台湾料理

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台湾料理
Lurou fan(Taiwanese cuisine).jpg
滷肉飯(魯肉飯)
繁体字 臺灣料理
簡体字 台湾料理
発音記号
標準中国語
漢語拼音Táiwān liàolǐ
注音符号ㄊㄞˊ ㄨㄢ ㄌㄧㄠˋ ㄌㄧˇ
客家語
客家語拼音Thòi-vân liau-lî
閩南語
閩南語白話字Tâi-oân liāu-lí
台湾語ローマ字Tâi-uân liāu-lí
台湾菜
繁体字 臺灣菜
簡体字 台湾菜
発音記号
標準中国語
漢語拼音Táiwāncài
注音符号ㄊㄞˊ ㄨㄢ ㄘㄞˋ
客家語
客家語拼音Thòi-vân-chhòi
粤語
粤拼Toi4waan1coi3
閩南語
閩南語白話字Tâi-oân-chhài
台湾語ローマ字Tâi-uân-tshài
台菜
繁体字 臺菜
簡体字 台菜
発音記号
標準中国語
漢語拼音Táicài
注音符号ㄊㄞˊ ㄘㄞˋ
客家語
客家語拼音Thòi-chhòi
粤語
粤拼Toi4coi3
閩南語
閩南語白話字Tâi-chhài
台湾語ローマ字Tâi-tshài

台湾料理(たいわんりょうり)は、台湾で食べられる郷土料理および外国の料理を台湾現地でアレンジしたオリジナル料理の総称。

もともとオーストロネシア系台湾原住民が住んでいた台湾という土地に、大陸から中華料理が流入し、今日のような台湾料理のベースを形成してきた。16世紀頃からかなりまとまった期間で、明王朝清王朝からの漢人オランダスペインからの西洋人、また日本列島からの日本人などの民族が開拓民として入植していたため、島国台湾は多彩な料理法を取り込めた。400年あまりの台湾の歴史や外来人の政権に統治される経験の中に、台湾人は徐々に自己流的な料理が出来上がっていった。つまり台湾料理とは原住民料理のルーツを持つ上に、中華料理のベースに日本や西洋のアレンジ法を加えた料理である。

歴史[編集]

ChineseDishLogo.png
中華料理
母料理
河南料理
八大料理系統
一 山東料理
北京料理
宮廷料理
東北料理
山西料理
西北料理
二 四川料理
雲南料理
貴州料理
三 湖南料理
四 江蘇料理
上海料理
淮揚料理
五 浙江料理
六 安徽料理
七 福建料理
台湾料理
海南料理
八 広東料理
潮州料理
客家料理
順徳料理
その他系統
清真料理
湖北料理
江西料理
広西料理
マカオ料理
超系統料理
薬膳料理
精進料理
台湾素食
麺類
点心
台湾は四方をで囲まれており、また国内中央部に3千メートル級の山々が南北に縦走しているなど、比較的小さな地域であるにも拘わらず、国内に多様な地形や豊かな自然条件が揃っていることでも知られており、豊かな海の幸・山の幸など多くの食材に恵まれている。
台湾料理のルーツは原住民料理だが、中国からの移民が多く、福建料理客家料理などの中華料理が今台湾料理のベースになっている。これはアメリカカナダオーストラリアのように移民が多すぎのためである。人口の多い中華系の移民の料理は全国性に持つようにして、人口の少ない台湾原住民たちの料理は逆に郷土料理となってしまっていた。そして、50年間の日本支配時代を渡って、日本料理も台湾民間に広く普及されている。中華料理・日本料理・西洋料理は台湾で採れる豊かな食材をそれぞれの料理法に取り込んで、台湾料理はこれをそのまま吸収し、独自のものとして進化を遂げていた。
台湾料理の中華料理部は、中国の福建省の郷土料理厦門泉州漳州に由来する福建料理が混ざったものが伝統的に作られており、例えば料理に芋粥が添えられる点を福建系の人々の食習慣の反映として指摘している資料がある。一般にはこれらの様式の料理を指して「台湾料理(台菜)」と呼ぶ場合が多い。また、福建省出身の閩南人の開拓民と同時期に、台湾に渡ってきた広東省東北部出身の客家人の料理も今日の台湾料理根底の一部をなしている。さらには戦後国民党軍が中国大陸各地から兵士などと共に一流のコックを連れて渡ってきたことでも知られており、香港などと並び、大陸のものよりさらに洗練された形での中国各地の高級中華(北京・上海・四川・広東料理など)を楽しむことができると言われている。
さらに、台湾料理には日本料理部もある。日本統治時代、特に明治・大正時代の日本料理の影響を強く受けたこともある。今の台湾でもおでん(中国語:黑輪/和田/關東煮;台湾語:o͘-lián)や天ぷら(中国語:天婦羅甜不辣;台湾語:thian-puh-la)、刺身(中国語:沙西米生魚片;台湾語:sā-si-mih)、寿司 (中国語:壽司;台湾語:su-sih)[1]味噌汁[2](中国語:味噌湯;台湾語:mi-so͘h-thng)、カレーライス[3](中国語:咖哩飯;台湾語:ka-lí-pn̄g)、日本酒[4]などのメニューが残っている。台湾の寿司は「壽司」と表記され、握り寿司のほかに稲荷寿司豆皮壽司)や太巻きが一般的で、酢飯は薄めになっている[1]。また、家庭で稲荷寿司が作られることもあった[1]

