はたらく細胞

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はたらく細胞
ジャンル 科学
漫画
作者 清水茜
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年シリウス
発表号 2015年3月号 - 連載中
巻数 既刊5巻(2017年8月9日現在)
漫画:はたらく細菌
原作・原案など 清水茜(監修)
作画 吉田はるゆき
出版社 講談社
掲載誌 なかよし
発表号 2017年5月号 - 連載中
漫画:はたらかない細胞
原作・原案など 清水茜(監修)
作画 杉本萌
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年シリウス
発表号 2017年9月号 - 連載中
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画

はたらく細胞』(はたらくさいぼう)は、清水茜による日本漫画作品。『月刊少年シリウス』(講談社)にて、2015年3月号より連載中。第27回少年シリウス新人賞大賞した読切作品『細胞の話』を連載化したもの。作者初の連載作品。

人間の体内のなかにある細胞擬人化した作品。主人公的な位置付けのキャラは赤血球白血球。キャラは全て細胞名で統一されているため、名前はない(個体識別番号のみ)。病原体などはモンスター・怪人化して描かれている。2016年宝島社「このマンガがすごい」7位。

スピンオフ作品として、『なかよし』2017年5月号から吉田はるゆきによる漫画「はたらく細菌」、『月刊少年シリウス』2017年9月号から杉本萌による漫画「はたらかない細胞」が連載されている。

あらすじ[編集]

新米の赤血球は、二酸化炭素を運搬しなければならなかったが、迷子となる。そこへ床(血管内皮細胞)を突き破り、肺炎球菌が出現する。街(体内)を襲い始める菌に白血球が駆けつけ駆除するのであった。

登場人物[編集]

細胞[編集]

血球[編集]

赤血球(せっけっきゅう)
仕事は、体の隅々の細胞へ酸素を運び、肺へ二酸化炭素を送ること。性別は男女ともに存在する。制服は黒のインナーに赤のジャケットで、ジャケット部分は動脈静脈でリバーシブルになっている(女子制服は短パン)。
AE3803
主人公の位置付け的なキャラの一人。新米のドジっ子運送屋。よく迷子になる女性。帽子の中からでも飛び出すアホ毛が特徴。アホ毛は不吉な時にザワつく。肺炎球菌に襲われたことから、白血球と知り合う。
赤芽球(せきがきゅう)
赤血球の幼少時代の姿。前駆細胞として生まれた後、造血管細胞によって赤血球に選別された者が赤芽球として成長する。一人前になるまでは赤色骨髄の中で過ごし、迷路遊びやかくれんぼで資質を学んでいく。卒業すると細胞核を取って赤血球として働く。
「彼女」はこの時から迷子になりやすく、その際も迷子が原因で細菌(緑膿菌)に襲われている。
AA5100
赤血球の先輩。ロングヘアーの女性。迷子になりやすい赤血球と一緒に配達をしてあげている。
NT4201
新米赤血球。黒髪の長身女性。生まれつき出来が良く、クールな性格。当初はやや傲慢で免疫細胞の事を「野蛮」と見下していたが、赤血球の下で研修を積み、次第に周囲と打ち解けていく。
DB5963
輸血によって体内に運ばれた別の「体」からやってきた赤血球たちのリーダー格。眉毛の太い青年の姿をしている。出血多量で壊滅寸前に陥る人体を救うべく尽力し、復興を成し遂げた。古くからいた血球たちとはすぐに馴染んでいる。
白血球/好中球(はっけっきゅう/こうちゅうきゅう)
主人公の位置付け的なキャラの一人。制服は純白のツナギと帽子。仕事まじめでクールな男性。面倒見がいい。配属は好中球課、コード番号は「U-1146番」。彼以外にも何万何億という白血球が存在しており、敵を見つけるや否や鬼神の如く戦う。
仕事は、体内に侵入したウイルス細菌などの駆除班(武器はダガーナイフ)。しかし容赦なく駆除を行うためその姿は周りから恐れられている。
骨髄球(こつずいきゅう)
白血球(好中球、好酸球、好塩基球)の幼少時代の姿。緑膿菌に襲われていた赤芽球を助けた。正義感の強い少年で、白血球(主人公)にどことなく似ている。
血小板(けっしょうばん)
見た目は園児から小学校低学年くらいの幼い子供たち。
血管が損傷(すり傷など)した際に、集合して傷口を塞ぐ。これが乾くとかさぶたになる。

