チーズ

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チーズ(pasteurized process, American, without added vitamin D
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,553 kJ (371 kcal)
3.7 g
糖分 2.26 g
食物繊維 0 g
31.79 g
飽和脂肪酸 18.057 g
一価不飽和脂肪酸 8.236 g
多価不飽和脂肪酸 1.286 g
18.13 g
トリプトファン 0.232 g
トレオニン 0.772 g
イソロイシン 0.938 g
ロイシン 1.716 g
リシン 1.516 g
メチオニン 0.475 g
シスチン 0.11 g
フェニルアラニン 0.939 g
チロシン 0.916 g
バリン 1.187 g
アルギニン 0.518 g
ヒスチジン 0.546 g
アラニン 0.613 g
アスパラギン酸 1.551 g
グルタミン酸 4.073 g
グリシン 0.359 g
プロリン 1.788 g
セリン 1.093 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(31%)
250 μg
(1%)
80 μg
0 μg
チアミン (B1)
(1%)
0.015 mg
リボフラビン (B2)
(20%)
0.234 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.076 mg
(8%)
0.403 mg
ビタミンB6
(4%)
0.054 mg
葉酸 (B9)
(2%)
8 μg
ビタミンB12
(63%)
1.5 μg
コリン
(7%)
36.2 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(4%)
23 IU
ビタミンE
(5%)
0.8 mg
ビタミンK
(2%)
2.6 μg
ミネラル
カルシウム
(105%)
1045 mg
鉄分
(5%)
0.63 mg
マグネシウム
(7%)
26 mg
マンガン
(2%)
0.041 mg
セレン
(29%)
20.2 μg
リン
(92%)
641 mg
カリウム
(3%)
132 mg
ナトリウム
塩分の可能性あり)
(111%)
1671 mg
亜鉛
(26%)
2.49 mg
他の成分
水分 39.61 g
コレステロール 100 mg

成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

チーズ英語: cheese)とは、乳製品の一種で、水牛山羊ヤクなど鯨偶蹄目反芻をする家畜から得られるを原料とし、乳酸発酵柑橘果汁の添加で酸乳化した後に加熱や酵素レンネット)添加によりカゼインを主成分とする固形成分(カード)と液体成分(ホエー)に分離して脱水した食品。伝統的に乳脂肪を分離したバターと並んで、家畜の乳からつくる保存食として牧畜文化圏で重要な位置を占めてきた。日本語中国語での漢語表記は、北魏時代に編纂された『斉民要術』に記されているモンゴル高原型の乳製品加工の記述を出典とする乾酪(かんらく)である。

歴史[編集]

チーズがどのようにして発見されたのかは正確には定かではないが、「アラブの商人が袋を干して作った水筒に山羊のミルクを入れて砂漠を旅していた途中に、砂漠の疲れとのどの渇きを癒そうと水筒を開けたところ、中からミルクではなく澄んだ水(乳清)と柔らかい白い塊(カード)がでてきた」というのが最初のチーズの発見であるという説が有力だとされていた[1][2]

ところが、2012年になって紀元前5000年頃の世界最古のチーズ製造の痕跡がヨーロッパポーランドで発見された[3][4]。このスウィデリアン文化の道具はメソポタミア文明よりも古く、チーズ製造が中東ではなくポーランドあたりの中央ヨーロッパで始まった可能性を示唆している。この人類最古のチーズの原料はヤギの乳であり、また現在のポーランドでも多くの種類の山羊乳チーズ(いわゆるシェーブルチーズ)が存在する。

いずれにせよ、チーズは近東からヨーロッパにかけての地域に広まり、メソポタミア文明を築いたシュメール人をはじめ、古代ギリシアローマ帝国においても広く食用とされた。ホメロスの『オデッセイア』にはフェタチーズへの言及があり、プリニウスの『博物誌』やアリストテレスの著作にもチーズについての記述がある。ローマ帝国崩壊後もヨーロッパでのチーズ利用が衰退することはなく、逆に各地で特徴あるチーズが多数生産されるようになっていった。ヨーロッパでは特に、各地の荘園修道院において特色あるチーズが生産されることが多かった。中世ヨーロッパにおいては、チーズは脂肪分の多いものが珍重されており、そのため15世紀頃にブルターニュオランダフランドルイギリスなどでバターの生産が盛んとなると、チーズの質では山岳地帯産のチーズのほうが名声を得るようになっていった[5]