中華・日本料理との比較[編集]

全体的な印象としての台湾料理は、中国大陸の料理と日本料理に間のもので、中華の範疇に入れてい無いものもかなりある。台湾の中華や日本料理は、いずれも中国と日本の本場の味から遠く離れている。
まずその特徴として、唐辛子や刺激的な調味料が多用するほかの地方の中華料理と異なり、比較的淡白で繊細な味付けの料理が多く、油っぽさも意図的に抑える。本家中国の料理と比べると、台湾の茶色料理が圧倒的に多く、そして屋台料理やB級グルメとして発展したことも多い。食べ歩いたり、屋台街のテーブルでささっと食べられる一品料理も特徴の一つに挙げられる。中国の客家料理も受けていることから、油で揚げた八角香菜九層塔芹菜ニンニクコリアンダーエシャロットなど漢方系の植物が多用。普通の香辛料より、薬味の香りが強く、薬味に苦手な方にとっては台湾での食事が困る事になってしまう可能性がある。
台湾料理は総じて日本料理と共通する部分は多く、台湾総督府時代からの影響で醤油味噌椎茸鰹節などを基調とした味付けや、乾物や塩漬けもよく使うことにしている。本場の中華料理より茶色料理の数が多くの理由はここからだと言われていて、台湾の和風中華を馴染み深いを感じた日本人も多数存在している。日本料理との主の差は「塩の多少」にあり、台湾人は健康を意識した故に、塩を極めて避けられている。台湾メディアの『三立新聞網』の報道によれば「台湾人は日本の食事に慣れてしまうと、台湾に帰ったら台湾料理の味を感じない…」と言われ、これは台湾料理は如何に薄味になっているかを分かる[5]。塩分の多い味噌汁ラーメンスープに慣れている日本人にとっては、台湾料理が物足りないと感じる場合もある。

食材・調理法・食べ方[編集]

