民がサクソン人ジュート人の侵攻から逃れる為に、ブルターニュ地方へ移住した歴史から古代ブリタニアの文化が継承されている。古代ブリタニアの住民はケルトの一派とされる一方で、所謂ガリア人とは明確に異なる部分を持つことから別民族であるともされており、度々独立論が議題に挙がっている。

ヴァイキングが持ち込んだ古ノルド語ラテン語の混交から生じたノルマンディー語が残存していて、この言葉を保護しようとする動きがある。

フランク王国の影響を強く受け、フランク語と混交して生じたフランス語(オイル諸語)に対し、ラテン語としての性質をより強く受け継いだオック諸語が南フランスの大部分に存在する。そしてオック諸語の話される地域(南仏)をオクシタニアと呼ぶ習慣がある。

オック諸語のうち、ガスコーニュ語は隣接するバスク語の影響を強く受けていて、他のオック系言語とは毛色が違う。「オクシタニア?いいや、ガスコーニュだ!」[5]というスローガンも存在する。

イギリス[編集]

イギリスの分離運動
2014年9月実施の後述のスコットランド独立住民投票の結果を受け、それぞれの構成国・地域で今後、自治権を拡大するものとみられる。

もとよりイギリス民族ではなく国家の統合としての産物であり、イングランド地方でもイングランド人としての帰属意識が根強く残っている。近年の各地域での独立運動の隆盛やスコットランド議会の再開などに対し、イングランド議会の再開を訴える意見が散見される。

スコットランドイングランドとは異なる文化を有している。イギリスの議会スコットランド国民党が進出しているが、北海油田を有しているにも拘らず、分離独立には至っていない。2014年の住民投票でも反対票が55%に達したため独立は否決された。

アイルランドスコットランド同様、イングランドとは異なる文化を有し、それを今日に至るまで保持している。

アイルランドはケルト系ないし古代ブリタニア系の文化を継承しており、イギリスの支配から脱する為に激しい紛争を繰り広げた。現在ではアイルランドの殆どが独立を勝ち取っているが、ロイヤリスト(王党派・連邦主義者)が多数を占める北アイルランドは未だイギリスに留まっており、両国間の領土問題となっている。

南イングランドの辺境に位置するコーンウォール州では、征服される前の古代文化が色濃く残っている。

イタリア[編集]

肥沃な北部イタリアを中部イタリア・南部イタリアから分離することによる北部の経済活性化を主張する北部同盟が定義する「北イタリア」で、ポー川以北から旧ヴェネツィア共和国領とチロル地方を除いた場所(ピエモンテ州ロンバルディア州リグーリア州エミリア=ロマーニャ州)を指す。上述のバイエルンとは違って「民族的問題」ではなく「経済的問題」を第一の問題として分離を目指す珍しい動きと評されており、どちらかと言えば旧東ドイツと旧西ドイツの対立構図に近い部分がある。従って分離そのものよりも、「分離」を脅し文句に南部優遇政策の撤廃を望んでいる支持者が多く、1996年に独立を宣言した際には北部同盟内でも批判が相次いだために取り下げられた。また各州の地域運動の連合体であるため、「パダーニャ人」といった民族意識などは存在していない。

北部同盟に関しては近年、イタリア国内の地域運動全体を統括する団体に発展しつつある。

ヴェネツィア共和国はかつての北イタリア諸国の中でも別格の存在であり、かつ隔離された島々での文化を起源とする事から、上記のパダーニャ関連からも一線を引いた独自の動きを見せている。

オーストリア領時代が長かった為、南ドイツ系(バイエルン人)の住民が多数を占めている。

シチリア同様、既に一定の自治権を与えられている。

戦後の分権運動から、既に一定の自治権を与えられている。

スペイン[編集]

レコンキスタによりイスラム勢力を放逐し、小国家を吸収しながら拡大した建国の歴史的経緯から文化的、言語的、民族的な多様性があり、それに伴い地方の独立活動やより高度な自治権の獲得要求が活発である。アラゴン王国とカスティーリャ王国の統合によりスペイン王国が成立して以降も、取り分けカタルーニャやバスクなどは内戦やテロ活動により中央と敵対した過去があり、また中央政府はそれらを弾圧した。こうした過去の反省から現在スペインは17の自治州に分けられ、自治州政府による自治権が付与されている。2019年現在、西ヨーロッパに於いて最も地方の独立活動が活発な国の一つと言える。