ただし、チーズの利用はヨーロッパや中近東においては非常に盛んであったが、インドでは古代インドの讃歌集『リグ・ヴェーダ』にチーズを勧める歌があり、パニールなどのフレッシュチーズは盛んに使用製造されたもののレンネット使用の熟成チーズはついに登場しなかった[6]。日本や中国など東アジア地域においては鮮卑系の支配者など北アジア遊牧民系の勢力によって度々導入されたものの安定して定着することが認められないなど、地域的に非常に偏りのあるものだった。こうしたチーズ利用のない地域にチーズが普及していくのは、ヨーロッパ勢力が各地に勢力を広げていく19世紀以降のこととなる。

19世紀半ばに入ると、工業的にナチュラルチーズが大量生産できるようになり、ヨーロッパやアメリカ大陸にチーズ工場が建設されるようになった。1874年にはデンマークでレンネットが工業的に量産できるようになり[7]1904年にはアメリカでプロセスチーズが開発され量産されるようになった[8]

日本においては東アジア全般の例にもれず、チーズ利用はほとんど存在しなかった。飛鳥時代645年頃から乳牛の伝来と飼育が始まり、または酥(そ)、および醍醐と呼ばれるチーズの一種が製造されていた[9]。700年11月には朝廷が諸国に酥の製造を命じ、8世紀から10世紀にかけては酥の製造が続けられていたとされるが、平安時代末期頃から廃れていった[10]開国して明治時代になっても、チーズの独特の風味はあまり日本人に好まれず、普及にはさらに多くの時間がかかった。日本において初めてチーズが製造されたのは、1875年北海道開拓使においてであった。1933年には北海道の遠浅において、日本において初めててチーズ工場が設立された[11]が、チーズが本格的に普及するのは第二次世界大戦の終結後のことである。ただしこのチーズは1951年頃に製造が始まったプロセスチーズがほとんどであり、ナチュラルチーズは生産も消費もほとんどなされていなかった。しかしプロセスチーズの消費量は食生活の洋風化とともに急増を続けた。この急増には1970年代に普及が始まったピザや、1980年代に普及したチーズケーキなどのブームによるところも大きい[12]。この下地の上で初めてナチュラルチーズが受け入れられていくようになった。

製法[編集]

チーズの主な原料は乳の中にあるタンパク質の一種カゼインである。カゼインには分子中に親水性の部分と疎水性の部分があり、これがミセル状となって液体中に浮遊するために乳は白く見える。この乳に乳酸菌を加えてpH酸性に変え、さらにレンネット(凝乳酵素)を投入してカゼイン分子の親水性の部分を加水分解により切り離すと、カゼイン分子は繊維状に連鎖して集合して沈殿し始める。これを凝乳と言う[13]。凝乳には上記の乳酸発酵タンパク質分解酵素によるもののほか、酸性化を食酢レモン汁などといったの直接添加、沈殿生成を加熱による変性によっても同じことができ、この乳酸発酵、酸の添加、タンパク質分解酵素添加、加熱の組み合わせが主要な凝乳生成手段となっている。

凝乳したカゼインは繊維状の集合体が熱運動によって収縮することで水及び水溶性成分と分離して沈殿し、乳はホエイ(乳清)という液体部分とカードという沈殿物とに分かれる。このカード部分を取り出したものがチーズの原形(フレッシュチーズ)となる[13]。フレッシュチーズとして販売される場合はここで製造は完了であるが、それ以外のチーズにおいてはこの後、加塩や微生物による熟成工程を経て様々な種類のチーズが作られることとなる[13]

