ルーマニア語
| ルーマニア語 |
|
|---|---|
| limba română | |
| 発音 | IPA: [ˈlimba roˈmɨnə] |
| 話される国 | |
| 地域 | 東ヨーロッパ |
| 話者数 | 2,600万人 |
| 言語系統 | |
| 表記体系 | ラテン文字 |
| 公的地位 | |
| 公用語 | |
| 統制機関 | Academia Română |
| 言語コード | |
| ISO 639-1 | ro |
| ISO 639-2 | rum (B) ron (T) |
| ISO 639-3 | ron |
ルーマニア語(limba română)は、ルーマニアの公用語であり、またその周辺地域でも使用されている言語である。インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に分類される。ラテン語の東部地域における方言。モルドバ語はルーマニア語とほぼ同じ言語である。アルーマニア語は、ルーマニア語の方言とされる事もあるが、意思疎通が困難である。
歴史[編集]
ダキア・ルーマニア語は、ラテン口語やダキア・トラキア語などを起源にもつバルカン・ロマンス語の一方言がスラヴ語などの強い影響を受けることにより、中世に成立した。現在のルーマニア語諸方言は、7世紀から10世紀のある時点までは、ひとつの言語だったと考えられている。
周辺にスラヴ語民族が多く、教会(現在のルーマニア正教会)の典礼言語がかつては教会スラヴ語であったことから、スラヴ語の影響を極めて多く受けた。語彙にスラヴ語の影響が多く20%がスラヴ語からの借用である。19世紀以前の記録はキリル文字で書かれている。また16世紀以降はトルコ語からの借用語が増大した。
18世紀に行なわれた“浄化”運動により、アルファベットをキリル文字からラテン文字に改めるとともに、スラヴ語やギリシア語、トルコ語などの影響をラテン語、フランス語、イタリア語などからの借用により排除する国によるロマンス語化が進められ、今日に繋がるルーマニア語を造成した。しかしながらスラヴ語の影響を完全に除去することは出来なかった。モルドバではソ連の支配下に入ると再びキリル文字表記となり(モルドバ語の呼称が与えられ別の言語とみなされた)、独立後はラテン文字表記に戻った。
特筆すべきこととして、ルーマニア語は、東方正教会を信仰する地域の言語であるため、他のロマンス語と異なり、文化的にほとんどローマ・カトリックの影響を受けていないことが挙げられる。
文字と発音[編集]
ルーマニア語アルファベットも参照のこと。
- a, e, i, o, u: 基本的にはイタリア語やスペイン語などと同じ。
- e, o: 上昇二重母音 ea, eo, oa の第一要素になる。
- i: 語末無強勢で直前が子音のときは、その子音を軟口蓋化し、母音としては発音しない。
- â, î: どちらも同じ音 /ɨ/(非円唇中舌狭母音)をあらわす。現在の正書法では、語中では â を、語頭と語末では î を用いる。
- ă /ə/: a と â の中間の音。閉じた「ア」。
- ș /ʃ/: 無声後部歯茎摩擦音
- j /ʒ/: 有声後部歯茎摩擦音
- ț /ʦ/: 無声歯茎破擦音
- c, g: イタリア語と同じく、e, i の前で硬口蓋音化し、h の挿入によって軟口蓋音に保たれる。
- なお cî, gî は /ʧɨ, ʤɨ/ ではなく /kɨ, ɡɨ/ である。
ルーマニア語アルファベット[編集]
ルーマニア語アルファベットを参照。
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | Ă | Â | B | C | D | E | F | G | H | I | Î | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | Ș(Ş) | T | Ț(Ţ) | U | V | W | X | Y | Z |
| a | ă | â | b | c | d | e | f | g | h | i | î | j | k | l | m | n | o | p | q | r | s | ș | t | ț | u | v | w | x | y | z |
文法[編集]
文法的特徴[編集]
- 男性・女性・中性の3性を持つ。
- 後置定冠詞を持つ。
- 他のロマンス諸語とは違い、現代にいたるまで格変化を保っている。
- ブルガリア語やアルバニア語などバルカン諸語と共通の特徴を持つ(バルカン言語連合)。
- アルーマニア語(マケドルーマニア語)については、独立した言語と見る見方が大勢である。
格変化[編集]
主格、属格、与格、対格、呼格の5つの格を持つが、呼格は廃れてきており、主格で代用されることが多い。また、主格と対格が同形で、属格と与格も同形であるため、名詞の格変化等で実際、格により「変化」するのは2パターンである。
人称代名詞[編集]
| 単数 | 複数 | ||||||||||
| 第一人称 | 第二人称親称 | 第二人称敬称 | 第三人称男性 | 第三人称女性 | 第一人称 | 第二人称親称 | 第二人称敬称 | 第三人称男性 | 第三人称女性 | ||
| 主格 | eu | tu | dumneata | el | ea | noi | voi | dumneavoastră | ei | ele | |
| 所有形容詞 | meu, mea, mei, mele |
tău, ta tăi, tale |
său, sa săi, sale |
nostru, noastră noștri, noastre |
vostru, voastră voștri, voastre |
||||||
| 対格 | 強形 | mine | tine | el | ea | noi | voi | ei | ele | ||
| 弱形 | mă | te | îl | o | ne | vă | îi | le | |||
| 与格 | 強形 | mie | ție | lui | ei | nouă | vouă | lor | |||
| 弱形 | îmi | îți | îi | ne | vă | le | |||||
関連項目[編集]
- ルーマニア語を公用語としている国の一覧
- ロマンス諸語
- 東ロマンス語
- モルドバ語
- ヴラシュ語
- アルーマニア語(cf.アルーマニア人)
- メグレノ・ルーマニア語
- イストロ・ルーマニア語
- ラテン語とルーマニア語の音韻の変化
- ルーマニア人
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- Ethnologue report for language code ron (英語) - エスノローグ
- Romanian 101 Learn Romanian online
ルーマニア語ラジオ[編集]
- Europa FM Europa FM
- Radio Romania International Radio Romania International
- RFI România RFI România
- Deutsche Welle România Deutsche Welle România