蹲踞

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蹲踞(そんきょ、そんこ)とは、体を丸くしてしゃがむ、または膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法を言う。

蹲う(つくばう)には平伏・平身低頭する意味、踞む(こごむ)は屈み込んだ状態を指し、腰をかけたり中腰の状態の踞ぐ(しりうたぐ)を指すことから転じて貴人が通行する際にしゃがんだ状態で礼をするさまを言う。

武道[編集]

蹲踞の姿勢をとる大相撲の力士

相撲剣道等においては、礼儀として試合をする直前に対戦する相手と仕切り線をはさみ、腰を下ろして向かい合う姿勢のことも言う。

相撲では爪先立ちで踵の上に尻を載せて腰をおろし、膝を開いて上体を起こした状態を指す。

剣道では相撲と同様の姿勢、または片膝を床に着けて立ち膝で上体を起こして姿勢を正した状態を言う。ときに竹刀を正眼に構えた状態で蹲踞する場合もある。伝統的な剣術では片膝を床につく折敷という礼法であったものが、剣道になった際新たに爪先立ちで踵の上に尻を載せる礼法が制定されたものである。

蹲踞は韓国では日本的なものとみなされるため、コムド(韓国剣道)は、蹲踞を廃して立礼を行っている。

日本拳法では、立礼・座礼と合わせて、三法と呼ばれている[1]

神道[編集]

日本の神道など宗教でお勤めをするときの姿勢や家来の武士が待機するときの座法の一つでもある。相撲などの蹲踞(そんきょ)とは違い、膝はとじた状態である。

蹲踞面[編集]

同じ姿勢を習慣的に続けていることで、股関節・膝・足首などにおいて、関節面の延長や圧痕などの特有の変化が発生するという。これを「蹲踞面」という[2]

脚注[編集]

  1. ^ 編者・日本拳法会『図説/日本拳法』2001年、12頁。
  2. ^ しゃがむ姿勢と日本人 なぜしゃがんで排便するのか - 屎尿・下水研究会

関連項目[編集]