カード部分は必要に応じて切ってさらにホエイを排出させた後、型や枠に入れて固め、塩をすり込んだり塩水に漬けたりして加塩したのち、冷暗所において熟成させる。チーズの種類はこの熟成工程で決まる。フレッシュチーズ内にある乳酸菌の活動によって、乳糖乳酸に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪脂肪酸などに分解され、そこからさらに様々な成分が生成される。ここにプロピオン酸菌属などの細菌カビなどを添加して多様な作用を生じさせる事で各種のチーズがつくられる[13]。この加工時に加温・加圧などの工程を加えて保存性を高めるなどの工夫が凝らされている。

種類[編集]

トゥファルクチーズ
カマンベール
エメンタールスイスの穴あきチーズ)
ウォッシュチーズ
ブリンザチーズ
オスツィペックチーズ
ゴウカチーズ

チーズの原料には様々な種類の乳が使用できるが、主な原料となるのはウシ(牛乳)、ヒツジヤギの3種の動物の乳である[14]。なかでも最も広く使用されるのはウシの乳であり、市中に出回っているチーズの原料は特に指定がない限りほとんどの場合は牛乳である。ヒツジの乳は脂肪分が多いため濃厚な味わいが特徴とされる。また、ヤギの乳は特有の臭いがあるものの、これも広く好まれるチーズの一つである。このほかにもスイギュウヤクなどからチーズが作ることができる。また、ラクダの乳は脂肪の構造がウシなどとは異なるためチーズを作ることは困難ではあるが可能ではあり、その希少性ゆえにラクダチーズは高級品として高く評価されていた[15]アラブ首長国連邦ドバイでは世界で初めて商業的にラクダチーズを生産販売する会社が現れ、世界各地への売り込みを図っている[16]

チーズの分類[編集]

原料や加工法によってチーズは細かく分類され[17]、1000種類以上あるとされる[13]

チーズは基本的に、ナチュラルチーズプロセスチーズの二つに分けることができる。ナチュラルチーズは牛乳から直接作られるのに対し、プロセスチーズはいったん作られたナチュラルチーズを溶かし、それを再び乳化剤を添加して固めて作られる。ただし、プロセスチーズはあくまでもナチュラルチーズから作られるものであり、ほかのものから作られるわけではない。プロセスチーズは溶解時に加熱殺菌されているため発酵が止まっており、長期保存が可能となっている[18]。また加熱すると伸びたり分離したりするナチュラルチーズに比べて安定しており、そういった変化は起きにくいが、ナチュラルチーズに比べて独特な風味は薄いものが多い。

ナチュラルチーズの分類にはいくつもの方法があるが、一般的なものとしては下記のように、フレッシュチーズ白かびチーズウォッシュチーズシェーブルチーズ(山羊乳チーズ)、ブルーチーズ半硬質チーズ、硬質チーズ(ハードチーズ)、超硬質チーズの8種類に分けることが多い。これは外観や硬さによる分類である。シェーブルチーズが独立した分類となっているのは、ヤギの乳の成分がレンネットであまり凝固をさせることができず、ウシやヒツジの乳とは根本的に異なる作り方をするためである。またこの性質のため、シェーブルチーズはあまり大きくすることができず、小さなものが多い。

フレッシュチーズは基本的に熟成させないものであるが、軽く熟成させるタイプのものも存在する。フレッシュチーズは生鮮食品であり、できたてが最もおいしく、できて数日以内に食されるものである。味は熟成工程を経ないために原料であるミルクの味が強く出、酸味が強いものが多いのが特徴である。白かびチーズ(ホワイトチーズ)は外皮に白カビを植え付けて熟成させたもので、軟らかく、クリーミーな味わいが特徴である。また、チーズの表面に塩水を吹き付けるタイプのチーズがウォッシュチーズである。青カビチーズ(ブルーチーズ)は白カビチーズとは逆に、内部に青かびを植え付けて熟成させるもので、そのため内部にも青かびの菌糸が入り込んでいるのが特徴である。味としては刺激があり、また塩分の強いものが多い。半硬質・硬質・超硬質チーズはいずれもプレスしてホエイをよく抜いた後熟成させるのが特徴であり、そのため大型で保存性もよい[19]