バルセロナ一帯のカタルーニャ地方は、マドリードとは異なる言語(カタルーニャ語)と文化を有する。スペイン内戦で、カタルーニャ左翼共和党人民戦線に付いたことも一因になり、フランコ時代は分離独立運動は抑圧された。

民主化以降のスペインでは、集中と統一が議会進出し、マドリード~バルセロナ間の特急列車の車内アナウンスは、スペイン語カタルーニャ語で行なわれるなど地位を回復させている。2017年10月27日にカタルーニャ州議会独立宣言を可決したが、国際的な承認は得られていない[6]。 カタルーニャ共和国の事実上の亡命政権がベルギー・ブリュッセルに置かれている。主張する版図にはカタルーニャ州のみならず、同じカタルーニャ語圏であるバレンシア州バレアレス諸島州を含む場合がある。

バスク地方は国境をはさんでスペインとフランスにまたがっており、スペインともフランスとも異なる言語(バスク語)と文化を有する。バスク祖国と自由 (ETA) は、武装闘争を含めた分離独立運動を推進していた。主張する版図にナバラ自治州を含む場合がある。

ガリシア地方は歴史的にも地理的にも、ポルトガル北部とのつながりが近く、実際のところガリシア語はポルトガル語の派生言語である。完全なガリシア州の独立を目指す勢力と、ポルトガルへの併合を望む勢力が存在する。

アラゴン王国との統合以前のカスティーリャ王国の領域のみで、あるいは現行のカスティーリャ地方3州で再度独立するべきだという勢力が存在する。

エストレマドゥーラ州は歴史的にポルトガルとの領土紛争が行われた場所であり、現在でもポルトガルがオリベンサの返還を要求している。これに関連してエストレマドゥーラ州をスペイン・ポルトガル両国から独立するべきだという勢力が存在する。

ベルギー[編集]

歴史的経緯から人口の約6割がオランダ語を、約4割がフランス語を母語とする。主に前者が北部フランドルに、後者が南部ワロンに居住。従来よりフランドル地域・ワロン地域・ブリュッセル首都圏地域という3つの共同体が置かれ、それらを補完する役割として連邦政府が位置付けられていたが、2010年6月の総選挙では北部フランドルの独立を目指す新フランドル同盟代議院にて第一党の議席を獲得したため後に暫定政権が続き、政治的混乱を招いた[3]

デンマーク[編集]

ロシア[編集]

ウクライナ[編集]

その他[編集]

アメリカ大陸[編集]

オセアニア[編集]

アフリカ[編集]

解決・沈静化した独立問題[編集]

ヨーロッパ[編集]

アメリカ大陸[編集]

アジア[編集]

アフリカ[編集]

オセアニア[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 共同体加盟国(国連非加盟国)同士で互いに国家承認を行っている。
  2. ^ この3か国とは民主主義と民族の権利のための共同体を結成・設立している。
  3. ^ a b “スコットランド・カタルーニャ...欧州で「静かな独立運動」”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年10月22日) 
  4. ^ http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2292054/2201495
  5. ^ http://www.gasconha.com/materiau_grafic_aquitan/tracte-gasconha-non-occitania.jpg
  6. ^ “カタルーニャ州議会「独立宣言」”. ロイター (ロイター). (2017年10月27日). https://jp.reuters.com/article/idJP2017102701002281 2017年10月27日閲覧。 
  7. ^ 『連邦国家』という米国のシステム上、いくつかの州は州旗にRepublicの文字が入り、スペイン領メキシコから独立したテキサスも1836年-1846年の間、名実共に独立共和国であったし、続くカリフォルニアも米連邦加盟前に独立国家を目指した。同様の連邦加盟以前の共和国としてはRepublic of West Floridaなどもある。しかし現在の米国内においてそれらの旧共和国が連邦離脱宣言あるいは連邦離脱意思を示している風潮はない。
  8. ^ のちイングーシ共和国の旗 イングーシと統合、チェチェン・イングーシ(チェチェノ・イングシチェア)共和国となったが旧イングーシの分離に伴い現在に至る。
  9. ^ 詳しくは函館戦争蝦夷共和国を参照せよ。
  10. ^ 榎澤幸弘「伊豆大島独立構想と1946年暫定憲法」、『名古屋学院大学論集 社会科学篇』第49巻第4号、名古屋学院大学総合研究所、2013年、 125-150頁。

関連項目[編集]