食材面では、魚・カニエビイカ類など、新鮮な海鮮食材を豊富に使用すること、をはじめとする旬の野菜を使った料理が多いといったような点が大きな特徴である。地方の食材では新竹米粉(ビーフン)・カキサバヒーカラスミなどの海産物、メボウキエシャロットオオタニワタリなどの野菜が著名である。その他、宴会料理では、潮州料理と同様にフカヒレツバメの巣もよく使われていることである。医食同源の思想が深い故に、前述のように漢方薬は料理の食材として用いられることなども特徴として挙げられる。
料理のスタイルで見ると、見た目に拘った豪華な一皿もあって、庶民的な家庭料理も発達してきている。料理一つ一つの分量があまり多くなく、清粥(おかゆ)と一緒に食べさせる郷土色豊かな「小菜」(小皿料理)があることでも有名である。また、古くから外食文化も盛んであり、夜市に代表されるような路上の屋台でも多彩なメニュー(小吃)を楽しむことができ、これらが台湾の食文化の一翼を担っている点も特徴として指摘できる。
また、肉類では豚肉が中心であることも大きな特徴の一つで、元来開拓民にとって貴重な動力源である牛を食べる習慣は無かった。食材を無駄なく使うといった発想から牛・豚などの内臓や血液を用いる料理も発達しており、鴨の血餅・牛の胃腸の絲(スー、細切り)・豚の腎臓の麻油揚げなど、内臓や凝固させた血液を多用する料理が多い点も特徴として挙げることができる。現在台湾でポピュラーなメニューとして定着している牛肉麺など牛肉を使う料理は、基本的に中国大陸から伝わった習慣である。

精進料理[編集]

健康上や宗教上の理由から肉や魚を使わない素食精進料理)も台湾では広く食べられており、食堂もよくみられる。ただし、日本の素朴な精進料理とは異なり、豆腐グルテン、油を用いて作られた素鶏・素魚・素肉と呼ばれる本物そっくりなモドキ料理が特徴的である。

各地の台湾料理[編集]

日本:現在の日本では「台湾料理屋」と称する店が増えているが、その多くは普通の中華料理屋に台湾風の内装を付けたものである。
台湾:台湾国内では多種類の麺料理が味わえる。南投の細麺台南担仔麺・高雄の意麺・新竹の米粉・台北の炸醤麺・大陸からの四川風辛い麺など、地域によってバラエティーが異なる。ほかにも、台湾原住民のレシピによる穀粒ケーキは少し甘味があり、台湾の客家人のもち菓子は甘くて繊細していて、果物を飾ったかき氷・ゼリー飲料・タピオカミルクティー鳳梨酥など夏も冬もに適用したデザートが豊富している。例え中国発祥の料理だとしても、何十年の改造を経て逆に本場を超えたものになり、小籠包はその象徴として言っても過言では無い。台湾の庶民にとっては和華折衷的な料理が主流になっている。

主な料理[編集]

台式宴席
台湾料理のうち、比較的ポピュラーなメニューの例としては、以下のようなものがある。
台湾語読みが定着している料理名は、台湾語発音をカタカナと白話字で表記した)

麺類[編集]