また、こうしたチーズの分類とは別に、完成したチーズに様々なフレーバーをつけることも広く行われており、フレーバーチーズとして一つの区分となっている。フレーバーチーズの中で最もよく知られているものはスモークチーズであり、これはできあがったチーズを燻製の製法と同じように燻したものであり、ナチュラルチーズでもプロセスチーズでも作られる。フレーバーチーズにはこのほかに、素材であるカードそのものにフレーバーを添加して作るもの、出来上がったチーズの外側にフレーバーをかけたりつけたりするもの、そして出来上がったチーズをほぐしてフレーバーを混ぜ込み、再び成形するものがある。フレーバーとして添加されるものは各種ハーブスパイスニンニクナッツ類、ドライフルーツなどがある[20]。添加されたフレーバーによって様々な場面で使用され、特にナッツやドライフルーツを添加されたものはデザートとして使われることが多い。

チーズの分類
分類 特徴と主な種類
ナチュラルチーズ
(加熱処理されていないもの)
軟質チーズ フレッシュチーズ 熟成させない モッツァレラチーズイタリア)など。
軽く熟成させる トゥファルクチーズ(twaróg ポーランド)、
クワルク(Quark、ドイツ)など。
(熟成させるチーズ) 白かびチーズ
(ホワイトチーズ)
表面に白かびを植えつけて熟成させるもの。
カマンベールチーズフランス)など。
ウォッシュチーズ 表面に菌を植え付けて熟成させ、
同時にそれをワインや塩水などで洗い流す過程を経たもの。
シェーブルチーズ
(山羊乳チーズ)
山羊の乳を原料とするもの。 ブリンザチーズ(Bryndza)、
オスツィペックチーズ(oscypek)、
オシュチペックチーズ(oszczypek)、
ゴウカチーズ(golka)、
レディコウカチーズ(redykolka)、
ブンツチーズ(Bundz)など。
いずれもポーランド。
半硬質チーズ
(セミハードチーズ)
ブルーチーズ
(青かびチーズ)
内部に青かびを植えつけて熟成させるもの。
(その他菌による熟成) ゴーダチーズオランダ)など。
硬質チーズ(ハードチーズ チェダーチーズイギリス)など。
超硬質チーズ パルミジャーノ・レッジャーノなど。
プロセスチーズ 加熱・溶解させることで発酵を止め、
長期保存に適した状態にしたもの。

おもなチーズ[編集]

以下は比較的よく消費されているチーズの主要産地別一覧である。さらに詳細なリストはチーズの一覧を参照のこと。

アイスランドアイスランド語: ostur
  • スキール(フレッシュ)
    フランスの市場での販売風景
アメリカ合衆国: cheese
イギリス: cheese
イタリア: formaggio)詳細はイタリアのチーズを参照
インドヒンディー語: पनीर
オランダ: kaas
ギリシャ: Τυρί
スイス: fromage
スペイン西: queso
中華人民共和国: 奶酪乾酪干酪
デンマーク: ost
ドイツ: Käse
ブラジル: queijo
フランス: fromage)詳細はフランスのチーズを参照
ルーマニアルーマニア語: brânză
その他

用途[編集]

直接食用とする場合、フランス料理イタリア料理をはじめとするヨーロッパでは、レストランのみでなく各家庭の日常の食事においても、チーズは主菜の後とデザートの前の間の口直しとして供される。ワインを共に味わう場合、チーズによってそれまでの主菜と比べてワインの口当たりの変化が楽しめる。前菜として出て来る場合はサラダなどに入れた一部として供されるのが普通である。ただしイタリア料理の場合、モッツァレラチーズはそのまま前菜(アンチパスト)として供することもある。また居酒屋(仏ブラッスリー、伊トラットリア)などでチーズ盛り合わせ(チーズプラター)といった単品メニューのみをオーダーすることもできる。