免疫細胞[編集]

ヘルパーT細胞(ヘルパーティーさいぼう)
メガネ男子の司令官。細胞たちへ外敵の情報や対策などを知らせる。おやつのクッキーの粉が頬についたままで司令を出すなど、おっちょこちょいな一面もある。
胸腺時代から「ヘルパーにも制御にもキラーにも道が開ける天才」と称されたエリートであり、(後の)キラーT細胞から「肩の力を抜いたほうがいい」と言われたことが後の人格形成に寄与する結果となる。
制御性T細胞(せいぎょせいティーさいぼう)
ヘルパーT細胞の秘書のような立ち位置の女性。
胸腺時代はヘルパーT細胞やキラーT細胞と同期だった。
記憶細胞(きおくさいぼう)
古くから伝わる言い伝えによる、スギ花粉の襲来が『世界の終わり』であることに怯える。
仕事は、抗原の免疫を記憶しているリンパ球(白血球の一種)。B細胞の抗体の製造にかかわっているため、B細胞からは頼られている。
キラーT細胞(キラーティーさいぼう)
筋骨隆々の男性で、黒い作業着をまとう“殺し屋”。攻撃的で怖がらせることが好き。単純な性格なため、NK細胞にいいように利用されることも。
細胞傷害性T細胞とも呼ばれ、ヘルパーT細胞の命令を受け、癌細胞などの異物を殺すリンパ球
胸腺ではヘルパーT細胞とライバル関係にあり、落ちこぼれと揶揄されていたものの、(後の)ヘルパーT細胞の助けもあり無事ナイーブT細胞として卒業。その際に彼から言われたことが後の人格形成に寄与している。
メモリーT細胞(メモリーティーさいぼう)
キラーT細胞の一部。見た目はほぼ彼らと同じだが、敵が出現したときに再び攻撃をしかけるよう、その記録を可愛らしい本にまとめている。
ナイーブT細胞(ナイーブティーさいぼう)
T細胞戦闘員の下っ端。男性。抗原と一度も遭遇したことがない未熟なT細胞で、性格も臆病。
エフェクターT細胞(エフェクターティーさいぼう)
とあるナイーブT細胞が樹状細胞の助言により活性化した姿。見た目はキラーT細胞以上にたくましくなり、分裂増殖もする。インフルエンザ事件後も成長したままの姿でキラーT細胞と共に働いている。
B細胞(ビーさいぼう)
明るく熱血的な性格の青年。外敵(抗原)に対し武器(抗体)を発明し駆除する。
マスト細胞(マストさいぼう)
白衣を着た女性。過剰に作られたIgE抗体の刺激に反応して、装置を操作しヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を分泌する。
肥満細胞とも呼ばれるが、肥満とは関係ない。
マクロファージ
白血球の一種で、細菌などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す役割をもつ。女性。見た目は一見か弱く見えるお嬢様だが、ウイルス集団にも動じず笑顔でナタを振り回して敵を殺すなど、その殺傷能力はかなり高い。
赤芽球や未熟胸腺細胞の育成も行っており、彼らのクラス担任を務めている者もいる。
単球(たんきゅう)
白血球の一種で、全身防護服の人物。貪食性、遊走性が旺盛な強力な免疫細胞。血管から外に出ると"ある細胞"に進化する。
樹状細胞(じゅじょうさいぼう)
周囲に突起を伸ばした大樹の中で、受付のような場所にいる男性。体内に侵入してきた細菌や、ウイルス感染細胞などの断片を抗原として提示し、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。
ナイーブT細胞を活性化させることも仕事の内で、キラーT細胞達の昔のアルバム写真を見せることで彼を元気づけた。
ランゲルハンス細胞(-さいぼう)
外国人紳士風の男性。異物の侵入を体内に知らせるのと、体表の乾燥を防ぐのが主な仕事。
好酸球(こうさんきゅう)
金髪ツインテールの女性で、ピンク色のツナギを着ている。武器は二股の。白血球の一種である顆粒球の一つで、寄生虫が体内に侵入した際、その殺傷を助けるなど、寄生虫感染に対する防御を行う。
細菌に対しての戦闘能力は弱いが、それでも細菌から血球を守ろうと立ち向かうなど正義感は強い。
好塩基球(こうえんききゅう)
白血球の一種。特定の抗原に出会うとヒスタミンなどが放出され、アレルギー反応を引き起こすとされている。
傘を持ち、目以外を覆った服装をした男性で、好中球(白血球)と好酸球を問題部位に導く役割をもつ。しかし、いわゆる厨二病のような難解な台詞で喋るため、白血球には伝わらなかった。好酸球は理解できている様子。
NK細胞(ナチュラルキラーさいぼう)
全身をパトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞を見つけ次第攻撃するリンパ球。武装はサーベル。攻撃的な筋肉質の女性で、現場に居合わせたキラーT細胞をからかったりしている。
頭の切れる面もあり、また笑うことでその刺激により活性化し強くなる。
M細胞
腸内の平和を守るパイエル板の管理者。ダンディな紳士風の外見をしており、腸で暴れる病原体を保護するふりをして免疫細胞に引き渡すのが主な仕事。

