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世話人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

世話人(せわにん)とは、大相撲において、相撲競技用具の運搬、保管等の管理にあたるとともに、その他上司の指示に従い服務する者をいう[1]力士行司などと同様に各相撲部屋に所属する。日本相撲協会の正規協会員ではなく嘱託職員という扱い。

概要

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若者頭助手を務める。世話人としては現役時の最高位の場所で名乗った四股名を名乗ることが通例とされる。明治後期より正式な職名としてあり巡業番付に掲載されていたが、本場所の番付には1949年5月場所より掲載され、1959年11月場所限りで削除後、1994年7月場所より再び掲載されている。番付上に書かれる位置は、現行の番付では東の最下段の親方衆より左側の欄である。かつては西の最下段の親方衆より左側の欄や、中軸の行司の下に書かれたこともあった。

採用

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世話人の新規採用は、引退した十両幕下力士で適格と認められる者から行うこととされているが[2]、かつては年寄名跡が不足していた事情もあったことから幕内経験者からも採用を行っていた。2021年8月に斎須が停年退職して以降は幕内経験のある世話人はいない。理事会において当該力士の師匠の推薦が必要とされ、長く現役を続け付け人や部屋雑務等裏方仕事の実務能力が優れる力士が採用される傾向にある。2024年の報道によると、就任の可否を決める試験もあるという[3]。また、部屋の有力力士の引退後のサポート役、有力部屋付き親方の部屋継承・分家独立後のマネージメント役として、部屋の師匠が就任を打診する場合もある。体力の限界で引退した訳ではない若手世話人の場合は、普通に部屋の関取衆の稽古相手を務める場合もある[4]

これまでに世話人に就任した力士のうち、年寄名跡襲名条件を満たしていたのは王湖[注釈 1]、琴千歳[注釈 2]、斎須[注釈 3]の3人。1998年5月1日に年寄名跡の襲名条件が変更して以降は、現行の襲名条件を満たしていた世話人はいない。

定員

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定員は当初12人[注釈 4]であったが、1975年7月より8人とされ、2004年1月以降は13人[注釈 5]。停年(定年。以下同)は1961年1月の停年制度施行時は55歳、その後1975年7月に60歳、1982年7月に63歳と引き上げられ、1990年1月以降65歳と定められている[5]が、年寄と違い定年後の再雇用の規定はない。相撲協会の嘱託職員という都合上、1996年10月までは年寄名跡を襲名し親方になる場合以外は、若者頭、世話人に転向し協会に残る場合も「引退」ではなく「廃業」と表現されていたが、同年11月以降は全て「引退」に統一された。

欠員が出れば随時補充されてきたが、2017年以降は欠員の随時補充がされず、現在も欠員状態が続いている。

2017年以降の推移
出来事在籍人数欠員数
2017年9月8日 友鵬が死去121
2019年11月3日 羽黒海が死去112
2020年4月1日 虎伏山が若者頭に転向103
2020年11月4日 白法山が停年退職94
2021年8月15日 斎須が停年退職85
2024年3月27日 海龍、勇輝、隠岐の富士が就任[6]112
2024年5月7日 福龍岳が停年退職103
2026年4月3日 陸奥北海が死去94

任務

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  • 相撲競技用具、明け荷等の運搬、保管等の管理[7]
  • 本場所での役員室の雑用
  • 木戸の係
  • 支度部屋の出入りチェック[7]
  • 電光掲示板の操作
  • 車の交通整理

世話人一覧

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現職の世話人

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2026年4月3日現在(欠員4人)

名前かな読み最高位現役時代の
所属部屋
就任月停年予定日所属部屋
(世話人就任後)
備考
栃玄王泰幸とちげんおう やすゆき幕下26春日野部屋1995年4月2030年9月27日春日野部屋
大日岳栄隆おおひだけ えいりゅう十両7春日野部屋
玉ノ井部屋
2004年1月2031年10月11日玉ノ井部屋
荒ノ浪二朗あらのなみ じろう幕下3武蔵川部屋2034年5月12日武蔵川部屋/藤島部屋
雷部屋
嵐望将輔らんぼー しょうすけ幕下13二子山部屋/貴乃花部屋2013年5月2037年7月1日貴乃花部屋
千賀ノ浦部屋/常盤山部屋/湊川部屋
幕下時代の四股名は福の隆 高雄(ふくのりゅう たかお)
栃の山博士とちのやま ひろし幕下2春日野部屋
千賀ノ浦部屋
2038年2月23日千賀ノ浦部屋/常盤山部屋
山響部屋
錦風真悟にしきかぜ しんご幕下1尾車部屋2015年2月2043年2月13日尾車部屋
押尾川部屋
隠岐の富士和也おきのふじ かずや幕下11八角部屋2024年3月2053年1月25日八角部屋
勇輝瞬臣ゆうき しゅんじ幕下20陸奥部屋2054年9月6日陸奥部屋
音羽山部屋
海龍元紀かいりゅう げんき幕下2田子ノ浦部屋
出羽海部屋
2055年2月28日出羽海部屋