イタリア料理パルミジャーノ・レッジャーノチーズモッツァレラチーズ)やテクス・メクス料理チェダーチーズモントレー・ジャック)など、チーズが欠かせない料理もある。

インドでは、菜食主義者の割合が多く、一般的にインドの菜食主義者は動物の殺生の回避を目的としているため鶏卵も食べない。そのため多くの人が乳製品からタンパク質を補給し、フレッシュチーズのパニールを使った料理が豊富である。インド料理の菜食のメニューの半数程はパニールかダヒヨーグルト)を使っている。

中国にも、チベットヤクのチーズや、料理に用いられるルーシャン大良牛乳などの特殊なチーズがある。

そのほか、パンにそのまま練り込まれたり、サンドイッチの具やピザに使われたりもされる。溶かしたチーズを具につけて食べるチーズフォンデュもある。パスタにも粉チーズを食前に適量振りかけたり、またカルボナーラパスタ等のようなチーズを利用したりしたパスタ料理が多数存在する。また、日本においてはちくわかまぼこなどにも練り込まれることがあり、そのほかチーズ使用料理は非常に多数にのぼる。チーズをそのまま使用するだけでなく、スプレー缶に封入されて食品に吹き付けて使うイージーチーズなどもある。菓子としても、チーズケーキをはじめとするケーキや、クッキークラッカー等にも使用され、クラッカーはクリームチーズ等を載せて食することもある。和菓子とも相性はよく、煎餅などによく使用される。チーズ類を使った煎餅類はメーカーによっては「チーズおかき」と呼ばれる場合もある。

アナログチーズ[編集]

厳密にはチーズを名乗れないが、チーズの乳脂肪を植物性脂肪に、乳たんぱく大豆たんぱくなどに一部もしくは全部を置き換えたコピー食品としてアナログチーズ(代替チーズ)がある。乳製品を一切含まないものもある。原料コストを抑えられ、ドイツでは年間10万トンが生産されている。日本でも2007-2008年の原料乳価格高騰で注目された。本来のチーズと比べてコレステロールが低い、種類によっては牛乳アレルギー患者やヴィーガン(動物性食品を全く摂取しないベジタリアン)でも食べられるなどの利点がある。

ギネス[編集]

ギネス世界記録にある世界最大のチーズは28.5トン1995年カナダケベック州のアグローバ酪農組合がスーパーマーケットチェーンの注文で制作したもの。大人のカナダ人が一年で消費するチーズの2500人分の量に匹敵する。

世界の生産と消費[編集]