その他[編集]

造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)
血液中の赤血球、白血球、血小板などの血液細胞を産生する細胞。看護師姿の女性。血球たちを種類ごとに選別するのが仕事。
胸腺上皮細胞(きょうせんじょうひさいぼう)
強面の男性。T細胞候補生を育成すべくビシビシ鍛え上げる鬼教官。
皮脂腺細胞(ひしせんさいぼう)
毛穴で皮脂を作る細胞。アクネ菌にこき使われていたが、U-1146に救われる。ストッキングのような帽子が特徴。
色素細胞(しきそさいぼう)
メラニンを形成する細胞。アラビア風の衣装を着た女性。皮脂腺細胞共々アクネ菌に奴隷のように扱われていた。
毛母細胞(もうぼさいぼう)
体毛を作り出す細胞。少年の姿をしている。アクネ菌の恐怖に怯える皮脂腺細胞を鼓舞し、反逆の引き金を引いた。
腸管上皮細胞(ちょうかんじょうひさいぼう)
腸内の栄養・水分の吸収を行う細胞。真っ黒なダイビングスーツを着用している。
細胞(さいぼう)
一般市民のような存在。「細胞」と書かれたTシャツを来ているのが特徴。只管細胞分裂を繰り返すのが役目。

病原体[編集]

