序ノ口

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序ノ口(じょのくち)は、大相撲番付の最下位の階級。序二段の下、番付外(前相撲)の上。全階級の内で実質6部に相当する。

概要[編集]

前相撲を取り出世した者が、初めて番付に名前を載せることができる地位である。通常15日間で7番の相撲を取る。ただし取組編成上の調整のため1人だけ八番相撲が組まれることもある。

番付表では最も小さい文字で書かれるため[1]、「虫眼鏡」とも呼ばれる。元々は、番付の上り口という意味で「ノ口」と表記したが、「上」は上位と紛らわしくなるため、「ノ口」が用いられるようになった。上から数えると五段目であるため、かつては「五段目」とも呼ばれた。「物事のとりかかりの部分」を意味する「序口」は、これに由来している。

定員は特に決まっていない。序二段との比率は、規定はないが、序二段3~4に対して序ノ口1程度である。新弟子が激増した1990年代前期から中期にかけては東西70枚以上ある場所もあった。現在までの最多枚数は1992年5月場所における77枚である。逆に終戦直後は極端な新弟子不足で、1945年11月場所と1946年11月場所は序ノ口に力士が1人もいなかった。

毎年、中学卒業力士が入門する3月場所や、高校・大学卒業見込みの相撲経験者が多く入門する1月場所の、それぞれ翌場所には激しい優勝争いになることもある。かつては幕下付出に相当する実力の持ち主でも、近年の幕下付出基準の厳格化や、大学卒業を優先して付出の有効期限が切れたために序ノ口に付くようになり、特にこれらの力士が有力な優勝候補となる。

優勝賞金は10万円。同点者が複数いる場合は千秋楽に優勝決定戦を行う。幕下以下の他の地位に比べて人数が少ないため、6勝1敗で5-10人程度による決定戦になることが少なくない。

昇進・陥落要件[編集]

序ノ口に限らず、「番付は生き物」と俗称されるように、成績と翌場所の地位との関係は一定ではない。特に序ノ口、序二段は場所ごとに人数が変動するため、なおさら一定ではない。

番付は原則、勝ち越せば上がり、負け越せば下がる。しかし序ノ口では、特に3月場所では負け越しても、翌5月場所では新弟子が大量に序ノ口に登場するため、強制的に序二段に昇進させられる場合がある。勝ち越した場合は、2007年9月場所以降は全員序二段に昇進しており、相場としては「勝ち越せば確実に昇進」である[2]

一方、番付外への陥落は、序ノ口で全休(不戦敗含む)した場合に限られている。一旦番付外に陥落した力士は、再び前相撲を取って再出世する必要があるため、序ノ口で休場している力士でも、1番だけ強行出場することが多い。序ノ口で全敗でも序ノ口に残れるため、服部桜太志のように、全敗を続ける力士もいる。

記録[編集]

  • 序ノ口優勝回数の最多記録は、蘇堅太(阿武松部屋)の3回で、2011年1月場所(新序ノ口)・同年11月場所・2013年7月場所でいずれも7戦全勝だった。
  • 序ノ口在位場所数の最多記録は、笠力充将(二所ノ関部屋)の94場所で、番付に在位した157場所のうち、約6割を占めていた。

その他の用法[編集]

「序ノ口」は相撲の番付編成において最下級のものであるため[3]「程度が低い」「初っ端」などの意味合いが含まれる。以上のことから、例えば酒の呑みすぎを指摘された際などに「この程度は未だ未だ序ノ口」などという言い方で使用されることがある。

脚注[編集]

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  1. ^ 序ノ口力士の四股名が載る番付表の最下段は、親方等の名も載せるため、序ノ口力士に割り当てられるスペースは極めて小さい。
  2. ^ 力士数が大幅に増えた1990年代半ばには、5勝でもとどめられた例が多数あった。
  3. ^ 番付外新序新弟子を除く。

関連項目[編集]