2011年のチーズ10大生産国
(トン)[21]
世界総計
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 5,162,730
ドイツの旗 ドイツ 2,046,250
フランスの旗 フランス 1,941,750
イタリアの旗 イタリア 1,132,010
オランダの旗 オランダ 745,984
ポーランドの旗 ポーランド 650,055
 エジプト 644,500
ロシアの旗 ロシア 604,000
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 580,300
カナダの旗 カナダ 408,520
2010年のチーズ10大輸出国
(USドル)[21]
世界総計 25,207,664
ドイツの旗 ドイツ 3,995,010
フランスの旗 フランス 3,534,620
オランダの旗 オランダ 3,239,085
イタリアの旗 イタリア 2,201,038
 デンマーク 1,350,514
 ニュージーランド 1,041,534
ベルギーの旗 ベルギー 792,887
アイルランドの旗 アイルランド 743,818
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 701,854
オーストラリアの旗 オーストラリア 682,834
2010年のチーズ10大輸出国
(トン)[21]
世界総計 5,442,982
ドイツの旗 ドイツ 1,008,991
オランダの旗 オランダ 681,522
フランスの旗 フランス 639,047
 ニュージーランド 277,758
イタリアの旗 イタリア 272,281
 デンマーク 262,989
サウジアラビアの旗 サウジアラビア 237,237
アイルランドの旗 アイルランド 178,095
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 175,216
ベルギーの旗 ベルギー 162,268
2010年のチーズ10大輸入国
(USドル)[21]
世界総計 24,281,661
ドイツの旗 ドイツ 3,451,310
イタリアの旗 イタリア 1,997,236
イギリスの旗 イギリス 1,909,123
フランスの旗 フランス 1,399,401
ロシアの旗 ロシア 1,319,892
ベルギーの旗 ベルギー 1,298,907
スペインの旗 スペイン 1,101,922
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1,003,147
日本の旗 日本 935,562
オランダの旗 オランダ 864,789
2010年のチーズ10大輸入国
(トン)[21]
世界総計 5,084,705
ドイツの旗 ドイツ 608,220
イタリアの旗 イタリア 472,155
イギリスの旗 イギリス 439,497
ロシアの旗 ロシア 294,183
フランスの旗 フランス 275,464
ベルギーの旗 ベルギー 274,424
スペインの旗 スペイン 242,652
オランダの旗 オランダ 216,408
日本の旗 日本 199,080
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 138,326
年間一人当たりの総チーズ消費量の多い国(2011年)[22]
kg
フランスの旗 フランス 26.3
アイスランドの旗 アイスランド 24.1
ギリシャの旗 ギリシャ 23.4
ドイツの旗 ドイツ 22.9
 フィンランド 22.5
イタリアの旗 イタリア 21.8
スイスの旗 スイス 20.8[23]
 オーストリア 19.9
オランダの旗 オランダ 19.4
トルコの旗 トルコ 19.2[24]
 スウェーデン 19.1
 ノルウェー 17.4
チェコの旗 チェコ 16.3
イスラエルの旗 イスラエル 16.1
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 15.1
カナダの旗 カナダ 12.3
オーストラリアの旗 オーストラリア 11.7
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 11.5
ポーランドの旗 ポーランド 11.4
 ハンガリー 11.0
イギリスの旗 イギリス 10.9

2011年に世界で最もチーズを生産していた国はアメリカ合衆国であり、次いでドイツフランスイタリアオランダポーランドエジプトロシアアルゼンチンカナダの順となっている。

一方、チーズの輸出においてはアメリカの順位はかなり後退する。輸出額ベースにおけるチーズ最大輸出国はドイツであり、以下フランス、オランダ、イタリア、デンマークニュージーランドベルギーアイルランド、アメリカ、オーストラリアの順となる。また、輸出量ベースにおいてもドイツが一位となり、以下オランダ、フランス、ニュージーランド、イタリア、デンマーク、サウジアラビア、アイルランド、アメリカ、ベルギーの順となっている。

チーズの輸入においても、ドイツは質量ともに一位を占めている。輸入額ベースにおいてはドイツ、イタリア、イギリス、フランス、ロシア、ベルギー、スペイン、アメリカ、日本、オランダの順となっている。また、輸入量ベースにおいてはドイツ、イタリア、イギリス、ロシア、フランス、ベルギー、スペイン、オランダ、日本、アメリカの順となる。

チーズ貿易においてはドイツは輸出入ともに世界最大であり、イタリアやベルギーも輸出入ともに多い。フランスは輸入も多いが、輸出はそれ以上に多い。オランダはその傾向がさらに顕著で、チーズ生産は輸出にかなり軸足を置いたものとなっている。デンマークやニュージーランド、アイルランドもチーズ輸出がチーズ生産のかなりの割合を示す。こうした国々に対し、チーズのかなりを輸入に頼っているのはイギリスである。ロシアやスペイン、日本もチーズ貿易においては輸入を主とする。

