不浄負け
不浄負け(ふじょうまけ)とは、相撲の取組中に廻しの前袋が外れて局部が露になること。
概要[編集]
露になった方の力士は即座に負けとなる。相撲の勝敗を決定する要素の一つではあるが、勇み足などと同様非技の一つに分類される。決まり手あるいは勝負結果の正式な名称ではなく、大相撲では日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定の中の【勝負規定】第16条に基づく反則負けとなる[1]。
| 勝負規定 第十六条 |
| 前褌がはずれて落ちた場合は、負けである。 |
| ─日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定 |
但し、勝負が着いて行司が軍配を上げた後に露になった場合はこの限りではなく、行司軍配に基づく勝敗が優先される。前例は不明であるが、制限時間前に露になった場合も当該取組の勝敗には影響しない。
相手力士の前立褌を掴んだり、指を入れて引いたりして不浄負けにしようとする行為は禁じ手であり、行った力士は反則負けとなる[1]。
| 禁手反則 第一条 |
| 相撲競技に際して、左の禁手を用いた場合は、反則負とする。 (…略…) 五、前立褌をつかみ、また、横から指を入れて引くこと。 |
| ─日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定 |
これはアマチュア相撲でも同様である。
尚、同規定に基づく反則負けが適用される条件は「取組の途中に」「相手の故意以外の原因で」「前袋が外れて」「局部が露になる」ことであるため、単に廻しの結び目がほどけただけだったり、露になった箇所が臀部のみだったりした場合はこの限りではない。
通常、廻しは何重にも硬く締めているため、実際に起きることはほとんどない。また、廻しが緩んでいることが確認でき、勝負を止められる場合は、いわゆる「廻し待った」をかけ、土俵上で組み合ったまま行司が締め直すことになっている。
実例[編集]
- ヒョンなはずみで男嶌の前袋が外れ、性器を曝け出す事態となって反則負けになった。[2]
- 五ツ海の廻しが外れて反則負けになった。
類似した事案[編集]
2009年3月場所12日目、山本山が嘉風に送り出しで負けた際、後ろ立褌を引っ張られ、後ろ立褌が緩んでほとんど外れてしまった。しかし、前褌は外れておらず、局部も露となっていなかったため、不浄負けとはならなかった。山本山は取材に対し、「完全18禁でしょ。あそこは緩むんです」とコメントした[4][5]。
2017年3月場所千秋楽、三段目の翠富士一成(伊勢ヶ濱部屋) 対 西山優太郎(尾上部屋)の取組で西山の締込廻しの前垂れが土俵についてしまったのを見て、勝負審判の九重が物言いの手を挙げ、『不浄負け』とみなして翠富士の勝利とした[6][7]。しかし日本相撲協会の勝負規定には「前褌がはずれて落ちた場合は負け」とされるが、「締込廻しの前垂れが落ちても負けではない」と規定されており、明らかな勝負審判の誤審であった。この取組を裁いた行司の式守友和[7]は翠富士に軍配を挙げてしまっていたために勝敗は取り消せずにそのまま翠富士の勝ちが確定したが、日本相撲協会は取組終了後に春日野清隆広報部長が「審判の認識不足」と見解を表した上で、当該の一番を検査した審判5人に対して厳重注意を行った[6][7]。
その他[編集]
- 「もろ出し」と言うこともあるが、これは「もろ差し」をもじった俗称であり、当然ながら相撲の用語として使われることはない。
- ファミリーコンピュータのゲームソフト『つっぱり大相撲』では、取組中に出場力士の廻しが外れて勝負が付くことがあり、その際の決まり手をゲーム内では「もろだし」と表記していた。同作品は他にも「ぶれえんばすたあ」や「すうぷれっくす」など、実際の大相撲にない決まり手を採用していた。
- 2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』(脚本:三谷幸喜)の中で、島田魁(演:照英)が相撲に参加してふんどしが切れるシーンが放送されている。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ a b “財団法人 日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定(抜粋)”. MMTS相撲. 2018年5月14日閲覧。
- ^ 大相撲力士名鑑 平成二十九年版より引用。
- ^ 見えてる見えてる…大相撲83年ぶりモロ出し/復刻 日刊スポーツ 2016年5月14日
- ^ 山本山お尻全開、TVに2秒/春場所 日刊スポーツ 2009年3月27日
- ^ 山本山のお尻があらわに/春場所 2009年3月26日 サンスポ
あわや!?山本山の尻があらわに…春場所12日目 2009年3月26日 スポーツ報知
18禁山本山が豊ノ島相手に7勝目 春場所 2009年3月27日 Infoseekニュース - ^ a b “土俵にまわし「前袋」、反則負けに…実は誤審でした”. アサヒ・コム. 朝日新聞社. (2017年3月26日) 2017年3月26日閲覧。
- ^ a b c “三段目で珍事 まわしの前垂れ土俵につき負け通告”. ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. (2017年3月26日) 2017年3月26日閲覧。
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