台湾料理で使う麺は、基本的には華南の特徴である、うるち米を原料としたライスヌードルである。ビーフンが代表的であるが、「米苔目」(ビータイバッ;bí-thai-ba̍k)と呼ばれる太いものもある。これに加えて、華北をルーツに福建省から伝えられた各種小麦粉の麺も用いられる。多くはやや太めの麺であるが、日本のラーメンのような鹹水を使っていないため、全体に白っぽいものが多い。「麵線」(ミースヮー;mī-soaⁿ)と呼ばれる素麺に似た極細麺もある。また、メニューによっては、例えば担仔麺のように、小麦の麺かビーフンか冬粉(ダーンフン;tang-hún)を選択できるものもある。
牛肉麺
牛肉麺(中国語と注音:ニョウロウミエン/ㄋㄧㄡˊ ㄖㄡˋ ㄇㄧㄢˋ、台湾語と 白話字:グーバーミー/gû-bah-mī)
牛骨や筋からダシをとったスープにやや太めの麺を入れ、牛肉の角切を煮込んだものや香菜などをトッピングしたもの。元来台湾では貴重な農耕具でもあったを食べる習慣はなく、牛肉麺も戦後外省人によってもたらされたものと言われている。現在では台湾料理の最もポピュラーなメニューの一つとして定着している。八角など中華料理特有の香辛料をふんだんに使ってあるため、日本の中華麺とは異なった独特の風味がある。牛肉に加えて牛筋をトッピングしたもの、辛口のもの(紅焼牛肉麺)、カレー風味のもの(咖哩牛肉麺)など、いろいろなバリエーションがある。
担仔麺
担仔麺 (中國語:ダンザイミェン/ㄉㄢˋ ㄗㄞˇ ㄇㄧㄢˋ、台湾語:ダーアーミー/tàⁿ-á-mī)
エビでだしを取った味噌仕立てのスープに麺を入れ、豚そぼろ肉や刻みネギ、もやしなどがトッピングされている(牛肉麺などと比べると、分量的には一般にやや小ぶりである)。もともとは台南の名物料理であり、中でも「度小月」のものが特に有名。(麺の代わりにビーフンを使ったものもある)また、担仔麺に加えて、香腸(腸詰)や肉団子や肉そぼろなどのサイドメニューを加えることができる。日本では「タンツーめん」とルビを振る場合が多い。また、名古屋など中京圏で見られる台湾ラーメンは、この担仔麺を元にアレンジしたものである。
蚵仔麵線(カキ入り極細麺)
大腸麺線中国語版(中国語:ダーチャンミェンシェン/ㄉㄚˋ ㄔㄤˊ ㄇㄧㄢˋ ㄒㄧㄢˋ、台湾語:デゥアデゥンミースヮー/ toā-tn̂g-mī-soaⁿ
ダシベースの梅ニンニクのような味のドロっとした特徴のある細い素麺料理。名前の通り「大腸」が輪切りになって入っている。西門町にある阿宗麵線が非常に有名である。性質上取り分けが難しく、店頭で取り分けている姿は一種のパフォーマンスともなっている。小椀(35元)と大椀(50元)がある。さらにトッピングとして辣椒(唐辛子)、蒜醤(ニンニク醤油)、烏酢(ウスターソースに似た調味料。黒酢とは異なる。)の3種類がある。
蚵仔麺線中国語版(中国語:ケーザイミェンシェン/ㄎㄜ ㄗㄞˇ ㄇㄧㄢˋ ㄒㄧㄢˋ、台湾語:オーアーミースァ/ô-á-mī-soaⁿ)
上記のものの具をカキに代えたもの。台湾各地で一般的である。
炒米粉
炒米粉中国語版

飯類[編集]

滷肉飯または魯肉飯 (中国語:ルーロウファン/ㄌㄨˇ ㄖㄡˋ ㄈㄢˋ、台湾語:ローバープン/ ló͘-bah-pn̄g
飯の上に煮込んだ豚そぼろ肉をトッピングして、甘辛いタレをかけたもの(店によりこれに高菜や固ゆで卵などを乗せている)[6]。値段も安く、最も庶民的な料理の一つで人気が高い。
鶏肉飯
鶏肉飯(中国語:ジーロウファン/ㄐㄧ ㄖㄡˋ ㄈㄢˋ、台湾語:ゲーバープン/ ke-bah-pn̄g
飯の上に蒸して細く裂いた鶏肉を乗せ、甘辛いタレをかけたもの。魯肉飯同様最も庶民的な料理の一つ(嘉義市の「火鶏肉飯」のように、鶏の代わりに七面鳥を使ったバリエーションもある)。
排骨飯 (中国語:パイグーファン/ㄆㄞˊ ㄍㄨˇ ㄈㄢˋ、台湾語:パイグップン/ pâi-kut-pn̄g
排骨(醤油などで下味を付けた後、薄く衣をつけて油で揚げた豚の骨付きあばら肉)と炒めた野菜などを飯の上に乗せた料理[6]台鉄弁当など、台湾の駅弁の定番メニューである[7][8]
肉粽 (中国語:ロウツォン/ㄖㄡˋ ㄗㄨㄥˋ、台湾語:バーヅァン/bah-chàng)
台湾風ちまきのことで、味を付けたもち米を、ハスの葉、竹の葉や竹の皮で包んで蒸したもの[6]。豚の角煮やシイタケなどの具を入れる場合もある。具は肉類や海鮮など、店や地方によってさまざまなバリエーションがある。伝統的に、端午節に食べる習慣がある。

おかず類(小菜を含む)[編集]