肺炎球菌
第1話に登場。肺炎の原因となる強力な細菌で、肺胞に侵入して赤血球を破壊し、最悪の場合を破壊する最悪の部類の病原体。
スギ花粉アレルゲン
第2話に登場。スギ花粉内部に存在するタンパク質で、図体は大きいがこれと言って敵性は無い。しかし好中球ら免疫細胞はこれを殺さざるをえない。
インフルエンザウイルス
第3話に登場。細菌とは異なり現実世界のウイルスそのままの姿をしている。細胞を殺してゾンビ化させて操る(帽子のように細胞の死骸の脳にピッタリとはまり込む)習性を持つ。
黄色ブドウ球菌
第4話に登場。肺炎球菌に似た姿をしているが、下半身は蛸状になっており、言動も女性的。肺炎球菌の遺した情報を元に擦り傷から体内に侵入し、破傷風を引き起こそうとした。
上記個体の姉を名乗る別個体が第15話で登場。合体して巨大化し、フィブリンを作り出して好中球軍団を一網打尽にするも、駆け付けたマクロファージ部隊により討伐される。
化膿レンサ球菌
第4話に登場。肺炎球菌に似た姿をしている。本来なら無害な体内常在菌であるが、黄色ブドウ球菌軍団の侵入に伴い凶暴化した。
緑膿菌
第4話に登場。黄色ブドウ球菌と共に体内に侵入した。現実世界の細菌のそれに近い姿をしており、巨大な単眼を持つ。
別個体が7話の回想でも登場し、赤芽球を襲っていた。栄養を必要としないにも関わらず、楽しいからという理由で血球を虐げ殺戮する残虐性を持つ。
腸炎ビブリオ
第5話に登場。食中毒の原因となる大型の細菌で、毛玉のような形をしている。
アニサキス
第5話に登場。ビブリオと共に胃袋で暴れ回り、胃壁を食い破って大暴れした大型の多細胞生物(寄生虫)。細菌とは比べ物にならないほどの巨体。
セレウス菌
第6話に登場。非常に熱に強い細菌。熱中症で倒れた際に生じた傷口から体内に侵入した。高熱により機能が低下した白血球を嘲笑い、眼前で水を零して愚弄するなど卑劣な性格。
がん細胞
第8話に登場。細胞の分裂エラーで生まれるできそこないの細胞で、何の役にも立たず、無限に増殖し続け、やがて器官を乗っ取ってしまう。通常の細胞と異なり髪が白く、全身を脈が走った不気味な姿をしている。毎日何千個も生じているが、増殖する前に殺されている。
がん細胞の親玉
第8話に登場したがん細胞の親玉。何もしていないにもかかわらず免疫細胞に追い回され殺されるという理不尽な境遇を恨み、人体全てを乗っ取ろうと画策した。通常細胞に化けて免疫を欺き、NK・好中球・キラーT細胞の三人に対しても終始優勢に立ち回る程に増幅・強化していたが、赤血球の呼び出した増援を受けた三人により討伐される。死の直前にも「僕はただ生まれてきただけなのに…」と己の出自を恨み、「通常細胞のフリをしていた時、あんた(好中球)に優しくされたのはちょっと嬉しかったぜ」と語っていた。
ライノウイルス
第11話に登場したウイルス。風邪の原因となる。帽子に擬態し、下らないイタズラで体細胞の興味を引き、ゾンビ化させようと目論んだ。
ムンプスウイルス
第13話に登場したウイルス。感染した細胞をおかめのような顔に変え、「フク〜」しか言えないゾンビにしてしまう。圧倒的な増殖力と結束力で白血球たちを追い詰めたが、過去の予防接種の獲得免疫を思い出した記憶細胞とB細胞の形成した抗体により全滅する。
アクネ菌
第14話に登場。ウナギに手足を付けたような姿をしている。皮脂が大好物で、毛穴に住み着いて細胞たちを牛馬のように扱き使い皮脂を無理矢理生成していた。
アクネ菌の親玉
白血球の数十倍の巨体を持つ。今まで警邏に来ていた白血球を何千匹と殺し、毛穴の底に膿としてコレクションしていた。周囲の皮脂を食うことで怪我を負ってもすぐに回復してしまうが、毛母細胞らに大量の皮脂を流し込まれ、逃げようとしたところをU-1146に仕留められた。
デングウイルス
第16話に登場したウイルス。によって運ばれる。天狗のお面のような形をしており、ランゲルハンス樹状細胞を感染させて天狗に変え、体内に大嵐を巻き起こした。
ミュータンス菌
第17話に登場した、虫歯の原因となる細菌。ドロドロのゲル状で、白血球との戦いは壮絶な死闘となった。
カンピロバクター
第19話に登場した細菌。下半身がスナーク風になっている。腸管上皮細胞を人質に取り、恨み重なる白血球たちを辱しめたり同士討ちさせたりして散々弄んだが、免疫細胞たちの結託によりパイエル板におびき寄せられ、追放された。

ピロリ菌 第20話に登場した細菌。「ピロリー」と鳴いたり、普通の日本語を話したりする。胃酸に強く、胃酸地獄

書誌情報[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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