一人あたりのチーズ消費量は、チーズを利用する文化が古くから根付いていたヨーロッパ諸国や地中海諸国、およびそこから分派した新大陸の諸国がランキングの上位を占めている。2011年において最も一人当たり年間チーズ消費量が多かった国はフランスであり、一人当たり1年間に26.3kgのチーズを消費していた。これに次ぐのがアイスランド、次いでギリシャであり、以下ドイツ、フィンランド、イタリア、スイスオーストリア、オランダ、トルコスウェーデンノルウェーチェコイスラエル、アメリカ、カナダオーストラリア、アルゼンチン、ポーランド、ハンガリー、イギリスの順となっている。

日本[編集]

日本においては、1970年代末から、生産過剰となっていた牛乳の需要拡大策として、農林水産省が国産チーズ振興政策に取り組み始めた。よつ葉乳業など大手乳製品メーカーが工場を建設したほか、少量生産の工房が開業するようになった[25]。ナチュラルチーズも39000トン(2005年)ほど生産されているものの、生産量は国内消費量の15%弱に過ぎず、大半は輸入に頼っている[26]。毎年多くのナチュラルチーズが輸入され、国内でプロセスチーズに加工されるかそのまま消費される。2013年に最も日本がナチュラルチーズを輸入した国はオーストラリアであり、約93000トンが輸入されていた。ついでニュージーランドが63000トンで続き、この2国で輸入の3分の2、3位のアメリカ(30000トン)を含むと80%近くがこの3か国からの輸入となっている。なお、それ以下はドイツ、イタリア、オランダ、デンマーク、アルゼンチン、フランスの順となっている[27]。2019年2月に発効した日本・EU経済連携協定(日欧EPA)ではソフトチーズの輸入枠拡大と関税引き下げが実施された[28]

日本のチーズ消費量は第二次世界大戦後から2000年頃までは急増を続けており、その後は増減を繰り返しつつ微増傾向となった[29]。2013年の日本のチーズ総消費量は295000トンだった[30]。これに伴い、1968年には一人当たり年間130グラムと1kgにも満たない消費量だった[31]ものが、2010年には一人当たり2.0kgとなり[32]、2012年の一人当たりチーズ消費量も2.4kgまで増加した[33]

チーズの消費促進に取り組む業界団体としてはチーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協議会がある[34]

日本で高品質の国産チーズづくりをめざす動きも広がっている。国内のチーズ工房は2018年で319ヵ所に増え、国際コンテスト「ワールドチーズアワード」で上位入賞するチーズ職人も現れている。国内では中央酪農会議が国産ナチュラルチーズ全国審査会を2年に1回開いており、2019年の第12回は過去最高の86工房200種類超の応募があった[25]。生産者側の団体として、チーズプロフェッショナル協会があるほか[35]、2019年11月に一般社団法人日本チーズ協会(JCA、「日本チーズ生産者の会」後継団体)が発足した[36]

脚注[編集]