鹹蜊仔(台湾語:キャムラーアー/kiâm-lâ-á)
さっと茹でたタイワンシジミをニンニクと共に醤油漬けにしたもの。この種のシジミは日本で一般に食用とされるシジミ類よりは一回り大きいので、可食部の肉も比較的大きい。
菜脯蛋中国語版(台湾語:ツァイボーヌン/chhài-pó͘-nn̄g
菜脯(切干大根)の入った玉子焼き。
魩仔魚炒土豆(台湾語:ブタヒーチャートータウ/but-á-hî tshá-thó͘-tāu
揚げピーナッツ(炒土豆)としらす干し魩仔魚)をからからに炒ったもの。

スープ類[編集]

貢丸湯
下水湯
貢丸湯中国語版(中国語:ゴンワンタン/ㄍㄨㄥˋ ㄨㄢˊ ㄊㄤ、台湾語:コンワントゥン/kòng-oân-thng)
肉団子入りのスープ。4つに割れている形をした肉団子を出すお店が比較的多い。新竹が有名。
魚丸湯(中国語:ユーワンタン/ㄩˊ ㄨㄢˊ ㄊㄤ、台湾語:ヒーワントゥン/hî-oân-thng)
(注音: ㄩˊ ㄨㄢˊ ㄊㄤ)
つみれ入りのスープ。福州風の中に豚肉を包み込んだものが、新北市淡水区などで有名となっている。
蛤蜊湯(中国語:グーリータン/ㄍㄜˇ ㄌㄧˋ ㄊㄤ、台湾語:ハムマートゥン/ham-á-thng)
ハマグリ入りのスープ。非常に庶民的なスープである。
冬瓜との相性が抜群であり、冬瓜と一緒に入れて出す場合も多い(冬瓜蛤蜊湯)。
下水湯中国語版(中国語:シャーシュイタン/ㄒㄧㄚˋ ㄕㄨㄟˇ ㄊㄤ、台湾語:ハースイトゥン/hē-chuí-thng)
豚のモツと鶏の砂肝などの内臓類をショウガを効かせ煮込んだスープ。下水とは台湾でモツ肉という意味である。
花枝羹中国語版、花枝焿(中国語:ホワジーゴン/ㄏㄨㄚ ㄓ ㄍㄥ、台湾語:フエーキーキー,フエーキーケー/hoe-ki-kiⁿ,hoe-ki-keⁿ)
イカの切り身またはすり身入りのとろみスープ。

屋台料理[編集]

