モッツァレッラ
モッツァレッラ(伊: mozzarella)は、イタリア産のチーズの一種である。モッツァレラとも表記される。イタリア南西部のカンパニア州が原産。くせの無い味わいで、独特の弾力ある歯ごたえが特徴である。熟成工程を経ないため、フレッシュチーズに分類される。
モッツァレッラという名前は、その製法にちなみ、「引きちぎる」を意味するイタリア語「mozzare」に由来するとされる(硬い表面が無いため、「シャツを着ない」を意味する「scamozzata」を語源とする説もある)。
種類[編集]
使用する原料によって名称に区別がある。本来の原料は水牛の乳であるが、牛乳で代用したものもある。水牛の乳と牛乳では、それぞれ風味に違いが出る。一般に、水牛の乳を原料とするものの方が良質とされる。また、乳牛よりも水牛の方が飼育が難しく、乳の量も少ないため、希少価値から水牛の乳を原料とするものの方が値段が高い。水牛のものを採取する際は水牛に子を産ませた上で子を取り上げ、子が飲む分の乳を利用する。
水牛の乳を原料とするものを区別する場合、モッツァレッラ・ディ・ブーファラ[1]と呼ぶ。ウシの乳で代用したものはモッツァレッラ・ディ・ヴァッカ[2]もしくはフィオル・ディ・ラッテ[3]と言う。水牛の乳を原料としたもののうち、一部土地で生産されるものはモッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナとして保護原産地呼称 (DOP) 認証を受けている[4]。
製法[編集]
「パスタフィラータ」と呼ばれるイタリア南部独特の製法によってつくられる。乳が凝集した状態であるカード(イタリア語ではパスタと呼ぶ)に湯を注いで練り、餅のような弾力がでてきたところで、引きちぎって整形する。重さは一つあたり約280グラムが標準である。
食べ方[編集]
そのまま食べてもよいが、味や香りにくせがないのでパスタやピザ、グラタンなどの料理に広く使われる。
生のモッツァレッラのスライスとトマトのスライスを合わせてバジリコを添えたサラダは、インサラータ・カプレーゼ[5]と呼ばれ、カンパニア地方の前菜では定番である。