春巻き

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春巻き。餃子の王将にて

春巻きはるまき、「春巻」、「春捲」とも書く。中国語繁体字春卷簡体字春卷拼音: chūnjuǎn、チュンヂュアン)は、中国料理点心の1つ。

概要[編集]

広東省の春巻

南方の広東料理では、豚肉タケノコシイタケ黄ニラなどを千切りにして炒め醤油などで調味したものを、小麦粉で作った皮で棒状に包み、食用油揚げたものが一般的である。香港広州では、飲茶の際に食べることが多く、ウスターソースを付けることもある。日本の中華料理店でもこのタイプのものが多いが、広東省や香港では黄ニラを使うことが多いのに対し、日本では緑のニラやネギを使うので風味が少し異なる。

山東料理の春巻は、比較的厚い皮を用い、外にさらに天ぷらのような衣や溶きを付けて揚げるという。関連は不明だが、山東料理が比較的多く伝わっているとされる大阪神戸では、薄焼き卵を皮として用いた春巻を出す店が多い。これは北米生まれの中華料理であるエッグロールともよく似ており、全国展開を行っている大阪王将でも、西日本限定ではあるが「玉子春巻き」という名前でメニューに載せている。

浙江省などの華中華北では小豆を包んだ甘いものが多く、宴会料理の1品となることもある。また、ナツメ餡などを包むものもある。

皮がパリッと揚がっていることがおいしさの要件となるので、最初は比較的低温で揚げ、再度、場合によっては再々度、高めの温度で揚げ直すという手法をとることが多い。

名称の由来[編集]

元々は、立春のころ、新芽が出た野菜を具として作られたところから「春巻」と名付けられた。英語圏においては、直訳した「スプリングロール」の名で流通している。なお、後述の生春巻きは「スプリングロールより後に伝わった」との理由で「サマーロール」の名で呼ばれている[1]

各国の春巻き[編集]

中国福建省台湾では「潤餅」(ルンビン、ルンピア)と呼ばれる鉄板で小麦粉の生地を焼いて皮を作り、千切りの人参、大根、砕いたピーナッツなどの具を巻く料理があり、主に屋台で売られている。

フィリピン料理にはルンピア(lumpia)と呼ばれる細巻きの春巻きがあり、揚げて食べることが多い。福建料理の「潤餅」(ルンピア)が変化したものと考えられる。また、インドネシアでもルンピアと呼び、ジャワ島スマランでは名物料理となっているが、唐辛子ニンニクスイートチリソースなどを付けて食べる。

ベトナム料理生春巻き(ネムクオン/ゴイクオンNem cuốn/Gỏi cuốn)は日本で有名であるが、ベトナムでは油で揚げた春巻き(ネムザン/チャーヨー、Nem rán/Chả giò)(en)が一般的である[2]。皮は生・揚げともにライスペーパーを用いるが、揚げ春巻きの皮は特に薄く、中国の厚い小麦皮の春巻きと比べて小型で、ぱりぱりしている。甘酸っぱいヌクチャムを付けて食べる点も中華料理と異なる。生春巻きは海老、香草、ブン(Bún、ビーフン)などを包む一方、揚げ春巻きは主に豚ひき肉とミエン(春雨)を包み、単体で食べるほか、ブンの冷やし麺料理に乗せることもある(ブンネム/ブンチャーヨー、Bún nem/Bún chả giò)。中部のフエにはバインチャンゼー(bánh tráng rế)と呼ばれる網状の皮を使って作るチャーゾーゼー(chả giò rế)という変種もある。

タイ料理にはポーピア(タイ語: ปอเปี๊ยะ)と呼ばれる蒸し春巻きがあり、潮州料理の「薄餅」(ポッピア)(zh)が伝わったものである。油で揚げたものはポーピア・トート(ปอเปี๊ยะทอด)という。

シンガポールでは辛く味付けしたエビのすり身を包んだ、ミニサイズの春巻き「シュリンプロール」が売られている。また、インド料理サモサに近い、カレー味の三角春巻きも作られている。

アメリカ合衆国カナダの中華料理店では、卵を多く用いた皮を使用するエッグロール(egg roll)と呼ばれる春巻きも作られている。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ 地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅の御話しサマーロール
  2. ^ <世界の食紀行> 〜 ベトナム編 〜 ベトナムの揚げ春巻きのレシピ