蚵仔煎
臭豆腐
基隆天婦羅
花生豬血糕
蚵仔煎 (中国語:ケーザイジェン/ㄎㄜ ㄗㄞˇ ㄐㄧㄢ、台湾語:オーアージエン/ô-á-chian)
台湾風カキのオムレツ。小ぶりの煎ったカキに細かく刻んだキャベツなどの野菜を加え、卵とサツマイモ澱粉で綴じる。卵を使わない調理法もある。甘辛い赤色のソースをかけて食べる。
棺材板中国語版または官財判 (中国語:クアンツァイバン/ㄍㄨㄢ ㄘㄞˊ ㄅㄢˇ、台湾語:クァツァーパン/koaⁿ-chhâ-pang)
揚げた食パンの中をくり抜いてクリームシチューを入れ、さらにパンで蓋をしたもの。棺とは棺の様に置けること、材とは中身が植物的な材料から作ったものであること、板とは全体の形が四角形であること、その三つの理由でこの名前を付けた。しかし棺材板という名前からは死人や亡霊と共に狭い部屋で一緒に住むことを発想しやすく、これはあまりも縁起が悪い為、今の台湾では代わりに同じ発音の官財判(官僚と成って、お金がいっぱい持つという意味)で書かれる場合もよくある。台湾のどの地方でも作られるが、もともとは台南の名物料理。パンの中に入れる具は店によっていろいろなバリエーションがある。南部地域の洋食風の屋台料理。
油飯 (中国語:ヨウファン/ㄧㄡˊ ㄈㄢˋ、台湾語:イウプン/ iû-pn̄g
台湾風のおこわ。水に浸したもち米を豚肉、シイタケなどと油で炒め、醤油等で味付けして蒸したもの[6]。鶏肉や筍などを用いる場合もある。
蘿蔔糕中国語版または菜頭粿中国語版(中国語:ルオポガオ/ㄌㄨㄛˊ ㄅㄛ˙ ㄍㄠ、台湾語:ツァイタウクエ/chhài-thâu-kóe)
日本語の通称は大根餅。千切りにして茹でた大根や、油で炒めた豚ひき肉・エビ・ネギといったような具を水でといた米粉と混ぜて蒸した後、表面を油で軽く焼いて食べる。旧正月の定番料理として作られていたが、今や一年中を通して食べられている。香港から伝わり定着したため、飲茶の中の一品としても食べられる。
臭豆腐 (中国語:チョウドウフ/ㄔㄡˋ ㄉㄡˋ ㄈㄨˇ、台湾語:チャウタウフー/chhàu-tāu-hū)
豆腐を発酵させた食品。油で揚げる臭豆腐、辛いスープで煮込んだ麻辣臭豆腐、串焼き臭豆腐、蒸す臭豆腐などさまざまな調理法がある。かなり強烈な匂いを発することでも知られており、屋台でこれを揚げているときなどは、10mくらい先からでも匂いでそれとわかる。食べる際には調理時ほど匂いは強烈ではない。
甜不辣 (中国語:ティエンブーラー/ㄊㄧㄢˊ ㄅㄨˊ ㄌㄚˋ、台湾語:テンプーラー/thiân-puh-la)
日本から伝わった九州の天ぷら、関東での薩摩揚げにあたる。魚のすり身を揚げて、一口大に切り香辛料をかけて食べる屋台料理。
基隆天麩羅は台湾の甘辛い赤色のソースをかけて食べる。名前の通り基隆がルーツ。胡瓜との相性が良いため、薄切りの胡瓜の甘酢漬けを乗せて出される。
滷味中国語版 (中国語:ルーウェイ/ㄌㄨˇ ㄨㄟˋ、台湾語:ロービー/ló͘-bī)
台湾風煮込み。セルフサービスでお客が肉、野菜、練り物、インスタント麺などを好きな食材を選んでザルに取ると、店員が八角を効かせた味の濃い醤油スープ(滷水)で煮込んでくれる。学生に人気があり、師大夜市などの学生街で多くみられる。
豬血糕 (中国語:チューシェガオ/ㄓㄨ ㄒㄧㄝˇ ㄍㄠ、台湾語:ディーフエークェ/ti-hoeh-kóe)
豚の血ともち米を蒸した食品。食べ方は蒸す、煮る、串焼きなど。串焼きにした豬血糕はピーナッツ粉と香菜をまぶして食べる。
肉圓 (中国語:ロウユエン/ㄖㄡˋ ㄩㄢˊ、台湾語:バーワン/bah-uân)
ぶるんとした皮があり、中は粗い肉団子のような餡が入る。
割包
台湾風にアレンジされたハンバーガー
蛋餅

飲料・デザート[編集]