  1. ^ No,001- チーズの歴史 - 勝沼醸造株式会社
  2. ^ チーズの歴史って? - オーダーチーズ・ドットコム
  3. ^ 「7000年前にチーズ作り、土器に証拠発見 ネイチャー]AFPBB(2012年12月13日)2015年12月20日閲覧
  4. ^ 世界の雑記帳:7500年前にチーズ製造の証拠、土器から発見=研究ロイター毎日jp(2012年12月13日)2019年11月11日閲覧
  5. ^ ブリュノ・ロリウー著『中世ヨーロッパ 食の生活史』pp82-83 吉田春美訳 原書房 2003年10月4日第1刷
  6. ^ 『チーズと文明』p61 ポール・キンステッド 築地書館 2013年6月10日初版発行
  7. ^ 林弘通『20世紀乳加工技術史』p12 幸書房 2001年10月30日初版第1刷発行
  8. ^ 林弘通『20世紀乳加工技術史』p161 幸書房 2001年10月30日初版第1刷発行
  9. ^ 【業務関連情報】日本人とチーズ独立行政法人農畜産業振興機構(2015年12月23日閲覧)
  10. ^ 「日本チーズ物語」一般社団法人Jミルク(2015年12月20日閲覧)
  11. ^ 林弘通『20世紀乳加工技術史』p156 幸書房 2001年10月30日初版第1刷発行
  12. ^ 【業務関連情報】日本人とチーズ独立行政法人農畜産業振興機構(2015年12月23日閲覧)
  13. ^ a b c d e 「【チーズ】味や香りのちがいとは?どうやってつくられる?」『ニュートン』第33巻第1号、株式会社ニュートンプレス、2013年1月、 120-121頁。
  14. ^ 木村則生『プロフェッショナル・チーズ読本 プロが教えるチーズの基本知識から扱い方まで』p38 誠文堂新光社 2011年11月30日発行
  15. ^ 「アラブ世界のラクダ乳文化」p74 堀内勝/『乳利用の民族誌』所収 雪印乳業株式会社健康生活研究所編 石毛直道・和仁皓明編著 中央法規出版 1992年3月10日初版発行
  16. ^ 話題の「ラクダ」食品、世界に売り込みCNN(2014年11月6日)2015年10月30日閲覧
  17. ^ 牛乳・乳製品の知識 第3章 乳製品のはなし(日本酪農乳業協会)
  18. ^ プロセスチーズ雪印メグミルク(2015年12月20日閲覧)
  19. ^ 松成容子編『チーズポケットブック 2007~2008年版』p126 旭屋出版 2006年11月22日初版発行
  20. ^ ジュリエット・ハーバット監修『世界チーズ大図鑑』p22-23 柴田書店 2011年1月25日初版発行
  21. ^ a b c d e UN Food & Agriculture Organisation (FAO)[1]
  22. ^ Total and Retail Cheese Consumption – Kilograms per Capita”. Canadian Dairy Information Centre. 2013年5月20日閲覧。
  23. ^ Switzerland Cheese Marketing AG, Consommation de fromage par habitant en 2012
  24. ^ USDA, Food and Agricultural Organization, Cheese Statistics
  25. ^ a b 【論説】国産チーズ新局面 需要創造と所得支援を『日本農業新聞』2019年11月15日(3面)
  26. ^ 松成容子編『チーズポケットブック 2007~2008年版』p25 旭屋出版 2006年11月22日初版発行
  27. ^ 「チーズの統計」日本輸入チーズ普及協会(2015年12月23日閲覧)
  28. ^ 「日欧EPA半年 国内市場に浸透 チーズ、ワイン2割超増」『日本農業新聞』2019年8月1日(2019年11月20日閲覧)
  29. ^ 「日本の年間チーズ消費量推移」日本輸入チーズ普及協会(2015年12月23日閲覧)
  30. ^ 「チーズの統計」日本輸入チーズ普及協会(2015年12月23日閲覧)
  31. ^ 林弘通『20世紀乳加工技術史』p31 幸書房 2001年10月30日初版第1刷発行
  32. ^ 【業務関連情報】日本人とチーズ独立行政法人農畜産業振興機構(2015年12月23日閲覧)
  33. ^ 「チーズの統計」日本輸入チーズ普及協会(2015年12月23日閲覧)
  34. ^ 「国産消費もっと 東京でチーズフェスタ」『日本農業新聞』2019年11月12日(7面)
  35. ^ 「国産チーズ 世界へ飛躍/国際コンテストに初の本格出品◀栃木の工房、ベスト16に◀東京からも参加/全国の作り手、5年で1.3倍」『日経MJ』2019年11月10日(12面)
  36. ^ 「日本チーズ協会発足へ 認証事業で国産身近に/輸入攻勢 品質で対抗」『日本農業新聞』2019年10月31日(2面)2019年11月11日閲覧

文献[編集]

アンドリュー・ドルビー『チーズの歴史』(ブルース・インターアクションズ、2011年)ISBN 978-4-86020-426-6

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

1983年雪印乳業(現・雪印メグミルク)の企画の下で電通電通映画社が制作した短編映画《現在、上記サイト内に於いて無料公開中》。ヨーロッパ各地のチーズの紹介のほか、いわゆる「プロセスチーズ」の説明も盛り込まれている。