以前の主な世話人

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名前かな読み最高位現役時代の
所属部屋
在職期間所属部屋
(世話人就任後)
備考
能登ノ山竜三のとのやま りゅうぞう十両13立浪部屋1958年5月 - 1971年7月
(死去)
立浪部屋
若乃里雄三わかのさと ゆうぞう十両5二所ノ関部屋
芝田山部屋/花籠部屋
1959年5月 - 1983年4月
(死去)
花籠部屋
宮坂清みやさか きよし十両17若松部屋
西岩部屋/若松部屋
1959年11月 - 1985年7月
(死去)
若松部屋十両時代の四股名は高瀬山 清たかせやま きよし
琴千歳晃精ことちとせ こうせい前頭5佐渡ヶ嶽部屋1986年9月 - 1991年7月
若者頭に転向)
佐渡ヶ嶽部屋
瀧見山延雄たきみやま のぶお十両4二所ノ関部屋1962年3月 - 1992年9月
(停年(定年。以下同)退職)
二所ノ関部屋
光若英夫みつわか ひでお三段目28花籠部屋1957年9月 - 1995年3月
(停年退職)
花籠部屋
放駒部屋
乾龍初太郎けんりゅう はつたろう十両5二所ノ関部屋
押尾川部屋
1978年5月 - 2011年1月[注釈 6]
(停年退職)
押尾川部屋
尾車部屋
王湖伊津男おうこ いつお前頭14友綱部屋1985年11月 - 2013年4月
(死去)
友綱部屋
總登光一ふさのぼり こういち幕下2大山部屋1986年2月 - 2016年3月
(死去[8]
大山部屋
高砂部屋
幕下時代の四股名は福本 光一ふくもと こういち
友鵬勝尊ゆうほう まさたか幕下1大鵬部屋1991年8月 - 2017年9月
(死去[9]
大鵬部屋/大嶽部屋現役時代の四股名は勇鵬
羽黒海憲司はぐろうみ けんじ幕下6立浪部屋2004年1月 - 2019年11月
(死去[10]
立浪部屋
虎伏山義幸とらふすやま よしゆき幕下2三保ヶ関部屋2004年1月 - 2020年3月
(若者頭に転向[11]
三保ヶ関部屋
→春日野部屋
白法山和壽びゃくほうやま かずひさ幕下2春日山部屋
安治川部屋
→春日山部屋
1986年10月 - 2020年11月
(停年退職[12]
春日山部屋
追手風部屋
中川部屋
宮城野部屋
斎須稔さいす みのる前頭2伊勢ヶ濱部屋1986年11月 - 2021年8月
(停年退職)
伊勢ヶ濱部屋
桐山部屋
朝日山部屋
伊勢ヶ濱部屋
福龍岳茂生ふくりゅうだけ しげお十両12出羽海部屋1992年10月 - 2024年5月[注釈 7]
(停年退職[13]
出羽海部屋
陸奥北海勝昭むつほっかい かつあき十両6安治川部屋2004年1月 - 2026年4月
(死去[14]
安治川部屋/伊勢ヶ濱部屋

大坂相撲の世話人

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  • 1927年に消滅した大坂相撲にも世話人の職があった。東京相撲の世話人とは職務、地位が異なり江戸時代までは力士が引退後は世話人に就任し一定年数務めたのち頭取(年寄)に昇格することが一般的であった。
  • 大坂相撲の頭取の歴代には世話人のみで終わった人物も数えられている。
  • 世話人は毎場所数十人在籍していた。

脚注

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注釈

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  1. 幕内1場所全勤以上(全勤1場所、当時の襲名条件)
  2. 十両(以上)通算25場所在位(37場所、当時の襲名条件)
  3. 幕内1場所全勤以上(全勤12場所、当時の襲名条件)
  4. 1960年1月場所では12人の世話人が在籍している。
  5. 2015年2月の錦風の就任から2016年3月の總登の死去までの期間は、就任者が14人になっていた。
  6. 2011年1月1日で停年を迎えたため、2010年12月に発表された2011年1月場所の新番付からは名前が外されていた。また、1996年頃の番付には下の名が「初男」「初太郎」と表記されている場所もある。
  7. 2024年5月7日で停年を迎えたため、2024年4月に発表された2024年5月場所の新番付からは名前が外されていた。

出典

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  1. 日本相撲協会寄附行為施行細則第41条
  2. 日本相撲協会寄附行為施行細則第68条
  3. 引退の隠岐の富士、故郷に 「今後は地元に貢献」  島民らねぎらう 山陰中央新報デジタル 2024/3/29 16:30 (2024年8月16日閲覧)
  4. 関脇転落の霧島が出稽古再開したことを明かす「優勝という強い気持ちで」10勝以上での大関復帰へ闘志 Sponichi Annex 2024年6月20日 13:20 (2024年6月21日閲覧)
  5. 日本相撲協会寄附行為施行細則停年退職規定第8条
  6. 暴力問題を起こした北青鵬や関取経験者ら17人の引退を発表 海龍ら3人は世話人へ」『日刊スポーツ』2024年3月27日。2024年3月27日閲覧。
  7. 1 2 『全部わかる 大相撲ガイド』田中 亮 著
  8. 世話人の總登が死去 60歳 日刊スポーツ 2016年3月30日閲覧
  9. 大嶽部屋世話人の友鵬勝尊氏死去 60歳 8日の稽古後倒れる - スポーツニッポン 2017年9月9日
  10. 世話人の羽黒海憲司さん死去、立浪部屋や協会支える」『日刊スポーツ』2019年11月5日。2019年11月5日閲覧。
  11. 虎伏山が若者頭に職務変更 相撲協会が人事発表 - 日刊スポーツ 2020年4月2日
  12. 相撲』2020年11月号、ベースボール・マガジン社、62頁。
  13. 「幕下以下番付/幕下以下優秀力士/力士改名」『相撲』2024年5月号、ベースボール・マガジン社、70頁。
  14. 元十両で世話人の陸奥北海さんが死去 61歳 伊勢ケ浜部屋所属…日本相撲協会が発表」『スポーツ報知』2026年4月3日。2026年4月3日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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