臭豆腐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
臭豆腐
Stinky Tofu Fried.jpg
台北の揚げ臭豆腐には甘辛のたれと白菜漬けが添えられる。
各種表記
繁体字 臭豆腐
簡体字 臭豆腐
拼音 chòudòufu
注音符号 ㄔㄡˋ ㄉㄡˋ ˙ㄈㄨ(ㄈㄨˇ)
発音: チョウドウフ
広東語発音: chau3dau6fu2
台湾語拼音 Chhàu-tāu-hū
テンプレートを表示

臭豆腐(しゅうどうふ、チョウドウフ)は、豆腐で作られる加工食品、およびその料理。台湾中国大陸香港など、主に華南で食べられていたが、近年は上海北京などでも提供されるようになった。主に調理をした軽食として屋台で売られるが、専門店もあり、レストランで提供される場合もある。

北京など、華北にも古くから「臭豆腐」と呼ばれる豆腐の加工食品があるが、塩漬けした「腐乳」の一種で、風味や食べ方が異なるものである。

概要[編集]

元来臭豆腐湖南省郷土食であったが、近世中国各地に伝播した。中国南部、台湾、香港などの地域では広く食べられているが、独特の臭い匂いがあるため、人によって好みが分かれ地元民であっても食べられない者もいる。台湾では外省人が戦後広めた[1]

元は野菜などと一緒に豆腐を1週間ほど漬け込んで作っていたが、発酵の制御が難しく今はほとんど行われていない。台湾、香港で市販されているものは植物の汁と石灰等を混合し、納豆菌酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を一晩程度つけ込んだ物。豆腐自体の発酵はほとんどしていないが、豆腐表面の植物性タンパク質が、漬け汁の作用で一部アミノ酸に変化し、独特の風味と強烈な匂いを発するようになる[2]

豆腐を乾燥保存する過程で発酵を伴う食品は中華文化の影響を受けた諸地域に広くみられるため、臭豆腐はこの系統の食品と考えられる。また、華南にはなれずしを作る文化があったため、その影響も考えられる。なお、豆腐の「腐」は古い時代の「集める」という意味によりつけられたもので、豆腐自体が発酵食品であったというのは俗説である。

地域差[編集]

湖南省長沙の黒い臭豆腐の屋台

臭豆腐は、地域によって、使用する漬け汁を含めて、製作方法が違うため、形や食べ方も大きく異なる。

湖南省長沙市の主流の漬け汁は真っ黒で、白い豆腐が黒く変色してしまうが、これも揚げて唐辛子の激辛タレをかけて食べる。「黒皮豆腐」とも称され、長沙では、ホテルのレストランでも食べられることが多い。他に「黄皮豆腐」と呼ばれるものを使い、鍋料理を出す店もある。

江蘇省南京市の臭豆腐には灰色の干し豆腐タイプもある。硬くしっかりしているため、四角く切り分け、揚げる時間は長めにして、刺しにして提供される。

台湾や香港では、薄く灰緑色に色づいた程度のものをで狐色に揚げて、豆板醤のタレをつけて食べる。屋台では臭豆腐を串焼きにして提供する店もある。揚げる調理過程で、臭気が周囲に広がるので、提供している店の存在がすぐに分かるほどであるが、揚げた後の豆腐は香ばしさが加わり、食べやすくなる。

浙江省紹興市では、野菜系の漬け汁に、3センチ角程度に切った、押し豆腐を一晩漬け、油で揚げて、辛いたれを付けて食べる。

他に、台湾では辛い味付けの鍋料理のように煮込む「臭臭鍋」と呼ばれる食べ方がある。浙江省などでは臭豆腐をつぶして野菜のみじん切りや調味料を加え、蒸すまたは揚げて成型したものを出すレストランもある。

北京東北地方には、塩分の高い汁に比較的長期間浸けた臭豆腐があり、カビ付けしたものもある。腐乳の一種で、風味は塩辛に似ており、などに少量乗せておかずとして食べる。の西太后慈禧も好んで食べたといわれる。現在は著名な王致和ブランドのものなど、通常瓶詰めで売られている。

商品[編集]

  • 長沙では揚げてたれをからめ、真空パックにした商品が売られている。常温で数ヶ月間の保存が可能となっている。
  • 香港では、T for Candyという会社から『香港無印美食第四章街頭小吃』と称するフィギュアのひとつとして臭豆腐が発売された。揚げ鍋や串刺しにしたものをセットにした樹脂製のミニチュアで、もちろん食べることはできない。

臭い食べ物の代表例[編集]

シュールストレミング 8070
ホンオフェ 6230
エピキュアーチーズ(缶詰チーズ) 1870
キビヤック 1370
くさや(焼きたて) 1267
鮒寿司 486
納豆 452
くさや(加熱前の干物) 447
沢庵漬け(古漬け) 430
臭豆腐 420

数字はアラバスター単位 (Au) による測定[3]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 1949年に湖南省の李名傳が広めたという説がある。
  2. ^ 2016年2月には、日本のJR関西線の普通列車の車内で、臭豆腐の水分と思われる液体が車内に漏れ出したことにより異臭騒ぎが起き、電車が運行を打ち切る事態に発展したこともある。参照:JR関西線で異臭騒ぎ 原因は中国などで食べられる「臭豆腐」か FNN(2016年2月9日)。
  3. ^ 昭文社-なるほど知図帳2009「世界」51ページ。ちなみに、上記データを監修した小泉武夫教授(東京農業大学)の使用済み靴下は 120 Au だった。