愛玉
草莓冰
豆花
愛玉 (中国語:アイユー/ㄞˋ ㄩˋ、台湾語:オーギョー/ò-giô)
愛玉子から抽出した多糖類で固めた黄色いゼリー状の食品。ボウルのような大きな器入れて冷やし固めたものを、お玉などで掬って小分けにし、これに氷を加え、シロップやレモン汁をかけて食べる。黒い仙草と並んで夜市での代表的なデザートメニューのひとつ。
珍珠奶茶 (中国語:ヂェンヂューナイチャー/ㄓㄣ ㄓㄨ ㄋㄞˇ ㄔㄚˊ)
タピオカティー烏龍茶やミルクティーにタピオカパールを入れた飲料。「泡沫紅茶」などの名前でも知られている。タピオカの粒が大きく、これを吸うためにかなり太めのストローを使用する。特に若い女性の旅行者を中心に日本でも人気が出ており、2000年頃から東京などでもこれをメニューに加えている店が出始めている。
木瓜牛奶中国語版 (中国語:ムーグワニウナイ/ㄇㄨˋ ㄍㄨㄚ ㄋㄧㄡˊ ㄋㄞˇ、台湾語:ボックエグーリン/bo̍k-koe-gû-lin)
パパイアの果汁と牛乳を混ぜた飲料。高雄にある「高雄牛乳大王」のものがルーツといわれている。現在では台湾全国各地に広まっている。
他にもマンゴーイチゴアボカドなど新鮮な果物や野菜の牛乳飲料がある。
刨冰 (中国語:バオビン/ㄅㄠˋ ㄅㄧㄥ、台湾語:ツアーピン/chhoah-peng、台湾語漢字:礤冰
かき氷。普通の氷を削った刨冰にはマンゴー、イチゴなどの果物やトウモロコシピーナッツなどのトッピングを乗せる。
雪花冰(シュエホゥアビン)は練乳を混ぜて作った氷を削るフワフワとした食感のカキ氷である。
泡泡冰中国語版(中国語:パオパオビン/ㄆㄠˋ ㄆㄠˋ ㄅㄧㄥ)は果物などの材料と氷をかき混ぜて空気を含ませるソフトクリームのような食感のデザートである。
豆花 (中国語:ドウホゥア/ㄉㄡˋ ㄏㄨㄚ、台湾語:ダウフエー/tāu-hoe)
石膏で固めた、柔らかい豆腐に、黒蜜などのシロップを掛け、煮豆や白玉などをトッピングして食べるデザート。量の割にはカロリーが抑え目で、タンパク質も取れるヘルシーなデザートとして、日本でも女性を中心に人気のあるデザート。
酸梅湯中国語版(中国語:スヮンメイタン/ㄙㄨㄢ ㄇㄟˊ ㄊㄤ)
青梅を燻製にして乾燥させた烏梅を水出し、または煮出した物を濾し、甘草、キンモクセイ、砂糖などを加え、冷やした飲み物である[9][10][11]。元となった飲み物は1290年以前の宋の時代の書物「武林舊事」に記述され、清の時代に酸梅湯の名が正式名称として定着した。当初は宮廷でのみ飲まれていたが、次第に民衆に広がった。中華の伝統的な夏の暑さを払う飲み物である[12][13]

菓子[編集]

太陽餅 (中国語:タイヤンピン/ㄊㄞˋㄧㄤˊㄅㄧㄥˇ)
鳳梨酥 (中国語:フォンリースー/ㄈㄥˋㄌㄧˊㄙㄨ、台湾語:オンライソー/ông-lâi-so͘)

脚註[編集]

  1. ^ a b c 下川 pp155-159, p280
  2. ^ 下川 p88, p142, p280
  3. ^ 下川 pp140-142, pp151-154
  4. ^ 下川 p98
  5. ^ 日本に行って困ったこと 「それは台湾料理の味がしないと感じること」=台湾メディア Seachina 2021-06-17 14:12 (2021年7月19日閲覧)
  6. ^ a b c d 福永淑子「台湾料理 -米を中心にして-」『調理科学』第21巻第2号、日本調理科学会、1988年、 119-124頁、 doi:10.11402/cookeryscience1968.21.2_119
  7. ^ 台鉄弁当公式ウェブサイト (携帯)(正体字中国語)
  8. ^ 台湾の駅弁 台北ナビ
  9. ^ 金受申 (1989). 老北京的生活. 北京出版社. pp. 15-18. ISBN 7200009393 
  10. ^ “酸梅汤渐行渐远”. 深圳飲食网. (2005年6月30日). http://www.szeat.net/news/html/2005-06/3009560010159.shtml 2015年4月29日閲覧。 
  11. ^ Pick up something Chinese”. China Daily (2007年6月4日). 2008年12月21日閲覧。
  12. ^ Brown Chiang, Lydia (1995年). “Peking Cuisine: The Food of Emperors”. Travel In Taiwan. 2008年12月21日閲覧。
  13. ^ Li, Rocky (2008年7月1日). “Suanmeitang, Cool and Refreshing, Like a Summer Breeze”. Beijing This Month. 2009年1月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年12月21日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]